家の暑さ対策には何が有効?室内が暑くなる原因から温度を下げる方法まで解説
公開日:2024.7.5
夏になると室内の温度が上昇し、不快な日々が続きますよね。近年は室内でも熱中症になるほど、気温が上昇しています。
この記事では、室内の温度が高くなる原因や、温度を下げる方法を紹介します。
今すぐできる方法から、リフォームのポイントまで幅広く解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
夏になると室内の温度が上昇し、不快な日々が続きますよね。近年は室内でも熱中症になるほど、気温が上昇しています。
この記事では、室内の温度が高くなる原因や、温度を下げる方法を紹介します。
今すぐできる方法から、リフォームのポイントまで幅広く解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
建物の室内は壁や屋根で密閉されており、熱が外に逃げにくい構造になっているため、内部が温まると外より暑くなります。
また、人間の体は運動や食事で熱が発生したときに、体表面から外へ放熱して体温調節する機能が備わっています。
室内の温度が高くなると人間の体温と周囲の温度が近くなるため、放熱しにくくなり、体内に熱がこもって不快に感じるものです。
そのほか、家の中の温度が高くなる要因は、、建物の建材にも影響するでしょう。
たとえば鉄筋コンクリート造は気密性が高く、断熱性にも優れている特徴があり、昼間は太陽の光で熱をためて、夜も熱を逃がさないようになっています。したがって、熱がこもりやすく室内が暑く感じます。
通気性が高くて涼しいイメージがある木造の住宅でも、日当たりの良さや何階建ての建物かによって室内が暑くなるケースがあるでしょう。
また、西向きの部屋は夏の日差しが強く、午後から室内温度が上がり、夜になっても熱が外に放出されないため、室内の温度が高くなりやすいのが特徴です。
そして、暖かい空気は上に行きやすいため、2階建ての建物の場合は2階の部屋が暑くなります。
さらに、同じ部屋でも部屋の上部が暑くなると、エアコンを稼働しても冷たい空気が下に溜まって、室内に温度差が生まれます。
実際にサーモグラフィカメラで映してみると、床付近は25度、天井付近は30度以上と室内だけで5度以上の温度差がある結果です。
このように温度差があると冷房の強弱を変えても、体内の体温調節がうまく働かなくなり、不快に感じやすいでしょう。
部屋が暑くなる要因で多いのが、窓から入ってくる太陽からの熱となります。
窓のサイズが大きければ大きいほど太陽の光が差し込み、熱も一緒に入ってしまうため対策が必要になります。
また、時間帯によって太陽が差し込みやすい部屋が変わり、東向きは朝日が、西向きは夕日が差し込みやすいのが特徴です。
カーテンを閉めて太陽の光が直接入らないようにするだけでも、外気の熱が20〜40パーセントカットされて快適に過ごせるでしょう。
そして、通常のカーテンを遮光カーテンへ変える方法も、有効といえます。
遮光カーテンには熱を反射する生地が使われていますが、どのくらい光を遮断できるかは見た目では判断できません。
遮光カーテンには、遮光性能を示す等級が明記されており、遮光1級であればあるほど遮光性能に優れており、熱が室内に入りにくいのが特徴です。
注意点として、遮光性能が優れていると、室内が薄暗くなるデメリットがあるでしょう。
室内が暗くなりすぎないようにしたい場合は、すだれやシェードの活用をおすすめします。すだれは、日本では昔から日差し除けとして使われており、見た目も涼しく人気があります。
洋風な建物にはシェードが人気で、工事不要で取付可能のため、気軽に日差し避けしたい方に適しているでしょう。
暑さが続くなか、室内を快適に過ごすには、エアコンの利用が欠かせません。
いきなり冷房をつけてしまうと、エアコンに過大な負荷がかかり、消費電力が上がるため電気代がかかります。
そのため、エアコンの電源を入れる前に、室内の窓を開けて温まった空気を外に逃がしてから稼働させると、室内を効率よく冷やせます。
設定温度は28度が理想であり、エアコン単体で稼働させるよりも扇風機やサーキュレーターを併用すると、室内が涼しくなりやすいでしょう。
エアコンの設定温度を1度上げると、約10パーセントの節電効果があります。
また、最初は強風にし、室内が十分冷えたら微風か弱風へと調整すると、短時間で部屋が涼しくなります。
もし設定を細かく変えるのが手間と感じるときは、風量を自動設定にしましょう。
1台のエアコンで複数ある部屋を冷やす際は、エアコンがある部屋の扉を開けておき、扇風機を部屋の外へ向けて稼働させる方法がおすすめです。
エアコンの吹き出し口の下は、冷気の通り道を遮らないように、背の高い家具を置かないようにしてください。
そのほか、冷房は室内の空気から熱を奪って、冷媒と室外機を経由して室外に熱を出す仕組みのため、室外機の設置場所も意識する必要があります。
日陰に室外機を置いたり、室外機専用の日除けパネルを置いたりして直射日光を避けましょう。
植栽やすだれを近くに置く工夫だけでも、5〜10パーセントの節電効果が期待できますよ。
エアコンや扇風機、遮光カーテンを活用しても部屋が暑いときは、住宅の断熱化を検討すべきです。
外壁に断熱塗料や遮熱塗料を活用すると、外気の熱が反射して室内に熱が入りにくくなるだけでなく、エアコンや冷蔵庫などの冷暖房効率が上がります。
また、室内への熱の主な原因は、西側と東側の窓からです。断熱性の高い窓に交換することで、室内に熱が入り込むのを防ぎ、温度の上昇を抑えることができます。
窓の断熱化対策としては、窓のフレームごと替える方法、内窓を増設する方法が効果的です。
窓のフレームをアルミ製から樹脂製に替えると、熱伝導率が1000分の1になり、熱の出入りが抑えられるため、室内が暑くなりにくいでしょう。
フレーム交換は半日で終わるのがほとんどで、工事費や手間を抑えたい方におすすめです。
内窓の設置は、断熱効果を高めて冷暖房効率を向上させるため、家の暑さ対策に非常に有効です。
内窓を追加することで、開閉の手間は増えますが、低コストで短時間のリフォームが可能です。
そのほか、直接日光による熱の影響を受けやすい屋根や天井にも断熱化対策を施すと、室内が暑くなりにくくなります。
屋根のすぐ下に断熱材を入れる「屋根断熱」、天井板のすぐ裏に断熱材を入れる「天井断熱」を検討してみても良いでしょう。
屋根断熱は、施工のコストはやや割高になりますが、天井板を張る必要がありません。屋根のすぐ下から部屋として利用できるため、伸びやかな空間が作れるというメリットがあります。
天井断熱では、屋根を通過した熱が天井裏の空間にたまるため、屋根裏の空間は利用できなくなりますが、屋根断熱に比べて費用を抑えられます。
リフォームする場合は、コスト面や天井裏の使用法を考慮しながら最適な方法を選びましょう。
住宅の断熱性を高めるリフォームをする場合は、予算がどのくらいなのかを明確にしてからリフォーム会社と相談しておく必要があります。
予算を伝えておくと、断熱材の素材を安いものにする、工事費を安く抑える方法にするなど提案してもらえるでしょう。
リフォームを依頼する際は、複数の業者から見積もりを出してもらい、工事内容や費用がどのくらいかかるのかを比較するのがポイントになります。
相見積もりすると、リフォームの相場がいくらなのかが見えてきます。
業者のなかには、見積もり書に施工内容や料金の内訳が書かれている場合があるため、リフォームする際に参考になるでしょう。
リフォーム会社を選ぶ基準として、断熱リフォームの実績が豊富か、断熱工法のノウハウがあるかは重要です。
要望に対して担当者の経験や商品知識をもとにアドバイスがもらえたり、最適なプランを提案してもらえたりする会社は信頼できる業者の可能性があります。
反対に、リフォームの契約を急がせる会社は注意しましょう。
リフォームする際は、国や自治体が提供している補助金制度を利用できれば費用が抑えられるでしょう。
補助金制度は省エネ効果が得られているか、リフォームの内容によって違いがあるため、工事を依頼する前にリフォーム業者へ確認するのがおすすめです。