排水口の水が逆流して上がってきたらまずすべきこと
排水口から水が逆流したときは、迅速な初期対応が被害の拡大を防ぎます。放置すると住宅設備へ悪影響を及ぼすおそれがあるため、以下の3つを実施しましょう。
- 水の使用を中止する
- 換気する
- 現状を写真に撮って残しておく
各手順を詳しく解説します。
水の使用を中止する
排水口からの逆流を確認した際は、家全体で水の使用を中止してください。排水管が詰まっていると、流した水が正しく排出されず溢れ出てしまうためです。
水を流し続けると、床材の腐食や床下浸水につながります。キッチンや浴室、洗濯機などすべての給排水を止め、排水管への負担を抑えましょう。
換気する
水の使用を止めたら、窓を開けたり換気扇を回したりして、室内の空気を入れ替えます。逆流した排水には雑菌や蓄積した汚れが含まれており、強い悪臭を放つためです。
悪臭が室内にこもると、気分を害するだけでなく衛生面のリスクも高まります。空気の通り道を確保し、臭いや湿気を逃がしてから次の作業に進みましょう。
現状を写真に撮って残しておく
応急処置が済んだら、排水口や周辺の被害状況を写真や動画で記録しておきましょう。水道修理事業者へ依頼するとき、状況を正確に伝えられ、スムーズな原因究明や修理につながるためです。
水が引いてしまうと浸水状況が分からなくなり、被害の規模を正しく把握できなくなります。排水口から水が溢れている箇所や床の浸水範囲など、発生直後の様子が分かるよう複数枚撮影しておくと安心です。
排水口の水が上がってくる原因
排水口から水が逆流する原因は、排水管の詰まりや天候の影響などさまざまです。被害の拡大を防ぐために、何が原因で排水口の水が上がってきているのかを正しく見極めましょう。主な原因は以下の5つです。
- 排水管に汚れが蓄積して詰まっている
- 排水パイプ(排水管)が劣化している
- 排水口の設置不良・劣化
- 排水桝が詰まっている
- 台風や大雨の影響
それぞれ詳しく解説します。
排水管に汚れが蓄積して詰まっている
排水口から水が上がってくる原因の多くは、排水管内に蓄積した汚れによる詰まりです。日常的に流れる油分や固形物が排水管内にこびりつき、水の通り道を狭めていきます。
キッチンでは油脂や食材カス、浴室や洗面所では髪の毛や石鹸カスが絡み合い、頑固なヘドロへと変化します。日頃からゴミ受けネットやヘアキャッチャーを活用し、油や固形物を流さない習慣をつけましょう。
関連記事:排水口(排水溝)詰まりの原因と解消方法!自分で対処するのと水道修理事業者に依頼するのはどっちがお得?
排水パイプ(排水管)が劣化している
排水口を掃除しても流れが改善しないなら、排水パイプ(排水管)の経年劣化が疑われます。長年の使用や地震の揺れにより、ひび割れや接合部のズレが生じるためです。
築20年以上が経過している住宅では、排水管の勾配(傾き)が変わって水が流れにくくなることもあります。排水管の破損やズレは自力での解決が難しく、水道修理事業者による補修工事や交換が必要です。
排水口の設置不良・劣化
排水口の設置不良や部品の劣化も逆流の原因となります。排水口のパーツが正しく取り付けられていなかったり破損していたりすると、排水が妨げられるためです。
設置不良や接続部分のネジの緩み、金属パーツの腐食、ゴムパッキンの劣化などが生じていると、隙間からの水漏れや排水口からの逆流を引き起こします。排水口を掃除した後は部品が正しい位置に固定されているか確認し、劣化が見られるパーツは交換しましょう。
排水桝が詰まっている
屋外にある排水桝(宅内桝)の詰まりも水が逆流する原因です。排水桝は家庭から出た排水をためて下水へ流す設備のため、詰まりが生じると排水の流れが滞り、室内の排水口から溢れ出てしまいます。
長年掃除をしていないと、固まった油分やゴミが溜まって排水管を塞ぐおそれがあるため注意が必要です。排水桝が詰まっていると排水不良が広範囲に及ぶため、定期的に汚れの溜まり具合を点検し、掃除しましょう。
参照元:「私道の下水道管(私道排水設備)に関する疑問・トラブル・お困りごとについて」東京都下水道局
台風や大雨の影響
台風や集中豪雨の際は、下水道の処理能力を超えて水が逆流することがあります。短時間に大量の雨水が流れ込んで下水管が飽和状態になると、家庭からの排水が下水へ流れなくなり、水圧によって室内へ押し戻されてしまうためです。
排水口から「ゴボゴボ」と異音がしたり急に水位が上がったりするときは、排水が逆流する前兆といえます。掃除では対処できないため、荒天時は水の使用を控え、水を入れたゴミ袋(水のう)を排水口の上に置いて噴き出しを防ぎましょう。
参照元:「浸水への備えを万全に!」東京都下水道局
排水口から水が上がってきたときに水道修理事業者を頼る判断基準
排水口から水が上がってきたとき、状況によっては水道修理事業者を頼りましょう。対処方法を誤ると床への浸水被害が広がり、修繕費用が高額になるため、以下に当てはまる場合は速やかに相談してください。
- 絶えず水が逆流し続けている
- 自分で対処する自信がない
- 異臭・異音が同時にしている
- 排水口の設置不良・劣化が原因の場合
それぞれ詳しく解説します。
絶えず水が逆流し続けている
排水口から絶え間なく水が上がってくる状態は、すぐに水道修理事業者へ相談しましょう。排水管の奥深くや屋外にある排水桝、下水道で詰まりが起きている可能性があります。
市販のパイプクリーナーやラバーカップでは、排水管の奥にある頑固な詰まりを解消できません。排水の逆流を放置すると床下浸水や床材の腐食などの被害が広がるため、早めにプロに依頼するのがおすすめです。
自分で対処する自信がない
手順や作業に少しでも不安があるなら、無理をせず水道修理事業者に任せましょう。排水管の構造について正しい知識がないまま進めると、状況をさらに悪化させてしまう危険があるためです。
力任せにワイヤーブラシを押し込んで排水管を傷つけたり、ラバーカップ(スッポン)などで詰まりを奥へ押し込んでしまったりする失敗例もよくあります。被害を広げないためにも、自信がないときはプロへ相談したほうが安心です。
異臭・異音が同時にしている
「ゴボゴボ」という異音や異臭がする際は、水道修理事業者へ相談すべきサインといえます。排水管の奥で詰まって空気が逃げ場を失っていたり、悪臭を防ぐ排水トラップに異常が生じていたりする可能性があるためです。
奥深くの頑固なヘドロは、市販の洗浄剤や家庭用の道具では届かず、自力では解決できません。高圧洗浄など専門的な機具を用いた清掃が必要になるため、早めにプロへ依頼しましょう。
排水口の設置不良・劣化が原因の場合
排水管を掃除しても逆流が改善しないときは、排水口の設置不良や劣化が疑われます。状況に応じて以下のように判断しましょう。
- 分解掃除やリフォーム、引っ越しの直後から逆流している:部品の取り付けミス
- パッキンの硬化・破損や、部品にひび割れ・変形がある:部品の経年劣化
防臭椀(ゴミ受けの下にあるお椀型のパーツ)など排水口の部品が浮いていたり破損していたりする場合は交換や再設置が必要になるため、水道修理事業者に相談するのが安全です。
排水口から水が上がってきたときの解消法
排水口から水が上がってきた際は、原因に応じた正しい対処を行うことが迅速な解決につながります。原因を確かめずに作業すると被害を広げてしまうおそれがあるため、状況ごとの手順や注意点を把握しましょう。主な解消法は以下の5つです。
- パイプクリーナーなどで排水管を洗浄する
- ラバーカップを使う
- 排水パイプ(排水管)を修理、交換する
- 排水桝の詰まりを直す
- 台風、大雨の場合は様子をみる
それぞれ詳しく解説します。
パイプクリーナーなどで排水管を洗浄する
排水管に油汚れや髪の毛、石鹸カスなどが蓄積して詰まっている場合は、パイプクリーナーによる洗浄が効果的です。薬剤がこびりついた汚れを分解して溶かし、スムーズな排水を短時間で取り戻せます。
以下の手順に沿って作業を進めましょう。
- 汚れのタイプに合った液体パイプクリーナーを排水口へ注ぎ入れる
- 製品に記載された規定時間(15〜30分程度)放置する
- 洗面器2杯程度の水を一気に流し、詰まりの解消を確認する
長時間放置すると、溶けた汚れが排水管の奥で再び固まって詰まりを悪化させるおそれがあります。また、塩素系のパイプクリーナーと酸性洗剤(クエン酸や酸性の水垢取りなど)が混ざると有毒ガスが発生するため、絶対に併用しないでください。
パイプクリーナーで落ち切らない頑固な汚れがあるときは、ワイヤーブラシを使って直接汚れを削り落としましょう。
参照元:「住宅用塩素系洗浄剤の使い方」独立行政法人 国民生活センター
ラバーカップを使う
ヘドロ、油汚れ、髪の毛の塊による詰まりが原因とわかっている場合に限り、ラバーカップ(スッポン)による吸引が有効です。水圧の変化を利用し、詰まりの原因を手前へ引っ張り出すことで解消できます。ただし、固形物を落とした可能性があるときは、奥に押し込んでしまう危険があるため使用を避けてください。
作業手順は以下のとおりです。
- 汚水の飛び散りを防ぐため、排水口の周りに新聞紙や雑巾を敷く
- カップを排水口に密着させ、ゴム部分が浸かる程度まで水を溜める
- ハンドルを静かに押し込み、勢いよく一気に引き抜く
- 水が引き始めるまで3~4の動作を繰り返し、最後に水を流して解消したか確認する
作業時は、ゆっくり押し込んでから勢いよく引き抜きましょう。勢いに任せて押し込むと、詰まりの原因を排水管の奥へ押し込んでしまうおそれがあります。
排水パイプ(排水管)を修理、交換する
パイプクリーナーやラバーカップを試しても逆流が解消しないときは、排水パイプ(排水管)自体に破損やズレが生じている可能性があります。特に築20年以上の住宅や地震を経験した建物では、経年劣化や強い揺れによる損傷も考えられるでしょう。
排水管の修理や交換は専門的な知識や工具が必要なため、水道修理事業者に点検を依頼し、状況に応じた部分補修や交換を検討してください。
排水桝の詰まりを直す
家の中の複数箇所で同時に水が上がってくる場合は、屋外にある排水桝の詰まりが原因であるケースが多いです。排水桝は家庭の排水を集めて下水道へ送る設備であり、油汚れやゴミがたまると排水経路全体が塞がれてしまいます。
以下の手順に沿って詰まりを解消しましょう。
- 屋外にある排水桝のフタをマイナスドライバーなどで開ける
- スコップやゴミネットを使い、排水桝内のゴミや汚れを取り除く
- 家側から繋がっている上部の排水管にホースを差し込み、水を流す
- 流れ出てきた汚れを取り除く
- 室内の排水口から水を流し、逆流が改善されたか確認する
排水桝の清掃は悪臭を伴う油脂や汚物を扱うため負担が大きく、排水管の奥深くまで詰まった汚れは自力での除去が困難です。作業が難しいと感じたときは、水道修理事業者に相談しましょう。
台風、大雨の場合は様子をみる
台風や大雨時に排水口から「ゴボゴボ」と音がして水が上がってきたら、下水道の処理能力を超えている可能性があります。大量の雨水が流れ込んで下水管が満水になると、家庭からの排水が行き場を失って逆流するためです。
キッチンや浴室、洗濯など家全体の水の使用を止め、二重にしたゴミ袋に水を入れて口を縛った「水のう」を作り、排水口の上に置くことで逆流を防ぎましょう。雨が止んで下水道の水位が下がるまで様子を見るのが安全です。雨が止んで時間が経っても状況が改善しないなら、自治体の下水道窓口や水道修理事業者に相談してください。
排水口から水が上がってくるのを予防するコツ
排水管は日々の汚れが蓄積して詰まるため、日常的なお手入れで排水トラブルを防ぐことが重要です。排水口から水が上がってくるのを防ぐために、以下の3つを実践しましょう。
- 定期的に掃除をする
- 排水口にネットをつける
- 油や髪の毛などを直接排水口に流さない
それぞれのコツを詳しく解説します。
定期的に掃除をする
排水口から水が上がってくるのを防ぐには、排水口や排水管のこまめなお手入れが欠かせません。日々の使用で油分や皮脂、石鹸カスなどの汚れが少しずつ蓄積していくためです。
月に1〜2回ほど液体パイプクリーナーを使えば、ヌメリやヘドロ汚れが固まる前に溶かして除去できます。また、洗い物の後に40〜50℃のぬるま湯を流すだけでも、冷えて固まりかけた油分を押し流すのに有効です。排水口の分解清掃とあわせて習慣化し、スムーズな排水を保ちましょう。
関連記事:水道管・排水管のメンテナンスは必要?自分でできるメンテナンス方法や業者の費用について
排水口にネットをつける
排水口のゴミ受けに目の細かいネットを取り付けることで、小さなゴミの流入を防ぎ、排水管の詰まりを予防できます。備え付けのゴミ受けだけでは、食材カスや短い髪の毛がすり抜けてしまいやすいためです。
ゴミが溜まったらネットごと外して捨てるだけなので、日々の掃除の手間も減らせます。市販の使い捨てネットを活用し、こまめに交換する習慣をつけましょう。
油や髪の毛などを直接排水口に流さない
排水管の詰まりを防ぐには、油や髪の毛を直接排水口に流さないことが大切です。排水管内で冷えた油は固まって食材カスや石鹸カスと結合し、髪の毛は絡まり合って詰まりの原因になります。
調理後の油はシンクに流さず、キッチンペーパーで拭き取るか、市販の廃油処理剤を使って可燃ゴミとして捨てましょう。浴室や洗面所で抜けた髪の毛は、こまめにゴミ箱へ捨てる意識が必要です。また、調味料のキャップや爪楊枝などの固形物を排水口へ落とした際は、すぐに取り除くことが詰まり防止につながります。
参照元:「油・断・快適!下水道~下水道に油を流さないで!~」東京都下水道局
「排水口の水が上がってきた」を解決するなら水道修理事業者に依頼するのが一番
排水口からの逆流は、油分や髪の毛の汚れだけでなく、排水管の劣化や排水桝の詰まり、豪雨の影響などさまざまな要因で起こります。
汚れによる軽度な詰まりであれば自力で直せることもありますが、排水管の破損や奥深くの汚れへの対処は困難です。無理に作業を進めると排水管を傷めたり、詰まりを奥へ押し込んだりして状況を悪化させる危険があります。
水が絶え間なく湧き出る場合や異音・悪臭を伴うときは、プロへの依頼が必要です。水道修理事業者に原因を正しく特定して対処してもらうことで、床下浸水などの二次被害を防げます。
依頼先を探す際は、全国の水道修理事業者を一括比較できる「EPARKくらしのレスキュー」が便利です。お住まいの地域に対応したプロを素早く見つけられるだけでなく、事前に料金や施工実績、口コミを確認できます。被害が拡大して修繕費用が高額になる前に、信頼できるプロに相談して安全に解決しましょう。