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【葬儀作法・参列マナー】日蓮宗の葬儀に関する情報をわかりやすくご紹介!《葬儀の費用相場も》

公開日:2023.7.19 更新日:2023.12.26
【葬儀作法・参列マナー】日蓮宗の葬儀に関する情報をわかりやすくご紹介!《葬儀の費用相場も》

日蓮宗の葬儀に参列する際に知っておきたい葬儀の特徴や流れ、作法などの情報や、日蓮宗の葬儀を営む際にかかる費用相場を分かりやすく紹介します!
国内に数ある宗派の中で鎌倉時代の中期に日蓮によって興されたのが日蓮宗です。天台法華宗と区別する意味で日蓮法華宗とも呼ばれていましたが、現在では日蓮宗に統一されています。参列することになった葬儀が日蓮宗だった場合、初めての方は戸惑うことも多いと思います。
そこで今回は、日蓮宗の葬儀に初めて参列する方でも戸惑わなくてもいいように葬儀の特徴や流れ、気をつけるべきマナーを解説します!また、日蓮宗の葬儀を営む際の費用相場もご紹介しますので、葬儀に参列する側の方も営む側の方もぜひ参考にしてみてください。

1. 日蓮宗の葬儀の特徴

日蓮宗の葬儀の特徴は「南無妙法蓮華経」と繰り返し唱えることです

この宗派を全国に布教したのは日蓮大聖人です。日蓮宗の開祖となる前は天台宗や真言宗で修業していましたが、これでは人々を救うことができないと考えていました。

そこで、日蓮大聖人は、お釈迦様の教えのひとつである妙法蓮華経こそ仏教の真理だと位置づけ、日蓮宗を興すことになりました。

その特徴は「南無妙法蓮華経」と唱えれば誰でも即時成仏できるとの教えです。
そのため葬儀のさまざまなポイントで「南無妙法蓮華経」と繰り返し唱えます。

日蓮宗の特徴として次に紹介するのは数珠の長さ。宗派によっては手のひらが丁度入るくらいの大きさですが、日蓮宗で使用している数珠は50㎝くらいのものも珍しくはありません。

火葬が終わったら納骨するわけですが、日蓮宗はお墓にも特徴があります。
他の宗派であれば〇〇家の墓と書かれることが一般的です。

しかし日蓮宗の場合は「南無妙法蓮華経」と彫られています。もちろん、近年では日蓮宗のお墓であっても〇〇家の墓と彫られている場合もありますが、その際にも頭に妙法という文字が彫られています

。また、日蓮大聖人も御本尊として信仰の対象となっており、仏壇の中央に掛けられている曼荼羅の前に聖人の仏像を拝していることがままあります。

今回紹介したもの以外でもさまざまな特徴がありますが、次は葬儀の流れについて解説していきます。

2.日蓮宗の葬儀の流れ

日蓮宗の葬儀の流れについて、初めての方でも分かるように解説します

仏式の葬儀の流れは他宗派と同じく、通夜式の翌日に告別式を行ない、そのあとに火葬となります。
葬儀時間に関しても通夜式が1.5時間、告別式が2時間と一般的です。

告別式の流れとしては、まず司会者によって開式が宣言され、僧侶が入場、総礼し道場偈を読経、仏様がいつでも降りてきていいように勧請を行ない、開経偈を読経します。

ここまでは僧侶が読経するのですが、以降は参列者の方々も唱えていきます。
経本が配られていないなどで分からない時でも「南無妙法蓮華経」は唱えておきましょう。

この最中に日蓮宗の葬儀でしか見られない開棺と引導という儀式が行われます。
開棺とは故人が入っている棺を叩きながらお経を読んだりすることで、初めて見た方にとってはかなり衝撃的な光景です。

その後、独自の仏具を使用して、お釈迦さまと故人を引き合わせる引導を行ないます。

ただし、家族葬など小さな葬儀で僧侶が一人の場合は、開棺が簡略化されることがあります。
また、同じ日蓮宗でも、地域によって引導がある場合と無い場合があります。

焼香に関しては決まりがありませんが、一般的な作法として親指と人差し指で軽く掴み、額の前まで持ってくる行為を1~3回行い、数珠と共に手を合わせてください。

その後もいくつか偈文が読まれたあと、出棺式、閉式の挨拶で一連の葬儀は終了となります。

3. 日蓮宗の葬儀作法

日蓮宗の葬儀に参列する際の作法やマナーについて分かりやすく紹介していきます

まず最初に紹介するのは香典に関する作法です。
葬儀の際にお金を包んで持っていくわけですが、ご香典や御霊前、御仏前、御香料などさまざまな言葉がありますから、初めての方でしたら何を選んでいいのか迷いますね。

日蓮宗の葬儀では四十九日までは御霊前、御香典と書くのが作法です。告別式の終了後に持参する時は御仏前と書きましょう。
また、提出するまでは紫や黒の袱紗に包んでおくのがマナーです。

ここからは全ての宗派で共通していることなのですが、受け付けをされた方が葬儀の終了後に御香典の集計を行ないます。
少しでも作業が楽になるように、中袋の表面に漢数字で金額を、裏面には住所と名前を記入しておいて下さい。
中に入れる紙幣は新札ではなく、すでに使用している紙幣にするのが正しい作法となります。

この宗派での葬儀作法で次に紹介するのは読経についてです。
すでに紹介した通り、日蓮宗では「南無妙法蓮華経」の7文字を繰り返し唱えます。導師(お坊さん)だけが読む場合と、唱和する場合があります。

初めて日蓮宗の葬儀に参列された方でタイミングが分からない時は、周りの参列者に合わせるようにしておけば大丈夫です。ただし、間違っても「南無阿弥陀仏」などと言わないように注意して下さい。

4.日蓮宗の葬儀にかかる費用相場はいくら?

日蓮宗の葬儀の相場や気になるお布施の目安を個別に紹介していきます

どの宗派でもそうですが、規模が大きくなればなるほど相場は高額になります。

日蓮宗の葬儀費用の相場としては、通夜式を行わない一日葬(5名程度)で30万円、10名程度で行なう家族葬でしたら40万円、30名以上に参列して頂く場合は60万円です。
大規模なメモリアルホールで日蓮宗の葬儀を行なう際は、人数×1万円が相場です。

次に紹介するのは導師へのお布施です。お布施というのは、お経をあげてもらったり法号をつけて頂いたお礼に導師にお渡しするもので、あくまでお気持ちとなっています。

同じ日蓮宗でもお住まいの地域によって若干の異なりがありますが、30万円前後が相場です。
それとは別にお車代として、5千円から1万円をお渡しします。

ただし、法号で〇〇院居士などとつけてしまうと、相場が数百万に跳ね上がりますから、注意が必要です。

ここまで紹介した費用以外にも、通夜振舞いや精進落としをする場合は、別途お料理やお酒の代金がかかります。先ほど紹介した相場には含まれていませんから、実施に依頼する時は事前に見積もりを取り、納得してから葬儀社と契約して下さい。

日蓮宗での告別式の際に初七日法要も一緒に行う時は、お布施金額の相場にプラス1万円は上乗せして下さい。

5.日蓮宗の葬儀情報まとめ

日蓮宗の葬儀に関連するさまざまな情報のまとめとポイントのおさらい

この葬儀にまつわる様々な情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントをまとめます。

日蓮宗とは日蓮大聖人が広めた宗教で、「南無妙法蓮華経」を唱えることが重要です。作法や香典もその宗派にあったものをお選び下さい。

葬儀を営む際は、せっかくお金を払って故人を送り出すわけですから、なるべく長い付き合いができそうな葬儀社を選ぶことをおすすめします。

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