庭のシンボルツリーや彩りを添える一員として育てたが、邪魔になってきたので処分したいと考えている樹木はないでしょうか?すでに大きく育った樹木を個人で取り除くことは容易ではなく、大変な作業となってしまいます。
その場合、業者に依頼して伐採してもらうのが早いですが、できるだけ費用をかけたくない方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、業者に頼らず個人でできる「木を枯らす方法」についてご紹介していきます。
「巻き枯らし」による方法について
個人で木を枯らす方法はおもに2種類があり、そのうちの1つが「巻き枯らし」です。巻き枯らしとは木の養分が回るのを妨害して枯らせる方法であり、以下2パターンの手順があります。ただし、これらの方法は枯れるまで数か月~数年以上かかることが多いのでご注意ください。
・表皮を剥いで枯らす
かたい表皮(辺材)を20~30cmの縦幅で1周するように剥ぐことで養分の流れを妨害して枯らします。なお、4~8月ごろの場合は表皮をはがしやすくなっているため作業をおこなう適期となります。
・ロープを巻いて枯らす
ポリエチレン素材などの丈夫なロープをグルグルと巻いておくことで、樹木の生長により伸びたときにロープが食い込むことによって枯らす方法です。表皮が締め付けられることにより、養分の流れが悪くなるためじっくりと枯らすことができます。
「除草剤散布」による方法について
自分で木を枯らすもう1つの方法は、「除草剤散布」によるものです。グリホサートなどの成分を含んだ薬剤を撒くことによって、樹木を植物を枯らしていきます。この方法はただ薬剤を撒けばよいというものではなく、以下の手順によって効率的に薬剤を樹木に与えるのが基本です。
【除草剤で木を枯らす手順】
1.ドリルを使って数cm程度の穴を幹に空ける
2.穴を埋めるように除草剤を流し込む
3.雨水の混入対策としてテープなどで蓋をする
なお、流した除草剤が垂れて落ちないように、ドリルで穴を開ける際は斜め下に向かって穴を開けることが大切です。さらに、蓋をする際は風などで飛ばされないように念入りに固定しましょう。
また、肝心の枯れるまでの期間ですが、その樹木の大きさや薬剤の種類との相性によって異なります。ただ、薬剤が浸透するまでに時間がかかるため、除草剤散布による方法は気長におこなう必要があることは確かです。
樹木を枯らす作業で注意したいこと
樹木は硬い表皮で覆われており、丈夫にできているため今回ご紹介した方法で100%枯れてくれるとは限りません。さらに、いつ枯れてくれるのかも断定することは難しく、急に木が倒れてくる可能性があるでしょう。
その場合のことも考えて、どの方角に木が倒れても構わないように備品を別の場所に移動させておくなどの準備が必要となります。さらに、人間が木の下敷きになってしまう事故が起きる可能性もあるので、とくに注意が必要です。
このように、個人で木を枯らす方法は時間がかかるうえに、事故などのリスクがあります。この点が気になるのであれば、伐採業者に依頼して木を切ってもらうのがよいといえるでしょう。
また、除草剤が漏れるとほかの植物を枯らしてしまうので、周りの植物が枯れないように傘などを使って保護してあげることが大切です。
どのような過程で樹木が枯れるのか
木が枯れる場合、急に樹木全体が枯れていくのではなく、たいていの場合、段階を踏んでゆっくりと枯れていきます。
基本的には最初に葉が枯れて落葉していき、その後小枝から順番に次々と枝が枯れて、やがて幹が枯れて樹木がもろくなることにより、倒れてしまうのです。幹が枯れるころには中身がスカスカになっているほど重量が軽くなっています。なお、除草剤を使用した方法で木を枯らす場合は、木の葉や枝が枯れるまでは1年程度かかりますが、幹まで枯れるのには数年程度かかる場合もあるのです。
また、枯れて樹木が倒れたあとも根が残っている場合は、自身の手で根を掘り起こすことで除去することができます。まずは根の周りを濡らし、土が掘り返しやすい状態にしてからシャベルなどの道具を使って掘り起こしましょう。ある程度掘り起こしたら、あとは根を引っ張ることで抜くことができます。抜きにくい場合は除草剤を使用するとよいでしょう。