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掛軸を売りたい!買取相場など買取に出す前に知っておくべき情報を解説

公開日:2021.11.1 更新日:2023.12.26
掛軸を売りたい!買取相場など買取に出す前に知っておくべき情報を解説

掛軸を買取に出す前には相場や特徴などを調べておくことが必要です。
例えば家の中をお掃除していた時に木箱に入った掛軸を見つけたり、昔から床の間に飾ってあるとき、その価値が気になりますね。ひょっとしたら高額な掛軸かも知れません。
そういった時に利用するのが骨董専門の買取業者です。ですが、何の知識もなく買取を依頼すると、とんでもない落とし穴に落ちることがあります。
そこで今回は、掛軸の相場や特徴、役割などを紹介していきます。ぜひ買取を依頼する際の参考にしてください。

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1. 掛軸の特徴を紹介します

掛軸の特徴はシチュエーションに合わせて、種類や絵柄を変更できることです

同じ掛軸をずっと飾っていらっしゃるご家庭も多いかと思いますが、実は掛軸はシーンに合わせて掛けかえるのが本当の使い方です。季節掛、日常掛、節句掛、慶事掛、仏事掛、茶掛の6パターンがあります。

季節掛の特徴は、その季節にしか咲いていない花や自然がデザインされていることです。春でしたら梅や桃、夏でしたら朝顔などが描かれています。節句掛には桃の花や鎧兜などが描かれており、節目をお祝いするといった特徴があります。

おめでたい席で用いられるのが慶事掛。鶴や亀、富士山、鷹、日の出などがデザインされているのが特徴です。逆にシンプルなデザインになっているのが仏事掛。お釈迦様や南無阿弥陀仏といった文字が描かれていることが特徴です。茶掛は他の掛軸と違い、縦に長くなく若干幅広なのが特徴です。

それ以外で使用する掛軸が日常掛。特徴としては墨で描かれた山水画や中国の故事にまつわるデザインが多いことです。

ここまで紹介した以外にも掛軸にはさまざまな特徴があります。描かれているデザインによって3種類の形式が存在しますし、表装にも特徴があります。掛軸の特徴として一番大きいのは作者による画風の違いですから、査定してもらう前に出来るだけ自身で調べておきましょう。

2. 掛軸の役割とは?

掛軸の役割は空間を演出することと仏事に用いることの2種類です

この骨董品の役割として最初に紹介するのは、空間演出です。例えばダイニングにあるテーブルクロスや、お部屋のカーテンを変更すると、雰囲気がまるで変わりますね。

掛軸にもこれと同じ役割があります。和室では洋室のように畳の色や障子の色を変えることができませんので、掛軸や生け花を変更することで模様替えを行っています。家の中に掛軸を飾る場所があるご家庭でしたら、カレンダーに合わせて掛軸を掛け変えることをおすすめします。

掛軸のもう一つの役割として紹介するのが仏具です。現代では掛軸は観賞用だと思われていますが、本来の役割は仏具として使用することです。掛軸は飛鳥時代に中国から仏教と共に日本に伝来しました。ですから掛軸には掛けて拝するという意味があります。ご自宅に仏壇をお持ちの方でしたら、中を覗いてみて下さい。小さな仏様や仏教用語が書かれた小さな掛軸が飾られているはずです。

平安時代後期から鎌倉時代になると、さまざまなデザインの掛軸が誕生し、観賞用の役割を持つようになりました。そこから室町、安土桃山と時代が変化していくうちに、より観賞用としての需要が高くなります。特に千利休が茶の湯には掛軸が必要と口にするようになると、茶掛(茶室で飾る掛軸)が爆発的にヒットしました。

3. 掛軸の買取相場はいくら?

掛軸の相場は1万円から50万円が一般的。希少なものだと1000万円以上

ここまで紹介してきたように、掛軸にはさまざまなデザインがあります。花鳥風月を描いたものもあれば、中国の故事にまつわる掛軸もあります。さらに西郷隆盛や伊藤博文などの政治家の書や、正岡子規などの俳人の書も掛軸になっています。

そこで相場のポイントとしては有名な人かどうかです。例えば東郷平八郎は絵師ではなく軍人ですが、その掛軸は50万円以上が相場となっています。千利休に至っては、誰かに宛てた手紙を張り付けた掛軸が100万円以上もします。

掛軸で有名な富岡鉄斎、円山応挙、横山大観、渡辺崋山などの作品でしたら、100万円以上が相場となります。横山大観が描いた「富士」の相場は1500万円です。その他にも川合玉堂や谷文晁も人気の作家です。

ここまでは相場を紹介しましたが、注意して頂きたいことが二点ほどあります。ひとつ目の注意点としては保存状態です。いくら有名な作家の作品でも、カビが付いていたり破れていると10万円でも買い取ってもらえないことがあります。

さらに買取の際に仕立て直し代として余計な費用を請求されることも。掛軸は見て楽しむものですから、十分注意して保存して下さい。ふたつ目の注意点が贋作の多さです。有名作家にもなると95%以上が偽物と思って下さい。いずれにしても査定してもらわないと価値が分かりませんので、相場を踏まえた上で専門の業者に依頼しましょう。

4. 掛軸に関する豆知識

掛軸に関するさまざまな知って得する豆知識を分かりやすく紹介します

まず最初に紹介する豆知識は表具の種類についてです。つい書かれている文字や画ばっかりに目が向いてしまいますが、それを張り付けてある表具には、それぞれ意味があります。

表具は大きく分けて、真・行・草の3種類があります。真が一番位が高く本紙には仏様やお釈迦様がデザインされています。

花鳥風月や山水画などが本紙に描かれているのが行。ほとんどの掛軸の表具が行であり、神事に使用される掛軸も行です。

茶室に飾ってある掛軸(茶掛)の表具は草です。別に真だから高く草だから安いという訳ではありません。それぞれ本紙の魅力を引き出すような表具となっています。

次に紹介する豆知識は双幅の掛軸の飾り方です。龍と虎、鶴と亀など、種類によっては2つで一つの作品を表す掛軸が存在します。背景がつながっていればどちらに飾るのかが分かりますが、そうでない場合がほとんど。そこで掛軸には引首印という目印があります。どちらかの掛軸には落款が押してあり、それが向かって右側に飾る目印となっています。

掛軸の豆知識として最後に紹介するのは保管方法です。まず直射日光の当たる場所では保管しないように。掛軸を木箱に納める時に気をつけて頂きたいのが、巻きの強さ。シワの原因になりますので、出来るだけゆったりと巻いて下さい。木箱の中に防虫剤を入れることも忘れずに。

5. 掛軸買取の情報まとめ

掛軸の買取に関連するさまざまな情報のまとめとポイントのおさらい

この骨董品に関する情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントをまとめます。

まず一般的な掛軸の相場は1万円~50万円ですが、有名な作品でしたら、1000万円以上も普通ですので、思わぬ形で手に入れた際には必ず鑑定や査定をしてもらいましょう。しかしいくら本物であったとしても保存状態が悪ければ台無しですので、高温多湿を避けて保管して下さい。

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