1.ゴミ屋敷の片付けは「どこから」手をつけるべき?
ゴミ屋敷を片付けるときは、最初にゴミを運び出すための動線を確保し、狭い範囲から作業を進めることが基本です。捨てる物は判断しやすいゴミから手をつけ、時間がかかりやすい物は後に回すと作業が止まりにくくなります。
具体的にどのような順番で片付けを進めるのか、詳しく見ていきましょう。
まずは「玄関」から!ゴミの搬出ルートを確保する
最初に片付けたいのは玄関と廊下です。ここがゴミで塞がれていると、袋詰めしたゴミを外へ運び出せず、その後の作業が進みません。緊急時の避難経路にもなるため、玄関からゴミの搬出ルートを確保することが優先されます。
最初から玄関全体をきれいにする必要はなく、人が安全に通れてゴミを運び出せる幅を確保できれば十分です。細かな整理や掃除は後に回し、まずはゴミを外へ出せる状態を作ると、その後の片付けを進めやすくなります。
トイレや洗面所など「狭い水回り」で達成感を得る
玄関と廊下の動線を確保したら、次はトイレや洗面所などの狭い水回りを片付けます。作業範囲が限られているため、短時間でも変化が分かりやすく、一つの場所を片付けられたという達成感を得やすいのがメリットです。
また、水回りを使えるようにしておけば、片付けの途中で手を洗ったり、掃除に使った道具を洗ったりできます。衛生面を保ちながら作業を続けるためにも、早い段階で使える状態にしておくと安心です。
一度に水回り全体を片付けようとせず、「トイレの床を出す」「洗面台の前に立てるスペースを作る」など、完了が分かる範囲に区切るのがポイントです。一つずつ終わらせれば、途中で作業範囲が広がって収拾がつかなくなるのを防げます。
捨てる物の順番は「明らかなゴミ(ペットボトルや弁当ガラ)」から
場所を確保したら、次はペットボトルや弁当ガラなどの明らかなゴミから処分していきます。空の容器や包装、チラシ、使い捨ての食器、期限切れの食品などは捨てるかどうか迷いにくいため、物量を減らす作業を進めやすいでしょう。
ゴミの量が減って床や壁が見えてくると、汚れがひどい場所や次に片付けるべき場所も把握しやすくなります。ただし、ゴミを早く減らすために自治体の分別ルールを無視して袋へまとめるのではなく、処分方法に沿って分けることが大切です。分別方法が分からない物は無理に判断せず、別にまとめて後から自治体のルールを確認すると作業を止めずに済みます。
「思い出の品」や「書類」は最後にするのが鉄則
思い出の品や書類は、必要かどうかをすぐに判断できない物が多いため、片付けの序盤には手をつけないほうが進めやすくなります。写真や手紙を読み始めたり、書類の内容を一枚ずつ確認したりすると、作業が長時間止まる原因にもなります。
捨てるか迷う物や重要と思われる書類は専用の箱へまとめ、明らかなゴミを処分した後に確認する方法が効率的です。ただし、現金や通帳、印鑑、身分証明書などを見つけた場合は、ほかの物と混ざらない安全な場所へ移して保管します。仮置きする箱や場所を1か所に決めておけば、必要な物の紛失も防ぎやすくなります。
2.ゴミ屋敷の片付けを始める前に必要な絶対の準備
ここからはゴミ屋敷の片付けをするために必要な道具、準備の仕方について解説していきます。
確実に用意したい道具は以下のとおりです。
- ゴミ袋
- 軍手
- マスク
- ゴム手袋
- ほうき・ちりとり
- 雑巾
- バケツ
- 洗剤
- ゴミをまとめるための箱(ダンボール)
- ガムテープ
- はさみ・カッター
- 殺虫剤
これらを準備し、さらに以下のポイントも踏まえて片付けを始めましょう。
マスクや厚手の手袋など「身を守る装備」を揃える
ゴミ屋敷の片付けでは、ホコリやカビを吸い込んだり、ゴミに混ざった鋭利な物でケガをしたりする危険があります。そのため、マスクや厚手の手袋などの装備を揃えて、体を守ることが大切です。
ホコリやカビが多い環境では、不織布マスクだけでは十分に防げないこともあります。ホコリやカビが大量に発生している場合は、防じん性能のあるマスクを選ぶと吸い込みを防ぎやすくなります。ゴミ袋の中にガラス片や缶の切り口が混ざっていることもあるため、手は厚手の手袋で保護します。
作業後は手洗いを行い、使用した道具や衣類も必要に応じて清掃します。ゴミ屋敷の片付けでは、汚れを落とすことだけでなく、体調や安全を守りながら作業を続けることも重要です。
ゴミ袋と殺虫剤は「多すぎる」くらい用意しておく
ゴミ屋敷では想定以上の量のゴミが出ることもあるため、ゴミ袋と殺虫剤は余裕を持って用意しておくと安心です。途中で資材がなくなると作業を中断することになり、再開する際の負担も大きくなります。
ゴミ袋は、入れる物の重さや形状に合わせて使い分けます。重い物や角のある物を入れると破れることがあるため、必要に応じて袋を二重にすると散乱を防ぎやすくなります。
害虫が大量に発生していて自力での作業が難しい場合は、無理に片付けを進めず、専門事業者への依頼を検討したほうが安全です。自分で対応できる範囲であれば、対象となる害虫や使用場所に対応した殺虫剤を用意しておくと、作業中に害虫が出た際にも対処しやすくなります。
1日1時間だけ!作業時間を決めて短期決戦を避ける
ゴミ屋敷を一気に片付けようとすると、体力だけでなく判断力も消耗し、途中で作業を続けられなくなることがあります。そのため、作業時間を決めて短期決戦を避けることも大切です。
自力で片付ける場合は「1日1時間」など作業時間の上限を決め、無理なく続けられる範囲で進める方法があります。例えば25分作業して5分休むなど、休憩をあらかじめ予定に入れておけば、疲労や判断力の低下を抑えやすくなります。
週に何回取り組むのかも決めておくと、長期間放置するのを防ぎやすくなります。ただし、短時間ずつ進めてもゴミが減らないほど物量が多い場合や、生活動線を確保できない状態では、自力での片付けにこだわらず専門事業者への依頼も検討する必要があります。
3.注意!自力で片付けられるゴミ屋敷の「限界ライン」
ゴミ屋敷を片付ける際に判断に迷いやすいのが、自力で対応できる状態かどうかです。自分で片付けられる範囲であれば費用を抑えられますが、物量や衛生状態によっては無理に進めるとケガや体調不良につながるおそれがあります。
自力で片付けられるか判断する際は、次の3つを確認します。
ゴミの高さが「膝下」までに収まっているか
まず確認したいのが、床に積み上がっているゴミの量です。ゴミが膝付近まで積み上がると足元を確認しにくくなり、踏み抜きや転倒、積み重なった物の崩落などの危険が高まります。
ゴミが膝を超えるほど積み上がり、安全な通路を確保できない場合は、自力での片付けにこだわらず専門事業者への依頼を検討したほうが安全です。ただし、膝下であれば必ず自力で片付けられるわけではありません。ゴミの種類や部屋の広さ、作業できる人数なども含めて判断する必要があります。
物量が多いほど袋詰めや搬出にも時間と体力が必要です。少し作業しただけでゴミがほとんど減らない場合や、一人では運び出せない量がある場合も、専門事業者へ相談する目安になります。
お風呂やトイレなどの「水回り」が最低限機能しているか
ゴミ屋敷を自力で片付ける場合は、手洗いや清掃に使える水回りを確保できるかも重要です。トイレや洗面所、浴室まで物やゴミで塞がれていると、衛生状態を保ちながら長時間作業するのが難しくなります。
水回りがほとんど使えない状態や、詰まり・水漏れなどの設備トラブルまで起きている場合は、片付けとあわせて専門事業者への相談を検討したほうがよいでしょう。無理に物を動かして配管や設備を傷めると、水漏れが広がるおそれもあります。
特に賃貸住宅では、水漏れによって床や壁、階下まで被害が及ぶと費用負担をめぐるトラブルにつながる可能性があります。まずは安全に使用できる水回りが残っているかを確認し、自力で作業を続けられる環境か判断することが大切です。
害虫や強烈な悪臭が近隣にまで漏れ出していないか
ゴキブリやハエなどの害虫が大量に発生している場合や、腐敗臭が玄関の外や共用部分まで広がっている場合は、自力で片付ける負担が大きくなります。生ゴミや汚れが長期間放置されている可能性があり、通常の片付けだけでは改善しにくいこともあります。
害虫や強い悪臭が室外にまで及んでいる場合は、ゴミの撤去だけでなく清掃や消臭、害虫対策まで必要になることがあるため、専門事業者への依頼を検討する目安です。害虫が大量発生した室内へ十分な装備なしで入ると、衛生面のリスクも高まります。
また、悪臭や害虫が近隣住宅や共用部分へ広がると、苦情などのトラブルに発展することもあります。周囲への影響が出ている状態では、少しずつ片付けるよりも、短期間で環境を改善できる方法を検討することが重要です。
4.自力で無理ならゴミ屋敷清掃事業者への依頼がおすすめ
恥ずかしくない!業者に丸投げするメリットと心理的負担の軽減
自力での片付けが難しい場合は、ゴミ屋敷の片付けを専門とする専門事業者への依頼も選択肢です。分別や搬出をまとめて任せられるため、自分で作業する時間や負担を減らしながら、安全に片付けを進めやすくなります。
ゴミ屋敷の片付けに慣れた専門事業者であれば、物量や間取り、作業人数に応じて効率よく作業を進めてもらえます。退去日が迫っている場合や、短期間で生活できる状態へ戻したい場合は、専門事業者への依頼を検討するとよいでしょう。作業時間はゴミの量や部屋の広さ、搬出経路などによって異なるため、見積もりの際に確認することが大切です。
分別や搬出まで対応している専門事業者であれば、重い物や危険な物を自分で運び出す必要がなく、ケガのリスクも抑えられます。大量のゴミで足元が見えない場合や、一人では持ち上げられない物が多い場合にも相談しやすい方法です。
また、立ち会いなしでの作業やプライバシーに配慮した対応を行っている専門事業者もあります。対応範囲や料金、追加費用の条件は専門事業者によって異なるため、複数社から見積もりを取り、作業内容と費用の内訳を比較するとよいでしょう。
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5.ゴミ屋敷の片付けはどこから始める?まとめ
ゴミ屋敷の片付けは、どこから始めるかによって進めやすさが変わります。まずは玄関や廊下を片付けてゴミの搬出ルートを確保し、その後にトイレや洗面所など狭い場所へ進むと、作業のゴールが見えやすくなります。
捨てる物は、ペットボトルや弁当ガラなど明らかなゴミから手をつけるのがポイントです。判断に迷う物を後回しにすると作業が止まりにくくなり、ゴミの量が減ることで次に片付ける場所も見つけやすくなります。思い出の品や書類は専用の箱へまとめ、最後に確認すると紛失も防ぎやすくなります。
ゴミが膝を超えるほど積み上がっている、水回りがほとんど使えない、害虫や強い悪臭が室外まで及んでいる場合は、自力での片付けにこだわらず専門事業者への依頼を検討したほうが安全です。無理に一人で進めることよりも、安全に生活できる環境を取り戻すことを優先しましょう。