掃き出し窓が空き巣に狙われやすい理由
掃き出し窓は床面まで開口があり、人がそのまま出入りできるため、住宅の中でも侵入口になりやすい窓の一つとされています。警視庁の統計でも、一戸建て住宅を狙った侵入窃盗は窓からの侵入が多く、ガラス破りも主な手口の一つとなっています※。
掃き出し窓が狙われやすい主な理由は、以下のとおりです。
- 窓が大きく出入りしやすいから
- 窓の周囲に死角ができやすいから
- ガラスを破ってクレセント錠を操作される可能性があるから
- 1階にあると外から直接近づきやすいから
- 中央にあるクレセント錠は窓を閉めるための金具で、防犯上の強度が十分とはいえないから
掃き出し窓の中央にあるクレセント錠は、2枚の窓を引き寄せて閉めるための締め金具であり、錠周辺のガラスを割られて手を差し込まれると、内側から回されてしまうおそれがあります。
また、目隠しのフェンスや植栽で外からの視線を遮っていると、侵入者の姿が周囲から見えにくくなる点にも注意が必要です。次章から、掃き出し窓の防犯に役立つ対策を紹介します。
※1参照元:警視庁|住まいる防犯110番
掃き出し窓の防犯に役立つ主なグッズ4選
ホームセンターや通販で手に入る以下のようなDIYグッズを使うと、掃き出し窓の防犯性を高められる場合があります。
- 補助錠を取り付けて二重ロックにする
- 防犯フィルムを貼ってガラスを割れにくくする
- センサーライトや窓用防犯ブザーで侵入を躊躇させる
- 防犯カメラを設置して死角を減らす
ただし、グッズを設置するだけで侵入を完全に防げるわけではなく、製品の種類や設置方法によっても効果は異なります。各グッズの特徴や限界を理解したうえで、複数の対策を組み合わせることが大切です。ここからは、掃き出し窓の防犯に役立つグッズと、使用する際の注意点を紹介します。
補助錠を取り付けて二重ロックにする
補助錠は、クレセント錠とは別にサッシへ取り付け、窓が開かないようにするための鍵です。ガラスを割られてクレセント錠を回されても、補助錠がかかっていれば窓は開きにくくなるため、侵入に手間をかけさせられます。
三鷹市役所の情報では、掃き出し窓の2つめの鍵を窓の上部に付けると、犯人は解錠のために立ち上がる必要があり、人目につきやすい体勢になるとされています※。
補助錠を選ぶ際は、以下のような点を確認しましょう。
- サッシのすき間や形状に取り付けられるサイズか
- 鍵付きなど、外から手を入れても簡単に外せない構造か
- 換気のために少し開けた状態でもロックできるか
両面テープで貼るタイプは、ドライバーなどの工具がなくても取り付けられます。ただし、サッシの汚れや油分を拭き取ってから貼らないと、はがれやすくなる場合があります。
補助錠はあくまで補助的な鍵のため、クレセント錠とあわせてかけることが前提です。特に外出時や就寝前は、かけ忘れがないかを確認する習慣をつけておきましょう。
また、火災などの非常時に家族全員がすぐ解除できるかも確認しておきましょう。
※参照元:三鷹市 | 広報みたか2014年12月7日12面
防犯フィルムを貼ってガラスを割れにくくする
防犯フィルムは、ガラスの室内側に貼ることで、割られても破片を保持し、手を差し込める穴が開くまでに時間をかけさせる対策です。ただし、フィルムを貼ってもガラスが「割れなくなるわけ」ではありません。
防犯フィルムを選ぶ際は、以下のようなポイントを確認しましょう。
- 防災用の飛散防止フィルムと混同していないか(飛散防止フィルムは一般的に防犯機能をもたない)
- 防犯性能試験に合格したCPマーク付きの製品か
- 網入りガラスや複層ガラスにも貼れる製品か(製品によっては熱割れのおそれがある)
- 掃き出し窓のガラス全面に貼れるサイズか
作業前には、ガラスにヒビが入っていないかを確認しましょう。ヒビがある場合はフィルムを貼らず、先にガラス交換を検討してください。カッターを使うときは軍手などの手袋を着用し、高い位置で作業する際は脚立の転倒にも注意が必要です。
また、CPマーク付きのフィルムでも、CPマークは侵入を完全に防ぐことを保証するものではないことを理解しておきましょう。
防犯フィルムは部分的に貼っただけでは十分な防犯効果が期待しにくく、ガラス全面に貼ることが大切とされています。また、ガラスの種類によっては熱割れの可能性があるため、種類が不明の場合は自己判断で進めないことが大切です。
貼る作業に不安がある場合や、ガラスの種類が不明の場合は、無理に進めず専門事業者に依頼するのも選択肢です。
関連記事:窓ガラスの防犯フィルムは意味ない?効果や選び方のポイント・注意点を解説
センサーライトや窓用防犯ブザーで侵入を躊躇させる
センサーライトや窓用防犯ブザーは、侵入しようとする人に「光」や「音」で心理的な圧力をかけ、犯行をためらわせる効果が期待できるグッズです。空き巣は人目につくことを嫌うといわれており、暗がりが急に明るくなったり、警報音が鳴ったりする家は避けられやすくなります。
選ぶ際は、以下を目安にしましょう。
- 【センサーライト】検知範囲/明るさ/電源の種類
- 【防犯ブザー】窓が開くと鳴るタイプか、ガラスへの衝撃や振動で鳴るタイプか
- 【共通】屋外に設置する機器は防雨・防水仕様か
- 【共通】光や音が近隣の窓や道路に向きすぎない位置に設置できるか
防犯ブザーは侵入の初期段階で周囲に異常を知らせられる点がメリットです。一方で、音や光だけでは侵入そのものを物理的に防げないため、補助錠や防犯フィルムと組み合わせて使うとよいでしょう。
設置する際は、光や音が近隣の窓や道路に向きすぎないよう、向きや感度を調整することが大切です。電池式の製品は電池切れで作動しなくなることがあるため、定期的に点灯や作動を確認しておきましょう。
窓の開閉で鳴るタイプの防犯ブザーは、在宅中に窓を開ける際の解除と再設定を忘れないよう注意が必要です。設置後しばらくは誤作動がないか様子を見ておくと、近所とのトラブルも避けやすくなります。
防犯カメラを設置して死角を減らす
防犯カメラは、掃き出し窓の周辺を撮影し、「見られている」と意識させることで侵入を思いとどまらせる効果が期待できます。
防犯カメラを選ぶ際は、以下を確認しましょう。
- 夜間も撮影できる赤外線(暗視)機能があるか
- スマートフォンで映像を確認できるか
- 屋外設置に対応した防水・防塵性能があるか
電池式やコンセント給電のタイプは自分で設置しやすい一方、配線工事が必要な有線タイプは専門事業者への依頼が必要になる場合があります。
センサーライトと併用すると、点灯時に映像が鮮明に残りやすくなります。隣家や道路を必要以上に映さない向きに設置することも忘れないようにしましょう。
専門事業者に依頼する掃き出し窓の防犯対策と費用相場
※費用はいずれも目安であり条件によって変動します。
グッズだけでは不安が残る場合は、窓そのものの防犯性を高める工事も検討しましょう。どの対策が合うかは、窓の構造や暮らし方によって変わります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
なお、賃貸住宅では大家さんや管理会社、分譲マンションでは管理規約や管理組合への確認が必要になる場合があるため、交換前に工事の可否や手続きについて確認しましょう。
防犯用の面格子を取り付ける
防犯用の面格子は、窓の外側に格子を取り付け、人が通り抜けられないようにする対策で、1日で取り付け工事が終わることもあります。掃き出し窓に取り付けられる面格子には、縦格子・横格子タイプや枠付きタイプなどさまざまな種類があります。
また、一部のメーカーからは、面格子を取り付ける際に緊急時の脱出口を別で確保するよう推奨されています。火災時などに避難経路として使う窓であれば、ほかに脱出できる出口があるかを事前に確認しておきましょう。
本体代と工事費を合わせた費用は、約7万〜18万円が目安です。外壁の材質や窓まわりのスペースによっては設置できない場合もあるため、設置の可否は専門事業者に現地で確認してもらうのがおすすめです。
シャッターを設置する
シャッターは、窓の外側に取り付けて閉めることで、窓全体を覆う対策です。閉めている間は外からガラスに直接触れにくく、室内の様子も見えにくくなります。
本体代と工事費を合わせた費用は、手動式で約10万〜21万円、電動式で約20万〜35万円が目安です。費用は窓まわりの状況や非常開放機構の有無などによっても変動するため、実際の金額は現地調査後の見積もりで確認しましょう。
防犯ガラスに交換する
防犯ガラスは、2枚のガラスの間に厚く強靱な特殊中間膜を挟んだ合わせガラスです。こじ破りや打ち破りに対して貫通するまでに時間がかかるため、窓そのものを破られにくくできます。工事は既存のサッシを残したまま、ガラスだけを入れ替える方法が一般的です。
本体代と工事費を合わせた費用は、掃き出し窓1枚あたり約4.5万〜15万円が目安です。掃き出し窓はガラスが2枚あるため、両方を交換するとその分費用が上がります。
なお、防犯ガラスに交換しても、クレセント錠そのものの弱さは変わりません。交換とあわせて補助錠も取り付けておくと、より侵入に時間をかけさせやすくなります。
関連記事:窓は防犯ガラスに交換すべき?メリットや交換費用などを解説
内窓(二重窓)を設置する
内窓は、既存の窓の室内側にもう1つ窓を取り付ける対策です。侵入するには外窓と内窓の2枚を破る必要があるため、時間をかけさせる効果が期待できます。
費用は、ガラス代と工事費を合わせて1か所あたり約14万〜25万円が目安です。
窓が二重になると、窓まわりに空気の層ができて外の暑さや寒さが伝わりにくくなり、冷暖房の効率アップや結露の軽減にもつながります。外からの騒音も入りにくくなるため、防犯とあわせて住まいの快適さを高めたい方に適した方法です。
一方で、出入りや換気のたびに外窓と内窓の2枚を開け閉めする必要があり、内窓の施錠を忘れやすくなる点には注意が必要です。施錠忘れが心配な場合は、引き手と鍵が一体になった戸先錠タイプを選ぶとよいでしょう。
防犯ガラス交換を依頼する専門事業者を選ぶ3つのポイント
防犯ガラスへの交換は、窓ガラスの種類やサッシの状態によって適した方法や費用が変わります。依頼先を選ぶ際は、以下の3点を確認しましょう。
- 防犯を目的としたガラス交換・窓リフォームの施工実績が豊富か
- 窓の状態を確認して適切な交換方法を提案してくれるか
- 料金の内訳が明確か
現地調査や見積もりに費用がかかる専門事業者もあるため、依頼前に有料か無料かを確認しておくと安心です。それぞれのポイントを解説します。
防犯を目的としたガラス交換・窓リフォームの施工実績が豊富か
防犯ガラスは一般的な板ガラスより厚く重いため、既存のサッシに収まるか、ガラスを固定するゴム部材の交換が必要かといった判断が求められる場合があります。
防犯目的の施工実績がある専門事業者であれば、これまでの施工経験をもとに、窓の状態に応じた交換方法や注意点を説明してもらえる可能性があります。
事前確認の際は、公式HPで防犯ガラスやCPマーク付き製品の取り扱いと施工事例が掲載されているかを確認するのがおすすめです。防犯設備士などの資格者が在籍しているかどうかも、判断材料の一つになります。
窓の状態を確認して適切な交換方法を提案してくれるか
防犯ガラスへの交換では、現地調査で窓ガラスの種類・サイズ・厚み、サッシやクレセント錠の状態を確認してもらうことが大切です。電話やメールだけで金額を確定させると、採寸後に追加費用が発生したり、工事日が延びたりする可能性もあります。
また、防犯だけが目的か、断熱も重視したいかによって、防犯ガラス・内窓などの選択肢は変わります。例えば、冬の寒さや結露にも悩んでいる場合は、防犯ガラスだけでなく、内窓設置も候補に入ります。目的や窓の構造に応じて複数の方法を比較しながら提案してくれるかを確認しましょう。
料金の内訳が明確か
見積もりを受け取ったら、ガラス代・作業料・出張費・既存ガラスの処分費などが項目ごとに記載されているかを確認しましょう。
ガラスは厚みやサイズによって費用が大きく変わるため、どの製品を使う前提の金額なのかも確認しておくと比較しやすくなります。「工事一式」としか書かれていない場合は、何が含まれているのかを質問しておくと安心です。
あわせて、夜間・早朝の割増料金や、現場の状況による追加費用が発生する条件も事前に聞いておくと、想定外の出費を防ぎやすくなります。複数の専門事業者から見積もりを取り、金額だけでなく、使用するガラスの種類や保証の有無もあわせて比べることが大切です。
掃き出し窓の防犯に関するよくある質問
最後に、掃き出し窓の防犯対策を検討している方から寄せられやすい質問をまとめました。
- 空き巣に狙われやすい窓の種類や家の特徴は?
- 掃き出し窓のデメリットは?
- マンションや賃貸住宅でも掃き出し窓の防犯対策はできる?
対策を選ぶ前の疑問を解消するために役立ててください。
Q.空き巣に狙われやすい窓の種類や家の特徴は?
人が通り抜けられる大きさの掃き出し窓や腰高窓は、侵入口として狙われる場合があります。家の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 周囲から見えにくい死角が多いこと
- 脚立やポリバケツなど足場になる物が庭先に置かれていること
- 新聞や郵便物がたまって留守だと分かること
警視庁は、2階の部屋の窓や、格子が付いた浴室・トイレの窓も施錠を確認すべき場所に挙げています※。「2階だから」「格子があるから」と油断せず施錠することが大切です。
さらに、近所付き合いを大切にし、「地域の目」で街を守ることも防犯につながるとされています。窓の防犯グッズや工事とあわせて、こうした日頃の環境づくりも意識しておきましょう。
※参照元:警視庁|侵入窃盗の防犯対策
Q.掃き出し窓のデメリットは?
防犯面以外では、ガラス面が広いために夏は日射熱が入りやすく、冬は冷気が伝わりやすい点がデメリットです。アルミサッシの場合は、複層ガラスでも窓枠から熱が出入りし、結露が起こりやすいこともあります。
さらに、窓が大きい分、通りや隣家から室内が見えやすく、プライバシーの対策が必要になる場合もあります。こうした悩みが防犯への不安と重なっている場合は、断熱と防犯を同時に高められる内窓を検討するとよいでしょう。
Q.マンションや賃貸住宅でも掃き出し窓の防犯対策はできる?
防犯ガラスへの交換や面格子・内窓の設置など工事を伴う対策は、住まいの形態によって確認先が異なります。
- 賃貸住宅:大家さんや管理会社に、工事やグッズ取り付けの可否を確認する
- 分譲マンション:管理規約を確認し、必要に応じて管理組合(理事長)に申請する
国土交通省のマンション標準管理規約では、窓枠や窓ガラスは専有部分に含まれず、共用部分として扱われています。
防犯性を高める窓の改良工事は、管理組合が計画修繕として行うのが原則とされ、すぐに実施できない場合は、理事長に申請して承認を受けたうえで、区分所有者の負担で工事を行えると定められています。
なお、内窓の増設もこの工事の例として示されているため、室内側の工事でも確認が欠かせません。
貼るタイプの補助錠や窓用防犯ブザーなど、取り外して原状回復できるグッズであれば、取り入れやすい場合がありますが、実際のルールはマンションごとの管理規約によって異なります。賃貸住宅では大家さんや管理会社、分譲マンションでは管理規約や管理組合へ確認しましょう。
※参照元:令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)|国土交通省
掃き出し窓は対策を組み合わせて空き巣が嫌がる窓にしよう
掃き出し窓は、出入りしやすい大きさと死角のできやすさから、空き巣の侵入口になりやすい窓です。防犯性を高めるには、1つの対策だけに頼らず、複数の対策を組み合わせることが大切です。
補助錠や防犯フィルムで侵入に時間をかけさせ、センサーライトや防犯カメラで光や人目による抑止を加えるなど、役割の違うグッズを組み合わせると効果を高めやすくなります。
防犯ガラスや面格子、シャッター、内窓といった工事を伴う対策は、費用や暮らし方に合わせて選び、現地調査で窓の状態を確認してもらったうえで判断するとよいでしょう。
専門的な工事が必要な場合は、窓の状態に合った防犯対策を提案してくれる専門事業者に相談することが大切です。
EPARKくらしのレスキューでは、窓ガラスの交換などに対応する専門事業者を比較しながら探せます。自宅の掃き出し窓に合った防犯対策や工事費用について詳しく知りたい方は、専門事業者に相談してみてください。