結露する家としない家の違いとは?結露する原因と対策を紹介
公開日:2025.1.23
寒い季節になると、結露によって窓や壁に水滴がつくことで、カビやダニが発生する原因となってしまいます。
この記事では、結露しやすい家の特徴や、結露を防ぐための対策方法を解説いたします。結露対策をしたい方はぜひ参考にしてください。
寒い季節になると、結露によって窓や壁に水滴がつくことで、カビやダニが発生する原因となってしまいます。
この記事では、結露しやすい家の特徴や、結露を防ぐための対策方法を解説いたします。結露対策をしたい方はぜひ参考にしてください。
結露の原因は、主に以下の物理現象と生活習慣によるものです。 結露は、温度や湿度、換気の状況が複雑に絡み合った結果として発生します。
結露は、暖かい空気が冷たい表面に触れることで発生します。これは以下の条件によって行われます。
(1)室内外の温度差
暖房を使っている冬季や寒い季節は室内の空気が暖かくなり、窓や壁などの外側に接する部分が冷たくなります。
この温度差によって、空気中の水蒸気が冷たい表面で液体(水滴)に変わります。
(2)露点温度の影響
空気中の湿度が高い場合、露点温度(空気中の水蒸気が滴水に変わる温度)も高くなり、少しの温度差でも結露が発生しやすくなります。
結露の直接的な原因は、湿度が高いことです。以下のような状況が湿度を高くします。
(1)加湿器の使用
加湿器を長時間使用しすぎると、室内の湿度が過剰に上昇し、結露が発生しやすくなります。
(2)洗濯の部屋干し
濡れたままの洗濯物を室内に干すと、大量の水蒸気が室内に放出され、湿度が上昇します。
(3)調理や炊事の蒸気
キッチンでの料理やお湯を沸騰させる行為も、多量の水蒸気を発生させる原因となります。
(4)入浴時の蒸気
お風呂場の蒸気が正しく換気されないと、家全体の湿度が上がります。
現代の住宅は高気密・高断熱化が進んでいる為、外気との自然な換気が少なくなっています。これにより、室内に密集した湿気が逃げにくくなり、結露の発生につながります。
(1)窓を開けない生活習慣
冬場は寒さを気にするために窓を開けることが少なくなり、湿気がこもりやすいです。
(2)換気扇の使用不足
キッチンや浴室の換気扇を十分に使用しないと、湿気が室内全体に広がります。
建物の構造や使用されている素材によっても、結露の発生しやすさが変わります。
(1)断熱材の不足
壁や天井、床に断熱材があれば、室内外の温度差が大きくなり、結露が発生しやすくなります。
(2)窓
単層ガラス(シングルガラス)は外気温の影響を受けやすく、窓表面が冷たくなるため、結露が発生しやすいです。
また、アルミサッシも熱伝導率が高く、冷えやすいため結露の原因となります。
(3)熱橋(ヒートブリッジ)
鉄骨やコンクリートなど、熱を伝えやすい材料が外壁と内壁をつないでいると、その部分が冷え、結露が発生しやすくなります。
暖房器具の選び方も結露の原因に関係します。
(1)燃焼型暖房器具の用途
石油ストーブやガスヒーターなど、燃焼する際に水蒸気を発生させる暖房器具は、室内の湿度を上昇させます。
(2)エアコンの使用
エアコンは暖房時に湿気を発生させないため、結露の発生リスクが低いです。 ただし、エアコンを正しく使用しないと温度差が大きくなり、結露が発生する場合もあります。
住んでいる地域やその気候も結露に影響します。
(1)寒冷地
北海道や東北などの寒冷地では、外気温が非常に低いため、室内外の温度差が大きくなり、結露が発生しやすくなります。
(2)湿度の高い地域
梅雨の時期や湿度が高い地域では、湿気が多く、結露が発生しやすい条件が一致します。
このような結露が発生することで、カビの発生やダニの繁殖、電気系統の故障などのリスクが考えられます。
特にカビやダニは健康に関わる問題です。アレルギーや喘息のある方、小さなお子さんやお年寄りは体調を崩す原因になるかもしれません。
快適で安全な暮らしのために、結露対策はとても大切です。適切な対策をすれば結露を防ぐことは可能です。
結露は、室内外の温度差と湿度の影響によって発生する現象で、家の構造や環境条件が大きく関係しています。以下に、結露する家と結露しにくい家の違いを解説します。
・結露しやすい家
断熱材が不足していたり、断熱性能が低い家は、室内外の温度差が大きくなり、結露が発生しやすくなります。 特に窓や外壁が冷えやすいと、そこに湿気が集まりますやすいです。
・結露しにくい家
高性能断熱材を使用している家や、外断熱工法を採用した家は、温度差を緩和するため、結露の発生を抑えられます。
・結露しやすい家
換気システムが慎重な家では、湿気がこもりやすく、室内の湿度が高くなります。その結果、結露が発生しやすくなります。
・結露しにくい家
24時間換気システムや適切な換気設備が整った家は、湿気を効率的に外部に排出できるため、結露を予防できます。
・結露しやすい家
単層ガラスやアルミ製サッシの窓は、外気温の影響を受けやすく、結露が発生しやすいです。
・結露しにくい家
複層ガラスや樹脂製サッシの窓は断熱性が高く、室内外の温度差を重視し、結露を軽減します。
・結露しやすい家
加湿器の過剰使用や洗濯物の室内干しなどで湿度が高い場合、結露のリスクが懸念されます。
・結露しにくい家
湿度計で適切な湿度(40〜60%)を考慮している家は、結露が発生しにくいです。
結露を防ぐためには、高い断熱性能や適切な換気設備、断熱性の高い窓を備えた家づくりや、室内の湿度管理が重要です。
断熱材や窓の選択に注意し、結露しにくい快適な家を目指しましょう。
毎日の生活で気をつけたい結露対策を分かりやすく解説します。
実は私たちの日常生活で、知らず知らずのうちに部屋の中に湿気が増えています。
例えば 洗濯物を室内で干したときやお風呂からあがった後、料理中などは、部屋の湿度が高くなります。
こんな時は換気扇を回したり、窓を開けたりして空気を入れ替えるのが一番です。
部屋干しをするときは、エアコンの除湿機能や除湿機を使うと効果的です。これだけで結露の発生がぐっと減ります。
また、湿気対策にはクローゼットや押し入れの収納も工夫が必要です。
洋服は詰め込みすぎないのがコツ。全体の8割くらいまでにして、残りは空気の通り道として空けておきましょう。
下駄箱は一番下に除湿剤を置くと効果的です。
そのほか、暖房器具を使用する際は湿度が高くなりづらい非開放型暖房器具の電気式ヒーターやエアコンがおすすめです。
こうした小さな工夫の積み重ねで、お部屋の結露はグッと減らせますよ。快適な暮らしのために、できることから始めてみてください。
結露を防ぐリフォームは、施工する場所によって費用が変わります。
窓を二重にして結露を防ぐためには、二重窓や二重サッシにしてみると、だいたい12万円から17万円くらいかかることが多いようです。
また、窓枠を樹脂製サッシに交換するなら、10万円から28万円ぐらいになります。
それぞれ、窓枠のサイズによっても費用が変わるので、しっかりリフォーム業者さんに相談してみましょう。
さて、ここからは、リフォームの方法ごとに施工期間と費用の目安をわかりやすくまとめていきます。
・充填断熱施工
これは既存の壁を外して骨組みに断熱材を詰め込む方法です。嬉しいことに、壁の厚さが変わりません。
工事期間は1~2週間くらいで、費用は壁の面積1平方メートルあたり約5,000円から25,000円程度です。
・外張り断熱施工
壁を外して骨組みに断熱材を入れ、その上から新たな壁を貼る方法です。少し壁が厚くなりますが、断熱効果は抜群です。
工事期間は1カ月から1.5カ月くらいで、費用は1平方メートルあたり8,000円から30,000円くらいが目安です。
・手軽な塗装断熱施工
外壁や屋根を塗装することで断熱効果をプラスします。工事期間は4日~1週間くらいで、費用は1平方メートルあたり5,000円程度です。
ただし、外壁や屋根の施工には足場が必要になるので、別途12万円~20万円ほどかかります。
断熱材を使う工事ほどの効果は期待できませんが、手軽に外断熱を試せる方法です。
・天井の断熱施工
家の構造によりますが、天井裏が利用できる場合は綿状の断熱材を吹き込む方法があります。この場合、工事期間は4日~1週間くらいで、費用は1平方メートルあたり4,000円~8,000円ほどです。
もし天井裏が利用できない場合は、天井を外して骨組みに断熱材を詰める方法になります。この場合、工事期間は1~2週間ほどで、費用は1平方メートルあたり約1~2万円です。
リフォームの種類や家の構造によって最適な方法が異なるので、まずは業者さんに相談してみてください。