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ハンタウイルス集団感染はその後どうなった?感染者13人・死者3人、米CDCは対応終了

公開日:2026.6.29 更新日:2026.6.29
ハンタウイルス集団感染はその後どうなった?感染者13人・死者3人、米CDCは対応終了

2026年5月、南大西洋上を航行していたクルーズ船「MVホンディウス」で、ハンタウイルスの一種であるアンデスウイルスの集団感染が確認されました。

世界保健機関(WHO)は、2026年5月27日時点で感染者13人、死者3人が報告されたと発表しています。さらに、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は6月17日時点で、13例のうち12例が確定例、1例が可能性例だと公表しました。

一方、アメリカ疾病対策センター(CDC)は、米国関係者の42日間の健康観察が6月21日に終了し、米国内でこの集団感染に関連した発症例は確認されなかったとしています。

日本国内で過度に不安視する必要はありませんが、ハンタウイルスはネズミなどを通じて感染する可能性があるため、住まいのネズミ対策やフン・尿の処理には注意が必要です。

クルーズ船のハンタウイルス集団感染はその後どうなった?

南大西洋を航行中の「MVホンディウス」で確認

咳こんでいる男性

今回の集団感染は、南大西洋を航行していたクルーズ船「MVホンディウス」の乗客・乗員の間で確認されました。

WHOによると、感染症の発生は2026年5月2日に報告されています。当初は、感染者8人、死者3人とされていましたが、その後の検査や調査により、感染者数は13人まで増えました。

WHOは2026年5月27日時点で、今回の集団感染に関連して13例が報告されたと発表しています。このうち11例はアンデスウイルス感染の検査確定例、2例は可能性例とされ、死者は3人でした。WHOは致死率を23%としています。

その後、ECDCは2026年6月17日時点で、今回の集団感染について13例が報告されていると公表しました。内訳は、確定例12例、可能性例1例です。WHOの5月27日時点の発表では確定例11例、可能性例2例でしたが、その後の検査で分類が更新されたとみられます。

ECDCは、接触者の隔離や健康観察が進んでいることを踏まえ、今回の事例に関連して新たな感染が確認される可能性は非常に低いとしています。そのため、現時点では船外で広く感染が拡大している状況ではないとみられます。

参考:
WHO「Hantavirus outbreak linked to cruise ship travel, Multi-locations(クルーズ船旅行に関連したハンタウイルス感染症の発生)」

ECDC(欧州疾病予防管理センター)
「Andes hantavirus outbreak(アンデスハンタウイルスの集団感染)」

米CDCは42日間の健康観察を終了

米国内で関連する発症例は確認されず

ウイルスを研究している医者

CDCは、クルーズ船「MVホンディウス」に乗船し、ハンタウイルスにさらされた可能性がある米国関係者について、42日間の健康観察を実施しました。

CDCによると、2026年6月21日に健康観察期間は終了し、米国内で今回の集団感染に関連したハンタウイルス症の発症例は確認されませんでした。

ロイター通信も6月24日、CDCが今回のハンタウイルス対応を終了したと報じています。米国関係者18人は隔離や健康観察を終え、米国内で持続的な感染拡大は確認されていません。

42日間の健康観察が行われた背景には、アンデスウイルスの潜伏期間があります。CDCによると、アンデスウイルスは感染後4〜42日後に兆候や症状が現れることがあります。そのため、症状が出ていない人でも一定期間の健康観察が必要と判断されました。

今回の健康観察では、発熱や呼吸器症状などが出ていないかを確認し、発症した場合に速やかに医療対応できる体制が取られました。結果として、米国内では今回の集団感染に関連した発症例は確認されていません。

参考:
CDC(アメリカ疾病対策センター)
「Andes Virus Outbreak on a Cruise Ship: Current Situation(クルーズ船でのアンデスウイルス集団感染に関する現在の状況)」

Reuters
「US CDC concludes hantavirus response as outbreak eases(米CDC、ハンタウイルス対応を終了 感染拡大が落ち着く)」

CDC(アメリカ疾病対策センター)
「About Andes Virus(アンデスウイルスについて)」

なぜクルーズ船の感染が注目された?

アンデスウイルスは人から人への感染が報告されている

疑問に思っている女性

今回確認されたのは、ハンタウイルスの一種である「アンデスウイルス」です。アンデスウイルスは南米の一部地域で確認されており、ハンタウイルスの中では例外的に人から人への感染が報告されているウイルスとして知られています。

通常、ハンタウイルスは感染したネズミなどの尿やフン、唾液などを通じて感染する可能性があります。一方で、アンデスウイルスでは、過去に南米で人から人への感染事例が確認されています。

今回の事例が世界的に注目されたのは、複数国の乗客・乗員が乗るクルーズ船で確認されたことに加え、人から人への感染が報告されているアンデスウイルスだったためです。

ただし、今回の事例についても、一般社会で感染が広がっている状況ではありません。CDCは、今回の集団感染によるパンデミックのリスクや一般市民へのリスクは低いと説明しています。

また、ECDCも欧州一般市民へのリスクは非常に低いとしています。そのため、クルーズ船で集団感染が確認されたからといって、すぐに世界的な感染拡大につながる状況ではないと考えられます。

参考:
CDC(アメリカ疾病対策センター)
「Andes Virus Outbreak on a Cruise Ship: Frequently Asked Questions(クルーズ船でのアンデスウイルス集団感染に関するよくある質問)」

感染源は特定された?

げっ歯類の初期検査では陰性

檻から出ようとしているネズミ

今回の感染源は、現時点で明確には特定されていません。

ロイター通信によると、CDCの専門家はアルゼンチンで現地当局と協力し、クルーズ船の航路に関連する地域でげっ歯類の捕獲・検査を行いました。ただし、初期検査ではげっ歯類の検体は陰性だったとされています。

ハンタウイルスは、感染したネズミなどの尿やフン、唾液などを通じて感染する可能性があります。今回の事例でも、どの時点でウイルスにさらされたのかについて調査が行われましたが、感染源の特定には至っていない状況です。

感染源が特定されていないため、船内で感染が広がったのか、乗船前後のどこかでウイルスにさらされたのかについては、引き続き慎重に見る必要があります。

一方で、すべての症例はクルーズ船の乗客または乗員に限られているとされており、船外で広く感染が拡大している状況ではありません。各国の保健当局が接触者の追跡や健康観察を行った結果、米国内では関連する発症例も確認されませんでした。

参考:
Reuters
「US CDC concludes hantavirus response as outbreak eases(米CDC、ハンタウイルス対応を終了 感染拡大が落ち着く)」

日本への影響はある?

国内で同様の感染拡大は起きていない

ネズミを駆除している様子

現時点で、日本国内で今回のクルーズ船事例に関連した感染拡大は起きていません。

日本国内で通常の生活を送る中で、今回のクルーズ船事例を過度に不安視する必要はないと考えられます。CDCは、今回の集団感染によるパンデミックのリスクや一般市民・旅行者へのリスクは極めて低いとしています。また、ECDCも欧州一般市民へのリスクは非常に低いとしています。

一方で、ハンタウイルスはネズミなどのげっ歯類を通じて感染する可能性があります。家庭内でネズミのフンや尿を見つけた場合は、素手で触れたり、乾いた状態で掃除機をかけたりしないよう注意が必要です。

特に、天井裏や床下、キッチン周辺でフンを見つけた場合は、ネズミが住み着いている可能性があります。ネズミはフンや尿、かじり跡などを残すことがあり、衛生面のトラブルにつながる場合もあります。

日本国内で同様の感染拡大が起きているわけではありませんが、住まいの中にネズミの痕跡がある場合は、感染症に限らず衛生管理の観点から早めの対策を検討したほうがよいでしょう。

関連記事:野ねずみが持つ病原菌とは?感染症一覧と予防・駆除の正しい方法

住まいでできるネズミ対策

フンや尿の処理と侵入口対策が重要

ハンタウイルスに限らず、ネズミはフンや尿、かじり跡などを残すため、住まいの衛生面に影響することがあります。天井裏や床下、キッチン周辺でフンを見つけた場合は、ネズミが家の中に入り込んでいる可能性があるため、清掃方法にも注意が必要です。

ネズミのフンや尿が乾燥すると、掃除の際に粉じんが舞い上がるおそれがあります。乾いたフンを掃除機で吸い込むと、粉じんを広げてしまう可能性があるため掃除機での掃除は避け、清掃時はマスクや手袋を使い、消毒液などで湿らせてから処理することが大切です。

また、ネズミは小さな隙間から家に入り込むため、エアコン配管まわり、通気口、床下換気口、外壁の隙間なども確認しておきたい場所です。食品を出したままにしない、ゴミを密閉する、段ボールをため込まないといった日常的な対策も、ネズミ被害の予防につながります。

市販グッズで一時的に改善するケースもありますが、天井裏や壁の中に巣を作っている場合、自力での対応だけでは難しいことがあります。夜間に天井裏で足音がする、キッチン周辺のフンが増えている、食品袋がかじられている、配線まわりにかじり跡があるといった場合は、ネズミが家の中に定着している可能性が高いです。

ネズミの被害を放置すると、衛生面だけでなく、断熱材の破損や電気配線トラブルにつながることもあります。侵入口の特定や封鎖、フンの清掃、再発防止まで含めて対応することで、被害の改善につながりやすくなります。そのため、ネズミの痕跡が続いている場合は、清掃だけで済ませず、早めに対策を進めることが大切です。

ねずみ駆除のROY株式会社
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