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コニシキソウとはどんな雑草?生態や繁殖方法、被害事例などを解説

公開日:2019.6.26 更新日:2024.4.4
コニシキソウとはどんな雑草?生態や繁殖方法、被害事例などを解説

夏になるとよく見かけるようになる「コニシキソウ」。お庭や道路、空き地のほか、畑や花壇、鉢、プランターの中にも生えてくるので、名前は知らなかったけど姿は見たことがあるという方も多いはず。
背が低く、小さな根をたくさん出すコニシキソウは、抜いても根が残っているとどんどん増えるのでなかなか厄介です。

今回は、そんなコニシキソウの生態や繁殖方法、被害事例などを解説します。

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1. コニシキソウの生態とは?

コニシキソウの生態とは?コニシキソウの生態についてご紹介します。

砂利道に生えるコニシキソウの写真

種子により繁殖し、生育期間は5~11月頃までになります。
発生のピークは夏になりますが、春から秋にかけても発生が続きます。春に発生した個体は生長が遅く、夏に発生した個体は生長速度が速く、20~30日程度で大型の株になることがあります。

秋に発生した個体は小さいままでも結実が可能です。また、発生環境や管理条件にも左右されますが、年に2回以上にわたって発生~開花を繰り返す個体もあります。7~10月にかけて、葉腋に暗褐色の花をつけますが、小型であるため、あまり目立ちません。

コニシキソウの見た目の特徴ですが、茎が赤っぽい色をしており、枝分かれして地を這う様に横に横にと広がっています。コニシキソウの茎を折ったりすると、白い乳汁が出てきます。植物の中には茎を折ると白い液が出てくるのはコニシキソウに限らず数種存在しています。

コニシキソウというからには、オオニシキソウもあり、ただのニシキソウというのもありますが、それらには1点大きな違いがあります。
それは海外からやってきた外来種か、もともと日本にいた在来種かの違いで、ニシキソウだけが古来より日本に生息していた草なのだそうです。まるで兄弟のような名前でありながら、コニシキソウ、オオニシキソウとは出身が違うということです。

2. コニシキソウの繁殖方法について

コニシキソウの繁殖方法とは?コニシキソウの繁殖方法についてご紹介します。

コニシキソウの写真

コニシキソウの種子は光があたる条件で発芽しやすくなるため、肥沃で乾燥した酸性土壌を好み、芝地では裸地化した場所や密度が薄くなった箇所に発生しやすくなります。

発芽深度は土壌表面から0.5cmまでが多いです。種子の寿命は比較的短く、土壌中で2年以上が経過すると発芽率が低下します。
発芽適温は25~30℃で、コニシキソウの受粉はアリが手伝います。コニシキソウの花には蜜腺がついていて、それでアリを呼び寄せ、花粉をつけるのです。
また、コニシキソウの種は熟すとはじけて飛び散るので、アリはそれを拾って地中に運びます。結果、確実な発芽が可能になります。

このように、アリは受粉を手伝い、種まきをも手伝うのです。なのでアリが多いところには、コニシキソウも多いです。
特に、軒下の乾燥地にはコニシキソウもアリも多くなります。

コニシキソウは刈り取った葉を地表に置いておくと根がついて成長を始めるので駆除し難いです。
以下のポイントに注意して、再生させないようにしましょう。
・刈り取った葉は放置しない
・必ず根・茎・葉とも何かの容器に回収する
・他の枯れ草・落葉などと一緒にしない
・手作り腐葉土に間違えて混入させない

この他、土を露出させないようにグランドカバーを充実させても再生を邪魔できます。

3. コニシキソウによる被害とはどんなものがある?

コニシキソウによる被害とは?コニシキソウによる被害についてご紹介します。

砂利道に生えるコニシキソウの写真

コニシキソウによる被害は、やはり繁殖力が凄いので、農作物への影響を与える農業被害があります。
また、庭に生えているとすぐに広範囲に繁殖して、近隣にまで渡り、トラブルに発展することも考えられます。

茎をちぎると白い乳液を出すのもコニシキソウの大きな特徴で、この汁には毒性があるので皮膚炎やただれを引き起こしてしまうという被害も少なくありません。
コニシキソウをむしった手でそのまま顔を触ったりすると危険です。お子様やペットがいる場合は特に注意する必要があります。

しかし毒と薬は表裏一体で、薬用に使われることもあるらしく、中国では全草を止血・血便・血尿に、また催乳薬としても用います。

このようにたくさんの被害を及ぼす危険な雑草でもありますが、使い道もあるということがわかります。

この雑草は、近隣住民とのトラブルに発展してしまうなどの危険もあるため、そういったことにならない為にも、日頃からこまめに草刈りなどの除去作業を行っていくことがトラブルを防ぐために大変になります。
もしトラブルに至ってしまった場合は落ち着いて問題解決に努めましょう。

4. コニシキソウに関する豆知識

コニシキソウに関する豆知識とは?コニシキソウに関する豆知識をご紹介します。

土に生えるコニシキソウの写真

1895年に牧野富太郎が東京と横浜で発見した北アメリカ原産の帰化植物で、現在では日本全国の畑地や路傍にごく普通にみられるトウダイグサ科の小型の一年草。近い仲間のニシキソウに比べると小型なので、小さいニシキソウという意味で、コニシキソウと名付けられたとされます。実際に両方を見比べてみると、大きさにさほどの差は感じません。

ニシキソウは錦草の字を当て、赤い茎と緑の葉の色合いが美しい様を錦に例えたものです。錦鯉や錦絵と言葉の用い方は同じです。

オススメの防除方法としては、春の発芽前に土壌処理剤の散布で発芽を抑え、発生した個体には、発生初期の早い段階での茎葉処理除草剤を散布し、生育および結実を抑えます。
大型化したものには除草効果が劣る傾向ですので、適期を逸しないように散布すると良いです。

コニシキソウの類似種としては太古に中国大陸から渡来したニシキソウ、コニシキソウとともに明治時代に侵入したオオニシキソウ、熱帯原産のハイニシキソウなどが挙げられます。
見分け方としては、コニシキソウは葉の中央の斑点がありますが、他の種は斑点がなかったり、あっても不明瞭で目立たなかったりします。
なお、茎を切ると白い乳汁が出るのはトウダイグサ属に共通する特徴になります。

5. コニシキソウの情報まとめ

ここまでご紹介したコニシキソウに関する情報をまとめてご紹介します。

コニシキソウの写真

北アメリカ原産の一年生帰化雑草で全国に分布しています。茎は暗赤色で上向きの白毛が生え、根元で分枝して地面に張り付くようにして四方に広がり、長さ10~30cmほどに生長します。

葉の表面に暗紫色の斑点があるのが特徴で、葉は対生ですが、形は非対称で、縁はギザギザになっています。また茎を傷つけると白い乳汁が出ます。乳液には毒性があり触れると、ただれや皮膚炎を引き起こす可能性があるため、注意が必要な植物です。

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