住宅の太陽光発電には蓄電池を!設置するメリットや費用について
公開日:2023.2.15 更新日:2024.4.17
近年では電気料金の節約や副収入を得る手段として太陽光発電システムを導入する家庭が増えています。
そんな住宅用の太陽光発電で役に立つアイテムが「蓄電池」です。
今回は住宅の太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリットや設置費用をご紹介します。
近年では電気料金の節約や副収入を得る手段として太陽光発電システムを導入する家庭が増えています。
そんな住宅用の太陽光発電で役に立つアイテムが「蓄電池」です。
今回は住宅の太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリットや設置費用をご紹介します。
蓄電池の役割は電気を蓄えることにあります。
住宅用太陽光発電システムと併用して使用する使用により、電気を生み出すことはもちろん、それを貯蔵していくことも可能にします。
蓄電池があることで、日差しが出ている時間帯に発電した電気を夜間でも使えるようにすることで、電気を自給自足することができます。
また、万が一停電が発生しても、貯蔵しておいた電気を利用していつもと変わらない暮らしができる可能性が高まるので、安心につながります。
こうした役割を可能にしているのが蓄電池の仕組みです。
蓄電池にはプラスとマイナスの2つの電極が存在し、電解液との化学反応が引き起こされることで充放電します。
プラスの電極は電解液に溶けにくい性質がある一方で、マイナスの電極は溶けやすくなっています。
電解質に溶けやすさのことを「イオン化傾向」と言い、2つの電極のイオン化傾向の差によって電圧が生じます。
溶けはじめた金属がマイナスからプラスに流れるのが放電であり、マイナス極の金属が溶け出さなくなると終了します。
蓄電池は放電と反対の方へ電気を送ることで蓄電を可能にし、正反対の化学反応を利用して充放電を繰り返していくのです。
さらに蓄電池には「一般負荷電源」と「重要負荷電源」が存在し、2つの電源は異なる分電盤につながっています。
一般負荷電源は、平常時に運転モードに応じて電力の供給や蓄電がなされます。
停電時には一般負荷電源が使用できなくなることで放電が発生し、重要負荷電源へ電力が送られます。
そして停電になると自動で電源を切り替えてくれます。
太陽光発電と住宅用蓄電池を組み合わせることで、さまざまな場面でメリットが発揮されます。
主なメリットは次の通り。
・災害時でも電気に困らない
前述したように、蓄電池の役割はソーラーパネルによる太陽光発電で得た電力を蓄えておくこと。
太陽光発電だけしか導入していない場合は、夜間や曇天・雨天時などには発電できないだけではなく、発電時でしか継続して利用することができません。
蓄電池さえあれば地震や台風などの自然災害に見舞われても、太陽光発電で得られた余剰電力を数日間利用できます。
・電気代節約につながる
電気代を安くできることも太陽光発電と蓄電池を組み合わせるべき理由の一つです。
ほとんどの電力会社では夜間は昼間と比べて電気料金が安く設定されています。日差しが出ている間は太陽光発電で得られた電力を利用し余った分を売電します。
そして安い夜間に買電して、蓄電池に貯えておいた電力を悪天候時や朝夕の発電量が少ない時間に使うことで、月々の電気料金を抑えることができます。
・余剰電力を自家消費に回せる
蓄電池さえあれば、仮に電力が余ってしまってもそれをそのまま自家消費分に充てることができます。
これにより、太陽光発電で得られた電力を無駄なく活用することが可能です。
その一方で太陽光発電と住宅用蓄電池を組み合わせるデメリットも存在します。
・使用できる電力が限られている
「蓄電池」と言っても、電気を貯められる量は無限ではなく、ポータブル式や小型の製品ですと蓄電容量が少ないため、製品によって電気を貯められる量が違ってきます。
使用した分は減るので、非常時に備えて蓄電しておく必要があります。
ただ蓄電池には「モード設定」、「放電開始時間」、「残量」などの設定が用意されていて、これらを使いこなすことで蓄電がしやすくなります。
太陽光発電で得られた電気を無駄なく使うためには、「使える量(残量)」を意識しながら電気を使う必要があります。
生活の中で電気が使える量を意識することはほどんどありませんが、容量を考えながら電気を使うことで節電意識が高めることができます。
・設置場所を選ぶ
家庭用蓄電池の大きさの目安は、幅100cm 奥行30cm 高さ120cmです。
また、設置場所は高温や低温になりすぎず、結露しない場所でなければなりません。
・定期的に交換する必要がある
蓄電池は充放電の回数に限りがあります。
充放電回数の寿命を超えると、蓄電容量が次第に減っていくので交換が必要になります。
交換する時期の目安や充放電サイクルの回数、残存容量はメーカーによって異なります。
太陽光発電に使う住宅用蓄電池には選び方があります。
これを知っておかないと後で後悔することになりますので、忘れないようにしましょう。
・住宅用蓄電池の目的で選ぶ
はじめに何のために蓄電池を導入するかを考えます。
自家消費用か災害時用かなどで必要な蓄電池の容量が異なります。
・太陽光発電に連携しているか確認する
すべての蓄電池が太陽光発電に対応しているわけではありません。
家庭用蓄電池ユニットには、太陽光発電と連携するタイプとしないタイプの2種類があります。
連携するタイプですと住宅用太陽光発電システムと家庭用蓄電池を連携し、発電した電気も蓄電されます。
連携しないタイプですと、電力会社から買電した電気を蓄電する機能のみを実装するものになります。
・保証期間に注目する
蓄電池を導入するにあたっては保証期間に注意しなければなりません。
既に太陽光発電を導入している際に、後から住宅用蓄電池を導入すると保証期間に差が生じます。
そのため、先に太陽光発電システムの保証切れしてしまう可能性が考えられます。
最近では同一メーカーの蓄電池を設置することで保証延長や連携などを行ってくれる場合もありますので、アフターサービスの内容も考慮しながら蓄電池を選ぶことが大切です。
自宅に蓄電池を導入する際に気になるのが設置費用です。
住宅用の据え置き型蓄電池を設置する費用の相場は、本体と工事費用を合わせて約80〜200万円になります。
ただしこの金額は目安であり、配線工事費や自宅までの出張費用によってさらに高くなる場合もあります。
ただこうした設置費用を少しでも安くする方法があります。
それは見積もりをとっておくこと。
見積もりには作業内容とその費用の詳細が掲載されています。導入費用が高いほど、適正な価格を知っておくことが大切です。
もし費用について納得がいかない場合は、その場でお断りすることができます。
少なくとも3社以上から見積もりをとっておき、お住まいの地域で一番お得な業者を見つけることをおすすめします。
また、ソーラーパネルと蓄電池を一緒に導入する際には、国や自治体が実施している補助金制度を活用することができます。
例えば東京都では「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という制度があり、新築住宅ですと最大36万円の補助が受けられます。
制度によって申請件数の上限や適用条件が決められていますので、お住まいの自治体でどのような制度があるかホームページなどで確認しておきましょう。
一級建築士事務所 神奈川県知事 第16860号
特定建設業 国土交通大臣許可 (特-31) 第27424号
神奈川県電気工事業 第20213014号