家の寿命はどれくらい?素材ごとの違いと長く快適に住むためのポイントを解説
公開日:2025.9.24
家の寿命は、建てられた素材によって大きく変わります。木造住宅、鉄骨住宅、鉄筋コンクリート住宅など、それぞれに特徴があり、適切なメンテナンスを行うかどうかで寿命は大きく左右されます。
本記事では、素材ごとの住宅寿命の目安や、床・屋根・外壁といった劣化しやすい部分のチェックポイント、さらに長く快適に住み続けるための工夫について、わかりやすく解説します。
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1.家の寿命は素材によって異なる
木造・鉄骨・鉄筋コンクリートごとの寿命
住宅の耐久性は、使われる構造素材によって大きく変わります。ここでは、代表的な構造ごとの寿命の目安と劣化しやすいポイントを詳しく見ていきましょう。
木造住宅:湿気とシロアリへの対策がカギ
木造住宅の法定耐用年数は22年とされていますが、これはあくまで税法上の基準です。実際には30〜40年が目安で、適切なメンテナンスを施せば50年以上住み続けることも可能です。
ただし木材は湿気やシロアリに弱いため、床下換気や防蟻処理、外壁の定期的な補修が欠かせません。築年数が進むにつれて見えない部分の劣化も進行する可能性があるため、点検を怠らないことが大切です。
鉄骨住宅:耐久性は高いが防錆処理が必要
鉄骨住宅には「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」があり、鉄骨の厚みに応じて法定耐用年数が異なります。
・3ミリメートル以下:19年
・3ミリメートル超〜4ミリメートル以下:27年
・4ミリメートル超:34年
適切なメンテナンスを行えば、軽量鉄骨造で30〜40年、重量鉄骨造なら50年以上の耐用が見込めます。防錆処理や塗装など、サビを防ぐ管理が寿命を延ばすカギです。
鉄筋コンクリート住宅(RC造):最も寿命が長いが油断は禁物
鉄筋コンクリート住宅は構造的に強く、一般的に50〜120年程度の寿命があります。耐火性や遮音性にも優れており、マンションなどに広く採用されています。とはいえ、ひび割れや鉄筋の腐食が進めば耐久性に影響を与えるため、定期的な点検と補修が欠かせません。
2.家の寿命による各箇所の劣化①床
湿気の多い場所の床は腐食しやすい
住宅の床は、人の重みや荷重を常に受ける場所です。木造住宅では構造材に木材が使われているため、経年とともに劣化しやすい傾向があります。床の異変に早く気づくことは、家全体の寿命を把握する大きな手がかりとなります。
床の劣化は湿気が主な原因
床の傷みの大きな要因は湿気です。床下の通気が悪いと、キッチン・トイレ・洗面所といった水まわりに湿気がたまりやすく、木材の腐食やカビ、シロアリ被害を招きます。特に1階部分は地中からの湿気の影響を受けやすいため、注意が必要です。
注意すべき症状
床の劣化が進むと、次のような症状が現れます。
・歩くと床が沈む、フワフワする
・ギシギシと音が鳴る
・床が傾いているように感じる
これらは床下の木材(根太や大引きなど)が腐っているサインかもしれません。放置すると床が抜けるなど重大な事故につながる恐れがあるため、早めの点検と修理が欠かせません。
床の寿命を延ばすには?
床の寿命を延ばすには、湿気対策と定期点検が重要です。床下換気口の確保や換気扇の設置で通気性を高めるほか、防蟻処理や防腐処理を定期的に行いましょう。さらに点検のしやすさを考え、床下に点検口を設けておくことも有効です。
3.家の寿命による各箇所の劣化②屋根
屋根は劣化しやすいうえ、気付きにくいため注意
屋根は風雨や紫外線を直接受ける場所であり、住宅全体を守る重要な役割を担っています。屋根の状態は家の寿命を左右する大きな要素といえるでしょう。しかし、日常生活で屋根を上から確認する機会は少ないため、気づかないうちに深刻な劣化が進んでしまうこともあります。
屋根材ごとの耐用年数と特徴
屋根に使われる素材はさまざまで、劣化のスピードにも差があります。
・セメント瓦:耐用年数は50年以上と長寿命。ただし、漆喰部分は経年劣化を起こす。
・化粧スレート屋根:一般的な戸建てに多く採用され、耐用年数は20年前後。10〜15年ごとの塗装メンテナンスが必要。
・金属屋根(ガルバリウム鋼板など):寿命は30年ほど。軽量で耐震性に優れる一方、塗装の劣化やサビに注意。
劣化が進むとどうなる?
屋根の劣化が進行すると、雨漏りや屋根材のズレ・割れにつながります。また、断熱性や遮音性が低下し、室内環境が悪化する恐れもあります。屋根の不具合を放置すると修理費用が膨らむ傾向があるため、早期発見と早期対処が欠かせません。
屋根を長持ちさせるには定期点検が必須
屋根の劣化を見極めるには専門的な知識が必要です。10〜15年に一度はプロによる点検を受けるのが理想で、台風・大雨・地震の後にも点検を実施すると良いでしょう。
点検では屋根材の割れやサビ、苔の発生、防水シートの劣化などを確認します。必要に応じて塗装や葺き替え工事を行うことで、屋根の寿命を延ばし、家の寿命にもつながります。
4.家の寿命による各箇所の劣化③外壁
見た目だけでなく、触ってみて手に白い粉がつくかも確認
外壁は風雨・紫外線・気温差から住宅を守る役割を担い、外観の印象だけでなく断熱性や防水性にも直結します。外壁の劣化を放置すると建物全体の寿命を縮める原因となるため、素材や築年数に応じた点検とメンテナンスが欠かせません。
外壁の寿命は素材によって異なる
外壁材にはいくつかの種類があり、それぞれ寿命やメンテナンス周期が異なります。
・モルタル外壁:セメントと砂を混ぜて塗り固める伝統的な工法。耐用年数は20〜30年。ひび割れや剥がれが発生しやすく、10年程度ごとの再塗装や補修が必要。
・窯業系サイディング:パネル状で施工が容易。耐用年数は20〜30年と比較的短く、表面塗装は10年程度で塗り替えが必要。
・金属サイディング(ガルバリウム鋼板など):耐用年数は30〜40年と長め。軽量で耐久性に優れる一方、サビへの注意が必要。
いずれの素材も塗装の保護層が劣化すると本体がダメージを受けやすくなり、外壁の寿命が縮まるだけでなく家全体の寿命にも影響します。
劣化のサインを見逃さないことが大切
外壁の劣化は、見た目や触感である程度セルフチェックが可能です。
・手で触れると白い粉が付着する(チョーキング現象)
・ひび割れ(クラック)や色あせが目立つ
・カビや苔が発生している
これらの症状がすぐに雨漏りなど深刻な被害につながるとは限りませんが、初期の段階で補修することで工事の規模や費用を抑えられます。定期的なチェックを習慣化し、早めに対処することが外壁、そして家全体の寿命を延ばすカギです。
5.家の寿命を延ばすためにはこまめな点検やリフォームが必須
素人目にはわかりいにくい家の劣化はプロによる点検で早期発見を
住み慣れた家ほど小さな変化に気づきにくく、劣化が深刻になってから初めて問題が発覚するケースも少なくありません。こうしたリスクを防ぐためには、住宅のプロによる定期的なホームインスペクションがおすすめです。
ホームインスペクションとは?
ホームインスペクション(建物状況調査)とは、建築士などの有資格者が住宅の状態を調べる専門的な点検のことです。主に以下の箇所を確認します。
・屋根、外壁、基礎のひび割れやズレ
・床下や天井裏の湿気、カビ、構造材の腐朽
・配管の水漏れや断熱材の劣化状況
・室内の傾きや建具のズレ
住宅診断は中古住宅の売買時に利用されることが多いですが、持ち家でも築10年や20年といった節目に行うことで、劣化リスクを事前に把握し、的確なメンテナンス計画を立てることができます。
見えない劣化は突然表面化することも
床下での木材腐朽、配管からの水漏れ、屋根下地の劣化、壁内部のカビなどは外見からは判断できません。また、家が傾いていたり、ドアの開閉がスムーズでなくなったりする「感覚的な違和感」も、構造の劣化が原因である可能性があります。
これらを放置すると修繕が大規模になり、費用も高額になりがちです。劣化が表に出る前にホームインスペクションを活用することが、家の寿命を延ばすポイントといえるでしょう。
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