ねずみの好きな食べ物は？と聞かれると「チーズ」と答える方も少なくはないのではないでしょうか？しかし、実際のところねずみはチーズを食べる傾向にあるものの、本当に大好きなのかははっきりしておりません。
なぜなら、ねずみの好物は種類や環境によって異なるため、ねずみはチーズ好きを確定させる根拠を出すことは難しいからです。
この記事では、そんなねずみの食性や、ねずみとチーズの関係性を解説していきます。
ねずみはチーズ好きか？を調べた3つの実験を紹介
ねずみはチーズが好きなのかを調べる研究や実験は今までもいくつかおこなわれてきました。ここでは、代表的な例として3つの研究・実験をご紹介しましょう。
2006年にブルーチーズ製造団体と大学で合同でおこなわれた実験では、研究内容については明かされていないものの、そこから「実はねずみはチーズが嫌い」という説が主流となっていました。さらに、2015年の関西学院大学でおこなわれた固形飼料とチーズの摂取量を比べる実験では、チーズのほうを好んで食べたとされています。
ほかにも、2015年に放送されたイギリスBBCの番組で、「チェダーチーズ・ピーナツ・ブドウ」の3択で比較してみたところ、ピーナツを好んで食べたという結果がでました。ここまでの研究結果を見てみると、ねずみはチーズ好きである傾向はあるものの、チーズが特別に好きとは限らないといえます。
ねずみ本来の食性はどんなもの？
チーズは加工して作られた食べ物ですから、野生のねずみが食べるものではありません。では、もともと自然で暮らしていたねずみはどんな食性を持っているのでしょうか。
まず覚えておきたいのが、ねずみは食べられるものならなんでも食べる「雑食性」の動物であること。野菜や穀物のようなものから、昆虫や食肉といったものまでとにかく見境なく食べるのです。さらに、ねずみの種類にも好き嫌いの傾向があり、小型のねずみであるハツカネズミやクマネズミは穀物や植物を、大型種であるドブネズミは肉を好むといわれています。チーズも肉と同じく動物性タンパク質が含まれる食品ですので、ドブネズミが好みやすいのかもしれません。
また、ねずみは1日に多くのエネルギー(体力)を消費するという面もあります。2～3日食べないと餓死するほどなので、とても大食いなのです。
「ねずみ＝チーズ好き」の誤解はどこで生まれたか
雑食性にも関わらず、なぜか「チーズ大好き」という風潮があるねずみ。そう思われる風潮の背景には、以下2つの事柄が原因とされています。
・穴あきチーズの勘違い
ねずみと一緒にイメージされるチーズには特徴的な穴がかかれています。これは「エメンタールチーズ」という種類のチーズで、ねずみはチーズ好きとされた要因の一つになっているものです。エメンタールチーズにある独特な穴は、本当は熟成時に発生する泡が原因なのですが、中世のヨーロッパの人々は「ねずみの仕業だ」と勘違いしてしまったといわれています。
・アニメやイラストなどの表現
アニメやイラストに出てくるキャラクターの個性付けとして、「チーズ大好き」という設定はよく使われがちです。この表現は、1940年から今もなお人気の作品である「トムとジェリー」からも分かる通り、意外と歴史が長いのです。
ねずみ対策はチーズにこだわる必要はない
ここまでの説明で、ねずみはそれなりにチーズが好きであることがおわかりいただけたかと思います。であれば、ネズミ捕りにチーズを使えば効果があると考えがちですが、必ずしもチーズにこだわる必要はありません。ここで、ねずみ退治に気をつけたいポイントについて解説していきます。
・エサに使うのは「穀物」がおすすめ
チーズでもよいですが、そもそも常温保存に向いていないため仕掛け用のエサとしては不向きです。ねずみのエサとして使うならお米などの日持ちしやすい穀物が向いています。
・侵入経路を見つけておく
罠はねずみの通り道に仕掛けるのが効果的。ねずみの糞や汚れを頼りにしてねずみがいた痕跡(ラットサイン)を見つけましょう。
・業者依頼の検討も
ねずみ被害がひどくてすぐに対処しなければいけないときは、迷わず業者依頼をしましょう。業者が豊富な知識と経験を活かして、効率的なねずみ駆除をサポートしてくれます。
