ネズミ駆除に助成金は使える?自治体の支援内容と確認方法を解説
公開日:2024.1.18
更新日:2026.10.30
「ネズミ駆除を頼みたいけれど、費用が心配。住んでいる地域で助成金は出ないのだろうか」と調べている方もいるのではないでしょうか。
ネズミ駆除の助成金は、すべての自治体にあるわけではありません。制度があっても、町会や商店街などの団体が対象で、個人の駆除費用には使えないケースも見られます。制度の有無を確認しないまま助成金が出るのを待っていると、そのあいだにフンや食害、配線のかじりといった被害が広がる恐れがあります。
この記事では、ネズミ駆除に使える助成金・補助金の実情と、自治体ごとの支援内容の違い、制度の調べ方、助成金がない場合に駆除費用を抑える方法を解説します。助成金を待たずに対応したほうがよい被害の目安も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※掲載内容は2026年10月20日時点の情報です。支援内容や利用条件は変更される場合があるため、最新情報は各自治体の公式サイトでご確認ください。
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ネズミ駆除に助成金や補助金は使える?
ネズミ駆除に使える助成金や補助金は、自治体によって制度の有無や対象が異なり、個人宅の駆除費用が対象とは限りません。町会や商店街など、地域団体による一斉駆除を対象としている制度もあります。
一方で、補助金がない自治体でも、殺そ剤(さっそざい:ネズミを駆除する薬剤)の配布や捕獲器の貸し出し、専門家による助言などの支援を受けられることがあります。
確認したいポイントは以下のとおりです。
- 個人宅の駆除費用を補助する自治体は限られている
- 町会・自治会などの団体が対象になる制度もある
- 助成金がなくても資材提供や専門家派遣を受けられる場合がある
それぞれ詳しく解説します。
個人宅の駆除費用を補助する自治体は限られている
持ち家のネズミ駆除を専門事業者に依頼した場合、その費用を自治体が補助してくれるとは限りません。
家ネズミの対策は、基本的に建物を所有・管理している人が行う場合が多いです。横浜市のように、ネズミや害虫の駆除は発生源を所有・管理する人が対応するという考え方を示し、市として直接の駆除は行っていない自治体もあります。
そのため、自治体によっては、駆除費用を補助するのではなく、相談対応や捕獲器の貸し出しなどを行っています。個人向けの補助があるかどうかは自治体ごとに異なるので、まずは住んでいる地域の公式サイトで確かめてください。
参照元:『ねずみ・害虫を駆除してほしい。』:横浜市
町会・自治会などの団体が対象になる制度もある
ネズミ駆除の補助金を設けている自治体でも、対象を町会や自治会、商店街などの団体に限っている場合があります。生ごみの管理などの環境改善とあわせて、地域ぐるみでネズミ対策に取り組むことを支援する制度だからです。
東京都中央区の「地域ねずみ防除促進事業」は、生ごみの管理など環境改善を続けて行う町会や商店街などを対象にした制度です。毒餌による一斉駆除やフタ付きごみ箱の購入などの経費について、補助を受けられます。
また、静岡県富士市では、市内の町内会・区長が希望世帯分を取りまとめて申し込み、町内会・区を通じてネズミ駆除剤を配布しています。
住んでいる地域に団体向けの制度がある場合、個人で依頼する前に、町会や自治会へ相談してみるのも1つの方法です。
参照元:『地域ねずみ防除促進事業のご案内』:中央区
参照元:『富士環境衛生自治推進協会(富士環自協)』:富士市
助成金がなくても資材提供や専門家派遣を受けられる場合がある
駆除費用の補助がない自治体でも、ネズミ対策の支援を行っていることがあります。
自治体によっては、以下のような支援制度を設けています。
- 殺そ剤の配布
- 捕獲器の貸し出し
- 専門家による助言や現地調査
- 相談窓口や専門事業者の団体の案内
自分で対策を進めたい方にとっては、資材の配布や貸し出しを受けるだけでも出費を抑えられます。具体的な支援内容は、次の章で詳しく紹介します。
自治体によってネズミ対策の支援内容はどう違う?
自治体の主な支援には、駆除費用の補助、資材の提供、専門家による助言、相談窓口の案内の4つに分けられます。どれを行っているかは自治体ごとに異なり、1つだけの地域もあれば、複数を組み合わせている地域もあります。
支援の種類と内容を整理すると、以下のとおりです。
※2026年10月時点で各自治体の公式サイトに掲載されている内容です。年度によって変わることがあります。
駆除費用の一部を補助する
駆除費用の補助は、ネズミ対策にかかった経費の一部を自治体が負担する支援です。前の章で紹介した中央区の制度は、町会や商店街などの団体が地域で行う一斉駆除を対象としているため、個人が専門事業者に依頼した駆除費用には使えません。
補助の対象には、駆除作業の費用だけでなく、ネズミが住み着きにくい環境をつくるための経費も含まれる場合があります。たとえば中央区の制度では、駆除作業に加えて、フタ付きごみ箱の購入なども対象です。
補助されるのは経費の一部で、残りは申請した団体が負担します。補助率や上限額の例は、前の章の表のとおりです。
参照元:『地域ねずみ防除促進事業のご案内』:中央区
殺そ剤や捕獲器などの資材を提供する
殺そ剤の配布や捕獲器の貸し出しは、相談窓口を通じて受けられることがある支援です。
資材の提供を受けられれば、市販品の購入費を抑えながら対策を始められます。自治体の例は以下のとおりです。
殺そ剤は、子どもやペットの手が届かない場所に置き、製品に表示された使用方法を守って使ってください。受け取るときに住所や氏名の記入が必要な自治体もあります。
関連記事:ネズミを駆除するには何をするべき?効果的な方法から再発防止策まで解説
専門家による防除の助言を受けられる
自分で対策をしても被害が収まらない方に向けて、専門事業者を派遣して助言を行う自治体もあります。
東京都大田区では、区内の一般家屋を対象に、専門事業者が自宅を訪れて現地調査を行い、侵入口の探し方や塞ぎ方を助言する事業を無料で実施しています。1軒あたりの調査は1時間程度です。
ただし、派遣は助言のためで、ネズミの駆除や侵入口の封鎖作業は自分で行う必要があります。また、事業所や賃貸住宅は対象外で、派遣できる日や件数が限られています。
参照元:『自身でネズミ防除を行っても、被害が収まらない場合』:大田区
相談窓口や専門事業者の団体を案内する
ネズミの被害については、保健所や生活衛生課などが相談を受け付けている自治体があります。駆除を自治体に頼めない場合でも、対策の方法の助言が受けられたり、依頼先を探すための団体を教えてもらえたりする場合もあります。
たとえば、江東区では公益社団法人東京都ペストコントロール協会などの団体を、船橋市では千葉県害虫防除協同組合を案内しています。ただし、案内された団体に加盟する専門事業者へ依頼する場合も、駆除費用は自己負担です。
参照元:『ねずみの防除について』:江東区
ネズミ駆除の助成制度はどうやって調べる?
ネズミ駆除の助成制度を探すときは、まず住んでいる自治体の公式サイトを確認しましょう。制度の名称は「助成金」「補助金」に限らず、「ネズミ防除」「殺そ剤の配布」など、検索する言葉を変えると、費用の補助以外の支援が見つかることもあります。
確認したいポイントは以下のとおりです。
- 自治体名と「ネズミ駆除・助成金」を組み合わせて検索する
- 情報が見つからない場合は自治体の代表窓口へ確認する
これらの方法を具体的に説明していきます。
自治体名と「ネズミ駆除・助成金」を組み合わせて検索する
まずは「〇〇市 ネズミ駆除 助成金」のように、住んでいる自治体名とキーワードを組み合わせて検索してください。
情報が見つからない場合は、「助成金」を「補助金」に変えたり、「ネズミ防除」「衛生害虫」などの言葉で検索したりしてみてください。検索に使える言葉の例は以下のとおりです。
- 〇〇市 ネズミ 補助金
- 〇〇市 ネズミ 防除
- 〇〇市 殺そ剤 配布
- 〇〇市 ネズミ 捕獲器 貸し出し
検索結果にはネズミ駆除を行う民間事業者のページも多く表示されるため、自治体の公式サイトかどうかを確認してください。掲載情報の更新日や対象年度も確認し、不明な点は担当窓口へ問い合わせましょう。
情報が見つからない場合は自治体の代表窓口へ確認する
公式サイトで情報が見つからないときは、自治体の代表窓口に電話し、ネズミの相談を担当する部署を教えてもらいましょう。担当部署は自治体によって異なり、保健所の生活衛生課や、環境衛生を担当する部署などが対応しています。
問い合わせの際は、補助金の有無だけでなく、殺そ剤の配布や捕獲器の貸し出しなど、ほかに利用できる支援がないかもあわせて聞いてみましょう。利用できる制度があれば、申請方法や事前相談の必要性もあわせて聞いておきましょう。
助成金や自治体の取り組みがない場合は駆除費用をどう抑える?
助成金や自治体の支援が使えない場合でも、まず駆除費用を誰が負担するのか、どのような作業が必要なのかを確認しましょう。自己負担で依頼する場合も、被害が広がる前に相談し、複数の見積もりを比較することで、不要な出費を避けやすくなります。
費用負担を抑えるために、以下の点を確認してください。
- 賃貸住宅では管理会社や大家へ先に連絡する
- 被害が広がる前に現地調査を依頼する
- 複数の専門事業者から同じ条件で見積もりを取る
まずは住まいの管理者への確認が必要かを判断し、調査や見積もりを進めましょう。
賃貸住宅では管理会社や大家へ先に連絡する
賃貸住宅や集合住宅でネズミが出たときは、自分で専門事業者を探す前に、管理会社や大家へ連絡してください。
駆除の手配や費用負担は、発生原因や契約内容などによって異なります。建物の管理は大家や管理会社が行っているため、駆除の手配や侵入口の補修をどう進めるかは、管理者と相談して決めることになります。
連絡するときは、ネズミを見た場所や時間帯、フンやかじり跡の有無を伝えると、状況が伝わりやすくなります。
被害が広がる前に現地調査を依頼する
ネズミの被害が出はじめたら、早い段階で専門事業者に現地調査を依頼しましょう。
ネズミは繁殖のペースが速く、放置すると被害が増える恐れがあります。駆除や清掃、補修が必要な範囲も広がると費用がかさむ可能性があるため、被害が小さいうちに対処することが大切です。
現地調査では、ネズミの有無や侵入経路、被害の範囲を調べてもらいます。調査の内容と見積もり金額を聞いてから、依頼するかどうかを判断しましょう。
関連記事:ネズミ駆除の相場はいくら?戸建て・マンション別の費用目安と安く抑えるコツ
複数の専門事業者から同じ条件で見積もりを取る
駆除を依頼するときは、複数の専門事業者に被害状況や希望する作業を伝えて見積もりを取り、納得できる依頼先を選んでください。
見積もりを比べるときは、金額だけでなく、作業の範囲や保証など、どこまでの作業が含まれているかを確認してください。見積もりで比較したい項目は以下のとおりです。
- 作業範囲(捕獲、侵入口の封鎖、清掃、消毒のどこまでか)
- 追加料金が発生する条件
- 訪問回数
- 施工後の保証の期間と、対象外になる条件
金額だけで比べると、封鎖や清掃が含まれているかどうかの違いを見落としやすくなります。作業内容を書面で説明してくれる専門事業者を選ぶのがおすすめです。
関連記事:ネズミの侵入を防止する方法!侵入口の見つけ方と塞ぎ方を解説
ネズミ被害は助成金を待ってから対策してもよい?
ネズミの被害が出ている場合は、助成金の結果を待つだけでなく、できる対策から始めてください。待っているあいだに、食品や配線などへの被害が広がる恐れがあるためです。
ただし、条件や作業を進める時期によっては補助の対象外となる場合があります。応急処置と本格的な駆除を分けて、以下の点を確認してください。
- 食品や配線への被害がある場合は助成金を待たずに対応する
- 申請前に実施できる応急処置を自治体へ確認する
- 本格的な駆除や封鎖工事は申請条件を確認してから依頼する
まずは被害の状況を確認し、すぐに必要な対応と、申請条件の確認が必要な作業を整理しましょう。
食品や配線への被害がある場合は助成金を待たずに対応する
食品をかじられた、電気コードにかじり跡があるといった被害が見つかったら、助成金を待たずに対応してください。
かじられた食品は、ネズミの唾液や排泄物などで汚染されている恐れがあるため、食べずに処分しましょう。ほかの食品も被害を受けないよう、ふた付きの容器や冷蔵庫に保管してください。また、電線やガス管をかじられると、火災や停電につながるリスクもあります。
かじられた配線を見つけたら、使用を控えて、電気工事の資格を持つ事業者へ相談してください。また、ガス臭がする場合は火気や電気スイッチを使用せず、契約しているガス会社へ連絡しましょう。
参照元:『ネズミについて』:横浜市
申請前に実施できる応急処置を自治体へ確認する
町会などを通じて補助制度を使う予定がある場合は、申請前に自分で進めてよい対策を、自治体の担当部署に確認しておきましょう。補助の対象になる作業や費用は制度ごとに決められており、申請前に行った作業や購入費は対象外となる場合があります。
費用のかからない対策であれば、確認を待つあいだに進められます。
申請前でも取り組みやすい応急処置は以下のとおりです。
- 食品をふた付きの容器や冷蔵庫に移す
- 生ごみをふたのできる容器に入れる
- フンを見つけたら、手袋とマスクを着けて片付ける
ネズミのフンを片付けるときは、掃除機で吸い取ると乾いたフンが舞い上がる恐れがあるため、消毒液で十分に湿らせた紙などで包んで捨ててください。
関連記事:ネズミを家から追い出すには?効果が出やすい順番と再発防止を解説
本格的な駆除や封鎖工事は申請条件を確認してから依頼する
町会などを通じて補助制度を使い、専門事業者に駆除や侵入口の封鎖工事を依頼する場合は、契約する前に以下の点を確認してください。
- 見積書で、作業ごと(駆除、侵入口の封鎖、清掃など)の金額が分かれているか
- 作業日を、自治体への事前相談や申請のあとに合わせてもらえるか
- 申請に見積書や領収書などが必要な場合に、発行してもらえるか
補助の対象外の作業が見積もりに含まれていると、その分は自己負担になります。
補助の条件に合わない場合や、手続きに時間がかかる場合は、自己負担での依頼も検討しましょう。食品や配線への被害が続いているなど、待つあいだに被害が広がりそうなときは、補助を待たずに現地調査を依頼し、見積もりの金額と作業内容を見てから決めてください。
参照元:『地域ねずみ防除促進事業のご案内』:中央区
助成金の有無と自治体の支援範囲を確認して対策を進めよう
ネズミ駆除の助成金は、自治体によって有無も対象も異なり、制度が設けられていても、個人宅ではなく、町会や商店街などの団体が対象となる場合があります。団体を対象にした補助のほか、殺そ剤の配布や捕獲器の貸し出し、専門家による助言など、費用の補助以外の支援を行っている自治体もあります。
まずは自治体名とキーワードを組み合わせて公式サイトを調べ、見つからなければ代表窓口で担当部署を確認してください。食品や配線への被害が出ている場合は、助成金を待たずに対策を始めることが大切です。
助成金が使えない場合は、賃貸住宅なら管理会社や大家への連絡を優先し、持ち家なら早めに現地調査を受けて、複数の専門事業者から同じ条件で見積もりを取ると、費用を抑えやすくなります。
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