外より家の中が寒い原因とは?すぐできる防寒対策やリフォーム内容を紹介
公開日:2025.1.9
寒い季節になると、家の中が外よりも寒く感じることはありませんか?
この記事では、すぐにできる簡単な対策から、少し手間を加えたDIY、業者に依頼をする本格的なリフォームまで、状況に応じた効果的な寒さ対策をご紹介します。
寒い季節になると、家の中が外よりも寒く感じることはありませんか?
この記事では、すぐにできる簡単な対策から、少し手間を加えたDIY、業者に依頼をする本格的なリフォームまで、状況に応じた効果的な寒さ対策をご紹介します。
寒い冬の時期、家に帰っても外より寒いと感じることがあるかもしれません。家の中が寒いと不快なだけでなく、体調を崩す原因にもなってしまいます。外よりも家の中のほうが寒いと感じる原因は、次の3つです。
・外気が家の中に入り込んでいる
・家の断熱性能が低い
・暖房器具を上手に使えていない
まず、家の中のほうが外よりも寒く感じる原因として、外気が家の中に入り込んでいることが挙げられます。窓やドアの隙間から冷たい空気が入ると、部屋の温度が下がり、寒さを感じやすくなります。
特に、コールドドラフト現象により足元が冷えると、よけいに寒さを感じます。コールドドラフト現象とは、暖房器具で温めた暖かい空気が天井のほうへあがることで、冷たい空気が押し出されて足元に集まってしまう現象です。
次に、家の断熱性能が低いことも、家の中が外よりも寒く感じる原因の1つです。屋根裏や天井、床や壁の断熱材が少なかったり、そもそも入っていなかったりする場合は、室内の温度が外気の影響を直接受けてしまいます。
そのほか、暖房器具を上手に使えていないことも原因の1つかもしれません。エアコンやヒーターには「10畳用」など、暖房能力の目安が書かれています。例えば、20畳の広いLDKに、6畳用のヒーターを使っていると部屋がなかなか温まりません。
また、エアコンなどの暖かい空気は天井のほうに溜まるため、足元は冷えたままです。暖房器具と一緒にサーキュレーターなどを使って、部屋全体の空気を循環させるのがおすすめです。
外より家の中が寒いと悩んでいる方も、安心してください。ここでは、大がかりなリフォームをしなくても、すぐにできる簡単な防寒対策を4つ紹介します。
1.輻射熱で、体を直接暖められる暖房器具を使う
2.窓の冷気対策をする
3.床の寒さ対策をする
4.サーキュレーターで空気を循環させる
まずは、使っている暖房器具を見直してみましょう。そもそもエアコンやヒーターを部屋の広さに合ったものに買い替えるのも大切です。
それに加えて「輻射熱」で体を直接温めるパネルヒーターやオイルヒーター、こたつなどを併用して取り入れるとさらに効果的です。
輻射熱とは、太陽やたき火のように、直接触れていなくても赤外線の作用であたたまるエネルギーのことをいいます。特に足元を温めることで、体全体の温かさを感じられるでしょう。
そして、窓の隙間から冷気が入ったり、窓付近の冷気で室内の空気が冷やされたりするため、窓の冷気対策も一緒に行いましょう。
まずは、普段使っているヒーターなどの暖房器具を窓の下に置いてみてください。窓のすき間から入りこむ冷気や、窓ガラスにあたって冷えた空気を暖められます。ただし、カーテンに暖房器具を近づけすぎると火災のリスクがあるので気をつけましょう。
次に、足元からくる冷気の対策として、カーペットやラグを設置してみるのもおすすめです。通常のラグではなく電気カーペットを使えば、さらに足元が温まり、体全体も温まりやすくなります。
これらの対策と併せて、エアコンやヒーターと一緒にサーキュレーターを使って、部屋の空気を循環させましょう。暖かい空気は天井近くにたまるため、サーキュレーターの風で部屋の空気を循環させれば、足元も温まりやすくなります。
パネルヒーター
家の断熱性や気密性は、手軽なDIYでも今までより高められます。ここでは、ホームセンターや100円ショップで手に入る便利グッズで、簡単にできる寒さ対策を4つ紹介します。
1.窓に断熱シートを貼る
2.サッシのすき間にすきま風防止テープを貼る
3.床にシートを敷く
4.スリッパを履く
まずは、窓に断熱シートを貼り、窓からの冷気を減らしましょう。ホームセンターはもちろん、100円ショップでも購入できて便利です。
窓用断熱シートは手頃な価格で、最近では水で貼れるタイプなど、より簡単で綺麗に貼れるシートも売られています。冬の冷気だけでなく、夏は遮熱効果もあるので、1年中役に立つでしょう。
続いて、壁とサッシの間にすき間があるなら、すき間風防止テープをぜひ貼ってみてください。すきま風防止テープも、断熱シートと同様にホームセンターや100円ショップで売られています。
テープの厚みやテープの素材は数種類用意されているため、家のすき間に併せて選んでください。古い家で見た目にもすき間があるなら、厚さ1センチメートルなどの厚めのテープ、手を当てると冷気を感じる小さなすき間なら、厚さ0.5センチメートルなどの薄めのテープを選びましょう。
そして、足元から冷える床の寒さ対策として、ラグ以外にもコルクシートやアルミシートを使う方法があります。コルクシートは、パズルのように必要な場所だけに敷けるタイプもあり、簡単に設置できるのがメリットです。汚れた場合も部分的に交換できるので、小さな子どもがいる家庭でも安心です。ラグやコルクシートの下にアルミシートを敷けば、より断熱性が高められます。
そのほか、とてもシンプルな方法ですが、足元の冷えを和らげるためにスリッパやルームソックスなどの室内履きを使いましょう。足元が温まれば、体全体が温まりやすくなります。
窓際あったかボードL(ホワイトスノー)(Q925)
もっと根本的に家の寒さを解決したいときは、断熱性能をアップするリフォームを検討してみてください。家自体の断熱性能を高めたいなら、次の4カ所のリフォームを予算に合わせて検討してみましょう。
断熱性能をあげるリフォームを検討するなら、まずは窓のリフォームがおすすめです。
窓からの冷気は、家の中が寒く感じる1番の原因のため、通常の窓を「二重窓」や「複層ガラス」に交換することで、断熱性能が大きくアップします。
二重窓の設置とは、既存の窓の室内側にもう1枚窓を設置するリフォームです。
そして、複層ガラスとは、2重や3重など複数の窓ガラスの間に空気の層を挟み、断熱性を高めた窓のことです。
いずれも複数の窓ガラスで外気をシャットダウンすることで、断熱性能をアップするリフォーム方法です。
続いて、古い住宅の玄関ドアは断熱性能が低いことが多いため、高性能な断熱ドアへの交換を検討してみてください。
玄関ドアは、窓と同じく外気の影響を受けやすいため、断熱性能が低いと玄関ドア付近からも冷気を感じるでしょう。
玄関ドアを断熱性能が高いものに交換すれば、密閉性や冷暖房の効きが高まり、室内の温度を一定に保ちやすくなります。
ここまで紹介した窓や玄関ドアの交換は、断熱性能や密閉性を高めるリフォームですが、床下暖房の設置は、冷えやすい足元を直接的に温めるためのリフォームです。
床下の空気を温めて循環させて、部屋全体をじわじわと温めます。床下暖房は、ヒーターやエアコンによる暖房と違い、乾燥しにくいのも嬉しいポイントです。
さらに、窓や玄関ドアなどの開口部だけでなく、天井、壁、床など外気と接するすべての部分の断熱性能を高めれば、寒さ対策は万全です。断熱材が入っていない場合や、断熱材の量が少ない場合は、外気の影響を大きく受けてしまいます。
また、経年劣化した断熱材を新しいものに交換したり、ウレタン吹き付けなどの簡易的な断熱施工をするのも効果的です。
ある程度の予算を用意できるなら、複数の場所をまとめてリフォームすると良いかもしれません。窓、ドア、壁、天井、床などをまとめて断熱リフォームすれば、暖房器具を買い足さなくても十分に暖かさを保てる家に生まれ変わるでしょう。
断熱リフォームは、窓や玄関ドアなど部分的なリフォームだけでも数万円はかかります。壁や床などの断熱リフォームと合わせて行うと、数十万円〜数百万円程度と大きな費用がかかるため、長年寒さを我慢してきたという方も多いでしょう。
しかし、相見積もりを取ったり、補助金を活用したりすれば、負担を抑えながら快適な家に生まれ変われるかもしれません。
リフォームを計画するときは、断熱リフォーム以外にも検討している外壁や内装リフォームがあれば、同時に行うのがおすすめです。
費用がかさむからと、少しずつ分けて工事すると、足場を何度も立てなければならないなど、余分な費用がかかってしまいます。
そして、依頼する事業者選びで最も重要なのは、相見積もりを取ることです。事業者によって、工事内容や費用が大きく異なります。
必ず2〜3社から見積もりを取り、価格やリフォームの提案内容を比較してみてください。
見積もりの費用が高すぎる場合はもちろん要注意ですが、必ずしも安いほうが良いとは限りません。工事費用が安すぎる場合は、断熱材の品質が低かったり、あとから追加料金を請求される可能性があるので気をつけましょう。
そして、断熱リフォームをするときに活用できる可能性のある補助金には、次のようなものがあります。
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業
・先進的窓リノベ2024事業
・次世代省エネ建材の実証支援事業
・子育てエコホーム支援事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
国が省エネ推進のために行う補助金事業で、それぞれ対象となる要件が異なります。申請方法も補助金によって変わるので、対象となる補助金事業があるか、事業者にも相談してみてください。
また、このほかにも自治体独自の補助金制度もあるため、お住まいの地域の支援制度もチェックしてみてください。
さまざまな箇所の断熱リフォームをすると大きな費用がかかりますが、長い目で見れば快適に過ごせるだけでなく、光熱費の削減や健康に過ごせることにもつながります。
リフォームを検討するなら、相見積もりで比較して進めましょう。