1. 浄土宗の葬儀の特徴
浄土宗の葬儀の特徴は静かに見送ることと、南無阿弥陀仏の繰り返しです
この宗派の葬儀の特徴として最初に紹介するのは、南無阿弥陀仏についてです。
南無阿弥陀仏の南無とは帰依するという意味です。つまり南無阿弥陀仏とは阿弥陀仏に帰依しますということになります。
これを繰り返し唱えることで、極楽へと旅立つことができるとされていますから、読経の間に何十回も唱えることになります。
浄土宗の葬儀の特徴として次に紹介するのは、鳴り物などが一切無いことです。もちろん木魚とおりんだけは使用しますが、曹洞宗のように太鼓や鐃鈸(じょうはつ)などは一切使用しません。
また、浄土宗では通夜の後に食事やお酒を提供する通夜振舞いも行われず、親族が静かに告別式までの時間を過ごすのが一般的です。
仏式で行われる葬儀では故人に白装束を着せることが定番ですが、浄土宗では通夜の時に限り、生前お気に入りだった服装を着せることもできます。
この宗派の葬儀の特徴として最後に紹介するのは、葬儀で使用する数珠についてです。
男性は三万浄土、女性は六万浄土という2つの輪っかが交差した数珠を使用します。素材に関しては男性用が黒檀などの木材、女性用が水晶などの天然石で作られているのが一般的です。
その他の特徴としては自由度が高いことです。法然上人の教えもあって、真言宗や日蓮宗などの宗派よりも決まりごとが少ない葬儀となっています。
2.浄土宗の葬儀の流れ
浄土宗の葬儀の流れについて初めての方でも分かるように解説します
本来であれば亡くなった直後に行われる枕経の際に戒名を授けられるのですが、浄土宗では通夜式で戒名を授けられるのが一般的です。
通夜式の流れとしては、奉請、懺悔、剃度作法、十念、三帰三竟、授与戒名、開経偈、誦経、発願文、摂益文、念仏一会、回向となります。
難しい言葉がたくさん並んでいるので簡単に説明すると、仏様に通夜の場に来ていただき、生前の罪を悔いて、心安らかな気持ちで極楽往生させてあげて下さいということになります。
通夜が終了した後は、故人が迷わずあの世に行くことができるように、線香とろうそくが消えないように親族が交代で見守ります。ちなみに最近では親族の負担を軽減するため、一晩持つ螺旋状の線香を使用している葬儀場が多いです。
ここからは翌日の告別式の流れについて紹介します。
まず、司会者の合図により僧侶が入場します。香を焚き、阿弥陀如来に来て頂くための奉請という儀式を行い、懺悔、引導下炬(いんどうあこ)、弔辞、誦経中に焼香、摂益文、念仏一会、回向、総回向、総願偈、三身礼、送仏偈と繋がり、最後に僧侶が退場して出棺へと続きます。
全員で南無阿弥陀仏と唱える箇所が何回もありますが、司会者が指示をしてくれますからそれに従ってご唱和下さい。
3. 浄土宗の葬儀作法
浄土宗の葬儀作法やマナーについて分かりやすく紹介していきます
先ほども紹介したのですが、この宗派は自由度が高いのが特徴です。
したがって、こうしなくてはいけない、という作法もそれほどありません。ですが最低限のマナーをわきまえていないと、その場の雰囲気を悪くしてしまう結果に繋がります。
まず、使用する数珠ですが、参列者の方でしたらあるもので間に合わせても結構です。ただし、その地に長くお住まいになっている方や檀家の方でしたら、正式な三万浄土や六万浄土の数珠を身につけておきましょう。
浄土宗の葬儀作法で次に紹介するのは、焼香の回数についてです。
他宗派では正式な焼香の回数が指定されています。しかし、浄土宗では1~3回の間であれば問題ありません。たくさんの参列者がいる場合でしたら、他の方や時間的にも配慮して一回にしておくことが無難です。
この葬儀の作法として最後に紹介するのは弔辞についてです。
弔辞を依頼された場合は、葬儀時間の関係もありますので、3分から5分の長さにしておきましょう。文字数にすると800字程度です。それと不幸を連想させる、分かれるや重なる、死亡といった縁起の悪いワードを使用しないように。
どうしても浄土宗での葬儀作法を知っておきたい時は、事前にお寺や詳しい方に相談し、教えてもらう事をおすすめします。
4.浄土宗の葬儀にかかる費用相場はいくら?
浄土宗の葬儀相場は41.5万円から75万円、お住まいの地域で異なることも
この宗派の葬儀費用をお伝えする前に内訳について解説しておきます。
葬儀費用とは、葬儀代、お布施、火葬料によって決まります。葬儀代についてはどの宗派でもあまり変わりません。
火葬のみでしたら18.5万円が相場ですし、100名くらいの規模の一般葬であれば65.5万円が相場の金額です。
火葬料金はお住まいの地域によって異なります。都内であれば6万円前後、地方であれば2万円から3万円です。
葬儀費用で宗派によって相場が異なるのが、お坊さんに支払うお布施です。浄土宗のお布施の相場は火葬式で6.5万円、一般葬で12万円となっています。
戒名のランク次第では26万円になることもあります。この金額を高いと思われるかも知れませんが、他の宗派と比較するとかなり格安です。
とはいえ、地域によってお布施の金額が決まっていることもありますから、古くから住んでいる方に相談することをおすすめします。
この宗派の葬儀の相場を紹介しましたが、なかには慌てる心につけ込んでくる葬儀社も存在します。格安を謳っているものの、後でいろいろな費用が加算されるといったケースも・・・。浄土宗の葬儀を執り行う上で、そのようなトラブルに巻き込まれないために必要なことは、相場金額の把握とインターネットでの見積もり、契約書を交わすことです。
5.浄土宗の葬儀後、仏具や遺品の整理に不安がある方へ
念仏の教えに沿って、必要なものを選び、手放すという選択を
浄土宗の葬儀では、南無阿弥陀仏の念仏を中心に、故人の極楽往生を願う儀式が行われます。法名軸、念珠、経本、仏壇まわりの供養具など、宗教的意味を持つ品が多く残ることが特徴です。
葬儀後、供花や塔婆、故人の使っていた仏具や日用品の整理に直面するご家族も多く、どこから手を付けるべきか迷う場面が少なくありません。とくに、思い出の詰まった品や宗教用品の処分には慎重さが求められます。
こうしたときは、仏教の教義に理解のある遺品整理の専門業者に相談するのも有効な手段です。供養を要する品の取り扱いや、仏壇の整理、不用品の分別と搬出などを一括で任せることができ、遺族の精神的・身体的な負担を大きく減らすことができます。
南無阿弥陀仏の念仏の教えに従い、「執着を離れ、感謝とともに手放す」という整理の考え方は、浄土宗の精神とも親和性があります。無理のない形で、ゆっくりと進めていきましょう。