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コニシキソウとはどんな雑草?生態や繁殖方法、被害事例などを解説

公開日:2019.6.26 更新日:2025.10.28
コニシキソウとはどんな雑草?生態や繁殖方法、被害事例などを解説

夏になるとよく見かけるようになる「コニシキソウ」。お庭や道路、空き地のほか、畑や花壇、鉢、プランターの中にも生えてくるので、名前は知らなかったけど姿は見たことがあるという方も多いはず。
背が低く、小さな根をたくさん出すコニシキソウは、抜いても根が残っているとどんどん増えるのでなかなか厄介です。

今回は、そんなコニシキソウの生態や繁殖方法、被害事例などを解説します。

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1. コニシキソウの生態とは?

コニシキソウの特徴と見分け方

砂利道に生えるコニシキソウの写真

コニシキソウは、夏を中心に発生する一年生の雑草です。種子で繁殖し、生育期間は5~11月頃まで続きます。発生のピークは夏ですが、春から秋にかけても発生が見られます。春に芽生えた個体は成長がゆるやかで、夏に発生した個体は生育が早く、20~30日ほどで大きな株に育つことがあります。秋に発生した個体は小さいままでも結実できるのが特徴です。

発生環境や管理の状況によっては、年に2回以上、発芽から開花までを繰り返す個体もあります。7~10月にかけて葉の付け根に暗褐色の小さな花をつけますが、非常に小型のためあまり目立ちません。

見た目の特徴としては、茎が赤みを帯び、地面を這うように枝分かれしながら広がります。茎を折ると白い乳汁が出てくるのも特徴です。このような乳汁をもつ植物はいくつかありますが、コニシキソウの場合はこの点が見分ける際のポイントになります。

また、よく似たオオニシキソウやニシキソウとの違いも覚えておきましょう。コニシキソウとオオニシキソウはいずれも外来種ですが、ニシキソウは日本の在来種です。名前は似ていますが、コニシキソウは海外から入ってきた外来の雑草という点が大きな違いです。

2. コニシキソウの繁殖方法について

種とアリの関係がカギ!コニシキソウの繁殖メカニズム

コニシキソウの写真

コニシキソウは種子によって繁殖する一年生の雑草です。種子は光が当たることで発芽しやすくなり、肥沃で乾燥した酸性土壌を好みます。芝生の隙間や裸地化した場所など、地面がむき出しになっているところに発生しやすいのが特徴です。

発芽の深さは土壌表面から0.5cmほどの浅い部分が多く、種子の寿命は比較的短めで、土中で2年以上経過すると発芽率が下がります。発芽の適温は25~30℃とされ、夏の高温期に発生が活発になります。

コニシキソウの花には蜜腺があり、そこから出る蜜にアリが引き寄せられます。アリは蜜を求めて花を訪れ、花粉を運ぶことで受粉を助けます。さらに、熟した種がはじけて地面に落ちると、アリがそれを巣に運び込むこともあります。これによってコニシキソウは自然に拡散し、確実に発芽しやすい環境を得ているのです。

そのため、アリが多く生息する場所――特に軒下など乾燥しやすい地面では、コニシキソウも繁殖しやすくなります。また、この植物は刈り取った葉を地表に放置すると、そこから再び根を出して成長を始めることがあり、駆除が難しい雑草の一つといえます。

再生を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
・刈り取った葉を地面に放置しない
・根・茎・葉すべてを容器などに回収する
・他の枯れ草や落ち葉と混ぜない
・手作りの腐葉土に混入させない

さらに、地表を露出させないようにグランドカバー植物を育てることでも、コニシキソウの繁殖を抑える効果があります。

3. コニシキソウによる被害とはどんなものがある?

庭や農作物にも影響!コニシキソウが引き起こす被害と注意点

砂利道に生えるコニシキソウの写真

コニシキソウは繁殖力が非常に強い雑草で、放置すると農作物や庭などにさまざまな影響を与えます。特に農地では、他の植物の生育を妨げることで収穫量が減少するなどの農業被害につながることがあります。庭や砂利道に発生した場合も、短期間で広範囲に広がり、近隣の敷地へ侵入するケースもあるため注意が必要です。こうした繁殖によるトラブルは、近隣住民との関係悪化にも発展しかねません。

また、コニシキソウの茎を折ると白い乳液(乳汁)が出ます。この汁には皮膚炎やただれを起こす恐れがある成分が含まれており、素手で触ったり、手を洗わずに顔や目をこするのは危険です。特に子供やペットがいる家庭では、触れないように十分注意しましょう。

一方で、この植物には薬効成分もあり、古くから中国では全草を止血や血尿、血便の改善、さらには催乳薬として利用する例もあります。毒性をもつ一方で薬用植物としての一面もあることから、「毒と薬は紙一重」といえる存在です。

ただし、一般家庭では安全性が確立されていないため、民間療法としての使用は避けるのが賢明です。コニシキソウは一度根付くと除去が難しいため、早めに草刈りや抜き取りを行い、繁殖を防ぐことが大切です。すでに近隣へ広がってしまった場合には、感情的にならず冷静に話し合い、専門業者などに相談して問題解決を図りましょう。

4. コニシキソウに関する豆知識

牧野富太郎が発見した外来の雑草!コニシキソウの由来と見分け方

土に生えるコニシキソウの写真

コニシキソウは北アメリカ原産の帰化植物で、1895年に植物学者・牧野富太郎によって東京と横浜で発見されました。現在では日本全国の畑地や道端などに広く分布しており、トウダイグサ科に属する一年生の小型雑草です。

名前の由来は、近縁種のニシキソウに比べてやや小型であることから「小さなニシキソウ=コニシキソウ」と名付けられたといわれています。実際には両種の大きさに大きな差はありませんが、コニシキソウの方が地を這うように広がる傾向があります。

「ニシキソウ(錦草)」という名前は、赤い茎と緑の葉のコントラストが美しく、錦のように見えることに由来します。錦鯉や錦絵などと同じく、「錦」という言葉には美しさや華やかさを表す意味が込められています。

防除のポイントとしては、春の発芽前に土壌処理剤で発芽を抑えることが効果的です。発生してしまった個体には、早い段階で茎葉処理除草剤を散布して生育と結実を防ぎましょう。コニシキソウは成長すると除草効果が落ちるため、発生初期の対応が重要です。

コニシキソウの類似種には、古くに中国大陸から渡来したニシキソウ、明治時代に侵入したオオニシキソウ、熱帯原産のハイニシキソウなどがあります。見分ける際のポイントは葉の中央にある斑点です。コニシキソウには明確な斑点がありますが、他の種では斑点がなかったり不明瞭であったりします。また、茎を切ると白い乳汁が出るのは、トウダイグサ属に共通する特徴です。

5. コニシキソウにお困りの方は専門業者に依頼しよう

自力での駆除が難しい場合はプロに相談を

コニシキソウの写真

コニシキソウは繁殖力が非常に強く、根や茎の一部が残るだけでも再び生育してしまう厄介な雑草です。さらに、茎を折ると出る乳汁には皮膚炎を起こす可能性があるため、素手での作業は危険を伴います。特に庭や駐車場など、広い範囲に広がってしまった場合は、自力で完全に除去するのが難しい雑草といえます。

そのため、再発を防ぎたい場合や、短期間で確実に除草したい場合には、雑草駆除の専門業者へ依頼するのがおすすめです。専門業者であれば、コニシキソウの特性を踏まえた除草剤の選定や、土壌の状態に合わせた施工を行えるため、再生を最小限に抑えることができます。

また、庭全体の雑草対策を見直したい場合には、防草シートの施工やグランドカバー植物の導入など、長期的な視点での提案も可能です。こうした対策を組み合わせることで、コニシキソウの発生を防ぎ、手入れの手間を大幅に減らすことができます。

コニシキソウが繰り返し生えてしまう、範囲が広く手に負えないと感じたら、無理をせず専門業者に相談し、環境に合った最適な除草方法を検討しましょう。

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