カラスが夜に鳴く本当の理由!不幸の知らせではない!?

夕焼けを背景に鳴いているカラスの写真 害鳥

黒い体に特徴的な鳴き声、そして集団で生ごみなどを荒らすことから、怖い害鳥としてイメージを持たれているカラス。「カァカァ」と鳴くおどろおどろしい声で鳴くことから、なんだか不安になるという方も少なくないのではないでしょうか。また、カラスが鳴くのは不幸の前兆であるという噂を聞いたことがあるかもしれません。

この記事では、なぜカラスは夜に鳴くのか、不幸の前兆と噂される理由やカラスの対策方法について解説します。なぜ鳴くのかを知っていれば、カラスの鳴き声を聞いて不安になることは少なくなるでしょう。

カラスはどうして夜に鳴くのか?

カラス 夜に鳴く

意外と勘違いされやすいですが、そもそもカラスは昼に行動する生き物です。そのため、夜よりも昼の方がカラスが鳴き声を発する機会は多いです。ではなぜ、活動時間でもない夜にカラスは鳴くのかと気になるでしょう。これには、3つの理由があるとされています。

1つ目は、カラスは人間とは違う生活リズムを送っていること。カラスは非常に早起きな生き物なので、人間からしてみればまだ深夜の時間帯でも、カラスにとっては朝と認識して活動しているといわれているのです。

2つ目は、緊急で仲間と連絡を取りあいたいからです。たとえば、天敵に襲われているときや巣に異常があったとき、獲物を分け与えたいときなど、仲間を呼ぶ手段として夜に鳴くことも。

3つ目としては、繁殖シーズンで警戒が強まっているからです。とくに春~初夏まではカラスの繁殖シーズンであり、警戒心が高まるため、鳴き声を発することがあるのです。

不吉の象徴?カラスは不幸を予知できる?

カラス 予知

カラスが夜に鳴く理由は、ここまでご紹介した通りです。鳴き声の意味を知っていれば、夜にカラスの鳴き声を聞いても不安になる必要もないでしょう。ですが、そもそもなぜカラス=不吉のイメージが付いているのか気になる方も多いはず。

これはあくまで一説なのですが、カラスが不吉とされているのは、日本人が抱きやすい「黒色=不吉」というイメージから来ているといわれています。思い返してみれば、黒と付く言葉や物に不幸や悪い事柄が多いことがわかるでしょう。

たとえば、負けを意味する「黒星」、お葬式で使用する「黒い喪服」、そして最近では「ブラック企業」などの違法性を表す言葉としても話題になりました。カラスは不幸を告げる生き物というイメージができたのは、古くからの日本人が持つ黒色のイメージをカラスに当てはめたからなのかもしれません。

カラスが騒ぐと地震が起こる?ウワサの真偽について

カラス 地震

カラスが不幸を呼ぶことと関連して、”カラスが夜に鳴くのは地震の予兆を知らせているから”といった噂を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。実際、2018年6月18日の朝ごろに発生した大阪府北部地震では、SNSを中心として「前日の夜、カラスが騒いでいた」といった投稿がいくつかみられました。

たしかに災害の前日にカラスが騒いでいたら、何か地震との因果関係があるように思えます。しかし、カラスに不幸や地震を予知する能力はありません。なぜなら、6月はカラスの繁殖シーズンの最中であり、もともと騒ぎやすい時期だからです。

繁殖シーズンのカラスはいつもより気性が荒く、夜でも少しのことで騒ぐほど神経質になっています。6月に発生した大阪府北部地震の件については偶然の一致である可能性が高いため、カラスの鳴き声にそこまで神経質になる必要はないのです。

不吉?神聖?カラスのイメージ今昔

カラス イメージ

不幸や不吉と悪いイメージをもたらされているカラスが、少し不憫に思えるかもしれません。しかし昔の日本では、不吉どころか縁起の良い鳥として扱われていたのです。

奈良時代に設立したとされる日本書紀や古事記には、神武天皇が日本(大和)へ向かうための案内役として、三本足のカラスである”八咫烏(やたがらす)”を遣わしたという記述があります。そして、初代天皇となった神武天皇を導いた八咫烏には、“勝利を導く鳥”として縁起の良い存在となったのです。

八咫烏はほかの時代でも縁起をかつぐ存在として扱われ、戦国時代の旗や大名の家紋などに使われたこともありました。さらに現在もなお、サッカー日本代表のマークとして八咫烏は使われています。また、北欧や中国など、さまざまな国の神話にもカラスが登場し、縁起の良い鳥とされていることも多いのです。カラスについて深く知れば、不気味なイメージも少し変わるかもしれませんね。

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