1. 真言宗の葬儀の特徴
真言宗の葬儀の特徴は『灌頂(かんじょう)』や『土砂加持(どしゃかじ)』といった儀式です
この宗派の葬儀の特徴として最初に紹介するのは『結縁灌頂(けちえんかんじょう)』という儀式についてです。
この儀式には、お亡くなりになった方の頭部に水をかけることで、仏様との縁を結ぶという意味が込められています。お墓参りの際に墓石に水をかけるのも、灌頂という儀式のひとつです。
ちなみに、冷や水をかけるという意味で墓石に水をかける行為を禁止している宗派もありますから、お墓参りの際もよく確認しておきましょう。その他に『受明灌頂(じゅみょうかんじょう)』や『伝法灌頂(でんぼうかんじょう)』などの儀式もありますが、これらは僧でないと受けることができませんから、ここでの説明は控えます。
真言宗の葬儀の特徴として次に紹介するのは、『土砂加持(どしゃかじ)』です。
土砂加持とは、普通の土砂を護摩と光明真言によって清める儀式です。その清められた土砂を棺の中に入れることで、魂(あらやしき)に蓄積されたよくないものを取り除き、大日如来の元へと導きます。
この宗派の葬儀の特徴を2つ紹介してきましたが、まだそれ以外にもたくさん特徴があります。その一つに印があり、両手を特殊な形で組み合わせながら真言を唱える行為で、さまざまな力が発揮されると言われています。
真言宗は密教ですので、印も含めてさまざまな謎があり、公表されていないことがたくさんあるのもこの宗派の特徴です。
2.真言宗の葬儀の流れ
真言宗の葬儀の流れについて初めての方でも分かるように解説します
この宗派の葬儀の流れですが、基本的には他宗派と同じく、通夜式の翌日に告別式を執り行うこととなります。
一般的な葬儀の流れとして、病院で逝去された場合は葬儀社へ連絡をします。ご自宅で逝去された場合は、かかりつけ医などへ連絡をして死亡診断書を受け取った後葬儀社へ連絡します。
葬儀社が決定したら、ご自宅や安置施設などにご遺体を安置したい場所の希望を葬儀社へ伝えて搬送してもらいます。
その後打ち合わせでを行い、祭壇の種類や霊柩車のランク、式の大きさ、精進落としの有無などを決めていきます。
故人の身支度として、ご遺体に白装束を着せ納棺を行います。その際に真言宗では、先ほど紹介した土砂加持という儀式があります。ここまでの段階で参列者には連絡しておきましょう。
通夜式では、お坊さんによる読経と参列者による焼香が行われます。
告別式の流れですが、まず導師が入場し、三礼(さんらい)、表白(ひょうびゃく)、神分(じんぶん)という準備を始めます。
準備が整ったら、声明、授戒作法、灌頂と続き、導師により弥勒三種の印が故人に授けられます。破地獄の儀式、開眼・血脈、諷誦文の読経まで行なうと出棺となります。
真言宗の葬儀では、出棺の際に導師最極秘印という印を結び、3回指を鳴らすこととされています。
3. 真言宗の葬儀作法
真言宗の葬儀作法やマナーについて分かりやすく紹介していきます
この宗派で葬儀に参列する際のマナーを紹介する前に、基本的なことからお伝えしておきます。
まず、葬儀に参列する際は、明るい色の服装や濃いメイクは避けましょう。匂いの強い香水も同様です。
学生であれば学生服が無難でしょう。警察官や自衛隊、消防士など、制服や正装がある職業についていらっしゃる方は、参列する同僚などと相談して決めて下さい。
真言宗の葬儀の作法として最初に紹介するのは、焼香の回数についてです。
真言宗の焼香は正式には3回です。何も指示がない場合は3回行って下さい。
ただし、参列者の数や葬儀時間の関係で司会者から回数の指示があった時は従うのがマナーです。
真言宗の葬儀で使用する数珠は、主玉が108個あるものです。男性用と女性用のものが存在し、かたちは同じですが大きさが異なります。
二重にして左手で持ち、拝む際に手の中で擦り合わせ、ジャラジャラと音を鳴らすのが正式な作法です。お住まいの地域に真言宗の門徒が多い場合は、事前に購入しておくことをおすすめします。
この宗派の葬儀マナーとして次に紹介するのは、印を真似しないことです。
手で特殊な形を作りながら真言を唱える姿を見て、真似するお子様がいらっしゃいます。印や真言などの特殊性や葬儀の雰囲気などの観点から考えて、そのような行為はできるだけ控えさせるのが保護者としてのマナーです。
4.真言宗の葬儀にかかる費用相場はいくら?
真言宗の葬儀相場はプランやお布施、戒名によって大きく異なります
この宗派に限った事ではありませんが、葬儀費用というのは参列者の数やプラン、戒名の種類などで大きく変わってきます。
真言宗で直葬する場合に葬儀社に支払う相場としては、参列者1~5名で12万円、1~10名で16万円です。
通夜式を行わない一日葬の場合でしたら30万円、参列者10名程度の家族葬は40万円が相場となっています。
30名以上が参列する一般葬の相場は60万円以上となっています。
参列者が100名を超える場合は1人増えるごとに約1万円が加算されると考えて問題ありません。
つまり真言宗での葬儀に1,000人が参列する場合の相場は1,000万円ということになります。
ここまでは葬儀社に支払う費用の相場を紹介しましたが、次に紹介するのはお坊さんに支払うお布施の相場です。
通夜式、告別式(初七日含む)でお経を読んでもらう費用としては、20万円~25万円が相場です。
この宗派で戒名をつけてもらう費用はランクによって異なります。よく使用されている、信士や信女でしたら5万円~10万円、院居士や院大姉を含む10字の戒名は500万円以上が相場となります。
ここまでの費用を合計すると、真言宗で葬儀を行う際の費用は17万円が最低の金額となります。実際の相場としては全てコミコミで70万円~100万円とされています。
5.真言宗の葬儀後、仏具や遺品の整理でお困りの方へ
五鈷杵・写経・供物など、宗教的な品を適切に扱うには
真言宗の葬儀では、ご本尊、数珠、経本、五鈷杵(ごこしょ)といった法具が多く使われるのが特徴です。また、写経や護摩札、祈願文の書かれた紙札なども葬儀の場に持ち込まれることがあり、葬儀後にそれらの品が自宅に残ることになります。
宗教的意味合いを持つ品は勝手に処分しづらく、どう扱えばよいか迷うことも多いです。「寺院に返すべきか」「供養して処分できるのか」といった判断は、ご家族だけで行うには難しく、対応を先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。
加えて、故人の遺品や生活用品の整理も同時に進める必要がある場合、時間も労力も大きくかかってしまいます。そのようなときは、仏教的な配慮に精通した遺品整理の専門業者に相談することで、精神的な負担を軽減しながら、的確に整理を進めることができます。
仏具や法具の供養・処分に対応できる業者を活用し、真言宗の教えを大切にしながら、故人と向き合う時間をしっかりと持つことをおすすめします。