庭木を自分で移植するには?正しい方法や失敗しないポイントを解説
公開日:2023.10.11 更新日:2024.4.22
庭木の健康状態を守るため、または引っ越しの際などに庭木の移植が必要となるケースがあります。
ここでは、庭木の移植が必要となる理由や、移植に最適な時期について解説します。自分で移植する際に必要な道具と手順もまとめました。
庭木の健康状態を守るため、または引っ越しの際などに庭木の移植が必要となるケースがあります。
ここでは、庭木の移植が必要となる理由や、移植に最適な時期について解説します。自分で移植する際に必要な道具と手順もまとめました。
庭木には、主に2種類のシチュエーションの際に植え替えの移植が必要となります。ここでは、それぞれのシチュエーションについて詳しく解説します。
1.引越しや庭のレイアウトを変更するとき
住宅の引越しをする際や、庭のレイアウトを変える、リフォームをする際などには、庭木の移動が必要となることがあります。
庭木が移動できるかどうかは、植えてから何年経っているかによってその難易度が変わります。まだ年月が浅く、それほど根を張っていない状態では移植しやすいですが、およそ5年以上経つなど、長い期間同じ場所で根を張っている場合は移植が容易ではなく、植木の業者に依頼しても断られることがあります。
2.庭木の周りの地面に根が出ている
庭木の周りに根が出ている場合は、早急に庭木の移植が必要です。
これは根がこれ以上成長できずに詰まっている状態で、放置すると庭木の成長に悪影響を及ぼします。また、同じ敷地に植えた植物にも悪影響が広まる可能性もあるため、見つけたら早急に対処しましょう。
この際、水をやっても地面に染み込まず、水はけが悪くなっていたら寝腐れのサインです。庭木の専門事業者に相談するなどして、庭木の移植を検討しましょう。
前提として、庭木の移植は木にとって負担が大きい作業となります。そのため、ただ植え替えただけではそのまま枯れてしまうこともあります。
とくに植えてから5年以上経過した庭木の場合、根が広がってしっかりと張っており、そのまま移植しようと思ってもうまくいきません。
以下に、庭木の移植をするさいのポイントをまとめます。
・根回し
樹木の根は、木を支える太い根と、土の中の水分や栄養を吸い取る細い根で構成されています。
移植の際にはどうしても根をある程度切る必要がありますが、この細い根を切った状態でただ植え替えても、水分や栄養を吸い取る根がなくなっているので枯れてしまいます。
そのため、移植の前に一部の根を切っておき、そこから新たな細い根を発生させた後に移植を行うのが、「根回し」です。
根回しを行うのは春先から秋口までの根が発生しやすい時期が推奨され、実際の移植の半年から一年前に行う必要があります。
・枝葉の剪定
根の切断、根回しを行うことで水分の吸収力が弱まるため、水分の蒸散を防ぐために枝葉の剪定を行います。この際、切断面の腐敗を防ぐために腐敗防止剤の塗布なども必要です。
・移植後のケア
移植後は根が安定して、倒木のリスクがなくなるまで支柱に固定します。
状態によっては蒸散抑制剤を散布したり発根促進剤をしたりするなどして、庭木の定着を図ります。
庭木の移植には木の状態や季節など、適切な要素やタイミングがあります。特に気をつけるべきなのは、移植後にスムーズに根を生やして定着できるよう、庭木の生長が盛んな時期に移植することです。
植え替えに適した時期は植物によって異なるため、あらかじめ園芸書等で確認しておきましょう。
逆に、蕾がついていたり、花が咲いていたりする時期は、庭木の移植を避けるようにしましょう。
その他、庭木の健康を維持するためには、季節ごとにさまざまなケアが必要となります。
以下に、日頃から庭木の健康を守り、移植を成功させるために必要となる作業をまとめました。
・春先は害虫の繁殖が活発なため、肥料を薬剤に混ぜて害虫を防ぐ
・梅雨の時期は湿気を防ぐため、不要な葉や枝を取り除き、害虫に食われた葉の部分を切っておく
・日差しの強い夏の時期はいつもより多めに水やりをする
・土に腐葉土を混ぜることで水はけをよくし、雑草の繁殖を防ぐ
どれも一つひとつは難しいものではないため、庭木の健康のためにも意識して行いましょう。
そしていざ移植を行う際には、植物ごとの適切なタイミングをよく調べたうえで移植を行うことが大切です。
ここでは、自分で庭木を移植する流れについて解説します。
まず、移植の際に準備する道具は以下になります。
・軍手
・スコップ
・剪定ハサミ
・ジョウロ
庭木を移植する際は、いかに乾燥させないように作業をするかがポイントになります。
また、前述でも触れましたが、植えてから5年以上経った庭木は根が広範囲に育っているため、前もって根を短くして、新たな根が生えるのを待つ根回しという作業が必要となります。
自分で庭木を移植する際の流れは以下の通りです。
1.根回し(植えてから5年以上経った庭木の場合)
2メートル前後の木は根の先端を切断、2メートル以上の木は根を切断するか表皮を剥ぎ取り、新たな根が出るようにします。
その後、半年から1年かけて根の育成を待ってから次の作業に取り掛かります。
2.剪定(枝抜き)
移植後の木の水分量を調整するため、根とバランスが取れるよう枝を剪定する。
3.掘取
庭木を抜いて、根に少し残る程度に土を落とします。
4.整根
根を切りそろえて、移植したい場所に木を入れます。
5.植栽
掘った土と木の根の隙間に土をつめて、整地します。土は強く抑えないようにかぶせて、移植した後はたっぷりと水を撒いてください。
庭木の移植で失敗したくない方は、プロの事業者に依頼するのが確実です。
庭木はただ植え替えれば良いというわけではなく、枝木の剪定や移植の前後で環境を整える必要があるなど、素人が行おうとしても上手くいかない危険性があります。大切な庭木を弱らせ、最悪の場合は枯れさせてしまう恐れもあるのです。
また、必要な道具も多く、一度の移植のために買い揃えても再び使う機会がなくスペースを取ってしまうことも。
このように、ご自身で庭木を移植するよりも、庭木移植の経験や実績の豊富なプロの事業者に依頼するほうが、メリットは多いでしょう。
特に植えてから5年以上経っている木の場合、半年~1年前から根回しなどの準備が必要となり、木を弱らせずに移植するには相応の経験が必要となります。
大切な庭木を安全に移植するためにも、移植のノウハウの豊富な業者を探し、依頼すると良いでしょう。
一般的に、業者に庭木の植え替えを依頼する時の費用相場は、移植の難易度によって変わります。
庭木が小さく、簡単な根回しや移植で済む場合は5千円程度、松や桜といった大きい木の場合は2万円程度です。
大型の重機を使用する場合や1年単位での長期間の移植作業の依頼の場合は10万円程になることもあります。