漏電したらどうなる?具体的な漏電の症状や対処法を解説
公開日:2024.8.15
漏電が発生した場合、人体や電化製品にどのような影響があるのでしょうか。
この記事では、漏電が発生した際のリスクや、確認するための症状、事前に防ぐための対策を解説していきます。
漏電が発生した場合、人体や電化製品にどのような影響があるのでしょうか。
この記事では、漏電が発生した際のリスクや、確認するための症状、事前に防ぐための対策を解説していきます。
電気は正しく使用していれば安全で、暮らしを快適にしてくれるものですが、漏電が発生した場合火災や感電の恐れがあるため注意が必要です。
漏電とは、電化製品や配線から電気が漏れている状態を指します。
通常、電気配線は絶縁されていて電気が漏れないようになっていますが、破損や水濡れがあると電気が漏れてしまう場合があります。
漏電が起こる主な原因は、以下の7つです。
1. 水漏れ
水漏れが電気設備や配線に接触すると、電気が本来流れるべきでない場所に流れ込むことがあります。これにより漏電が発生します。
例えば、天井からの水漏れが配線に触れた場合、水が導電体となって電流が配線外に流れ、漏電を引き起こします。
また、水漏れによって湿度が高まると、絶縁体が劣化しやすくなり、漏電のリスクがさらに高まります。
2. 電化製品の劣化
電化製品は使用に伴い、内部の部品や配線が徐々に劣化します。特に、モーターやコンデンサといった部品は劣化しやすく、これにより絶縁が失われることがあります。
また、ホコリが内部にたまることで、通電部分に付着し、ショートや漏電を引き起こすこともあります。長期間使用された電化製品は、内部が目に見えない形で劣化しているため、漏電が起こりやすいです。
3. コード・プラグの破損
コードが破損すると、電線が露出し、触れるものや接触する部分に電流が流れ、漏電を引き起こします。
例えば、コードが家具に挟まれて傷がついたり、ペットがコードを噛んだりすると、内部の導線が露出しやすくなります。
また、プラグのピンが曲がったり、プラグ自体が破損すると、電気が正しく流れず、接触不良や漏電の原因になります。
4. 家屋の劣化
家屋自体が劣化すると、壁内の配線や電気設備が影響を受け、絶縁が弱くなり漏電が発生する可能性があります。
特に、古い家屋では配線の劣化が進んでいる場合があります。
5. 塩害
塩害は、海岸近くの地域で特に問題となります。塩分を含んだ空気が配線や電気設備に付着し、金属部分を腐食させることがあります。この腐食が進行すると、絶縁体が劣化し、電流が漏れることが増えます。
特に、屋外に設置された配線や電化製品は塩害による影響を受けやすく、定期的な点検とメンテナンスが必要です。
6. 小動物の被害
家にネズミが住み着いていると、電線をかじられることがあります。電線がかじられると、内部の導線が露出し、電流が漏れる原因につながります。
また、小動物が配電盤や電気機器の中に巣を作ることで、配線がダメージを受けたり、通電部分に異物が挟まって漏電することもあります。
7. たこ足配線
たこ足配線とは、1つのコンセントから複数の電化製品を同時に接続する配線のことを指します。このような接続方法はコンセントに過剰な負荷をかける可能性があり、電線やプラグが過熱し、劣化することがあります。その結果、絶縁が破れて漏電が発生するリスクが高まります。
また、たこ足配線による過負荷が原因でブレーカーが落ちることもありますし、最悪の場合、火災の原因となることもあります。安全のためには、コンセントの数に見合った使用を心がけ、必要であれば電源タップを使用するなどの対策が重要です。
これらの要因は、個別でも漏電の原因となりますが、複数の要因が重なることで漏電リスクがさらに高まります。定期的な点検と適切な使用を心がけることが、漏電を防ぐために重要です。
漏電が発生すると、家の中で以下のような症状が現れることがあります。
・ブレーカーが落ちる
一般的な家庭には「漏電ブレーカー」が設置されており、電気回路に異常が生じた際に自動的に電流を遮断します。これは火災や感電を防ぐための重要な安全機能です。
漏電が発生すると、この「漏電ブレーカー」が頻繁に落ちることがあります。通常、ブレーカーを戻せば電気が再び流れますが、再び落ちる場合は漏電の可能性が高いです。
・特定の回路や部屋だけが停電する
漏電は、家全体ではなく、特定の回路や部屋に限定して発生することがあります。この場合、その回路に接続されているコンセントや電気器具だけが動作しなくなる可能性があります。
例えば、ある部屋のコンセントが全て使えなくなったり、特定の照明が点かなくなったりします。
・電気機器が誤作動を起こす
漏電が原因で、電気機器が正常に動作しないことがあります。たとえば、家電製品が突然停止したり、異常な動作をしたりします。特に、古い電気機器や劣化した配線が漏電の原因となることが多いです。
・感電のリスクが高まる
漏電が発生している場合、電気が通常流れない部分に電流が流れてしまうことがあります。これにより、家電の金属部分や配線、壁の中に電流が流れ、これに触れると感電する危険があります。
特に、水場や湿気の多い場所(キッチン、バスルーム、洗濯機周辺など)では感電のリスクが高まります。
・ 電気料金の異常な増加
漏電によって、無駄に電気が消費されている場合、気づかないうちに電気料金が異常に高くなることがあります。
これは特に、少量ずつ漏電している場合に顕著で、気づかないまま長期間放置されると電気代が大幅に増えることがあります。
・焦げ臭さや異音の発生
漏電が進行すると、電気配線や機器が過熱し、焦げ臭い匂いがすることがあります。また、配線の中で異常な音(例えば、バチバチという音)が聞こえることがあります。
これらは非常に危険な兆候であり、火災の前兆となることもあります。
・ライトや電気機器が点滅する
漏電が発生している場合、家の中の照明がチカチカと点滅することがあります。また、電気機器が不安定に動作したり、意図せずにオン・オフを繰り返すことがあります。
・電気回路の過熱
漏電は電気回路に過剰な負荷をかけることがあり、これが原因で配線やスイッチが過熱することがあります。過熱した状態が続くと、火災のリスクが大幅に高まります。
漏電が疑われる場合は、直ちに電気の使用を控え、専門の電気工事業者に点検と修理を依頼することが重要です。
どこの箇所で漏電が発生しているのかは、「安全ブレーカー」と「漏電ブレーカー」で確認できます。
まずは分電盤のある場所に行き、どの回路で漏電が発生しているかを確認しましょう。
具体的な確認手順は以下の通りです。
まずはすべての安全ブレーカーを「切」の状態にします。
次に漏電ブレーカーをあげて、「入」の状態にします。
安全ブレーカーを一つずつゆっくりとあげて「入」の状態にしていき、漏電ブレーカーが落ちたらその回路で漏電しています。
該当回路の安全ブレーカーを「切」の状態にして、漏電ブレーカーをあげ、そのほかの安全ブレーカーもあげましょう。
この漏電は電気製品によるものか、住宅内の配線が原因である可能性があります。感電のリスクがあるため、その場所の電気製品には触れずに、電気工事業者に相談することを強くおすすめします。
漏電トラブルは放置すると危険をともなうため、早急に対処しなければいけません。
ただし、漏電の修理には、電気工事士の資格が必要とされています。
重大な事故につながる恐れもあるため、無理に個人で対処せず専門業者に依頼しましょう。
一般的な修理相場は、ケースバイケースですが8,000〜20,000円程度となっています。
ただし、配線を引き直す場合など、特別なケースでは追加料金が必要です。
分電盤や漏電ブレーカーの取り替えが必要な場合には、本体価格も別途必要になるため覚えておきましょう。
業者に依頼する際には、複数の業者から見積もりをとり、修理内容と価格を比較することをおすすめします。
比較する際には、価格だけでなく工事内容もチェックしなければいけません。安いからといって選んでしまうと、高額な費用がかかったり対応が悪く再度問題が起きたりする可能性があります。
必要な箇所が適切に修理できるか、不要な工事が入っていないかを確認しましょう。
また、業者の実績や口コミも参考にし、信頼できる業者を選ぶのが大切です。
漏電は放置しておくと大きなトラブルにつながってしまうため、早めに適切な対処をしてください。