1. キョンの習性を理解しよう
キョンの繁殖力はとにかく高く、年間の増加率は驚異の36%!
キョンのやっかいな所は、年間に36%増加するともいわれる驚くべき繁殖力です。一年を通じて繁殖をしており、一度の出産で生まれるのは1匹といわれていますが、出産後すぐに発情できるほか、産まれた子も生後一年程度で出産できるようになります。
キョンによる被害が確認されたのが1980年代前半。2000年になり繁殖率15%を基準に本格的な駆除活動が開始されました。ところが、2008年に調べてみると頭数が減るどころか増加していました。2014年に減少に転じるのですが、依然としてキョンの生態については、はっきりしていないのが現状です。
キョンは群れでの行動を嫌う習性があります。それだけ縄張り意識が強いという事ですね。
好物としては草、木、果物、スイカや柿です。さらにそれらがない場合は、田んぼにある稲や花壇の花まで食べてしまいます。
活動が活発になる時間帯としては、夜明け前と夕暮れ時などの薄らと明るい時間帯です。オスのキョンは成長すると移動して、新たなメスとの繁殖活動に入ります。一方でメスは、その場所にとどまり活動をしています。
この害獣の習性として最後に紹介するのは、シカとの違いです。通常の被害であれば、シカによるものなのか、キョンによるものなのかを判別することはできません。足跡もコジカと同じような形ですので、見分けることはほぼ不可能です。
そこでポイントとなるのが糞です。キョンの糞は若干縦長で短い方の直径が7ミリ以下となっています。
2. キョンによる被害事例①
キョンによるトラブル事例その①女性の悲鳴と勘違いしてしまうことも・・・
まず最初に紹介する被害事例は、キョンの鳴き声によるトラブルです。キョンは個体により、ギャー、キャー、ワンなどといった声で鳴きます。
習性でも紹介したようにキョンの活動時間帯は夕暮れや明け方。その時間帯に外からキャーやギャーと聞こえたら、かなり驚きますね。昨今は物騒な時代なだけに、何か子どもや女性にトラブルでもあったのかと勘違いしてしまいます。しかもそれが一回ではなく、二回三回と繰り返される訳ですから、ゆっくり眠りにつくことも難しくなります。
イノシシやシカなどのように昔からいる害獣でしたら慣れも出てくるとは思いますが、キョンはここ30年から40年で爆発的に増加した害獣ですので、なかなか聞き流すということができません。そのため、慢性的な睡眠不足に悩まされている方や睡眠障害を訴える方もいらっしゃるのが現状です。
この害獣によるトラブルとして次に紹介するのは、自宅の植え込みを食べられた事例です。房総半島南部の戸建て住宅で、目隠し目的で植えていたアオキやカクレミノがキョンによって食べられる事例が増加しています。
キョンは大変グルメですから被害の中心は柔らかい新芽。お金をかけてきれいに剪定してもらっても、新芽を食べられたのでは台無しですね。また、大切に育てた花壇やお庭の花を食べられるトラブルも増えています。
3. キョンによる被害事例②
キョンによるトラブル事例その②伊豆大島では特産品に被害が出ています
駿河湾の南、伊豆半島の南東約25㎞にある伊豆大島でも、キョンによる被害が発生しています。これは房総半島や伊豆半島から泳いで渡ったのではなく、都立大島公園から脱走した個体が年1000頭以上のペースで増加したものです。
キョンの大好物は新芽などの柔らかい草木。伊豆大島は古くから明日葉や椿の生産地として有名で、昭和初期には椿から抽出された椿油が高級品として東京のデパートなどで販売されていました。キョンが繁殖してからは明日葉、椿ともに減少してしまう状態が続いています。
また、キョンにとっては芝生も大好物。伊豆大島にある別荘の庭に植えられている芝生にも大変な被害が発生しています。
特に島という特性上、オオカミや熊などの大型動物が生息していませんので、深刻なトラブルとなっています。
今回はこの害獣による被害事例として伊豆大島でのケースを紹介しましたが、現在では都や地元の取り組みにより、横ばいからやや減少傾向にあるようです。
それでも2019年末の時点で約19,611頭のキョンが居るとされていますし、2007年の計画当初は10年で根絶させるという目標でしたので、今後すぐにこの問題が解決するという事は無いようです。
4. キョンの被害を解決するために必要な費用とは?
キョンによるトラブルを解決するための費用は、くくり罠だと約5,000円!
この害獣による被害を解決するためには、罠の活用と畑などでの柵の設置が必須です。
まず最初に紹介するのは、罠の種類と費用について。キョンを駆除する方法は大きく分けて、箱罠とくくり罠があります。猟銃でも駆除が可能なのですが、すばしっこいキョンにはあまり適していないとされていますので、今回は割愛させて頂きます。
くくり罠の費用は踏み板からスプリングまで全てセットで一個6,000円です。ただし実際に駆除するとなると、けもの道に10個以上設置する必要がありますから、60,000円以上ということになります。
箱罠でしたら一個46,000円前後です。こちらもくくり罠と同様に複数設置する方が効果的ですから、対策するエリアによっては莫大な費用が発生します。
また、日本に生息する鳥獣は鳥獣保護法で守られており、もちろんキョンもその中に含まれますので、基本的には無断で捕獲することは法律で許されていません。
鳥獣を捕獲する際には、ほとんどの場合において、狩猟免許や何らかの許可申請が必要です。早急の駆除をお考えの方はプロの駆除業者に依頼することをおすすめします。
全くの素人がこのトラブルを罠で解決するためには、まず講習を受けて地元の猟友会に所属してください。年間費用として約15,000円は必要となりますが、ベテラン猟師が捕獲や駆除のノウハウなどをしっかりと教えてくれます。
一方で畑を守るための電気柵の設置費用は28,000円~60,000円です。業者に依頼すると、追加で作業料金が加算されますのでご注意ください。
5. キョンの被害情報まとめ
キョンによるトラブルについての情報のまとめとポイントのおさらい
この害獣による被害に関するさまざまな情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントをまとめます。
まず、房総半島や伊豆大島で畑を所有している方は対策が必須です。被害を確認したら速やかに自治体に報告しましょう。キョンによる被害を解決する方法は、箱罠、くくり罠、電気柵の設置などがあります。捕獲に関しては、資格や申請などが必要になってきますので、専門の駆除業者に依頼することをオススメします。