キッチンの排水口の流れが悪いまま放置するとどうなる
キッチンの排水口の流れの悪さは、排水管内に汚れが蓄積しているサインです。最初は水の引きが遅い程度でも、放置すれば油や食材カスが固着して水が流れなくなる恐れがあります。主なリスクは以下4つです。
- 悪臭やヌメリが発生する
- 害虫被害につながる
- 完全に水が流れなくなる
- 高額な修理代が必要になる可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
悪臭やヌメリが発生する
排水口の流れの悪さを放置すると2~3日程度でヌメリが広がり、キッチン全体に不快な悪臭が漂います。排水管内に残った油や食材カスに雑菌が繁殖すると、生じたヌメリは頑固なヘドロへと変化し、カビの温床となって下水のような悪臭を放つためです。
また、繁殖した雑菌やカビが水はねなどで食器や食材に付着すると、食中毒を引き起こす恐れがあります。衛生的な環境を守るためにも、異変に気付いた段階で早めに対処しましょう。
害虫被害につながる
悪臭やヌメリだけでなく、排水口の流れが悪いとコバエやゴキブリなどの害虫被害にもつながります。排水管内に溜まったヘドロや汚水は害虫のエサや産卵場所となり、排水管の奥深くで卵を産んで増殖を繰り返すためです。
奥深くに潜まれると市販の殺虫剤の成分が届かず、駆除が難しくなるケースも少なくありません。被害を広げないためにも、害虫の発生源となる汚れを早めに取り除きましょう。
完全に水が流れなくなる
水の流れが悪い状態を放置すると、最終的には排水管が詰まって水が流れなくなります。排水口に流れてきた油や食材カスが徐々に蓄積され、排水経路が塞がれるためです。症状が悪化すると、行き場を失った汚水がシンクへ逆流するケースも珍しくありません。
溜まった汚水の重みや圧力でシンク下の排水管から水漏れを起こす恐れもあります。床材や収納スペースの腐食などの二次被害を防ぐためにも、早めに対処しましょう。
高額な修理代が必要になる可能性がある
放置により状況が悪化すると自力での対処が難しくなり、水道修理事業者への依頼が必要になります。
水が流れにくい程度であれば、市販の洗浄剤を使って数百円程度で解消可能です。しかし、完全に水が流れなくなってしまうと高圧洗浄や排水管交換など大がかりな作業が必要になり、数万円規模の費用が発生する恐れがあります。
高額な出費を避けるためにも、早い段階で適切に対処することが重要です。
キッチンの排水口の流れが悪い原因
排水口の流れが悪いときは、排水経路の途中で詰まりが発生しています。代表的な原因は、次の3つです。
- 排水口のゴミ受けに汚れが蓄積している
- 異物が詰まっている
- 排水トラップに汚れがたまっている
それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
排水口のゴミ受けに汚れが蓄積している
ゴミ受けに食材カスやヌメリがたまると、網目が塞がれて水の通りが悪くなります。放置された食材カスに水分や油分が混ざり、雑菌が繁殖してヘドロ状になることで、隙間を塞いでしまうためです。
スムーズな排水と衛生環境を保つためにも、排水口のゴミ受けに溜まったゴミは毎日捨て、定期的にブラシで網目を掃除しましょう。
異物が詰まっている
水に溶けない固形物が排水管内に詰まっていることも、排水口の流れが悪くなる原因です。爪楊枝や輪ゴム、ラップの切れ端など小さな異物を落とした直後は、問題なく水が流れることもあります。しかし、排水管内に引っかかった異物を放置すると、食材カスや油汚れが絡みついて徐々に蓄積し、詰まりの原因になりかねません。
固形物は市販の薬剤では溶かせないため、ピンセットなどで直接取り除きましょう。
排水トラップに汚れがたまっている
排水トラップ(※1)に油汚れがたまると、水の通り道が狭まり流れが悪くなります。排水トラップ内で冷えて固まった油分は洗剤カスと結合して頑固な塊に変化するためです。
S字トラップなどは排水管がカーブしている部分に汚れが留まりやすく、放置すると水の通り道が徐々に狭まります。日頃から油汚れは拭き取ってから洗い、定期的に40〜50度程度のお湯を流して排水トラップに汚れが蓄積するのを防ぎましょう。
※1 排水トラップ:排水管の途中に水を溜めて、下水からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ仕組み
関連記事:キッチン排水口(排水溝)のつまりの原因と解消方法!水道屋さんの費用相場も解説
キッチンの排水口の流れを解消する対処法
排水口の流れが悪くなったときは、原因や状況に応じた対処をしましょう。水が流れにくい程度なら身近な道具で解消できますが、誤った対処を行うと状況を悪化させる恐れがあります。効果的な対処法は、以下のとおりです。
- ゴミ受けを掃除する・交換する
- お湯を流す
- 直接固形物を取り除く
- 重曹・クエン酸、パイプクリーナーを使う
- ラバーカップ(スッポン)や真空式パイプクリーナーを使う
- 水道修理事業者に依頼する
それぞれの手順や注意点を詳しく解説します。
ゴミ受けを掃除する・交換する
ゴミ受けの目詰まり解消は、最初に試したい手軽な対処法です。
ゴミ受けに溜まった生ゴミを捨て、台所用洗剤とブラシで網目の汚れを磨き落とします。頑固なヌメリや黒ずみは、塩素系漂白剤を吹きかけて数分置いてから洗い流すと効果的です。
網目が変形していたり汚れが落ちきらなかったりしたら、新しいゴミ受けに交換しましょう。
お湯を流す
シンクにお湯を溜めて一気に流す方法は、油汚れで水が流れにくくなっているときに効果を発揮します。冷えて固まった油分が、お湯で温められることで溶けて流れやすくなるためです。
お湯を流すときは排水口のフタとゴミ受けを外し、タオルやビニール袋を詰めて排水口に栓をします。シンクに40〜50度のお湯を溜めた後、一気に栓を引き抜いて熱と水圧で汚れを押し流しましょう。
ただし、熱湯を流すと排水管やパッキンが破損する危険があるため、お湯の温度は必ず50度以下にとどめてください。
参照元:「水のはなし 排水口に流してはいけないもの」旭川市公式ホームページ
直接固形物を取り除く
落とした固形物は薬剤やお湯では溶かせないため、直接取り除かなければなりません。放置すると固形物にゴミや油分が絡みつき、排水管を完全に塞いでしまうためです。
排水口のフタやゴミ受けを外し、見える位置にある異物をトングやピンセットでつまみ出します。誤って奥へ押し込むと回収が難しくなるため、慎重に作業を進めましょう。
なお、安全のため作業時はゴム手袋を着用し、手が届かないときは無理に作業を進めずに水道修理事業者に相談してください。
重曹・クエン酸、パイプクリーナーを使う
排水管内に蓄積したヌメリや油汚れは、洗浄成分の力で落とす方法が有効です。手の届かない排水管の奥まで成分が行き渡り、汚れを分解して浮かせ、落とします。
手肌への負担を抑えたいときは、重曹とクエン酸を活用しましょう。作業中は炭酸ガスが発生するため、あらかじめ換気扇を回しておきます。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 排水口のフタやゴミ受けを外し、重曹約100gを排水管の入り口全体へ振りかける
- ぬるま湯(40〜50度)約200mlにクエン酸小さじ1〜2を溶かしたクエン酸水を、重曹の上からゆっくり注ぎ入れる
- 発生した泡が排水管の奥まで行き渡るよう、30分ほど放置して汚れを浮かせる
- 40〜50度程度のぬるま湯を一気に流し、浮き上がった汚れを押し流す
重曹とクエン酸が反応して生じるきめ細かな泡が排水管を満たし、手の届かない奥に付着した油分やヌメリを包み込んで剥がれやすくします。
一方、すでに流れが悪い頑固な詰まりは粘度の高いパイプクリーナーが効果的です。規定量を注いで20〜30分ほど置き、大量の水で一気に押し流します。ただし、長時間放置すると溶けた汚れが奥で再び固まり、悪化する恐れがあるため放置する時間に気を付けましょう。
また、塩素系パイプクリーナーは、クエン酸などの酸性物質と混ざると有毒ガスが発生します。吸い込むと目や喉の痛み、激しい咳き込みや呼吸困難を引き起こす恐れがあり大変危険なため絶対に併用せず、換気をしながら使用してください。
参照元:「身近にある洗剤の事故に注意!」東京消防庁
ラバーカップ(スッポン)や真空式パイプクリーナーを使う
お湯や洗剤を試しても水がスムーズに流れないときは、ラバーカップ(スッポン)や真空式パイプクリーナーが威力を発揮します。水圧と吸引力を利用して、排水管内の汚れを引き剥がして詰まりを解消する仕組みです。
使用時はカップ部分が浸かる程度までシンクに水を溜め、排水口に密着させて「ゆっくり押し、勢いよく引く」動作を繰り返しましょう。より吸引力が強い真空式パイプクリーナーを使うと、少ない力で効率よく汚れを動かせます。
固形物を落とした可能性がある場合は、水圧で排水管の奥へ押し込んで悪化させる恐れがあるため、ラバーカップ(スッポン)や真空式パイプクリーナーを使用してはいけません。
水道修理事業者に依頼する
自分で対処しても改善しない場合や、固形物を排水管の奥まで落としたときは水道修理事業者へ相談しましょう。
排水管の奥や屋外の排水桝(※3)に原因がある詰まりは、家庭用の道具では対処できません。何度掃除しても改善しないときは、二重トラップ(※4)など、設備自体の不具合も疑われます。
無理に作業すると排水管が破損して水漏れを招くリスクがあるため、自力での解決が難しいと感じたら使用を中止し、速やかに点検や修理を依頼してください。
※3 排水桝:屋外にある排水管の点検や掃除用の設備
※4 二重トラップ:1つの排水経路上にトラップが2箇所以上設置された状態(間に溜まった空気によって水が流れにくくなる)
キッチンの排水口の流れ解消を水道修理事業者に依頼した場合の費用相場
自分で対処しても水の流れが改善しないときは、水道修理事業者へ依頼するのが確実です。排水管の奥で油汚れが固まっていたり固形物が引っかかっていたりする場合、無理に対処すると排水管の破損や汚水の逆流を招く恐れがあります。
費用は詰まりの度合いや使用する機材によって異なるため、相場を確認しましょう。
※上記はあくまで目安です。作業範囲や夜間・休日の出張などにより、追加料金が発生する場合があります。
軽度な詰まりであれば、薬剤の投入や排水トラップの清掃、目視できる位置にある異物の除去などで解消可能です。市販の道具では改善しない中度の詰まりに対しては、強力な圧力で汚れを押し出す「ローポンプ」を使っての作業や、先端にブラシや金具がついた長いワイヤーを回転させて固着物を削り取る「トーラー」など専門工具を用いた作業を行います。
汚れの塊が排水管の奥深くで固着している重度の詰まりや排水管自体の破損が起きている場合は、強い水圧で汚れを一気に洗い流す「高圧洗浄」や「排水管の部分交換工事」といった大がかりな対処が必要です。
プロに任せれば排水管の状態を確認したうえで適切に対処でき、水漏れなどの二次被害も防げます。状況が悪化する前に相談することが、結果として全体の修理費用を抑える近道です。
キッチンの排水口の流れを保つ予防方法
キッチンの排水口の流れが悪くなるトラブルは、日々の使い方や手入れで防げます。調理や洗い物で油や食材カスが流れ込みやすいため、汚れを溜めない習慣を身につけましょう。主な予防策は、次の3つです。
- 定期的にゴミ受けを掃除する
- 固形物を流さないようにする
- 油を正しく処理する
それぞれの実践方法を詳しく解説します。
定期的にゴミ受けを掃除する
スムーズな排水を維持するには、ゴミ受けを清潔に保つことが欠かせません。食材カスを放置して発生したヌメリが網目を塞ぐと、水の通りが悪くなるためです。
溜まったゴミは毎日捨てる習慣を身につけましょう。細かなゴミのすり抜けを防ぐには、排水口に水切りネットを装着するのが効果的です。また、週に1回は台所用洗剤とブラシで網目を洗い、汚れを落としておくと目詰まりを防げます。
固形物を流さないようにする
突然の詰まりを防ぐには、水に溶けない固形物を排水口に流さないことが重要です。野菜くずや米粒などの食材カスが排水管内に蓄積して塊になるだけでなく、爪楊枝やラップ片などの異物は排水管のカーブや継ぎ目に引っかかり、油汚れを巻き込んで水の通り道を塞ぐ恐れがあります。
食材カスや爪楊枝などの固形物は、洗い物をする前にゴミ箱へ捨ててシンクに流さないようにしましょう。また、アクセサリーなど調理に関係のない小物をシンク周りに持ち込まないことも、落下防止につながります。
油を正しく処理する
排水口の流れを保つには、油を直接シンクへ流さないことが基本です。排水管内で冷えて固まった油が洗剤カスや食材カスと混ざり合い、水の流れを妨げます。
揚げ物などで残った油は、凝固剤で固めるか紙に吸わせて可燃ゴミとして処分しましょう。フライパンや食器に付いた少量の油も、洗う前にキッチンペーパーなどで拭き取ってください。洗い物の後は、40〜50度のお湯を1〜2分流すと、付着した油分を押し流して排水管内の固着を防げます。
参照元:「油・断・快適!下水道~下水道に油を流さないで!~」東京都下水道局
設置から15年前後のキッチンは水道修理事業者への相談も検討しよう
排水口の流れが悪いとき、まずは自分で解決しようと考えることが多いですが、設置から15年前後が経過しているキッチンはプロに相談するのが賢明です。
長年使ったキッチンは、排水管内に汚れが蓄積して水の通り道が狭くなっているだけでなく、排水管そのものや接続部分の経年劣化も進んでいます。劣化した排水管にラバーカップで強い圧力をかけたりワイヤーを押し込んだりすると、排水管の破損による水漏れを招く恐れがあります。自分で対処しても排水口の流れが改善しない場合やシンク下から水漏れしているときは、設備の寿命も疑われるため水道修理事業者に点検を依頼しましょう。
プロに依頼すれば、排水管の傷み具合を見極めたうえで適切な処置を行い、水の流れを安全に改善してくれます。水漏れによる床下の腐食などの二次被害を防げる点も大きなメリットです。
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