ディンプルシリンダー錠とはどんな鍵？その仕組みやメリットなどについて解説

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1. ディンプルシリンダー錠は主にどんな用途がある?最適な場所は?

ディンプルシリンダー錠の用途や取り付けに最適な場所を紹介します

この鍵穴を取り付ける場所として最適なのは玄関や事務所の入り口です。

従来のシリンダー錠は、特殊な工具や特別な技術が無くても容易に解錠することが出来ました。その理由として考えられるのがシリンダー内の構造です。

鍵と言うのは差し込んで中のピンを適切な位置に動かすことで初めて回すことが出来ます。ギザギザの鍵の山の高さに違いがあるのはそのためです。

しかし一方にしかピンが配列していないので簡単にピッキング出来てしまう。その手口に対抗して出来たのがディンプルシリンダー錠です。

鍵穴の中に複数の方向でピンを配列することにより、ひとつのピンで操作できなくしました。そういう特徴から設置場所を考えると泥棒が狙いやすい箇所という事になります。

冒頭で紹介した場所以外にも、勝手口や工場などの入り口、貴重品を保管している倉庫などは取り付けにぴったりの場所です。

この鍵穴はピッキングに強いことはお分かりいただけたと思いますが、泥棒の技術も日々進化しています。発売当初は無敵を誇っていたこの鍵も、現在ではバンプキーという道具を使用して、多少の技術があれば開けることが出来ます。そのため本当に大切な場所(例えば会社の開発室など)には取り付けないで下さい。それ以外の場所でしたら、鍵としての役割を十分果たしてくれます。

2. 鍵の種類をディンプルシリンダー錠にするメリット

鍵の種類をディンプルシリンダーにするメリットは泥棒とコピー対策です

この鍵穴の最大のメリットはしつこいようですが、ピッキングに強く防犯面の効果が高いことです。ピッキングによる空き巣被害は近年では低下傾向にありますが、まだその被害は一定数あるのが現実です。そしてその被害の多くは歴史の古いディスクシリンダー錠である確率が高いです。

警察庁が公開している情報によると、侵入にかかる時間が5分を超えると、その約7割の空き巣や泥棒が侵入を諦めるとのことです。この情報から、空き巣被害を防ぐためにはいかに侵入までの時間稼ぎができるかどうかが重要になってくることがわかります。

ちなみにディスクシリンダー錠などの従来の鍵穴の場合は、解錠にかかる時間は1分ほどと言われているので、このような鍵の場合は防犯の面で殆ど意味がないといえます。その点、ディンプルシリンダー錠は、鍵の構造上から解錠をすぐに行うことは難しいので、一定以上の防犯効果が期待できます。

この鍵穴のメリットで次に紹介するのは、コピー対策です。先ほどと同じ警察庁のデータによると平成29年におきた侵入犯罪のうち戸建て住宅で1.8%、マンションなどの共同住宅(3階建以下)で6.8%、4階建て以上で18.9%が合鍵による被害となっています。

この鍵穴を取り付けておくことでそれらの被害をある程度抑制することが出来ます。もちろん合鍵ですから身内や知り合いの犯行も考えられますが、紛失した鍵をコピーされることもあります。ただし、ディンプルシリンダー錠の組み合わせは理論上1,000億通り以上と言われるほど多いです。そのため、粘土などで簡単に複製することは出来ません。また合鍵を作製する際も、セキュリティカードや本人確認が必要になるため、盗んだ鍵をすぐにコピーすることは困難です。

3. 鍵の種類をディンプルシリンダー錠に交換する方法

鍵の種類をディンプルシリンダー錠にする方法と注意点を紹介します

この鍵穴の取り付け方法はディスクシリンダー錠と同じ方法で、交換する場合でしたらドライバーさえあれば作業が出来ます。

新規で取り付ける場合は、ドライバーの他にドリルやホールソー、ノミ、メジャーが必要です。

新しい鍵穴を購入する際は、古い鍵のメーカーと型番をメモしてホームセンターで互換性のあるものを見つけましょう。メーカーと型番はラッチ部分に刻印されています。

交換する場合の取り付け方法は、まず鍵穴に付いている化粧蓋をマイナスドライバーを使って外すと、ネジがありますので緩めましょう。ラッチ部分のネジも外し、シリンダーを慎重に引き抜きます。この時に扉の間の部分にシリンダーが落下しないように注意して下さい。後はラッチ部分を取り外し、先ほどとは逆の工程でディンプルシリンダー錠を取り付ければ作業完了です。

この鍵穴を新規で取り付ける方法は別で紹介しているのですが、工具を持っていない方やDIYに慣れていない方でしたら、業者に依頼するのも一つの方法です。無理して自分で取り付けて穴が歪んでしまうと、せっかく防犯性能が高いディンプルシリンダー錠が台無しになってしまいます。業者に依頼する際は、高額請求トラブルに巻き込まれないようにしっかりと見積もりを取りましょう。

4. ディンプルシリンダー錠への交換にかかる料金はいくら?

ディンプルシリンダー錠にする費用は6,000円前後。高額モデルや合鍵の価格も

この錠前の価格はメーカーやグレードにより様々ですので個別に紹介していきます。

国内鍵メーカーとして有名な美和ロックのディンプルシリンダー(PR)でしたら6,300円です。同タイプのGOAL(V-18AD)でしたら7,020円となっています。どちらも合鍵は3本です。

美和ロックの鍵と互換性のある商品でAGENT(LS5-BH)などはスペアキーが5本ついて4,850円です。価格の傾向として有名メーカー(美和ロックやGOALなど)の純正品は高く、他メーカーが販売している互換性のある商品は安くなっています。

シリンダーに特殊な装飾が施してあるものは11,000円前後で販売されています。ディンプルシリンダー錠のスペアキーの値段は一本当たり1,000円から1,500円で作成が可能です。

この錠前を取り付けから業者に依頼した場合の価格は、18,000円から28,000円です。この価格には本体代金の他に、標準作業料金が含まれていますが、早朝料金などは含まれていません。依頼する業者によっては同等のサービス内容でも40,000円以上になる事があります。業者にお願いするとこのようなこともありますので、必ず3社以上から見積もりを取り、その中で最も優良な会社に依頼しましょう。

5. ディンプルシリンダー錠のまとめ

ディンプルシリンダー錠に関するさまざまな情報のまとめとポイントのおさらい

このシリンダーに関連する様々な情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントを整理します。

ディンプルシリンダー錠は防犯性能が高い割には、お値段もお手軽です。コピーされにくいことは確かですが、裏を返せばスペアキーを作製するための時間が長くなるという事ですので、鍵の本数が足りない方は早めに注文しておきましょう。

今やスタンダードになりつつあるディンプルシリンダー錠。まだ昔の鍵をお使いの方は早めの交換をお勧めします。

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