ドロバチの巣は駆除するべき?特徴や注意点もあわせて解説
公開日:2023.8.23 更新日:2024.10.18
自宅の軒下や床下、屋根裏などに穴の開いた泥の塊ができていたら、それは「ドロバチ」の巣の可能性があります。
ここではドロバチの巣の駆除方法について解説します。あわせてドロバチの生態や巣の特徴、駆除する際の注意点にも触れますので、ぜひ参考にしてください。
自宅の軒下や床下、屋根裏などに穴の開いた泥の塊ができていたら、それは「ドロバチ」の巣の可能性があります。
ここではドロバチの巣の駆除方法について解説します。あわせてドロバチの生態や巣の特徴、駆除する際の注意点にも触れますので、ぜひ参考にしてください。
人間の生活圏内には、さまざまな種類のハチがいます。
そのなかにドロバチといわれるハチがいるのをご存じですか?
ドロバチとは、名前にもなっているように泥や土で巣を作るハチの総称です。ドロバチのなかにもいくつかの種類があるので、以下でそれぞれ紹介します。
・オオフタオビドロバチ
体長は約1~2センチメートルほどで、腹部に帯状に黄色いラインが入っているのが特徴です。
・エントツドロバチ
体長は約1.8センチメートル程度で、黒い腹部に入ったオレンジ色のラインが特徴的です。
泥で煙突状の巣をつくります。
・キボシトックリバチ
体長は約1.3~1.7センチメートルほどと、ドロバチのなかでも比較的小さなハチです。
お腹の部分には擬宝珠のような、黄色の模様が入っています。
・スズバチ
体長は小さなスズバチで約1.5センチメートル、大きなスズバチであれば約3センチメートルほどになります。
体にオレンジ色の特徴的な模様が入っています。
泥で鈴のように丸い巣をつくるのが特徴です。
・ヤマトフタスジスズバチ
体長は約0.8~1.8センチメートル程度と、とても小さなドロバチです。
ほかのハチと比べると体が細く、腹部に黄色いラインが2本入っています。
蜂と聞くと「攻撃してくるこわい虫」というような印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
しかし、すべてのハチが攻撃的だとはいえません。ドロバチも温厚なハチの仲間です。
■危険性について
ドロバチは蜂なので、一応おしりに毒針がついています。
しかし、温厚な性格をしているため、ドロバチ自身が身の危険を感じない限り、襲ってくるということは滅多にないでしょう。
普段の生活をしていてドロバチを発見したとしても、何事もなかったかのようにしていれば問題ないのです。
ただし、ドロバチに刺激を与えたり、巣を壊そうとしたりすれば、ほかの蜂と同様に攻撃してくる可能性が高いでしょう。
温厚だからといって油断せず、不用意に近づいたり、手で追い払ったりしないようにしてください。
■毒性について
毒針がありますが、スズメバチやアシナガバチと比べると毒性はそこまで強くありません。とはいっても、小さな虫が動けなくなるくらいの麻酔成分が入っています。
そのため、ドロバチに刺されてしまったら、すぐに針を抜き患部を水で冷やしてください。
その後湿布などで患部を冷やしておくと、だんだんと腫れも治まっていくでしょう。
ただし、腫れがひどい場合や痛みが強い場合は、速やかに医療機関を受診してください。
ドロバチの巣は、泥や土でつくられます。
では、いつどのようにつくられるのでしょうか?以下で詳しく紹介します。
■巣のつくり方
ドロバチの巣をつくる泥は、乾燥したものが使われます。そこに水や唾液などの水分を混ぜ込み、穴をあけるように巣を形成していきます。
ろくろでコップをつくるところを想像すれば、イメージがわかりやすいでしょう。
このようにつくられた巣は白や灰色をしており、表面の厚さが薄いのが特徴です。
スコップなどで叩けばすぐに壊れてしまいます。
また、竹や木にあいた穴を利用する場合もあります。穴に泥をつめていき、内部空間に仕切りをつくっていくタイプです。
このタイプは外部が竹や木で守られているため、簡単には壊せません。
■巣がつくられる時期
ドロバチが巣をつくるのは、夏から秋にかけてです。寒くなる前には巣を完成させます。
秋までにつくられた巣の中には、ドロバチの幼虫のエサとなる青虫やイモムシなどを貯蔵しておきます。
青虫やイモムシは、毒針で刺され麻酔がかけられた状態なので生きていますが動けません。
巣の中に卵を産み付けおわると、穴をふさいで親ドロバチはその巣を去ります。
あたたかい泥のなかで冬を越したドロバチの幼虫は、春になると最終的に泥の壁を食いちぎって外へ出ていきます。
前述しているようにドロバチは温厚な性格です。当たり障りなく接していれば攻撃される可能性は低いでしょう。
逆に巣を駆除しようと刺激をすれば、攻撃されるかもしれません。そのため、特別な事情がない限りは巣をそのまま放置しておくのが無難です。
しかし、自宅の軒下や床下、屋根裏など、生活するうえで邪魔になるようなところに巣をつくられた場合は駆除するしかありません。
以下では、ドロバチの巣を駆除するに際して気を付けるポイントを説明します。
■駆除するなら夜間
ドロバチは昼行性なので夜になると巣に戻ってきます。外を飛び回ることもないため、巣を駆除するなら夜にしましょう。
駆除には殺虫スプレーを使用します。巣穴から一気にスプレーをかけましょう。
穴からドロバチが飛び出してくる可能性もあるため、防護服や軍手などを身につけておくことが必要です。
しばらくしてドロバチに動きがなくなったら、ヘラなどで巣を削り取りゴミ袋にいれて処分します。
防護服一体式(フェイスネット付き)
■駆除するタイミングは秋以降
ドロバチは寒くなる秋頃までには巣を完成させます。巣穴も閉じており、一度巣を去ったら戻ってくることはありません。
そのため、駆除するなら親ドロバチが立ち去ったタイミングがおすすめです。
なかには複数回にわけてエサを運び込むタイプのハチもいるため、しばらく観察して確実に去ったことを確認してから行うと、より安全でしょう。
いくらドロバチが攻撃的ではないといっても、巣を駆除するというのは簡単ではありません。
自分でドロバチの巣を駆除するのが難しいときには、プロの業者に依頼するのが安心ですね。
泥や土を利用して巣をつくるのがドロバチですが、土の中に巣をつくるハチもいます。それはオオスズメバチです。
オオスズメバチは、土の中をはじめ屋根裏や木にあいた穴など、人目に付かず雨風をしのげる場所に巣をつくります。
そのため、いつの間にか土の中に巨大なオオスズメバチの巣ができている可能性もあるのです。
実際、オオスズメバチの巣が土の中にあるのがわからず踏んでしまい、オオスズメバチから集団攻撃されるという事例も多数報告されています。
オオスズメバチはドロバチとは違い、攻撃性や毒性がとても高く危険です。大きさも3センチメートル以上はあるため、痛みも比べ物にならないでしょう。
オオスズメバチに刺されると、最悪の場合死に至ることもあるのです。
しかし、簡単にドロバチの巣と見分けることは可能です。
オオスズメバチの巣は土の中につくられるのに対し、ドロバチの巣は土の外であるベランダや軒下につくられます。
「土」という共通ワードから、「ドロバチが土の中に巣をつくる」と誤って覚えてしまえば危険です。
ドロバチの巣だと思って近づきオオスズメバチに攻撃されることがないよう、正しい知識を身につけましょう。