台風で外壁が剥がれたらどうする?火災保険の適用方法や補修費用について解説します
公開日:2022.12.15 更新日:2024.4.16
建物の景観を形成してくれるだけではなく、雨漏りを防ぐなどご自宅を守る役割を担っている外壁。
しかし自然災害に対しては脆弱であり、台風によって外壁が剝がれてしまうこともあります。
そこで今回は外壁が剝がれた際の火災保険の適用方法や補修費用についてご紹介します。
建物の景観を形成してくれるだけではなく、雨漏りを防ぐなどご自宅を守る役割を担っている外壁。
しかし自然災害に対しては脆弱であり、台風によって外壁が剝がれてしまうこともあります。
そこで今回は外壁が剝がれた際の火災保険の適用方法や補修費用についてご紹介します。
ご自宅の外壁は台風によって剝がれてしまうことがあります。もちろん強風の強さで剝がれることが多いですが、それ以外にも原因はあります。
外壁が剝がれる原因としては次の通り。
・外壁の施工不良
もしご自宅の施工から3年以内に強風によって剝がれてしまった場合は、業者による施工不良が原因である可能性が高いです。
具体的には下地処理の不足や洗浄作業後の乾燥不足などがあったりすると、剝がれやすくなります。
また、外壁の下地処理を行うにあたっては下塗り材の選択も欠かすことができませんが、その下塗り材も材質を間違えていたり、使用方法に誤りがあったりすると、剝がれることにつながります。
・外壁の経年劣化
長い間外の影響に晒されていると、外壁は次第に劣化していきます。材質によって異なるものの、日中に降り注がれる紫外線や雨風などに晒されると劣化が加速します。
そうなってくると、クラック(ひび割れ)、チョーキング現象(壁を手で触ると粉がつく状態)といったかたちで現れてきます。
こうした状態になると台風によってあっという間に外壁が剝がれることになります。
台風対策としては日頃から外壁のチェックをしておくことが肝心。
もしひび割れが見られたり、触れてみて白い粉が付いたりするようであれば、業者に頼んで補修してもらいましょう。
台風で外壁が剝がれたままにしておくことは見た目を悪くするだけではなく、さまざまな実害をもたらします。
主な影響は次の通り。
・雨漏り
外壁の剝がれで気を付けておかなければならないのが雨漏り。
外壁は雨水から住宅を守るためになくてはならないものであり、これが剝がれてしまうと室内で雨漏りが発生することになります。
さらに雨漏りの放置はさらなる二次被害をもたらします。
雨漏りがしている住宅は湿度が上昇し、カビやシロアリが繫殖しやすい環境となります。
・住宅の腐敗
外壁には防水機能が備わっていて、これが台風による影響で剝がれてしまうと低下してしまいます。
一度防止機能が低下した外壁は水分を吸収しやすくなり、その影響で歪みが生じることになります。
歪みの程度が大きくなると、ひび割れが起こり、そこから生じる水漏れによって住宅が腐敗していきます。
特に木造建築の場合はその影響が深刻化しやすいです。
ほんのわずかな外壁の剝がれやひび割れでも放置しておくと、被害がさらに拡大していきます。
場合によっては土台や基礎部分にまで広がり、倒壊を招くおそれもあります。
外壁の剝がれ防止は外観をきれいな状態に保つだけではなく、住宅の機能を維持するためにも欠かすことはできません。
もし住宅の外壁が台風で剝がれてしまった場合、火災保険の利用を考える方もいらっしゃるかと思います。
近年は台風が大型化してきていて、火災保険を利用したいと考える方が増えています。
もちろん自然災害対策におすすめの保険ですが、適用するにあたっては確認すべき条件があります。
・風災による被害だと認められる場合
台風によって被害を受けた場合、風災が直接的な原因であると認められなければならなりません。
もし前述のような経年劣化による剝がれとみなされた場合は、火災保険の適用ができなくなります。
・被害に遭ってから3年以内であること
台風に被害から3年以上経過していた場合の外壁補修には火災保険を適用することができません。
保険法では、「保険請求可能な時点より3年経過していた場合、保険の請求権が失効」と定められています。
火災保険が適用されるかどうかで屋根修理費用の自己負担額が大きく異なります。
被害に見舞われたら、すぐに保険会社へ連絡するようにしましょう。
・工事費が20万円未満の場合は補償されない
多くの保険会社が販売している火災保険が適用されるのは、工事費用が20万円以上である場合のみ。
もし屋根の修理にかかる費用が20万円を下回ると、その費用はすべて自己負担になります。
ここでは実際に台風によって外壁が剝がれた場合の火災保険の申請方法についてご紹介していきます。
各保険会社が提供する商品で異なることもありますが、おおよその流れは次の通り。
1. 保険会社や保険代理店に連絡する
自宅の外壁が剝がれていることを確認したら、最初に保険会社ないしは保険代理店に連絡します。
担当者がこの先の流れについて詳しく説明してくれますので、言われたことをきちんとメモしておきましょう。
連絡後、担当者から「保険金申請書」と「事故状況説明書」がご自宅に送付されます。
2. 工事業者に連絡する
保険会社に連絡した後は工事業者に連絡します。担当スタッフに外壁を点検してもらい、修理費用の見積書の作成と被害状況を確認できる写真(火災保険の申請に必要)の撮影をしてもらいます。
3. 保険金申請書と事故状況説明書に必要事項を記入する
保険会社から送られてきた保険金申請書と事故状況説明書に被害の状況を記入します。もし記入する内容でわからないことがあれば、遠慮なく保険会社に聞いてみましょう。
4. 保険会社に必要書類を送付する
保険金申請書と事故状況説明書、修理費用の見積書、そして被害状況を確認できる写真の4点を保険会社に送付します。
5. 申請内容が承認される
保険会社より申請した内容が承認されることで火災保険が適用されます。保険金は後日指定した講座に入金されます。
台風で剝がれた外壁を補修してもらう際に気になるのが、業者の作業費用。相場としては次のようになります。
部分補修:1㎡もしくは1箇所につき10,000~50,000円
張り替え:2,000,000~2,500,000円
カバー工法(既存の外壁の上に新しい外壁材を重ね張りする方法):2,000,000円
外壁塗装:800,000~1,000,000円
上記の費用はあくまでも目安であり、施工を行う外壁の面積や工事の難易度によって費用が上下することがあります。
このように何かと費用のかかる外壁補修ですが、少しでも安く抑える方法があります。
一つは業者の無料見積もりを活用すること。
提示される見積もりには具体的な作業内容とその費用が掲載されていますので、作業が終わってから不要なオプション料金を請求させる心配はありません。
もし提示された料金の見積もりに納得がいかない場合は、その場で依頼をお断りすることが可能です。
少なくとも3社以上から見積もりをとっておき、それを比較することで地域で最もお得な業者を探すことができます。
もう一つは自治体による補助金を活用すること。
多くの自治体では、外壁リフォームで遮熱塗料の塗装を行うと補助金が適用されることがあります。
例えば大阪府摂津市では、10万円以上の外壁リフォーム工事費の50%までが補助されます。
お住まいの自治体でこうした補助金制度があるか確認してみましょう。