1. 合鍵は「鍵番号」があれば複製可能
純正キーを持ち歩かないほうがよい理由と、鍵番号から複製されるリスク
新生活で環境が変わり、引っ越しを終えたときに忘れずに考えておきたい重要なものが「鍵」の管理です。
紛失などに備えて、純正キーは自宅に保管し、普段は合鍵(スペアキー)を使っている人も多いのではないでしょうか。
実は、防犯の観点から見ても、純正キーを持ち歩かない判断は理にかなっています。
合鍵は、一般的に鍵屋へ依頼して作成します。
特殊な構造や高いセキュリティー機能を備えた鍵でなければ、10分ほどで完成することもあり、その手軽さは大きな利点です。
一方で、紛失した場合に第三者に利用されやすいというリスクがある点も意識しておく必要があります。
鍵を複製する際は「鍵屋へ現物の鍵を持ち込む」というイメージを持たれがちですが、実際には現物がなくても合鍵を作成できる場合があります。
現物の鍵がなくても、数字とアルファベットで構成された「鍵番号」が分かれば、合鍵を複製できるケースがあるためです。
純正キーに刻まれた番号から鍵の形状を特定できる仕組みになっており、業者によっては作成前の本人確認を行わない場合もあります。
さらに近年では、パソコンやスマホから合鍵を注文できるサービスも増えています。
利便性が高い反面、情報の扱い方によっては悪用される可能性を完全に否定できない点には注意が必要です。
2. 合鍵と純正キーの違いとは?
鍵番号の有無と精度の差に注意
純正キーは「マスターキー」「元鍵」とも呼ばれ、合鍵とは根本的な違いがあります。
合鍵は、多くの場合、純正キーをもとに作成(複製)されますが、その際に「鍵番号」は刻印されません。
つまり、形状だけを再現して作られているのが合鍵です。
また、両者には機能面でも違いがあります。
合鍵は純正キーに比べて精度が低く、毎日繰り返し使用して摩耗やわずかな変形が生じると、鍵穴に差し込みにくくなったり、回りにくくなったりしやすい傾向があります。
同じ理由から、合鍵をもとにさらに合鍵を複製できないケースもあります。
精度が十分でない合鍵から複製すると、さらに誤差が大きくなるおそれがあるためです。
合鍵からの複製に対応する業者もありますが、長期的な使用や不具合のリスクを考えると、純正キーから作成する判断が無難といえるでしょう。
3. 鍵番号を使った合鍵の複製が悪用された事例
鍵番号による合鍵悪用の実例と、不法侵入につながる現実的な危険性
2016年9月、女子大生の住居に見知らぬ男性が不法侵入したという事件がありました。
犯人は、被害者の住むマンションに管理会社員を装って立ち入り、鍵のメーカーや番号情報を得て合鍵を作成しました。
幸い女子大生の身に直接的な被害はありませんでしたが、最悪の場合、命に関わる危険な事例といえます。それでも、いまだ「鍵番号で合鍵が複製できる」という事実を知らない人が多いのも現状です。
警察庁が公表している「平成29年の刑法犯に関する統計資料」では、空き巣・忍び込み・居空きについて、侵入手段別の認知件数が示されています。
平成29年の空き巣犯罪の認知件数は25,511件で、そのうち合鍵を使ったものは1,334件となっており、ガラス破り(10,851件)、無締まり(9,318件)に次いで多い手口です。数だけを見ると実感しにくいものの、決して珍しい侵入方法ではありません。
合鍵を使った不法侵入は、犯人にとって目立ちにくく、都合のよい手段でもあります。
窓を割ったりピッキングをしたりする必要がなく、住人になりすました形で建物内に入ることができるためです。2016年に起きた不法侵入の事例は、誰にとっても他人事ではなく、便利な時代だからこそ、鍵や番号の管理に対する意識が重要になります。
4. 合鍵を複製して悪用されないためにやっておくべき鍵番号の守り方
鍵番号の悪用を防ぐために、日常でできる具体的な対策
簡単に作れる反面、犯罪に利用されるかもしれないというデメリットを持つ合鍵です。ささいな気の緩みが犯罪につながることもあるため、普段から意識して対策をしておきましょう。
最も簡単で安心できる対策は、純正キーではなく合鍵を持ち歩くことです。
先述の通り、合鍵には番号が刻印されません。鍵番号がなければ、現物なしでの複製はできないため、外出先で番号を盗み見られて悪用されるリスクを抑えられます。
仮に純正キーを持ち歩いている、または持ち歩く必要がある場合は、鍵番号が見えないようにカバーを付けておくと安心です。
最近では、シンプルな革製品からかわいらしいキャラクターものまで種類が豊富なので、使いやすさや好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
お子さまが1人で鍵を持ち歩く場合は、合鍵でも悪用される可能性があることを事前に伝えておくことが大切です。
また、首から下げたりランドセルの外側に付けたりすると、鍵の紛失予防にはなりますが、番号だけでなく「大人が家にいない可能性」を周囲に知らせてしまうリスクがあります。
そして何より大切なのは、「鍵の番号だけで合鍵が作れる」という意識を持ち続けることです。
可能であれば純正キーは自宅で保管し、工夫して管理した合鍵を持ち歩くことで、鍵番号の流出リスクを下げることにつながります。
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5. まとめ
鍵番号による複製リスクが気になる場合の、防犯対策の選択肢
合鍵に限らず、便利な機能や仕組みは、使い方次第で犯罪につながることがあります。
それに伴い鍵のセキュリティー性能も向上していますが、現状では完全に安心できるとは言い切れません。今使っている鍵に不安を感じる場合は、鍵そのものを取り換えるという選択肢もあります。鍵穴に差し込むタイプの鍵でも、構造上、簡単に合鍵を複製できない種類が存在します。
賃貸物件などで鍵の交換が難しい場合は、補助錠を取り付ける方法も有効です。
ドアに穴を開けずに設置できる製品も多く、オートロック機能のないアパートやマンションでは「第三の鍵」として防犯性を高める役割を果たします。
近年では、指紋認証やカードキーで施錠する住宅も増えてきました。
指紋認証は鍵を持ち歩く必要がなく、紛失や盗み見の心配がない点が特徴で、設置できる環境であれば心強い防犯手段といえます。
鍵番号で合鍵が複製される可能性がある以上、「自分に限って大丈夫」と考えないことが防犯の第一歩です。
今日から実践できる対策を積み重ね、住まいと鍵、そして自分自身の安全を守っていきましょう。