1.コウモリはどこから家の中に入ってくるの?
家の中にコウモリがいる場合、窓を開けたときに偶然入ったとは限りません。住宅には外からでは気づきにくい隙間があり、換気口や屋根まわりなども侵入経路になります。主に確認したい場所は次のとおりです。
扉や窓周辺の隙間から侵入する
コウモリは体が小さく、扉や窓周辺のわずかな隙間から家の中へ入り込むことがあります。扉の上部や窓サッシの隙間、網戸の破損部分など、普段は気にならない場所も侵入経路になり得ます。
特に注意したいのは、窓を開ける機会が増える時期です。夜間に室内の明かりをつけていると窓の周辺に虫が集まり、その虫を捕食するコウモリが住宅の近くまで飛んでくることがあります。
窓を閉めているのに室内でコウモリを繰り返し見かける場合は、サッシや網戸などに侵入できる隙間がないか確認することが大切です。網戸の破れや部材の劣化が見つかった場合は、補修によって侵入経路を減らせます。
換気口から侵入する
屋外と建物内部につながっている換気口も、コウモリの侵入経路になることがあります。外側のカバーや金網が破損していたり、隙間ができていたりすると、その部分から入り込む可能性があります。
住宅にはキッチンや浴室、トイレなど複数の換気設備があるため、室内でコウモリを見つけた場合は外側の状態まで確認する必要があります。特に、普段目にしない高い位置の換気口は破損や隙間に気づきにくい場所です。
ただし、換気口には室内の空気を排出したり外気を取り入れたりする役割があります。侵入を防ぐために完全に塞ぐのではなく、通気を妨げない金網や防虫ネットなどを使って対策する必要があります。
屋根の周辺から屋根裏へ侵入する
瓦のずれや破損部分、軒下の隙間、屋根裏の通気口など、屋根の周辺もコウモリが入り込みやすい場所です。屋根裏は暗く、人の出入りも少ないため、侵入したコウモリがそのまま住み着くこともあります。
夜になると天井裏から物音がする、天井付近から異臭がするといった異変がある場合は、屋根裏にコウモリが入り込んでいる可能性も考えられます。長期間住み着くとフンや尿が蓄積し、悪臭や建材の汚れにつながるため放置は避けたいところです。
屋根まわりは侵入口を見つけにくいうえ、高所での確認や封鎖には転落の危険があるため、自分で安全に確認できない場合は専門事業者へ調査を依頼したほうが安全です。特に、複数の隙間がある住宅では、侵入口を一つ塞いだだけでは別の場所から再侵入されることもあります。
2.コウモリが家の中に入ったときに起こる問題
コウモリが家の中や屋根裏に住み着くと、フンや尿による汚れだけでなく、物音や衛生環境の悪化につながることがあります。放置するほど清掃や対策の範囲が広がるおそれがあるため、異変に気づいた段階で状況を確認することが大切です。
フンや尿による悪臭や汚れが広がる
コウモリが屋根裏や換気口などに住み着くと、フンや尿による悪臭や汚れが発生します。長期間同じ場所を利用されると排泄物が蓄積し、天井裏や壁の内部だけでなく、室内までにおいが届くこともあります。
特に、天井や壁に原因不明のシミがある、換気口付近から強いにおいがするといった場合は、見えない場所に排泄物がたまっている可能性があります。悪臭や汚れが続いている場合は、コウモリを追い出すだけでなく、フンの除去や汚れた場所の清掃まで行う必要があります。
フンが広範囲にたまっている場合は、清掃時に細かな粉じんが舞うこともあります。自分で安全に作業できない場所や、屋根裏の奥まで汚れている場合は、専門事業者への相談を検討するとよいでしょう。
夜間の物音が生活の妨げになる
コウモリが屋根裏や壁の内部に入り込むと、夜間の物音が気になることがあります。コウモリは夕方から夜にかけて活動するため、羽ばたく音や移動する音が天井や壁越しに聞こえることがあります。
状況によっては、高い鳴き声が聞こえることもあります。毎晩のように天井裏から音がする状態が続けば、睡眠の妨げになったり、家の中に動物がいることへの不安につながったりするでしょう。
ただし、天井裏の物音だけでコウモリとは断定できません。ネズミなど別の害獣が入り込んでいる可能性もあるため、音がする時間帯や場所、フンの形などを確認しながら原因を切り分けることが大切です。
フンやダニなどによる衛生面のリスクが高まる
コウモリが住み着いた場所では、フンやダニなどによる衛生面のリスクにも注意が必要です。乾燥したフンは崩れると細かな粉じんになりやすく、清掃時に舞い上がることがあります。
また、コウモリの体に付着しているダニなどが建物内へ持ち込まれる可能性もあります。コウモリを追い出したあともフンや汚れをそのままにすると、悪臭や害虫の発生につながることがあるため、清掃まで含めた対策が必要です。
フンを見つけても素手で触ったり、乾燥した状態のまま勢いよく掃いたりするのは避けたほうが安全です。大量のフンがある場合や、狭い屋根裏での清掃が必要な場合は、自分だけで対処せず専門事業者へ依頼すると安心です。
3.コウモリを家の中に入れないための対策
コウモリの侵入を防ぐには、すでに入り込んでいる個体を安全に追い出したうえで、侵入口を塞ぐ必要があります。無理に捕まえようとせず、再侵入まで防ぐことが重要です。
直接触れずに屋外へ追い出す
家の中にコウモリが入り込んでいる場合は、直接触れずに屋外へ追い出すことが基本です。素手で捕まえようとすると、かまれたり、フンや体表に付着した汚れへ触れたりするおそれがあります。
室内に1匹だけ迷い込んだような状況であれば、コウモリが外へ出やすいように窓や扉を開け、室内を暗くして様子を見る方法があります。追い出す際は、コウモリを素手でつかんだり無理に捕獲したりせず、自分から屋外へ出ていける環境を作ることが大切です。
ただし、屋根裏や壁の内部に住み着いている場合は、窓を開けるだけでは解決しません。複数の個体がいる、生息場所が分からないといった場合は、自分で無理に追い出さないほうが安全です。
忌避剤を使って追い出す
屋根裏や換気口などに潜んでいる場合は、コウモリ用の忌避剤を使って外へ追い出す方法があります。スプレー式やくん煙式などがあり、コウモリが嫌がるにおいや刺激を利用して、その場所から離れさせます。
使用する場所や方法は製品によって異なるため、表示されている使用方法を確認する必要があります。スプレーを狭い場所で使用すると成分を吸い込むおそれもあるため、換気や保護具などの注意事項も守ることが重要です。
また、忌避剤はコウモリを完全に駆除するものではありません。追い出したあとに侵入口が残っていれば戻ってくるため、忌避剤だけで対策を終わらせないことが大切です。
追い出したあとは侵入経路を塞ぐ
再侵入を防ぐには、侵入経路を塞ぐ必要があります。換気口や軒下、外壁のすき間、屋根まわりなど、コウモリが出入りしていた場所を特定し、形状に合わせてパテや金網、ネットなどで封鎖します。
侵入口を塞ぐ前には、建物内部にコウモリが残っていないことを必ず確認する必要があります。内部にいる状態で封鎖すると、コウモリを閉じ込めたり、別のすき間から室内へ入り込んだりするおそれがあります。
また、高所や屋根まわりの封鎖は転落の危険があり、侵入口が複数ある場合は見落としも起こりやすくなります。自分で安全に確認できない場所や、追い出しても再び戻ってくる場合は、専門事業者へ調査を依頼すると安心です。
4.コウモリの室内侵入を自力で防ぐのは難しい
コウモリは住宅のさまざまな隙間から入り込むため、侵入口をすべて見つけて適切に塞ぐのは簡単ではありません。特に高所や屋根まわりなど、自分では確認しにくい場所まで調べる必要があります。
コウモリは体が小さく、住宅にあるわずかな隙間が侵入口になることがあります。侵入経路は一か所とは限らず、外から見ただけでは気づきにくい場所から入り込んでいるケースもあります。
代表的な侵入経路は次のとおりです。
- 扉や窓周辺の隙間
- 換気口
- 配管周辺の隙間
- 屋根周辺の隙間
- 戸袋やシャッター
コウモリの再侵入を防ぐには、実際に使われている侵入口を特定し、周囲にほかの隙間がないかまで確認する必要があります。一部の侵入口だけを塞いでも、別の隙間が残っていれば再び家の中へ入り込む可能性があります。
封鎖には、金網やパンチングメタル、シーリング材、防鳥ネットなどが使われますが、適した資材は隙間の大きさや形状、換気の必要性によって異なります。換気口を誤って塞ぐなど、建物本来の機能を妨げる施工は避けなければなりません。
また、屋根や軒下などの確認には高所作業が必要になることもあり、転落の危険があります。侵入口を特定できない、複数の場所から出入りしている、高所の封鎖が必要といった場合は、自力で無理に対処せず、コウモリ対策に対応した専門事業者へ調査を依頼したほうが安全です。
5.家の中にコウモリがいたら専門事業者に点検を依頼する
家の中や屋根裏にコウモリがいる場合は、侵入口の特定や追い出し、封鎖、フンの清掃まで必要になることがあります。自力での対応には衛生面や法律上の注意点もあるため、状況に応じて専門事業者への相談を検討すると安心です。
フンやダニによる衛生面のリスクを避ける
コウモリが住み着いている場所では、フンやダニなどによる衛生面のリスクに注意が必要です。屋根裏や換気口の内部に排泄物がたまっていると、悪臭や汚れだけでなく、害虫が発生する原因にもなります。
特に乾燥したフンは崩れると細かな粉じんが舞いやすいため、素手で触ったり、そのまま掃いたりするのは避けたほうが安全です。狭い屋根裏で大量のフンを処理する場合は、適切な保護具や清掃方法も必要になります。
フンが広範囲にたまっている、屋根裏の奥まで汚れているなど、自分で安全に清掃できない場合は、追い出しから清掃まで対応できる専門事業者へ相談したほうが安全です。コウモリを追い出すだけでなく、排泄物の除去や再侵入防止まで含めて依頼できるか確認するとよいでしょう。
鳥獣保護管理法に注意して対処する
コウモリは鳥獣保護管理法の対象となる野生動物です。原則として、許可なく捕獲したり殺傷したりすることはできません。違反した場合は、内容によって1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されることがあります。
(出典:e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」)
そのため、家の中にいるコウモリを自分で捕まえたり傷つけたりするのではなく、基本的には屋外へ追い出したうえで侵入口を封鎖する方法で対策します。捕獲が必要になる場合は許可が必要になるため、自己判断で作業を進めないことが重要です。
また、内部にコウモリが残ったまま侵入口を塞ぐと、建物内に閉じ込めてしまうおそれがあります。生息状況や侵入口を確認できない場合は、コウモリ対策の知識がある専門事業者に現地を確認してもらうと判断しやすくなります。
複数の専門事業者から見積もりを取る
コウモリ対策を依頼するときは、複数の専門事業者から見積もりを取ることが大切です。必要な作業は、コウモリの生息場所や侵入口の数、フンの蓄積状況などによって変わるため、料金だけでは施工内容を比較できません。
見積もりでは、現地調査や追い出し、侵入口の封鎖、フンの清掃・消毒など、どこまで作業に含まれているのか確認します。追加費用が発生する条件や、再侵入した場合の保証内容についても事前に把握しておくと安心です。
相見積もりでは最も安い金額だけで選ばず、侵入口をどこまで調査・封鎖するのか、再発防止まで対応してもらえるのかを比較することが重要です。何度追い出しても戻ってくる、侵入口が分からない、屋根裏に大量のフンがあるといった場合は、まず現地調査と見積もりを依頼し、必要な作業を確認してから依頼先を決めるとよいでしょう。