遺品整理の費用はいくらかかる?間取り別の料金表とトラブルを防ぐ事業者の選び方
公開日:2026.8.5
「遺品整理を業者に頼むと、費用はいくらかかるのだろう」
「高額な料金や追加請求をされないか不安で、なかなか依頼に踏み切れない」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
遺品整理の費用は、間取りだけでなく遺品の量や搬出環境などによって変わるため、相場を知らないまま依頼すると、想定を超える請求や不要なオプションの追加につながることがあります。
そこでこの記事では、間取り別の費用相場はもちろん、費用を決める要素や安く抑える方法、費用トラブルを防ぐ事業者の選び方までを紹介します。
遺品整理の費用や、依頼前に知っておきたい情報を網羅しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【間取り別】遺品整理費用の平均は?料金相場表
遺品整理を業者へ依頼した場合の費用は、間取りによって10万円〜100万円以上と幅があります。まずは、間取り別の料金相場を以下の料金表で確認しましょう。
※金額はあくまで目安です。実際の費用は、遺品の量や搬出環境などによって変動します。
上記の料金表のとおり、費用は間取りが広くなるほど高くなる傾向があります。ただし、同じ間取りでも遺品の量によって金額は変わるため、あくまで目安として捉えてください。それでは、各間取りの費用相場と作業規模を詳しく解説します。
1R・1K(アパート)は10万〜15万円程度
1R・1K(アパート)の遺品整理費用は、10万〜15万円程度が目安です。1R・1Kは一人暮らしの住まいとして一般的な間取りで、遺品の量が比較的少なく、作業規模も小さく収まります。そのため、間取り別の料金相場のなかでは、もっとも費用を抑えやすい水準です。
具体的な作業規模は、以下のとおりです。
たとえば、家具や家電が少なく、荷物が生活に必要な最低限のものであれば、半日ほどで作業が完了します。したがって、故人が単身の賃貸アパートで暮らしていた場合は、遺品整理費用は10万〜15万円程度を見込んでおきましょう。
1DK・2K(アパート・マンション)は15万〜30万円程度
1DK・2K(アパート・マンション)の遺品整理費用は、15万〜30万円程度が目安です。1DK・2Kは、単身者や二人暮らしの賃貸で利用されることが多い間取りで、居室が分かれるぶん、1R・1Kよりも遺品の量が増えやすくなります。
その結果、作業規模も大きくなり、費用も上がります。具体的な作業規模は、以下のとおりです。
たとえば、寝室と居間で家具や家電が分かれているケースでは、仕分けや搬出に半日以上かかることも珍しくありません。このように、部屋数が増えると遺品の量に応じて費用も変動するため、1DK・2Kでは15万〜30万円程度を目安に考えておきましょう。
1LDK・2DK・3K(マンション)は30万〜50万円程度
1LDK・2DK・3K(マンション)の遺品整理費用は、30万〜50万円程度が目安です。これらは2人以上で住むことを想定した間取りで居室数が多く、家財の量も多くなりやすい傾向があります。したがって、作業人数や作業時間が増え、費用も高くなります。
具体的な作業規模は、以下のとおりです。
たとえば、リビングに加えて複数の居室に家具・家電・衣類が残っている場合、仕分けから搬出までに1日を要します。このように、生活スペースが広がるほど遺品の総量も増えるため、1LDK・2DK・3Kのマンションでは30万〜50万円程度を見込んでおきましょう。
2LDK・3DK・3LDK以上(マンション・一軒家)は50万〜100万円以上
2LDK・3DK・3LDK以上(マンション・一軒家)の遺品整理費用は、50万〜100万円以上が目安です。これらは2人以上の家族で暮らしている間取りで、すべての部屋に家財があると、処分する遺品の量が大幅に増えます。そのため、費用も高額になりやすい水準です。
具体的な作業規模は、以下のとおりです。
- 作業時間:基本1日、処分量によっては2日以上
- 作業人数:5名以上
たとえば、家族分の家具・家電・衣類が各部屋に残っている一軒家では、トラック複数台と多くのスタッフが必要になり、作業が2日以上に及ぶこともあります。したがって、家族で住んでいた住居の遺品整理では、50万〜100万円以上を目安に考えておきましょう。
なお、一軒家の費用相場をさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
関連記事:一軒家の遺品整理費用はいくら?相場と安く抑えるポイントを解説
遺品整理費用を決める4つの要素
遺品整理の費用は、間取りが同じでも次の4つの要素によって変わります。
- 遺品の量と処分する品物の種類
- 作業人数と作業時間
- 搬出環境と追加作業の有無
- 依頼する作業範囲
これらを把握しておくと、なぜ見積もり金額に差が出るのかを理解でき、正確な費用を知るには現地見積もりが必要だと判断できます。それぞれ見ていきましょう。
遺品の量と処分する品物の種類
遺品整理の費用は、間取りよりも実際の遺品の量と品物の種類に左右されます。同じ間取りでも、残された荷物が多かったり、処分に手間のかかる品物が含まれていたりすると、作業量が増えて費用も上がるためです。
費用が変動しやすいのは、以下のような品物です。
- ソファやタンスなどの大型家具
- テレビや冷蔵庫などの家電リサイクル対象品
- 分別や処理が難しい品物
たとえば、押し入れや天袋の奥に荷物が詰まっているケースでは、見た目の間取り以上に遺品の量が多くなります。したがって、正確な費用を知るには、収納の中まで含めて遺品の量を確認してもらうことが大切です。
作業人数と作業時間
遺品整理の費用は、作業に必要な人数と時間に応じて変わります。遺品の量や住宅の広さによって必要なスタッフ数が増減し、作業日数が延びるほど人件費も積み上がるためです。
費用に影響する主なポイントは、以下のとおりです。
- 遺品の量や広さに応じて変わるスタッフ数
- 作業日数の増加による人件費の上乗せ
- 短期間での作業希望による人員の追加
たとえば、「できるだけ早く終わらせたい」と短期間での作業を希望すると、その分スタッフを増やす必要があり、費用が高くなることがあります。
このように、作業人数と作業時間は連動して総額に反映されるため、日程に余裕を持たせておくと費用を抑えやすくなります。
搬出環境と追加作業の有無
遺品整理の費用は、遺品を運び出す搬出環境によっても変わります。建物の構造や駐車状況によって、通常の搬出では済まない追加作業が発生し、その分の費用が加算されるためです。
費用が変わる主な条件は、以下のとおりです。
- 階段、エレベーターの有無や搬出経路
- 家具の解体や吊り下げ搬出が必要なケース
- トラックを建物の近くに止められない場合
たとえば、エレベーターのない集合住宅の高層階や、道幅が狭くトラックを横付けできない一軒家では、運搬に手間がかかり費用が上がります。したがって、建物の搬出環境も、見積もり時にあわせて確認しておくとよいでしょう。
依頼する作業範囲
遺品整理の費用は、どこまでを業者に任せるかという作業範囲によって決まります。基本料金に含まれる作業と、別料金になるオプション作業が分かれており、依頼内容が増えるほど総額も上がるためです。
一般的に、基本料金に含まれるのは以下の作業です。
- 遺品の仕分け
- 貴重品の捜索
- 梱包、搬出、処分
- 作業後の簡易清掃
一方で、供養、特殊清掃、ハウスクリーニングなどは、別料金になることが多い作業です。たとえば、自分で片付けられる物を先に整理しておけば、その分の作業を減らせます。
このように、どこまで自分で行い、どこから任せるかによって総額が変わるため、依頼範囲を事前に決めておくことが大切です。
遺品整理はいくらかかった?実際の費用事例を紹介
費用相場を把握したところで、実際にどのくらいの費用がかかるのかを、間取り別の事例で確認しましょう。ここで紹介するのは、以下の3つのケースです。
- 1Kのアパートで遺品整理を依頼した事例
- 2DKのマンションで遺品整理を依頼した事例
- 3LDKの住宅で遺品整理を依頼した事例
なお、以下では遺品整理の料金目安に加え、実際の不用品回収の実績もあわせて紹介します。具体的な金額や作業規模を知ることで、自宅の間取りに近い事例から費用のイメージをつかめます。
1Kのアパートで遺品整理を依頼した事例
1Kのアパートの遺品整理は、2万円前後から依頼できるケースがあります。荷物が少ない単身者向けの間取りでは、軽トラック1台に収まる程度の物量で済むことが多く、作業規模も小さく抑えられるためです。
料金の目安は、以下のとおりです。
- 遺品整理・生前整理:14,900円(税込)〜
- 軽トラックパック:19,800円(税込)〜
実際の不用品回収でも、軽トラックパックを利用した回収事例があります。東京都世田谷区では22,000円、東京都渋谷区では30,000円(作業時間目安40分)で回収した実績が確認できました。1Kのアパートでは、荷物量に応じて2万円台からを目安に考えておきましょう。
2DKのマンションで遺品整理を依頼した事例
2DKのマンションの遺品整理は、7万円前後が一つの目安です。居室が分かれる分、遺品の量が増え2tトラックを使う規模の作業になることが多いため、1Kのアパートよりも費用が上がります。
料金の目安は、以下のとおりです。
- 遺品整理・生前整理(1LDK):30,000円(税込)〜
- 遺品整理・生前整理(2LDK):60,000円(税込)〜
- 2tトラックパック:69,800円(税込)〜
実際の不用品回収では、2tトラックパックを利用して神奈川県横須賀市で70,000円で回収した事例があります。2DKのマンションは搬出量や間取りによって費用が変わるため、7万円前後を目安に見ておきましょう。
3LDKの住宅で遺品整理を依頼した事例
3LDKの住宅の遺品整理は、10万円以上が目安になります。全室に家財が残っていると処分量が大幅に増え、複数のトラックや多くの作業員が必要になるため、費用も高額になりやすい間取りです。
料金の目安は、以下のとおりです。
- 遺品整理・生前整理(3LDK):105,000円(税込)〜
- 遺品整理・生前整理(4LDK):165,000円(税込)〜
一方で、費用を抑えられた実績もあります。大阪府吹田市の事例では、回収する品物のなかに状態の良い品が含まれていたため、買取査定を行い、その分を回収費用から差し引きました。
また、兵庫県神戸市垂水区では、1.5tトラックプランでの回収実績が60,000円です。したがって、3LDKの住宅では10万円以上を目安にしつつ、買取を活用すれば実質負担を下げられます。
遺品整理で追加費用がかかりやすい3つのケース
遺品整理では、当初の見積もりに含まれていなかった作業が発生し、追加費用がかかることがあります。追加費用がかかりやすいのは、主に以下の3つのケースです。
- 見積もり時に確認できなかった遺品の追加
- 階段作業や吊り下げ搬出の発生
- 特殊清掃や遺品供養などのオプション追加
どのような場合に費用が上乗せされるのかを知っておくと、事前の準備や確認で余計な出費を防げます。それぞれ見ていきましょう。
見積もり時に確認できなかった遺品の追加
追加費用がもっとも発生しやすいのは、見積もり時に確認できなかった遺品が後から見つかるケースです。当初の想定より処分する遺品が増えると、その分の作業量や処分費が上乗せされるためです。
見落とされやすいのは、以下のような場所にある遺品です。
たとえば、見積もり後に物置の中身が判明し、処分する遺品が増えたことで費用が上がるケースは珍しくありません。
こうした事態を防ぐには、写真や動画で事前に遺品の量を業者へ共有しておくと効果的です。したがって、申告漏れをなくすことが、追加費用を抑える第一歩になります。
階段作業や吊り下げ搬出の発生
搬出方法によっても、追加費用が発生します。通常の運び出しでは対応できない建物の場合、特殊な搬出作業が必要になり、その分の費用が加算されるためです。
追加費用がかかりやすいのは、以下のような状況です。
- エレベーターがない建物での階段作業
- 家具を窓から吊り下げて搬出する場合
- 車両を建物の近くに止められない場合
たとえば、エレベーターのない集合住宅の上層階では、大型家具を階段で下ろす作業費が加わります。また、階段を通らない家具は窓から吊り下げて搬出するため、さらに費用がかさみます。
したがって、建物の構造や搬出経路は、見積もり時にあわせて伝えておくことが大切です。
特殊清掃や遺品供養などのオプション追加
基本料金に含まれないオプション作業を依頼する場合も、追加費用がかかります。特殊清掃や遺品供養は専門的な対応が必要で、通常の遺品整理とは別料金になることが多いためです。
追加料金の対象になりやすいのは、以下のケースです。
- 通常の清掃では落とせない汚れや臭いがある場合
- 写真、仏壇、人形などを供養してから処分する場合
なお、供養の費用は、他家の品と一緒に供養する合同供養か、単独で行う個別供養かによって変わります。
一般的に、個別供養のほうが費用は高くなります。したがって、こうしたオプションを希望する場合は、内容と料金を事前に確認しておくと、想定外の出費を防げます。
遺品整理の費用を安く抑える3つの方法
遺品整理の費用は、依頼の仕方や事前の準備によって抑えられます。費用を安く抑える主な方法は、以下の3つです。
- 自分で整理できる物を事前に片付ける
- 買取できる遺品を査定してもらう
- 複数の事業者から見積もりを取る
これらを実践すると、作業量や処分量を減らしたり、買取分を差し引いたりして、総額を下げられます。それぞれ詳しく解説します。
自分で整理できる物を事前に片付ける
費用を抑える基本は、自分で整理できる物を事前に片付けておくことです。業者に依頼する遺品の量が減るほど、作業量や処分費が下がり、総額を抑えられるためです。
事前に片付けやすいのは、以下のような物です。
- 衣類や書類など、運びやすい物
- 自治体の通常ごみとして出せる物
- 粗大ごみとして処分できる物
まずは、必要な物と処分する物を分けておきましょう。そうすることで、大切な遺品を誤って処分してしまうことも防げます。なお、生前のうちに家族と一緒に整理を進めておく方法もあります。
自分で片付けられる範囲を先に済ませておけば、業者へ任せる作業を減らせるため、費用の節約につながります。
関連記事:生前整理とは?具体的な進め方や業者の費用相場について
買取できる遺品を査定してもらう
買取できる遺品を査定してもらうことも、費用を抑える有効な方法です。買取金額を遺品整理費用から差し引ける業者を選べば、実質的な負担を減らせるためです。
査定の対象になりやすいのは、以下のような品物です。
ここで注意したいのは、価値が分からない物を先に処分しないことです。一見して不用に見える物でも、査定すると思わぬ値がつくことがあります。実際に、買取分を回収費用から差し引いて対応した事例もあります。
したがって、処分の前に買取査定を受けることで、費用を抑えつつ大切な遺品を活かせます。
複数の事業者から見積もりを取る
複数の事業者から見積もりを取ることも、費用を抑えるうえで欠かせません。料金や作業内容を比較することで、適正な価格の事業者を選べるためです。
見積もりを比較する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 2〜3社を目安に料金と作業内容を比べる
- 総額だけでなく、料金に含まれる作業を確認する
- 極端に安い見積もりには注意する
たとえば、総額が安くても、供養や清掃が別料金になっていれば、最終的な支払いは高くなることがあります。また、相場より極端に安い見積もりは、後から追加請求されるおそれもあるため注意が必要です。
したがって、複数社を比較し、内容に納得できる事業者を選ぶことが、費用を抑える近道になります。
費用トラブルを防ぐ遺品整理事業者の選び方
遺品整理では、高額請求や不当なキャンセル料などのトラブルが相談として寄せられています。こうしたトラブルを防ぐには、次の3つのポイントを満たす事業者を選ぶことが大切です。
- 見積書を書面で出す事業者を選ぶ
- 追加料金とキャンセル料の条件を明示する事業者を選ぶ
- 口コミと作業実績を確認できる事業者を選ぶ
信頼できる事業者を見極める基準を知っておくと、費用面で後悔するリスクを減らせます。
見積書を書面で出す事業者を選ぶ
費用トラブルを防ぐには、見積書を書面で出す事業者を選びましょう。書面がないと契約内容の証拠が残らず、作業後に想定外の請求を受けても対抗しにくいためです。
実際に、書面で契約せずトラブルになった相談事例が寄せられています。たとえば、電話で「20万円くらい」と聞いていたにもかかわらず、作業後に30万円を請求されたという相談もありました。
こうした事態を避けるには、契約内容や見積もりを書面で出してもらい、費用と作業内容を十分に確認することが欠かせません。あわせて確認したいのが、料金の内訳です。「一式」とまとめられた表記ではなく、以下のように分かれているかを見ましょう。
このように、作業範囲と内訳が明記された書面を出す事業者なら、費用の透明性が高く、安心して依頼できます。
参照元:「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」独立行政法人国民生活センター
追加料金とキャンセル料の条件を明示する事業者を選ぶ
追加料金とキャンセル料の条件を、事前に明示する事業者を選ぶことも重要です。条件があいまいなままだと、契約後に高額な費用を求められるおそれがあるためです。
実際に、以下のような相談が寄せられています。
- 作業時に予想外の作業を請求され、最終的に見積金額の2倍を請求された
- 解約を申し出た際、高額なキャンセル料を請求された
こうしたトラブルを防ぐには、契約前に料金や具体的な作業内容を明確に示してもらい、追加料金の有無や解約料もあわせて確認しておきましょう。
判断材料の一つとして、EPARK掲載事業者には「見積もり無料」「キャンセル無料」「出張無料」の表示があり、条件を事前に確認できます。したがって、料金と解約の条件を明示する事業者を選ぶことが、余計な出費を防ぐことにつながります。
参照元:「かながわ消費生活注意・警戒情報第83号『こんなはずでは…遺品整理サービスのトラブルに気をつけて!』」神奈川県くらし安全防災局
参照元:「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています」独立行政法人国民生活センター
関連記事:遺品整理はやばい業者が多い?トラブル事例と対策を解説
口コミと作業実績を確認できる事業者を選ぶ
口コミと作業実績を確認できる事業者を選ぶことも、トラブル回避に欠かせません。第三者の評価や許可の有無を確認することで、実態のともなう事業者かどうかを見極められるためです。
まず確認したいのが、業務に必要な許可です。事業者には、以下の許可が求められます。
- ごみや不用品の収集運搬には、市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可
- 遺品の買取には、古物商の許可
無許可の事業者へ依頼すると、不法投棄などのトラブルにつながりかねません。買取を依頼する場合は、「古物商許可証」や「行商従事者証」を確認しましょう。
さらに、遺品整理事業者は「区分+搬出」「区分のみ」「搬出のみ」「供養」など、対応できる業務範囲が事業者ごとに異なります。
同じ看板を掲げていても、実際に任せられる作業は同じとは限りません。したがって、口コミや作業実績をあわせて確認し、許可と対応範囲を見極めることが、信頼できる事業者選びの決め手になります。
関連記事:遺品整理の優良業者の選び方とは?後悔しないためのポイントを解説
遺品整理の費用は誰が払う?
遺品整理の費用は、原則として遺産を引き継ぐ相続人が負担します。ただし、相続人の人数や相続放棄の有無によって、誰がどのように負担するかは変わります。
- 遺品整理の費用は相続人が払う
- 相続人が複数いるときは全員が法定相続分に応じて払う
- 相続人全員が相続放棄した場合は次順位の相続人が払う
誰が費用を負担するのかを整理しておくと、依頼前に家族間で相談しやすくなります。それぞれ詳しく解説します。
遺品整理の費用は相続人が払う
遺品整理の費用は、遺産を引き継ぐ相続人が払います。相続人は故人の財産を受け継ぐ立場にあり、遺品整理もその財産の管理・処分にあたる行為だと考えられるためです。
たとえば、故人が親で、子どもがその財産を相続する場合は、遺品整理の費用も子どもが負担するのが基本です。
したがって、遺品整理を検討する際は、まず自分が相続人にあたるかどうかを確認しておきましょう。誰が費用を払うのかをはっきりさせておくことで、依頼後の金銭的なトラブルを避けられます。
相続人が複数いるときは全員が法定相続分に応じて払う
相続人が複数いる場合は、全員が法定相続分に応じて費用を負担します。誰か1人が当然に支払い義務を負うわけではなく、遺産を受け継ぐ割合に応じて分担するのが原則だからです。
ただし、遺産分割協議で負担者を決めることもできます。たとえば、実家の近くに住む相続人が手続きを進める代わりに、費用は全員で分担するといった取り決めも可能です。ここで注意したいのは、代表者だけに負担が偏らないようにすることです。
したがって、依頼の前に相続人どうしで話し合い、負担の割合を決めておくと安心できます。
相続人全員が相続放棄した場合は次順位の相続人が払う
相続人全員が相続放棄した場合は、次順位の相続人が費用を払います。相続放棄をすると、はじめから相続人でなかったものとして扱われ、費用の負担義務がなくなるためです。
たとえば、子ども全員が相続放棄をすると、相続権は故人の親や兄弟姉妹といった次順位へ移り、その人たちが遺品整理の費用を負担します。
この取り扱いは、民法939条にもとづくものです。したがって、相続放棄を検討する際は、負担が誰に移るのかもあわせて確認しておくことが大切です。
参照元:「令和8年6月24日 施行 現在施行民法等の一部を改正する法律(令和八年法律第四十五号)」e-Gov法令検索(民法)
遺品整理費用に関するよくある質問
遺品整理費用に関するよくある質問に回答します。
遺品整理費用は相続税の計算で控除できますか?
遺品整理費用は、相続税の計算で控除できないのが原則です。相続税の債務控除の対象は、故人が亡くなった時点で現に存在した債務に限られるためです。
債務控除の対象になるのは、以下のように確実と認められる債務です。
一方で、遺品整理は故人の死後に相続人が依頼するものであり、亡くなった時点で存在した債務にはあたりません。
そのため、相続税の債務控除の対象外となります。したがって、遺品整理費用は相続税の負担を軽減する費用にはならない点を、あらかじめ理解しておきましょう。
参照元:「No.4126 相続財産から控除できる債務」国税庁
遺品整理と不用品回収の違いは何ですか?
遺品整理と不用品回収の違いは、作業範囲にあります。遺品整理は遺品を「残す物」と「処分する物」に区分する作業を含むのに対し、不用品回収は処分が中心となるためです。
具体的には、遺品整理では以下の作業に対応します。
- 遺品の仕分け
- 貴重品や重要書類の捜索
- 供養(対応する事業者の場合)
一方で、不用品回収は不要な物を運び出して処分するのが主な役割で、仕分けは依頼者が行うのが一般的です。したがって、遺品を一つずつ確認しながら整理したい場合は遺品整理、処分する物が決まっている場合は不用品回収と、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
遺品整理で買取できる遺品はどうすればよいですか?
ブランド品や貴金属などの価値ある遺品は、事前に仕分けして買取査定に出すのが基本です。査定に出す前に他の遺品と混ざって処分されてしまうと、価値のある品を手放すことになりかねないためです。
事前に仕分けておきたいのは、以下のような品物です。
- ブランド品や時計
- 金・プラチナなどの貴金属
- 着物や骨董品
一方で、作業中に見つかった品を買い取ってくれる遺品整理事業者もあります。ただし、買取を行うには古物商許可が必要で、この許可を持たない事業者は買取に対応できません。
まとめ|遺品整理費用は料金と作業内容を比較して決めよう
遺品整理の費用は、料金だけでなく作業内容もあわせて比較して決めることが大切です。費用相場は間取りによって10万〜100万円以上と幅がありますが、実際の金額は遺品の量や搬出環境、依頼する作業範囲によって変わります。
そのため、金額の安さだけで選ぶと、後から追加費用が発生して後悔しかねません。まずは自宅の間取りと遺品の量から概算費用を把握し、残す物と処分する物を整理しておきましょう。
そのうえで、2〜3社に訪問見積もりを依頼し、総額と作業範囲を比べることが、納得できる依頼への近道になります。正確な費用を知るには現地見積もりが欠かせないため、気になる事業者から見積もりを取り、内容を十分に確認したうえで依頼を進めてください。