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大判とはどんな古銭?その価値や買取相場などを解説

公開日:2021.11.1 更新日:2024.4.4
大判とはどんな古銭?その価値や買取相場などを解説

大判の特徴はなんと言っても存在感です。種類により若干異なりますが、20㎝以上の物もありますので、見た目もインパクト抜群です。
天守閣のショーケース内や美術館に飾ってある大判を見たことがある方もいらっしゃると思います。
この記事では、大判の役割や特徴、買取相場、小判との違いなどを紹介しますので、参考にして下さい。

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1. 大判の特徴を紹介します

大判の特徴は大きさと見た目の迫力。資産として所持するにも十分な価値

慶長大判の写真

この古銭には様々な特徴がありますので、個別に紹介します。
まずは大きさ。慶長大判は長さ約14.6㎝、幅8.7㎝と存在感たっぷりです。表面には規則正しく、たがねで模様が彫られており、大胆に墨字で『拾両後藤』と書かれています。拾両と書かれていますが、実際には七両二分から八両二分くらいの価値しかなかったようです。

金塊を丁寧に槌で伸ばしていますので、内部まで金であることが分かります。重さが統一されていますので、表面をメッキ加工した偽小判はすぐに判明していました。

この古銭は光輝いているのですが、これは金だけでなく、意図的に混入された銅が大きく作用しているからです。実際に金100%にすると少しくすんだ色になります。重さは平均164gです。スマートフォンが約150gですので、それよりも若干重いことになります。

大判は家宝になり、大切に保管されていることが多いので、自宅に蔵や納屋がある方は探すと見つかるかもしれません。

この古銭の年代を知る時には、花押の書体や裏面の刻印を参考にして下さい。それにより価値も数百万円は違いますので、自身でみても分からない時は、複数の専門の業者に鑑定に出しましょう。安くてもレプリカや贋作でない限り、数百万円の価値はありますので、資産として保有するにも十分な価値があります。

2. 大判の役割とは?

大判の主な役割は主君から臣下に褒美として下賜するためのものです

こぼれた砂金の写真

この古銭の役割を紹介する前に事の起こりから説明しなくてはいけません。

大判が鋳造される以前は、金塊や砂金が報酬として渡されていました。豊臣秀吉が太閤になった時代、金山での発掘が盛んに行われるようになり、それを用いて京の後藤家が作ったのが大判です。秀吉は小田原攻めや朝鮮出兵などの戦で功績を挙げた者に対し、この大判を褒美として渡していました。

江戸時代になってからもこの風習は残り、功績があった臣下に対し、幕府から恩賞として大判が下賜されることが一般的になったようです。

この古銭のもう一つの役割が贈答用です。もちろん庶民の間の物ではなく、大名間や豪商の間で祝いの際に大判を贈ることが頻繁にあったようです。記念品ですので、普通は使用されることはなかったのですが、生活に困窮した時には支払いの際に使うこともありました。

また、大口の借金を返済する時には、金屋で大判を購入して、支払うことがマナーだったようです。この古銭が庶民の間で流通しなかったのは、高額過ぎる点とその大きさです。当時は今と違い着物ですので、さすがに持ち歩くには不便な大きさです。職種により違いますが、当時の給与は原則日払いでしたので、支払いに大判が使われることもありませんでした。

さらに、よほどの大店でもない限り、大判を出してもお釣りを返すことが出来ません。以上の三点が通貨としての役割を持たなかった要因です。

3. 大判の買取相場はいくら?

大判の相場を種類別に紹介します。高額なものだと1億円以上も!

買取相場のイメージ写真

この古銭は総じて相場が高いのですが、種類により異なりますので、個別に紹介します。

まず造幣博物館にも展示してある天正菱大判金の相場は、状態が良い場合は7500万円から1億円、普通の状態でしたら、5000万円から7500万円、悪い状態は4000万円から5000万円です。

天正長大判金の相場は、良品でしたら2500万円から3500万円、普通で1500万円から2500万円、状態が悪ければ1000万円から1500万円です。

大判の中でも発行数が多い天正大判金の相場は、良品で1000万円から1500万円、普通で750万円から1000万円、悪い状態で500万円から750万円です。

表面の墨書きが笹の葉のように見える慶長笹書大判金の相場は、良品で2200万円から3000万円、普通で1200万円から2200万円、悪い状態で800万円から1200万円です。

江戸時代の初めに鋳造された慶長大判金の相場は、良品で1300万円から2000万円、普通で800万円から1300万円、下品で400万円から800万円です。

その他にも元禄大判金は1000万円から3500万円、享保大判金は150万円から500万円、天保大判金は150万円から550万円、金の含有量が低い万延大判金は50万円から300万円とそれぞれに相場となる金額があります。

4. 大判に関する豆知識

大判に関連するさまざまな知って得する豆知識を簡単に紹介します

置かれた大判の写真

この古銭に関する豆知識で紹介するのが、売却金額の決定の仕方です。大判には保存状態により上・中・下に分けられます。それにより売却する際の金額が変わってくるのですが、そのポイントは表面の墨書きがきちんと残っていること、大判が歪んでいないこと、上書きされていないことの3点です。

特に気を付けていただきたいのが、上書きです。素人目には分からないのですが、薄くなった墨書きを誤魔化すために後から上書きされている大判が多数存在します。大判を発行している後藤家による上書きでしたら、価値が少し低下するだけで済みますが、他の人が上書きしていた場合は、急激に価値が下がります。歪みを直すこともそうですが、プロの鑑定士が見ると細工した跡は分かりますので、汚いと思ってもそのままの状態で鑑定してもらいましょう。その他の要素としては希少性、現存枚数によって金額が決定します。

この古銭に関する豆知識で次に紹介するのは単位です。一両や一分、一朱など現代の人が聞くと何が何だか分かりませんね。一両の4分の1が一分、一分の4分の1が一朱、一朱の250分の1が一文です。逆に説明すると一文の4000倍が一両ということになります。この計算式に大判を当てはめると、大判一枚は28,000文ということになります。

5. 大判の情報まとめ

大判に関連する情報のまとめとアドバイス、ポイントを簡単にお伝えします

大判の写真

この古銭に関連する様々な情報を紹介してきましたが、最後にアドバイスも兼ねてポイントをまとめます。

まず大判は一枚発見するだけでも、大変な価値があるものですので、納屋や蔵がある方は探してみるのも一興です。

発見した大判は汚れていても価値が低下する恐れがあるので、絶対に手を加えないで下さい。鑑定する際は間違いを防ぐ意味でも複数の方に依頼しましょう。

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