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玄関の鍵が回らない原因は?自分でできる対処法と修理・交換の判断基準

公開日:2026.8.3
玄関の鍵が回らない原因は?自分でできる対処法と修理・交換の判断基準

「玄関の鍵が急に回らない」
「玄関の鍵が回らない状況を自分で直せるのか、鍵屋へ頼むべきか判断できない」
と困っている方も多いのではないでしょうか。
原因が分からないまま力をかけると、鍵が折れたり、シリンダーや錠ケースまで傷んだりして、修理費用が増えるおそれがあります。
この記事では、スペアキーやドアの開閉状態を使った原因の切り分け方、自分で試せる対処法、避けるべき行動、鍵屋へ依頼する目安、修理・交換費用まで解説します。

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玄関の鍵が回らない原因を症状別に確認する

玄関のドアと鍵の写真

玄関の鍵が回らないときは、使用する鍵やドアの開閉状態を確認すると、鍵本体・シリンダー(鍵を差し込むシリンダー部分) ・ドア内部のどこに問題があるのかを切り分けやすくなります。

  • スペアキーを含めてすべての鍵が回らない場合
  • 特定の鍵だけが回らない場合
  • 内側のサムターンが回らない場合


それぞれ詳しく確認します。


スペアキーを含めてすべての鍵が回らない場合

普段使っている鍵だけでなく、スペアキーや純正キーでも回らないときは、鍵本体ではなくシリンダーやドア側の部品に不具合が起きていると考えられます。

原因を絞るには、ドアを開けた状態と閉めた状態で鍵の動きを比べることが大切です。ドアを開けても回らなければシリンダーや錠ケース、閉めたときだけ回らなければ建付けやストライクのずれが主な確認対象となります。


シリンダーが浮いている・緩んでいる

シリンダーがドア表面から浮いていたり、鍵を挿した際に全体がぐらついたりするときは、固定部分の緩みが疑われます。正しい位置に固定されていないと、シリンダーと錠ケースが正しくかみ合わず、鍵を回しても施錠・解錠できなくなります。

固定ネジの緩みであれば、締め直しによって改善することもあります。ただし、製品ごとに固定方法が異なるため、見えているネジがシリンダーを固定しているとは限りません。
構造を確認せずにネジを外すと、ドア内部の部品がずれ、取り付け直せなくなるおそれがあります。
固定方法が分からないときは、鍵屋による点検が必要です。


錠ケースの部品が変形・破損している

錠ケースとは、ドア側面の内部に埋め込まれた箱状の部品です。シリンダーや室内側のサムターンを回す動きを受け、デッドボルトと呼ばれるかんぬきを出し入れします。

錠ケース内部の部品が変形・破損すると、鍵やシリンダーに異常がなくても鍵を回せません。スペアキーでも回らず、シリンダーに目立った浮きやぐらつきがないときは、錠ケース内部の故障も考えられます。

錠ケースはドア内部に組み込まれているため、外側から故障の有無を判断するのは困難です。シリンダーだけを交換しても、錠ケースに不具合が残っていれば症状は改善しません。
ドア内部の分解や部品交換を伴うため、自力での対応は難しい箇所です。


凍結や湿気による不具合が起きている

シリンダーに水分が入り込むと、湿気によって汚れが付着しやすくなり、シリンダー内部の部品が動きにくくなります。梅雨時や結露が生じやすい場所で鍵が回らなくなったときは、水分や汚れの影響が考えられます。

一方、気温が氷点下まで下がる日や積雪時には、シリンダー内の水分が凍り、シリンダー内部の部品が動かなくなることがあります。
前日まで問題なく使えていたにもかかわらず、冷え込んだ朝からすべての鍵が回らなくなったときは、シリンダーの凍結が疑われます。

雨天時や気温が下がった日に同じ症状を繰り返す場合は、シリンダーへ水分が入り込む箇所やシリンダーの劣化を確認する必要があります。放置すると、外出時や帰宅時に施錠・解錠できなくなるおそれがあるため注意が必要です。
関連記事:玄関の鍵穴が凍結したらどうする?原因と今すぐできる対処法


ドアを開けると回るが閉めると回らないときはストライクのずれが考えられる

ドアを開けた状態では鍵が回るのに、閉めると回らないときは、シリンダーではなくドアの建付け不良やストライクの位置ずれが疑われます。ストライクとは、ドア枠に取り付けられたデッドボルトの受け金具です。

蝶番の緩みやドアの傾き、枠のゆがみによってデッドボルトとストライクの位置が合わなくなると、デッドボルトがストライクに当たり、鍵を回せなくなります。
ドアを押したり引いたりしたときだけ鍵が回るのは、ドアの位置が一時的に変わり、デッドボルトがストライクに当たらなくなるためです。


特定の鍵だけが回らない場合

複数の鍵のうち特定の1本だけが回らないときは、シリンダーではなく鍵本体に原因がある可能性が高いです。 ほかの鍵で問題なく施錠・解錠できるか確認すると、シリンダー側の故障か、鍵本体の不具合かを切り分けられます。

回らない鍵には、汚れの付着や変形、摩耗などが生じていることがあります。鍵本体の状態によって必要な対応が異なるため、考えられる原因を順番に確認します。


鍵に汚れが付着している

鍵の溝やくぼみにホコリや皮脂汚れがたまると、シリンダー内部の部品と正しくかみ合わず、鍵を回せなくなることがあります。表面がきれいに見えても、細かな溝に入り込んだ汚れが、鍵の正しい位置への挿入を妨げていることもあります。

汚れが付着した鍵だけ回らず、ほかの鍵では問題なく施錠・解錠できるなら、鍵本体の汚れが原因として考えられます。


鍵が曲がっている・欠けている・摩耗している

鍵が曲がっていたり、刻みやくぼみが欠けたり摩耗したりすると、シリンダー内部の部品と正しくかみ合わず、鍵を回せなくなります。落下や踏みつけによる変形だけでなく、長期間の使用によって表面がすり減ることも原因の一つです。

変形した鍵を使い続けると、シリンダー内部を傷つけるほか、操作中に折れてシリンダーから抜けなくなるおそれがあります。ペンチなどで曲がりを戻しても、金属に亀裂が入り、強度が低下している可能性は残ります。

変形や摩耗が確認できる鍵は使用を中止し、メーカーや鍵屋に新しい鍵の作製を依頼する必要があります。


内側のサムターンが回らない場合

外側から鍵を使えば施錠・解錠できるのに、室内側のサムターンだけが回らないときは、サムターン周辺に不具合が起きていると考えられます。

本体がぐらついていたり、つまみが傾いていたりするなら、固定ネジの緩みが主な確認箇所です。固定ネジが緩むとサムターンの位置がずれ、台座やドア内部の部品に引っかかって回しにくくなります。

サムターンが動かない状態でつまみを無理に回し続けると、本体や接続部分が変形・破損するおそれがあるため注意しましょう。

目立ったぐらつきや傾きがない場合は、サムターン本体や錠ケース内部に不具合が起きていることもあります。外側の鍵は回るのにサムターンだけが動かないときは、固定ネジだけでなく、サムターン本体や錠ケースに不具合がないか確認する必要があります。

玄関の鍵が回らないときに自分でできる対処法

玄関ドアの鍵穴に潤滑スプレーを差しているようす

自分で対応できるのは、部品を分解せずに行える確認や清掃、簡単な調整までです。無理に鍵を回したり、原因がわからないまま部品を外したりすると、不具合が悪化するおそれがあります。

  • スペアキーなど別の鍵で試す
  • 鍵についた汚れを歯ブラシや布で落とす
  • シリンダーのホコリやゴミを取り除く
  • 鍵穴専用の潤滑剤を使用する
  • 鉛筆で鍵の溝やくぼみをなぞる
  • 凍結している場合はカイロなどでシリンダーを温める
  • ドアを開けると回る場合はストライクの位置を調整する
  • 内側のサムターンが回らない場合は固定ネジを締め直す


鍵が回らない原因や症状に合った対処法を確認していきます。


スペアキーなど別の鍵で試す

まず、シリンダーに挿している鍵が玄関用のものか確認しましょう。複数の鍵を同じキーホルダーに付けていると、形の似た別の鍵を取り違えることも少なくありません。

正しい鍵でも回らないときは、手元にある別の鍵で施錠・解錠できるか試します。普段は合鍵を使っているなら純正キー、純正キーを使っているならスペアキーを選ぶと、原因を切り分けやすくなります。

別の鍵で問題なく回るなら、普段使っている鍵の曲がりや摩耗、複製精度の低さが原因です。
別の鍵でも回らないときは、シリンダーや錠ケース、ドアの建付けに原因があると考えられます。その状態で無理に鍵を回すと、鍵が折れたり内部の部品が破損したりするおそれがあるので注意が必要です。

曲がった鍵をペンチでまっすぐに戻しても、金属の強度は元に戻りません。使用中に折れるおそれがあるため、その鍵は使わない方がよいでしょう。

合鍵を作るときは、複製した鍵ではなく純正キーをもとに作製してもらいます。純正キーが手元にない場合は、鍵番号を確認してメーカーから取り寄せる方法もあります。


鍵についた汚れを歯ブラシや布で落とす

鍵の溝やくぼみにホコリや皮脂汚れが付着すると、シリンダー内部の部品と正しくかみ合わず、鍵が回りにくくなることがあります。ほかの鍵では問題なく回るのに、特定の鍵だけが動かないときは、鍵本体の汚れを確認しましょう。

鍵を清掃する際は、水や洗剤を使わず、乾いた歯ブラシや布を使用します。水分が残った鍵をシリンダーへ挿すと、シリンダー内部に水分が入り、不具合の原因になるためです。

鍵を清掃する手順は次のとおりです。


  1. 乾いた歯ブラシで、鍵の溝やくぼみにたまった汚れを軽くかき出す
  2. 柔らかい布やマイクロファイバークロスで、鍵の両面と側面を拭き取る
  3. シリンダーへゆっくり挿し、強い力をかけずに回るか確認する

ディンプルキーは表面のくぼみに汚れが残りやすいため、歯ブラシの毛先をくぼみに当てると細かな汚れを取り除きやすくなります。

清掃しても特定の鍵だけが回らない場合は、鍵の変形や摩耗が考えられます。無理に使い続けるとシリンダーの中で折れるおそれがあるため、その鍵は使用せず、スペアキーを使った方がよいでしょう。


シリンダーのホコリやゴミを取り除く

シリンダーの内部にホコリや砂などがたまると、シリンダー内部の部品が動きにくくなり、鍵を回せなくなることがあります。外側からはきれいに見えても、鍵に付着した細かな汚れが少しずつ入り込んでいるケースも珍しくありません。

シリンダーの清掃には、掃除機またはエアダスターを使用します。手順は次のとおりです。


  1. 掃除機またはエアダスターで、シリンダー内部のホコリやゴミを取り除く
  2. 掃除機を使う場合は、ノズルの先端をシリンダーへ軽く当てて吸い出す
  3. 掃除機を使う場合は、ノズルの先端をシリンダーへ軽く当てて吸い出す
  4. エアダスターを使う場合は、ノズルをシリンダーへ向けて短時間ずつ噴射する
  5. 清掃後に鍵をゆっくり挿し、強い力をかけずに回るか確認する

エアダスターを噴射するとシリンダーからホコリが飛び出すことがあるため、顔を近づけないようにしましょう。気になる場合はマスクや保護メガネを着用すると安心です。

ホコリやゴミを取り除いても鍵が回らないときは、シリンダー内部の摩耗や故障が考えられます。無理に回すと鍵の折損や部品の破損につながるため、鍵屋に点検を依頼するのが安心です。


鍵穴専用の潤滑剤を使用する

鍵穴の清掃後も動きが重いときは、使用しているシリンダーに対応するメーカー指定の潤滑剤を少量使います。一般的な潤滑油はホコリを吸着し、内部の動作不良を悪化させるため使用できません。

適合する製品が分からない場合や、鍵がまったく動かない状態では、潤滑剤を追加せず鍵屋へ点検を依頼した方がよいでしょう。


鉛筆で鍵の溝やくぼみをなぞる

鍵穴専用の潤滑剤が手元にないときは、鉛筆の芯に含まれる黒鉛で代用できます。黒鉛には鍵の滑りをよくする働きがあり、鍵の溝やくぼみに付けると、抜き差しや回転が滑らかになることがあります。

鉛筆を使う手順は次のとおりです。

  1. 乾いた歯ブラシや布で鍵の汚れを落とす
  2. Bや2Bなどの濃い鉛筆で、鍵の溝やくぼみをなぞる
  3. シリンダーへ挿し、数回ゆっくり抜き差しする
  4. 鍵が回るようになったら、表面に残った黒鉛を乾いた布で拭き取る

鉛筆の芯や黒鉛の粉をシリンダーへ直接入れると、内部に粉がたまって部品の動きを妨げるおそれがあるので注意しましょう。黒鉛は鍵の表面へ薄く付ける程度にとどめてください。

何度か抜き差ししても改善しないときは、黒鉛を追加したり無理に鍵を回したりせず、その鍵の使用を中止しましょう。


凍結している場合はカイロなどでシリンダーを温める

気温が氷点下まで下がった朝や積雪時に、前日まで問題なく回っていた鍵が急に回らなくなったときは、シリンダー内部の凍結が疑われます。無理に回すと鍵が折れるおそれがあるため、カイロやドライヤーで鍵穴の周囲をゆっくり温めましょう。

凍結した鍵穴を温める手順は次のとおりです。


  1. カイロを鍵穴の周囲に当てて、ゆっくり温める(カイロがない場合は、少し離れた位置からドライヤーの温風を当てる)
  2. 鍵穴が温まったら鍵をゆっくり挿し、軽い力で回るか確認する

鍵穴を温めても鍵が回らないときは、凍結ではなくシリンダー内部の汚れや故障も考えられます。繰り返し温めたり強い力で回したりすると、鍵の折損やシリンダーの破損リスクにつながるため、鍵屋へ点検を依頼するのがおすすめです。


ドアを開けると回る場合はストライクの位置を調整する

ドアを開けた状態では鍵が回るのに、閉めると回らないときは、デッドボルトがストライクに当たっている可能性があります。
ストライクを調整する手順は次のとおりです。


  1. ドライバーでストライクを固定している上下のネジを少し緩める
  2. デッドボルトが受け穴へ引っかからずに入る位置まで、ストライクを少しずつ動かす
  3. 位置が決まったらネジを締め直す
  4. ドアを閉めた状態で、鍵が無理なく回るか確認する

ただし、ストライクの調整は、メーカーの取扱説明書で位置調整の手順を確認できる場合に限ります。

また、電動ドライバーを使ったり、固定ネジを完全に外したりすると、ネジ山やドア枠内部の部品を傷めるおそれがあります。

ドア自体が傾いている場合はストライクだけで改善しないため、鍵屋やドア修理の専門事業者による点検が必要です。


内側のサムターンが回らない場合は固定ネジを締め直す

外側から鍵を使えば施錠・解錠できるのに、室内側のサムターンだけが回らず、つまみや台座にぐらつきがあるときは、固定ネジの緩みが疑われます。固定位置がずれると、サムターンが周囲の部品に引っかかり、つまみを動かしにくくなります。

固定ネジを締め直す手順は次のとおりです。


  1. サムターンのつまみや台座に、外側から確認できる固定ネジがあるか調べる
  2. ネジの形に合ったドライバーを使い、少しずつ締め直す
  3. つまみや台座のぐらつきが収まったことを確認する
  4. サムターンと外側の鍵を動かし、施錠・解錠できるか確かめる

外側から固定ネジが見えず、つまみやカバーを外さなければ調整できない製品は、分解が必要です。

取り外し方は製品によって異なり、手順を誤ると部品がずれて元に戻せなくなるため、自力での対応は見えているネジの締め直しまでにとどめます。

ネジの締め直しは、取扱説明書で固定ネジの位置を確認できる場合に限ります。カバーを外さなければネジが見えない製品や、固定方法が分からない場合は、自分で分解せず鍵屋へ点検を依頼した方が安全です。

玄関の鍵が回らないときにやってはいけないこと

バツ印が書かれたプレートを持つ女性の写真

誤った方法で対処すると、本来は清掃や調整で改善できる不具合でも、鍵の折損やシリンダーの破損を招き、修理・交換が必要になることがあります。特に避けたい行動は次のとおりです。

  • 鍵を力任せに回す
  • 鍵が動かない状態で無理に抜き差しを繰り返す
  • 針金やヘアピンをシリンダーに差し込む
  • シリンダー専用ではない潤滑剤を使用する
  • シリンダーやサムターンを自己判断で分解する
  • 凍結したシリンダーに熱湯をかける


それぞれの行動で不具合が悪化する理由を解説します。


鍵を力任せに回す

鍵が回らない状態で強い力を加えると、鍵が曲がったり、シリンダー内部で折れたりします。引っかかっている原因を確認せずに操作を続けると、清掃や調整で改善できた不具合まで悪化させるため、力任せに回すのは禁物です。

シリンダーの中で鍵が折れると、残った破片を取り出す作業が必要になります。さらにシリンダー内部まで傷つけば、鍵抜きだけでは直らず、シリンダー交換によって修理費用も増えます。

鍵を回した際に強い抵抗を感じたら、そのまま操作を続けず、鍵の変形やシリンダーの汚れを確認しましょう。
軽い力でも動かないときは、シリンダーやドア側の部品に不具合が起きている可能性があるため、鍵屋へ点検を依頼した方が安全です。


鍵が動かない状態で無理に抜き差しを繰り返す

鍵が引っかかっている状態で何度も抜き差ししても、不具合の原因は解消されません。「繰り返せば動くかもしれない」と操作を続けるほど、鍵とシリンダー内部の部品が強くこすれ、状態が悪化します。

無理な抜き差しによって鍵や内部の部品が削れると、細かな金属粉がシリンダーにたまり、以前よりも引っかかりが強くなる可能性も考えられます。
さらに鍵の溝やくぼみがすり減れば、シリンダー内部の部品と正しくかみ合わず、施錠・解錠できなくなることもあります。

強い抵抗があるまま抜き差しを続けると、鍵が抜けなくなったり、シリンダーの中で折れたりする原因にもなります。引っかかりを感じた時点で、同じ動作を繰り返さないことが重要です。


針金やヘアピンをシリンダーに差し込む

鍵が回らないときに、針金やヘアピン、安全ピン、つまようじ、木の枝などをシリンダーへ差し込んでも、不具合の原因は解消されません。鍵以外の物で内部を動かそうとすると、シリンダーの部品を傷つけ、施錠・解錠できない状態へ悪化させます。

針金やヘアピンがシリンダーの中で曲がったり折れたりすると、異物除去作業が必要になります。さらにシリンダー内部まで破損した場合は、異物を取り除くだけでは直らず、シリンダー交換が必要になり、修理費用も増えます。

鍵が回らず室内に入れないときや、差し込んだ物が抜けなくなった場合は、それ以上触らず、鍵屋へ鍵開けや異物除去を依頼した方がよいでしょう。


シリンダー専用ではない潤滑剤を使用する

鍵が回りにくくても、食用油や防錆スプレー、シリコンスプレーなどをシリンダーへ入れるのはNGです。シリンダー専用ではない製品は油分が残りやすく、ホコリや細かなゴミを吸着します。

使用直後は鍵の滑りがよくなったように感じても、時間がたつと油分に付着した汚れが固まり、シリンダー内部の部品が動きにくくなります。その結果、鍵が回らないだけでなく、挿さらない、抜けないといった不具合にもつながります。

すでにシリンダー専用ではない潤滑剤を入れて症状が悪化しているときは、別の潤滑剤を重ねて吹きかけても改善しません。 内部の洗浄やシリンダー交換が必要になることもあるため、鍵屋へ点検の依頼をすることをおすすめします。


シリンダーやサムターンを自己判断で分解する

鍵が回らない原因を調べるために、シリンダーやサムターンのカバーや本体を自己判断で取り外すのは避けましょう。内部にはバネや小さな部品が使われており、分解した際に外れると、元の状態へ戻せなくなるおそれがあります。

部品を誤った向きや位置で組み立てると、鍵だけでなくサムターンやハンドルまで正常に動かなくなり、部品交換や錠前交換につながります。

分解したシリンダーや錠ケースへパーツクリーナーを吹きかける行為も危険です。部品に付いている潤滑成分まで洗い流すため、清掃前より動きが悪化しかねません。

シリンダーやサムターンの内部に不具合が疑われるときは、自己判断で分解せず、鍵屋への点検依頼を検討しましょう。


凍結したシリンダーに熱湯をかける

シリンダーが凍結していても、熱湯やぬるま湯をかけて溶かすのはNGです。その場では氷が溶けても、お湯がシリンダー内部へ入り込み、気温が下がると再び凍結します。

シリンダーの奥へ入ったお湯が再凍結すると、内部の部品が固まり、最初よりも鍵が動きにくくなります。残った水分は金属部品の錆や動作不良にもつながります。

また、熱湯による急激な温度変化は、シリンダー周辺の塗装やパッキンを傷めるおそれがあります。凍結したシリンダーは、お湯を使わずに外側からゆっくり温めることが重要です。

玄関の鍵の修理・交換を鍵屋へ依頼すべきケース

鍵穴を点検する鍵屋の写真

自分で試せる対処には限界があります。鍵やシリンダーの破損が疑われる状態で操作を続けると故障範囲が広がるため、次のケースは鍵屋へ依頼する判断の目安になります。

  • 自分でできる対処法を試しても鍵が回らない
  • 鍵が曲がっている、またはシリンダーが破損・故障している
  • 鍵が回らず自宅に入れない


それぞれ詳しく説明します。


自分でできる対処法を試しても鍵が回らない

スペアキーの使用や鍵・シリンダーの清掃、鍵穴専用の潤滑剤、凍結時の加温など、症状に応じた対処を試しても回らない場合は、シリンダー内部や錠ケースに不具合が起きていると考えられます。内部部品の状態は外から判断できないため、鍵屋による点検が必要です。

対処後も鍵が強く引っかかる、途中までしか回らないといった状態で操作を続けると、鍵が曲がるだけでなく、正常だった部品まで傷めるおそれがあります。症状が変わらない時点で、別の方法を重ねて試すのは避けた方がよいでしょう。

鍵屋へ依頼すると、不具合がシリンダーと錠ケースのどちらにあるのかを切り分けられます。調整や修理で直せるのか、部品交換が必要なのかを作業前に確認できるため、不要な交換や費用の増加も防ぎやすくなります。


鍵が曲がっている、またはシリンダーが破損・故障している

鍵の曲がりや欠け、シリンダーの浮き、空回りなど、明らかな異常が見られるときは、鍵屋へ点検を依頼した方がよいでしょう。すでに部品が傷んでいる可能性が高く、清掃や調整だけで直せる状態とは限りません。

破損箇所を特定しないまま使い続けると、当初は鍵やシリンダーだけだった不具合が錠ケースまで広がり、交換する部品が増えるおそれがあります。

また、玄関ドアの種類によってはシリンダーだけを交換できず、錠前一式やドアメーカー専用の部品が必要です。見た目が似た部品でも型番やサイズが異なれば取り付けられないため、自己判断で購入すると費用を無駄にしかねません。

鍵屋による点検を受ければ、破損している部品と交換範囲を確認したうえで、玄関ドアに適合する方法を選べます。


鍵が回らず自宅に入れない

玄関の鍵が回らず自宅に入れないときは、鍵屋へ鍵開けを依頼する必要があります。屋外から確認できる情報には限りがあるため、鍵の種類や故障の状態を現地で調べてもらいます。

鍵屋は現地で鍵の種類や故障状態を確認し、解錠方法を判断します。壊さずに開けるのが難しく、依頼者が作業内容と見積額に同意した場合は、破壊開錠後にシリンダー交換が必要です。
破壊したシリンダーは施錠に使えないため、鍵開けだけで作業を終えることはできません。

作業前には、鍵開けのみで対応できそうか、交換まで想定されるかを聞き、見積もりの総額を確認しておくと費用の行き違いを防げます。

また、玄関の鍵開けでは、防犯上の理由から本人確認や居住確認が行われます。本人確認書類を持っていないときは、どのような方法で確認を行うのか、連絡時に鍵屋へ聞いておきましょう。

玄関の鍵が回らないときの修理・交換費用

家の模型と鍵と電卓の画像

玄関の鍵が回らないときの費用は、作業内容や鍵の種類、解錠方法によって異なります。主な料金の目安は次のとおりです。

作業内容 費用の目安(税込)
玄関の鍵修理(1ヶ所) 約8,800〜19,800円
玄関の鍵開け(1ヶ所) 約8,800〜27,500円
玄関の鍵交換(1ヶ所) 約11,000円〜(別途部品代)
破壊開錠+鍵交換(刻みキー・1ヶ所) 約19,000〜30,000円
破壊開錠+鍵交換(ディンプルキー・1ヶ所) 約25,000〜35,000円

シリンダーの清掃や部品の調整で改善する場合は、修理のみで済みます。一方、シリンダーや錠ケースが破損していると、修理費に加えて部品代がかかります。

刻みキーとは、鍵の片側または両側がギザギザした一般的な鍵です。表面に複数のくぼみがあるディンプルキーは、刻みキーより内部のつくりが複雑なため、鍵開けの作業料金も高くなる傾向があります。壊さずに開けられない場合は、破壊開錠後の鍵交換費用も発生します。
そのほか、防犯ロックの解錠や深夜・早朝の依頼には、追加料金がかかる可能性もあります。

料金表の最低価格だけで判断せず、出張費・作業費・部品代・時間外料金を含む総額を作業前に確認することが、費用トラブルを避けるポイントです。

玄関の鍵が回らないときの鍵屋選びのポイント

ポイントのイメージ画像

玄関の鍵が回らず急いでいるときでも、料金の安さだけで依頼先を決めるのは避けた方がよいでしょう。料金の内訳や事前説明、保証内容を確認し、納得できる鍵屋を選ぶことが大切です。

公式サイトでは、出張費・作業費・部品代・深夜早朝料金が明記されているかを確認します。「鍵開け○円〜」と表示されている場合は、その金額に含まれる作業の範囲や、追加費用が発生する条件を電話で尋ねておくと、請求時の行き違いを減らせます。

作業を始める前に、作業内容と見積額を説明してくれる鍵屋を選ぶことが大切です。追加作業が発生する場合も、事前に内容と料金の案内があるか確認しましょう。

対応エリアや受付時間、到着までの目安に加え、修理・交換後の保証内容も見ておく必要があります。保証がある場合は、対象となる不具合と期間を把握しておき、作業後に同じ症状が出た際も無償対応の対象になるか確認しましょう。

時間に余裕があるときは、複数の鍵屋から見積もりを取る方法もあります。金額だけでなく、提案された作業内容や使用する部品、保証の有無まで比べることが大切です。

賃貸住宅の玄関の鍵が回らないときは管理会社や大家へ連絡する

マンションの外観

賃貸住宅の玄関の鍵が回らないときは、自己判断で分解や交換をせず、まず管理会社や大家へ連絡します。無断で鍵屋を手配すると、修理費用や原状回復をめぐるトラブルにつながるためです。

連絡時には、鍵の症状と室内へ入れる状態かどうかを伝え、指定の鍵屋や対応方法について指示を受けます。

費用負担は故障の原因や契約内容によって異なるため、賃貸借契約書の修繕や鍵交換に関する項目も確認しておくとよいでしょう。夜間や休日の緊急窓口が案内されている場合は、しかるべき窓口に相談しましょう。

玄関の鍵が回らなくなるのを防ぐ方法

鍵穴に鍵を差し込んでいる手元の写真

玄関の鍵が回らなくなるトラブルを防ぐには、鍵とシリンダーを清潔に保ち、無理な力を加えないことが基本です。鍵に付いた汚れは定期的に拭き取り、鍵穴にたまったホコリは掃除機やエアダスターで取り除きます。

定期的な手入れに加え、普段の扱い方にも注意が必要です。鍵が引っかかった状態で力任せに回すと、鍵やシリンダー内部の部品が傷み、摩耗を早めます。ドアを勢いよく閉める行為も、蝶番やストライクのずれにつながります。

以前より動きが悪くなったときは、鍵の汚れや変形、シリンダーのぐらつき、ドアを開けた状態と閉めた状態で回り方に違いがないかを確認しましょう。自分でできる対処法を試しても症状が続く場合は、故障が広がる前に鍵屋へ点検を依頼することをおすすめします。

ちなみに日本ロック工業会では、一般錠の耐用年数を10年、電気錠を7年としています。使用頻度や設置環境によって劣化の進み方は異なりますが、目安を超えている場合は点検や交換を検討しましょう。

玄関の鍵が回らないときは無理に動かさず原因に合った対処をしよう

玄関の鍵が回らないときは、まずスペアキーでも同じ症状が出るかを試します。ドアを開けた状態では回る場合、シリンダーではなく建付けやストライクのずれが疑われます。

鍵やシリンダーの清掃、メーカー指定の潤滑剤、凍結時の加温は自分でも試せる範囲です。ただし、強い抵抗がある、鍵が曲がっている、スペアキーでも回らないときは、操作を続けない方が安全です。

シリンダーを交換しても、錠ケースやストライクに原因があれば改善しません。自分でできる対処を試しても回らない場合は、故障箇所と見積もりの内訳を説明する鍵屋へ点検を依頼するのがおすすめです。

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