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屋根に用いられるステンレス鋼板とはどんなもの?

公開日:2023.2.15 更新日:2024.4.5
屋根に用いられるステンレス鋼板とはどんなもの?

数ある屋根材の中でも耐久性が高いことで知られる『ステンレス鋼板屋根』。
ご自宅の屋根のリフォームの際などに、こちらの屋根材を検討される方もいるでしょう。

ただ、「ステンレス鋼板屋根は住宅に向いているの?」「本当にメンテナンスしなくていいの?」など、いくつかの疑問が頭に浮かんでいる方も多いはず。

そこで今回は、ステンレス鋼板屋根の特徴やメリット・デメリット、料金などを紹介します。
ステンレス鋼板屋根の導入を考えられている際は、ぜひ参考にしてみてください。

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1. ステンレス鋼板屋根とは?

ステンレス鋼板屋根の特徴は「サビに強いこと」と「軽いこと」!

ステンレス鋼板屋根の写真

ステンレス鋼板屋根の特徴で最初に紹介するのは、耐久性の高さです。
耐用年数は驚きの50年!同じ金属屋根のガルバリウム鋼板の耐用年数はおよそ20~30年ほどなので、ステンレス鋼板屋根の方が2倍近く長持ちします。

また、ステンレス鋼板屋根はステンレスが主成分となるのでサビにも強いです。
自然の雨や潮風に晒されると金属は酸化するのですが、ステンレスの場合は成分であるクロムが鉄よりも先に酸化し、表面上に薄い被膜を作り内部の鉄が酸化するスピードを抑えてくれます。

このほか、ステンレス鋼板屋根は高価な屋根材であるのも特徴のひとつ。
屋根に使用する素材の中でもトップクラスの価格ですので、ガルバリウム鋼板やトタンと比較すると3倍以上になることもあります。
また、加工や施工も難しいので、その分他の金属製の屋根と比べて施工費用も高くなります。

このようにステンレス鋼板屋根には優れた特徴が多くあるのですが、専門業者はあまりおすすめしてこないでしょう。
その理由としては加工が難しいため工期が長くなる、値段があまりにも高いため、成約まで至らないケースがある、といったことろです。

屋根には素材により様々な特徴がありますので、リフォームする際はステンレス鋼板だけでなく様々な種類と比較して決めましょう。

2. ステンレス鋼板を使った屋根のメリット

ステンレス鋼板を使用した屋根のメリットを分かりやすく紹介します

ステンレス鋼板屋根の写真

ステンレス鋼板屋根のメリットで最初に紹介するのが、屋根の軽さです。
ステンレス鋼板は、瓦やガルバリウム鋼板と比較して重さが1/3から1/5しかありません。軽いということは普段から家屋に負担をかけないばかりか、地震の時に倒壊するリスクを減少させることが出来ます。

次に紹介するメリットは、前項でも触れましたが、耐用年数の長さです。
瓦と比べると短いですが、金属屋根の中では一番長く50年となっており、メンテナンスも20年に一度でいいですから、トタン屋根などと比較するとランニングコストを大幅に少なくすることができます。

そして、ステンレス鋼板屋根の最大のメリットが防錆性と耐腐食性です。
クロムやニッケルと鉄を合わせて作られているステンレス鋼板は、他の金属と比較して圧倒的にサビを防ぐことが出来ます。
設置から10年くらい経過すると表面が赤茶色になることがありますが、表面が錆びているだけで侵食されているわけではありません。

そのほか、この屋根は潮風が常に吹いている海沿いの家におすすめです。ステンレス鋼板屋根には数種類(sus304、sus316など)のグレードがありますので、設置する際は見積もり時に業者に相談して下さい。
定期的なメンテナンスを怠ってしまうとせっかくのメリットが台無しですのでご注意下さい。

3. ステンレス鋼板を使った屋根のデメリット

ステンレス鋼板を使用した屋根のさまざまなデメリットを紹介します

ステンレス鋼板屋根の住宅の写真

この屋根材のデメリットで最初に紹介するのは、傷に対して弱いことです。
ステンレスは薄くて軽いのが特徴ですが、その分強風などで飛んできた石やプラスチックなどがあたるとすぐに傷がつきます。そのまま放置していると傷の部分から腐食が始まり、あっという間にサビに覆われてしまうことに。
特に台風の到来時は要注意ですので通過したあと屋根のチェックをすることをおすすめします。

次に紹介するデメリットは費用が高いことです。
詳しくは次項で説明しますが、ステンレス鋼板屋根の葺き付け費用はガルバリウム屋根の約3倍にもなります。また、種類によって値段が大きく異なりますので、それ以上の差になることも。
いくら長期的に見ればお得と言っても初期費用は一度に支払うことになるので大変です。

第三のデメリットは遮音性と断熱性の低さです。
近年では遮音や断熱に配慮したステンレス鋼板屋根が販売されていますが、それでも瓦と比較すると雨音が聞こえやすくなっています。

この屋根材のデメリットとして最後に紹介するのは、施工してくれる業者の少なさです。
ステンレス鋼板屋根を取り扱っている業者はたくさんありますが、現場での切断や溶接などの加工が難しいのでどの業者でも受けてくれるわけではありません。実際に依頼する際は見積書の価格と施工実績の有無で判断して下さい。

4. ステンレス鋼板屋根にかかる費用相場はいくら?

ステンレス鋼板屋根の葺き付け料金は高額!時には300万円を超えることも

費用相場のイメージ写真

ステンレス鋼板屋根の設置費用相場は、10,000~15,000円/㎡程です。

例えば、屋根の面積が55㎡から64㎡の住宅の場合、ステンレス鋼板代が594,000円~691,200円となります。
さらにそこに屋根の下地代や軒先の水切り代、ラーチ打ち増し代などの施工費用が加算されるほか、雪止め費用や古い屋根材の撤去及び廃棄費用、足場建設設置の費用、事務費なども加算されて、合計すると120万円前後になります。

上記の例えでは、1㎡あたり10,800円のステンレス鋼板を使用した計算になっており、ここが15,000円になると自ずと全体の料金も上がります。
また、いざステンレス鋼板屋根にしようと古い屋根を剥がしてみると下地が腐っていた時はさらに料金が上がります。

ステンレス鋼板屋根の設置にかかる費用は、依頼先の業者によって出張費や見積もり費が発生したり、現場で追加工事をすると加工費を請求されることもあります。

中にはこちらが屋根やステンレスの知識がない事を利用して法外な料金を請求してくる業者も一部には存在しますので、最低でも3社以上から見積もりを取って、実際の作業にかかる費用相場を確認しておくことをおすすめします。

5. ステンレス鋼板屋根に関するまとめ

ステンレス鋼板屋根に関するさまざまな情報のまとめとポイントのおさらい

ステンレス鋼板屋根を工事している事業者の写真

ステンレス鋼板屋根に関しての情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントをまとめます。

ステンレス鋼板屋根は初期費用は高いものの、サビや腐食に強く頻繁なメンテナンスも20年に一度でいいので、ランニングコストは安くなり、長い目でみればおすすめと言えます。

ただし施工経験が豊富な会社が少ないので、依頼する際は慎重な業者選びが必要です。

今回の情報が屋根選びのお役に立てれば幸いです。

監修

一級建築士事務所 ROY株式会社

一級建築士事務所ならではの総合力で”家”に関する様々なトラブルを解決するスペシャリスト。
2009年1月23日設立後、全てをROY一社で行う「ワンストップサービス」を武器に全国展開。対応できる作業は、害虫害獣駆除・予防、総合リフォーム、お庭の作業、屋根・雨漏り工事、畳・襖・障子、アンテナ修理、建築・土木など、多岐にわたる。2021年の施工実績は46,000件を記録。
<資格・著書・受賞歴など>

一級建築士事務所 神奈川県知事 第16860号
特定建設業 国土交通大臣許可 (特-31) 第27424号

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