冬は外壁の凍害に注意!壁材の補修方法や対策などを紹介
公開日:2024.1.15 更新日:2024.4.22
「外壁凍害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。外壁凍害とは、外壁材が水分を吸収してしまい、それが凍結と融解を繰り返すことによって外壁材が劣化していく現象のことです。
この記事では、外壁凍害の原因や対策、壁の補修方法について解説していきます。
「外壁凍害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。外壁凍害とは、外壁材が水分を吸収してしまい、それが凍結と融解を繰り返すことによって外壁材が劣化していく現象のことです。
この記事では、外壁凍害の原因や対策、壁の補修方法について解説していきます。
外壁凍害とは、建物の外壁に生じる凍結による損傷のことです。
外壁凍害は水分が外壁の隙間やひび割れに侵入し、そこで凍結することによって起こります。水分が凍結すると膨張するため、これが外壁材に圧力をかけ、割れや剥がれの原因となります。
また、凍結によって外壁がダメージを受けると、外壁の強度が下がり、補修が必要になるケースがあります。
特にサイディング、コンクリートの外壁にで発生しやすいです。北海道や東北地方など寒冷地での建築物にでよく発生する現象ですが、冬の寒い時期は全国で発生するリスクがあります。
また、経年劣化をしている外壁は要注意です。
外壁は時間が経つにつれて塗膜が剥がれ、耐久性が低下します。劣化が進行すると、サイディングに含まれるセメントが水分を吸収しやすくなり、これが凍害の原因となることがあります。
サッシの下部分やコーキングの境目、およびその周辺部分の外壁がボロボロと崩れている場合は、外壁凍害が起きている場合があります。
もし外壁が凍害によってボロボロと崩れていて、補修しなければならない場合は、外壁の専門事業者に相談しましょう。素人が下手に工事をすると、うまくいかなかったり、状況が悪化したりするケースが考えられます。
外気温が下がると水分が凍ったり解けたりを繰り返しやすくなるため、冬の季節は十分な注意が必要です。あらかじめ専門事業者にメンテナンスを依頼したり、外壁を塗装したりするなどして、予防策を取っておきましょう。
外壁凍害の主な症状には、「ひび割れ」「ポップアウト現象」「スケーリング」が挙げられます。冬の寒くなる時期は外壁凍害が起こりやすくなるため覚えておきましょう。
①ポップアウト現象
ポップアウト現象とは、外壁凍害の初期症状で、建材の表面が部分的に薄くはがれる現象です。外壁の表面にある小さな亀裂や穴のあいた部分が凍結による圧力で突然剥がれ落ちてしまいます。
②ひび割れ
建材の表面に、うろこのようなひびが入ります。水分が外壁の小さな亀裂や穴に浸透し、凍結すると膨張し、これが原因でひび割れが発生します。
凍害によるひび割れは、外気温が-2度以下で発生率が上がります。そのため、ニュースや天気予報をよく見ておいて、寒波が来るときは対処しておきましょう。
③スケーリング
スケーリングとは、ポップアウトやひび割れがさらに進行した症状で、外壁の表面にあるセメントのペーストがはがれ落ちてしまう現象です。
スケーリングは、外壁の美観を損なうだけでなく、外壁の保護機能を低下させるため、建物の構造的な保護にも影響を及ぼします
スケーリングも、外気温が-2度になると発生しやすくなります。
外壁凍害は被害状況によって、ポップアウトから微細な被害、そしてスケーリングを経て崩壊へと進んでいきます。
初期段階で対処できると補修費用や外壁へのダメージを押さえられますが、反対に外壁凍害の被害が進んでいると補修費用も増えてしまいます。
自宅の外壁で初期症状があらわれたり、違和感を覚えたりしたときは、専門業者に依頼して補修をしてもらいましょう。
外壁凍害が引き起こされる主な原因は外壁の劣化なので、塗膜の耐久性が失われる前に塗り替えを行うことが外壁凍害の予防において非常に重要です。
そのため、.外壁凍害を防ぐためには、専門事業者に定期的に外壁メンテナンスを依頼することをおすすめします。
定期的に外壁塗装を実施することで、経年劣化や凍害が発生していないかをチェックできますし、仮に被害が発生していても初期段階での対処が可能です。
外壁に窯業系サイディングが使われている場合は、新築であれば7年~8年程度、それ以外は10年程度でメンテナンスをしてもらいましょう。
また、外壁の凍害は、湿気が多い場所でよく起こります。湿気がよくたまる場所に、外壁通気工法でリフォームをおこなうのは、外壁凍害対策として有効です。
ちなみに外壁通気工法とは、外壁材と構造体の間に空気の層を入れて、水分や湿度が溜まるのを防ぐ工法です。
外壁凍害によって被害が出てしまった場合は、補修をしなくてはいけません。ただし、外壁凍害による壁の補修は、決して安くはありません。どういった修繕をおこなうのか、費用はどれくらいになるのかを確認しておきましょう。
■補修の手順
外壁凍害が発生した場合の補修方法は、損傷の程度に応じて異なりますが、一般的な手順は以下の通りです
1.損傷のチェック
まずは、外壁をよく見て、ひび割れや塗料の剥がれなどの損傷を確認します。
2.掃除と準備
損傷した箇所をきれいに掃除し、補修作業のために準備します。古い塗料や壊れた部分は取り除きます。
3.ひび割れの修理
ひび割れや穴がある場合は、専用の材料を使って埋めたり、接着したりします。
4.防水処理
補修した部分を水が入らないように防水処理します。
5.塗り直し
修理した部分や必要に応じて外壁全体を塗り直します。この時、耐久性のある塗料を選ぶことが大切です。
6.乾燥と確認
補修した部分が完全に乾いたら、きちんと修理されたかチェックします。
凍害によって外壁がはがれ落ちると、修繕に多くの工数が生じてしまいます。工数の増加に応じて道具も必要になるため、費用は数百万円程度にのぼる場合もあります。
そのため、外壁凍害は初期症状のうちに対応する必要があります。
■修繕費用相場
外壁凍害の補修方法にはさまざまなものがあり、費用も異なります。
・外壁の張り替え
外壁の張り替えはそのまま、今の外壁を剝がして新しい外壁に張り替える作業です。費用は約200万円程度かかります。
・外壁カバー
外壁カバーは、今の外壁の上から新しい外壁を重ねます。廃棄や解体が要らない分、張り替えと比べて費用も150万円ほどと安くなります。
・部分張り替えと塗装
部分張替えと塗装は、被害が激しい部分だけを先に張り替えして、全体を塗装し直す方法です。費用は約100万円ほどで済みますが、損傷が激しい場合は使えません。
・部分補修
損傷が見られる部分だけを修復する方法です。傷んでいる部分だけの補修で済めば、費用は約5万円ほどと安く抑えることができます。
外壁凍害の被害を受けると、補修に数百万円の費用がかかることがあるため、家計へのダメージが大きいものです。
ただし、外壁凍害の被害が火災保険の対象に入る可能性があります。
■・火災保険の補償内容
火災保険と聞いて「火災の被害しか保証してくれない」と思いがちですが、落雷や雪災などの自然災害も保証してくれます。補償内容によっては、外壁凍害の修繕にも適応されています。
ただし、すべての火災保険が外壁凍害に対応しているわけではありませんので、内容をよく確認してみてください。
■・火災保険の種類
一口に火災保険といっても、さまざまな種類があります。一般住宅に適用されるのは住宅火災保険と住宅総合保険ですが、具体的な補償内容が異なるため、覚えておいてください。
ちなみに、住宅火災保険よりも住宅総合保険のほうが、補償内容が厚くなっています。
住宅火災保険は、以下の内容を保証してくれます。
・火災
・落雷
・爆発・破裂
・風災・ひょう災・雪災
住宅総合保険は、上記の内容に加えて、以下も保証してくれるため、覚えておいてください。
・洪水や床上浸水
・水漏れ
・物体の落下や飛来や衝突
補償内容が厚い住宅総合保険のほうが、外壁凍害に対応してくれる可能性が高まります。外壁凍害の被害にあった際は専門事業者に修理を依頼して、火災保険で費用を補填しましょう。