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防火ガラスのトラブルについて

公開日:2021.7.20 更新日:2024.4.3
防火ガラスのトラブルについて

防火ガラスのトラブルはどのようなケースがあるでしょうか?防火ガラスとは、火に強く主に火災の時などにより延焼が広くならないために作られたガラスと言えます。防火ガラスの一般的な特徴として金属のワイヤーが入った網目入りガラスがあります。これは主に火災の際などにガラスが割れて脱落することで開口部が広くならないためのものです。ガラスに穴が開けばそこから空気や火が入り込んでさらに炎が周辺に広がってしまうということを防ぐ構造になっています。ここでは、そんな防火ガラスがどのような原因で破損するのか?トラブル事例や対処方法などについて解説します。

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1. 防火ガラスが破損してしまう主な原因

防火ガラスが破損してしまう主な原因はどのようなものがあるのでしょう?

窓に設置された防火ガラスの写真

防火ガラスの中でも以前から使用されてる細いワイヤーが中に入っている、網目入りガラスは何もしていないのに古くなると自然にひび割れが入ることがありました。これは大まかに分けると二つのタイプがあり、それぞれ原因が違います。

一つ目はさび割れと言って、防火ガラスの中に入っている網目のワイヤーの端の部分がさびて体積が増えて、ある時ぴしっとひび割れが生じてしまうという現象です。

網目の端の部分は外からは見えないゴムパッキンの中でむき出しになっていますが、ここに永年結露や雨などの水分が徐々に浸透してワイヤー自体が腐食してきます。結露などで窓ガラスのパッキン部分がべちょべちょになっている事などは皆さんも経験があると思います。そうして腐食が進んだワイヤーが膨張してガラスにひびが入ってしまいます。

もう一つのケースとしては、ガラスに太陽熱などが当たって、ガラスが伸び縮みする時に、ガラスの中のワイヤーとガラス自体の膨張率が、あまりに違ってしまったときに引っ張られてガラスにひびが入ってしまう事があります。特に冬場の寒い時に朝日などで急激に熱が加わって、ガラスが膨張すると防火ガラスにひびが入って割れてしまう事があります。

2. トラブル事例集。防火ガラスの場合①

防火ガラスのトラブルで多いのは網入りガラスの熱割れ

防火ガラスの写真

防火ガラスの中でも従来からあるワイヤー入りのタイプでは、ガラス表面の部分による温度差によって自然にひびが入りガラスが割れてしまう現象が起こることがあります。これを「熱割れ」と言ったりします。

網入りの防火ガラスは通常のガラスと比べて構造上温度差が発生しやすく、熱割れが起こりやすいガラスです。

基本的にガラスは、材質の違うものが中に入っていたりすると、太陽の日差しが当たった時や室内の暖房などによる温度差の違いで膨張、収縮した際に割れやすくなるため、製造時に異物が混入したりしないように注意をしています。

ワイヤーガラスは、ガラスの中に材質の違う金属であるワイヤーが入っているため、もともと熱割れが起こりやすい構造となっているといえるでしょう。

熱割れが起こりやすい網入りの防火ガラスですが、なるべく熱割れさせないためには、ガラス表面の温度差が起こりにくい状態にすることが大切です。家具を窓際に置いたり、断熱性の高い遮光カーテンなどを防火ガラスのそばに設置したり、暖房器具は温風がガラスに当たるような場所に置かないようにしましょう。

またガラス表面の結露をそのままにしておくと、水気がガラスの端の方にたまって、そこだけ冷やされてガラス表面に日光などが当たった際に温度差が大きくなってしまいます。結露はこまめにふき取ることもトラブル防止につながります。

3. トラブル事例集。防火ガラスの場合②

中古で購入した物件のガラスが防火ガラスではなかったというトラブル

火災が発生した防火ガラスの写真

防火ガラスに交換が必要になるケースに、以前は問題なかったが建築基準法が改正されて、物件が「防火区画」にあてはまる場合、火災が発生した際の延焼を防ぐためにガラスを防火ガラスにしなくてはならない場合があります。

建築基準法に定められている防火区画とは、ある程度の規模の大きさの建築物の場合、火事が発生した時に、建物の内部で延焼が急激に広がったことにより、逃げ遅れてしまう人が犠牲になるおそれがあります。

このような被害を防ぐために建築基準法で一定の時間火災に耐え、中にいる人が無事に脱出できるまでの時間を確保できるような構造にしなくてはならないと定められています。

また、市街地などの防火地区や準防火地区に当てはまる地域では「準遮炎性能」といって火災発生後に20分間は屋外に火炎を出さないような構造になっていないといけません。つまり、20分間は窓ガラスなどが熱で割れてしまわないような構造になっていないといけないということです。

いずれにしても、このような建築基準法の改正で以前は防火区画にあてはまらなかったような物件でも、中古物件として購入したらガラスを防火ガラスに変更する必要が出てきた場合、ガラスの枚数が多くなればそれだけでかなりの出費がかかることになりますので、購入後あとになって交換が必要と知った時にはトラブルになりかねません。購入前に不動産会社に良く確認をしておくことが大切です。

4. 防火ガラスのトラブルが起きてしまった時のアドバイス

防火ガラスのトラブルが起きてしまったときのアドバイスをご紹介します

複層ガラスタイプの防火ガラスの写真

気が付いたら防火ガラスに知らぬ間にひびが入っていた!というケースは防火ガラスの構造上よくある事です。そのままにしておくと安全や防犯上良くないので、交換をする必要があります。

防火ガラスの交換については、リフォーム会社や、工務店などに依頼するのが一般的ですが、ガラス専門のリフォーム業者が近所にある場合は、ガラスの専門業者に問い合わせしてみるのも良いでしょう。

最近では防火ガラスも以前のような網目ガラスのタイプだけではなく、ワイヤーの入っていない耐熱、耐火ガラスも多くの種類があり、防火ガラスでも防犯上効果がある合わせガラスのタイプや、断熱、防音に効果がある複層ガラス(ペアガラス)タイプの防火ガラスなどもあります。興味がある方は交換時に業者に問い合わせしてみるのもおススメです。

中古物件を購入する際に、該当物件のガラスを防火ガラスに交換する必要があるかどうかは、担当してくれる不動産会社に問い合わせるのが一番良いでしょう。もしも自分で全ての窓を防火ガラスに交換する必要性がある場合には、かなりの出費となります。交換する必要がある場合、その交換費用も物件の価格に入っているのか?もし自分で交換する必要がある場合、費用はいくらになるのか?ということは事前に確認して納得しておくようにしましょう。

5. 防火ガラスのトラブルまとめ

防火ガラスのトラブルについてポイントをまとめます

割れてしまった防火ガラスの写真

防火ガラスで一番多いのは、何もしていないのに自然に割れてしまったり、ひびが入る現象です。

これは防火ガラスの中でも昔からある網目タイプのガラスに起こることです。最近ではワイヤーが入っていないタイプの防火ガラスも出ていますので、交換時には検討されてみるのも良いでしょう。

また、中古物件を購入時には、その物件が建築基準法の防火区画にあてはまる場合、防火ガラスに取り換えなくてはならない可能性があります。不動産屋さんに確認をしましょう。

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