家の外壁は雨水や強風などの自然災害を直接受け止めるため、経年経過とともに汚れが目立つようになってしまうものです。そんな汚れを落とすために「高圧洗浄」とよばれる方法が使われることが多いですが、もうひとつ、「バイオ洗浄」という洗浄方法もあることはご存じでしょうか。
バイオ洗浄は費用少し高いものの、汚れを効果的に落とすことが可能です。ここでは、バイオ洗浄の特徴や手順について解説していくので、検討時の参考にしてみてください。
バイオ洗浄の特徴と高圧洗浄との違い
専用の薬剤を使用し、汚れのもととなる物質をは浮かせながら外壁を洗浄する方法がバイオ洗浄です。そもそも、年月の経った外壁の汚れはカビやコケなどの「菌」によるものが多くなっています。そのため、バイオ洗浄によって菌を死滅させる薬剤が浸透し、しつこい汚れをきれいに落とすことができるのです。
水を高い圧力で噴射して汚れを落とす「高圧洗浄」との大きな違いは、汚れを落とす方法が「科学的」か「物理的」かという点です。バイオ洗浄は先ほど解説したとおり、薬剤で菌を死滅させて汚れを浮かして除去します。反対に高圧洗浄は、水の勢いにより汚れに負担をかけて吹き飛ばす形でおこなうのです。
この点を考えるとバイオ洗浄のほうが外壁に負担がかかりにくい洗浄方法といえるでしょう。ただ、バイオ洗浄は薬剤を使用するため、高圧洗浄よりも費用がかかりやすくなります。
バイオ洗浄をしておきたい状況とは
バイオ洗浄は菌を死滅させる強力な薬剤を使う以上、効果は高いものの取り扱いに十分注意が必要な洗浄方法です。そのため、状況を考えてバイオ洗浄をおこなうべきか考えておきましょう。ここでは、バイオ洗浄に向いている状況を解説します。
・湿度が高くてカビやコケが生えやすい環境
近くに植物があるなど、湿度が高くなりがちな環境の場合はカビやコケが発生しやすいです。バイオ洗浄はカビやコケを根こそぎ落とせるだけでなく、薬剤の成分が残ることで今後の予防効果も期待できます。
・凹凸の多い外壁であるとき
外壁の凹凸が多い場合、高圧洗浄では力が分散されて洗浄能力が弱くなりやすいです。バイオ洗浄のほうは薬剤をしみこませるため、凹凸の多い外壁でもしっかりと汚れを除去できます。
・外壁塗装をしたいとき
汚れがあると外壁塗装後の仕上がりが悪くなりやすいため、より精度の高い洗浄ができるバイオ洗浄がよいでしょう。
バイオ洗浄が不向きな場合もあるので注意
反対に、以下の場合に当てはまるのであればバイオ洗浄をすべきではありません。先ほどご紹介した、向いている項目に当てはまった人も念のためこの章をチェックしてみてください。
・外壁の近くに植物がある場合
一応、バイオ洗浄の薬剤は環境への負荷がかかりにくいものですが、外壁近くに植物があると薬剤の影響をおよぼす可能性もあるので注意しましょう。とくに家庭菜園で栽培した野菜に薬剤が付くと、収穫した野菜を食べたときに薬剤の成分が口の中に入る可能性があります。
・カビやコケ以外での汚れであるとき
バイオ洗浄は菌の繁殖により発生した汚れの除去を得意としているもので、排気ガスやサビといった汚れには対応していません。その場合、バイオ洗浄だけでなくほかの手段で汚れを取り除く必要があるでしょう。
・費用をあまりかけたくないとき
バイオ洗浄作業の手間・材料費などの関係で、高圧洗浄よりも費用が高くなりやすいです。
バイオ洗浄を効果的におこなう手順
バイオ洗浄をおこなう場合、薬剤の効果を十分に活かすために「高圧洗浄機」も使用するのが基本です。ただ、汚れを落とすために高圧洗浄機を使用しないため、そこまで負担をかけることなく洗浄することができます。以下にバイオ洗浄の手順をまとめましたので、確認してみてください。
【バイオ洗浄をおこなう手順】
1.洗浄場所以外が濡れないように養生する
2.高圧洗浄機で水を外壁になじませる
3.薬剤を塗布して5～10分浸透させる
4.高圧洗浄機を使って外壁を洗い流す
また、バイオ洗浄に使用する薬剤や高圧洗浄機などの道具をそろえる場合、2～5万円ほどの費用がかかることが多いです。洗浄が必要なところが多かったり、定期的にバイオ洗浄する必要がある場合であればよいですが、場合によってはバイオ洗浄を業者に依頼したほうがよい場合もあるでしょう。
