街でよく見かけることが多く、鳩に並んで知名度の高い鳥であるカラス。なかには驚くほど大きくてたくましい姿をしていることもあり、「何年生きたらここまで成長するんだろう……」と思ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
じつは、カラスはほかの鳥と比べて長生きな動物で、天敵も少ないため大きく成長した姿を見かけることが多いのです。そこで今回は、カラスの寿命の秘密について解説していきます。また、意外とカラスの死骸を見かけない理由についても触れていきましょう。
カラスの寿命はほかの鳥よりも長い!
公園や街路などで見かけやすい「ハシボソガラス」や「ハシブトガラス」の平均寿命は、約7~8年であるといわれています。この年数は、野生で暮らすほかの鳥と比べても長い寿命です。参考程度に、その他の身近な存在である鳥類の平均寿命を以下にまとめました。参考程度に確認してみてください。
【身近な鳥類の平均寿命】
鳩(ドバト):約6年
ツバメ:約1年6ヶ月
スズメ:約1~3年
さらに、命を落とす危険が少なくて健康的に生活しやすい飼育環境下での平均寿命は、約20~30年となっています。なかには飼育下で60年生きたコクマルガラスという、小柄な体を持つカラスも存在していたという記録もあります。そのためカラスはかなりの長寿でたくましい鳥であるといえるでしょう。ちなみに、フクロウやオウムも60年以上生きることもあるため、鳥類は飼育をしっかりとおこなえば何十年も生きる種類も少なくはないのです。
どうしてカラスの寿命はそんなに長いのか
カラスの寿命は野鳥にしては長いことが分かったところで、気になるのは「なぜそんなに寿命が長いのか」でしょう。カラスの寿命が長いのは以下の理由があるとされており、カラス全体の生存率が高いのです。
・優れた知能を持つ
カラスはほかの鳥類と比較して、脳が大きいため賢いとされています。そのため、危険な目に遭った場所やエサを確保しやすい場所などを簡単に記憶できるため、事故死や餓死といった死因を回避しやすいのです。
・エサに困りにくい
カラスは雑食性の鳥であり木の実や昆虫、さらに動物の肉までなんでも食べます。ゴミ捨て場をあされば、生ゴミなどのエサをすぐに見つけることができるのです。
・天敵がほぼいない
オオタカやトビ(トンビ)はカラスを捕食対象としますが、街ではあまり見ない鳥です。そのため、街のカラスは命を奪われる危険やストレスが少ないため、長く生きやすいといえます。
死骸を見かけないのはカラスの習性によるもの
ここまでご紹介した通り街にいるカラスは、生存しやすい環境下とカラス自体の能力の高さによって、野生の環境下にいながらも高い平均寿命になっています。しかし、不思議と街中でカラスの死骸を見かけることはほとんどありません。もちろん、平均寿命が高くて死ににくいというのも関係していますが、その要因の多くはカラスの「習性」によるものです。
というのも、カラスは街中よりも身を隠しやすい森林に巣を作る習性があります。さらに、カラスは体調をくずしたり死期が近づいたりしていると、自身の巣の中でじっとしていることが多いです。そのため、街中で死骸を見かけることは珍しいことなのです。
また、街中で死んでいるカラスは公的機関が対処しますし、ほかの動物がエサとしてすぐに食べてしまいます。カラスが死んだ後にすぐに処理されてしまうのも、死骸が見つかりにくい理由のひとつといえるでしょう。
カラスの駆除が必要なら駆除業者に依頼を
寿命が長くて高い知能を持って生活しているカラスですが、ときには人間が出した生ゴミを荒らして悪臭をまき散らす「害鳥」としての側面を持っています。さらに、カラスの持つ雑菌による感染症や家畜やペットなどを攻撃してくるなどの可能性もあるのでなるべくカラス対策をしておきたいところです。
しかし、カラスは「鳥獣保護管理法」という法律に守られている鳥類でもありますので、勝手に捕獲をしたり駆除したりすることはできません。そのため、カラスに直接手を加えるのではなく、ゴミを倉庫にしまってカラスを侵入させないようにするなどの、間接的な対策が限度でしょう。
それでもカラスに困っているという方は、自治体に捕獲の許可をもらって業務をおこなっているカラス駆除のプロに依頼するのがおすすめです。カラス駆除に詳しい業者にお任せすれば、同時にカラスが今後寄り付かないように予防することもできます。