1.空き巣に狙われやすい家の特徴とは?
人通りが少ない立地や死角の多い住宅は、狙われやすい条件が揃っている
空き巣が狙いやすいのは、周囲からの視線が届きにくく、侵入する姿を見られにくい家です。留守中などに侵入する空き巣にとって、犯行を目撃されるリスクが低い環境かどうかは、侵入先を選ぶうえで重要な要素になります。
侵入の手口には、窓ガラスを割るなどして解錠する「ガラス破り」、特殊工具などを使って玄関ドアの鍵を開ける「施錠開け」、バールなどでドアや錠を破壊する「ドア錠破り」などがあります。周囲から見えにくく、侵入作業をしていても気づかれにくい場所ほど、空き巣に狙われるリスクが高まります。
時間帯にも注意が必要です。警察庁「令和6年の犯罪」によると、時間帯が特定できた侵入盗4,023件のうち、1,296件が午前0時~4時に発生しています。
(出典:警察庁「令和6年の犯罪」)
ただし、空き巣は住人が不在の住宅へ侵入して金品を盗む手口を指すため、この侵入盗全体のデータだけを根拠に「空き巣は深夜帯がもっとも狙われやすい」とは判断できません。外出時はもちろん、在宅時や就寝前にも玄関や窓を施錠し、侵入されにくい状態を保つことが重要です。
敷地内の死角も確認しておきたいポイントです。背の高い植木や高いブロック塀などで玄関や窓が道路・近隣住宅から見えにくくなっていると、侵入者が身を隠しやすくなります。植栽を手入れして見通しを確保するほか、防犯カメラやセンサーライトを死角になりやすい場所へ設置するなど、周囲から侵入者の存在に気づきやすい環境を整えることが防犯につながります。
2.空き巣に狙われる家になりやすい生活習慣
郵便物の放置や長期間の留守が外から分かる状態
空き巣は侵入前に周囲の状況を確認し、留守かどうかを判断することがあります。その際、郵便物のたまり方やカーテン、夜間の照明など、普段の生活状況が判断材料になることがあります。
長期間の不在が分かる状態を作らない
長期間の不在が分かる状態は、空き巣に留守だと判断されるきっかけになります。ポストに郵便物や新聞がたまっている、カーテンが何日も閉まったまま、夜になっても室内の照明がつかないといった状態が続くと、人がいないことを外から察知されやすくなります。
年末年始やゴールデンウィークなどで長期間家を空ける場合は、新聞の配達を止めたり、郵便物がたまらないようにしたりする対策が有効です。タイマー付き照明などを使い、夜間も在宅しているように見える状態を作る方法もあります。
防犯対策が少ない家は狙われやすい
防犯対策が少ない家は、侵入に時間がかからないと判断されるおそれがあります。財団法人都市防犯研究センターの調査では、侵入に5分以上かかると約7割の侵入者が犯行を諦めるという結果が示されています。
(出典:警察庁「住まいる防犯110番」)
窓の補助錠や防犯フィルムなどを取り入れ、侵入に時間がかかる状態を作ることが、防犯上の重要なポイントです。玄関だけでなく、窓や勝手口など侵入口になりやすい場所も含めて対策すると、侵入のハードルを高めやすくなります。
合鍵を家の外に隠さない
合鍵を家の外に隠す行為も避けたほうが安全です。ポストや植木鉢、植え込みなどは、合鍵の隠し場所として推測されやすく、見つかれば鍵を壊さずに侵入されるおそれがあります。
家族しか場所を知らないつもりでも、鍵を出し入れする場面を見られている可能性があります。合鍵は屋外に置かず、家族それぞれが管理するか、必要に応じてキーボックスなど別の管理方法を検討するとよいでしょう。
3.空き巣に狙われる家で侵入されやすいポイント
玄関や窓は侵入経路になりやすい
空き巣がどこから侵入するのかは、住宅の種類によって傾向が異なります。警察庁の「住まいる防犯110番」によると、令和6年(2024年)の一戸建て住宅では窓からの侵入が多く、共同住宅では表出入口からの侵入割合が高くなる傾向があります。住宅の種類に応じて狙われやすい侵入口を把握し、窓や玄関を重点的に対策することが大切です。
一戸建てでは窓からの侵入が多い
令和6年(2024年)の一戸建て住宅における侵入口は、窓が6,596件(52.9%)と過半数を占め、次いで表出入口が2,739件(22.0%)となっています。一戸建てでは、玄関だけでなく窓の防犯対策も重要です。
(出典:警察庁「住まいる防犯110番」)
窓が狙われる背景には、ガラスを破って内側の錠を開ける手口があります。一般的な引き違い窓に使われるクレセント錠は、主に窓を密閉するための金具であり、製品によっては単体では十分な防犯対策にならないことがあります。補助錠や防犯フィルムなどを組み合わせ、ガラスを破られても簡単に開けられない状態にすることが重要です。
共同住宅では玄関などの表出入口にも注意する
共同住宅では、一戸建てとは侵入口の傾向が異なります。3階建以下では表出入口からの侵入が47.6%、4階建以上では61.2%を占めています。階数の高い共同住宅ほど、玄関などから侵入される割合が高くなる傾向がみられます。
オートロック付きの共同住宅でも、建物内へ入られれば各住戸の玄関ドアが侵入口になる可能性があります。オートロックだけに頼らず、玄関の施錠や鍵の防犯性能、補助錠なども含めて対策することが大切です。
鍵のかけ忘れによる侵入にも注意する
侵入手口では、一戸建て・共同住宅ともに無締りが多くみられます。無締りとは、玄関や窓などに鍵をかけていない場所から侵入される手口です。
防犯性能の高い鍵や防犯グッズを設置していても、施錠していなければ十分な効果を発揮できません。外出時だけでなく、在宅中や就寝前にも玄関や窓の施錠を確認し、短時間の外出でも鍵をかける習慣をつけることが基本的な防犯対策になります。
4.空き巣に狙われやすい家を守る防犯対策
ワンドアツーロックや防犯カメラなどの侵入を防ぐ設備を
侵入対策の基本として押さえておきたいのが「ワンドア・ツーロック」です。玄関ドアや窓に補助錠を加えて1か所に2つの鍵をかけることで、侵入にかかる時間を延ばせます。空き巣は侵入に時間がかかるほど犯行を諦めやすくなるため、鍵を増やして簡単に開けられない状態を作ることが重要です。
補助錠を追加してワンドア・ツーロックにする
ワンドア・ツーロックとは、1つのドアや窓に2つの鍵を設ける防犯対策です。玄関ドアに補助錠を追加すれば、侵入者は2つの鍵を突破する必要があるため、不正解錠にかかる時間を延ばせます。
窓用の補助錠には、サッシに取り付けるタイプなど、工事不要で設置できる製品もあります。ただし、窓を少し開けた状態で使用できる製品であっても、防犯目的では窓を閉めて施錠することが基本です。窓の形状や設置位置に合う製品を選び、既存のクレセント錠と併用するとよいでしょう。
塀や植栽を見直して死角を減らす
塀や植栽による死角も、空き巣対策では確認しておきたいポイントです。高いブロック塀や伸びた植栽によって玄関や窓が道路から見えにくくなると、侵入者が身を隠しやすくなります。
敷地の状況に応じて植栽を定期的に剪定し、外から玄関や窓の周辺を見通せる状態を保つことが大切です。塀を変更する場合は、防犯性だけでなくプライバシーや安全性も考慮しながら検討するとよいでしょう。
防犯カメラやセンサーライトで死角を補う
防犯カメラや人感センサーライトは、構造上どうしても死角が残る場所の対策に役立ちます。防犯カメラは玄関や勝手口などの様子を記録でき、カメラの存在そのものが侵入をためらわせる要因になることもあります。
人感センサーライトは、人が近づいたときに自動で点灯するため、夜間の死角を減らす方法として有効です。玄関だけに設置するのではなく、勝手口や窓まわりなど、人目につきにくい場所も確認して設置位置を決めることが重要です。
防犯対策は、一度行えば終わりではありません。施錠確認を習慣にするほか、植栽の成長や周囲の環境変化によって新たな死角ができていないか定期的に見直すことで、空き巣に狙われにくい状態を保ちやすくなります。
5.玄関の防犯性が気になる場合は鍵屋への相談も検討しよう
玄関の防犯性を高めたいものの、どの鍵へ交換すればよいか分からない場合は、鍵屋へ相談する方法があります。鍵の防犯性能だけでなく、玄関ドアや錠ケースとの適合、補助錠を追加できるかどうかまで確認してもらえます。
現在の鍵が古い、鍵が1つしかない、自宅に合う防犯対策が分からない場合は、鍵屋に現地を確認してもらうと必要な対策を判断しやすくなります。鍵交換が必要とは限らないため、まずは現在の鍵や玄関ドアの状態を確認してもらい、見積もりを取ったうえで依頼するか判断するとよいでしょう。
現在の鍵の防犯性能を確認してもらう
現在の鍵の防犯性能は、見た目だけでは判断しにくいことがあります。古いシリンダーを使用している場合や鍵の種類が分からない場合は、鍵屋に確認してもらえば、ピッキングへの耐性や玄関ドアとの適合を踏まえて交換が必要か判断してもらえます。
防犯性の高いディンプルシリンダー錠やCPマーク付きの製品などが候補になりますが、すべての玄関ドアに取り付けられるわけではありません。錠ケースやドアの仕様によって適合する製品が異なり、型番を間違えると取り付けられないため、自分で製品を購入する前に確認してもらうと安心です。
補助錠を追加できるか相談する
補助錠の追加も、玄関からの侵入に時間をかけさせるための防犯対策です。玄関ドアをワンドア・ツーロックにすると、侵入者は2つの鍵を突破する必要があるため、侵入のハードルを高められます。
ただし、補助錠を取り付けられる位置や製品は、玄関ドアの材質や厚み、既存の錠前との位置関係によって変わります。穴開けが必要になることもあり、取り付け位置を誤るとドアを傷めるおそれもあるため、DIYが難しい場合は鍵屋へ相談するとよいでしょう。
複数の鍵屋から見積もりを取る
鍵屋へ依頼する際は相見積もりを取り、料金だけでなく提案された防犯対策や作業内容も比較することが大切です。見積もりでは、鍵本体の価格や交換作業費、出張費、補助錠を追加する場合の工事費、追加料金が発生する条件まで確認しておきます。
安さだけで決めるのではなく、現在の鍵にどのような防犯上の弱点があるのか、なぜ交換や補助錠の追加が必要なのかを具体的に説明してくれる鍵屋を選ぶことも重要です。玄関の鍵が古い、鍵が1つしかない、防犯性に不安がある場合は、鍵屋へ現地調査や見積もりを予約し、自宅に必要な防犯対策を確認してもらう方法があります。
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