1.スズメバチに水をかけると駆除できる?
攻撃性が強く襲われる可能性があるため、かえって危険な状況になることも
「スズメバチは羽が濡れると飛べなくなる」といわれるため、水をかければ安全に追い払えたり、駆除できたりすると考える方もいるかもしれません。しかし、スズメバチに水をかける行為は非常に危険です。
スズメバチは大量の水を浴びると羽が重くなり、一時的に飛びにくくなることがあります。ただし、霧吹き程度の水量で無力化できるほど弱い生き物ではなく、狙って水をかけられると外敵からの攻撃と受け取り、防衛行動を強めるおそれがあります。
また、スズメバチが興奮した際に放出する警報フェロモンにも注意が必要です。水をかけられて危険を感じたスズメバチが警報フェロモンを出すと、巣の中にいる仲間が一斉に飛び出してくることがあります。スズメバチの飛行速度は時速30キロを超えることもあり、人間が走って逃げ切るのは簡単ではありません。
さらに、散水によって視界が悪くなったり、足元が滑りやすくなったりすると、逃げ遅れて刺される危険も高まります。水で駆除できるどころか、かえって危険な状況を招くおそれがあるため、安易に水を使うのは避けましょう。
出典:超危険なスズメバチを安全に駆除する方法3つのポイント |蜂の巣駆除センター
2.スズメバチに水をかけるときの注意点
服装や水の量、水をかける時間帯に注意
スズメバチの巣に放水する場合、少しの手抜きが重大な事故につながるリスクがあるため、以下の注意点を押さえておく必要があります。
服装:白を基調とした完全防護
スズメバチは、天敵であるクマを連想させる黒色に対して反応しやすいとされています。そのため、巣の近くに立ち入る必要がある場合は、白色の服を着用してください。
専用の防護服がない場合は、レインコートや厚手の作業着を重ねて厚みを出し、袖口や裾をガムテープなどでふさいで肌の露出をなくすことが大切です。また、防虫ネット付きの帽子を被り、顔まわりを隙間なくガードしましょう。
水量と威力:中途半端な刺激は逆効果
家庭用の霧吹きや小さな水鉄砲程度の水量では、スズメバチを無力化するどころか、単に怒らせるだけで終わり、危険な状況を招くおそれがあります。中途半端な水量はスズメバチを刺激し、反撃を招く危険があります。
水を使うのであれば、バケツ1杯程度の水を一気にかける方法が考えられます。ただし、巣に近づきすぎるとスズメバチからの反撃を避けられないため、強力なホースや高圧洗浄機など、離れた場所から水を噴射できる機材が必要です。
一方で、水圧が強すぎると巣を中途半端に壊してしまい、巣の中にいるスズメバチが一斉に飛び出すおそれがあります。水量や水圧の判断を誤ると危険性が高まるため、自分で対応する場合は慎重な判断が必要です。
時間帯:夕方以降が基本
作業を行うタイミングは、風が少なく穏やかな天候の日を選び、スズメバチの活動が鈍くなる夕方以降に設定するのが基本です。この時間帯は多くのスズメバチが巣に戻っており、日中よりも動きが鈍いことがあります。
ただし、夕方以降であっても安全に作業できるとは限りません。巣の中に個体が集まっている分、刺激すると一斉に飛び出すおそれがあります。
夜間はスズメバチが光に向かって集まる性質があるため、強いライトで巣を照らし続けるのは避けましょう。ライトを使う場合は必要最小限にとどめるか、赤いセロハンを貼って光を弱めるなど、スズメバチを刺激しにくい工夫が必要です。
3.ズメバチを自分で駆除するなら
防護服や道具を準備し、においがあるものの着用を避けて夕方〜夜に対応を
スズメバチの自力駆除には命に関わる重大なリスクが伴うため、基本的には推奨されません。自分で駆除せざるを得ない状況であっても、水の使用は避け、スズメバチ専用の殺虫剤を使用しましょう。
準備すべきもの
スズメバチを自分で駆除する場合は、作業前に必要な道具をそろえておく必要があります。途中で道具が足りないと、巣の近くで慌ててしまい、刺される危険が高まります。
- ハチ駆除用防護服(自治体でのレンタルを推奨)
- 合成ピレスロイド系の殺虫スプレー(2~3本)
- ノコギリ、枝切りバサミ(巣を切り離すため)
- 巣を入れる厚手のビニール袋
- 脱脂綿(巣の出入り口を塞ぐため)
- 懐中電灯(赤色のセロハンを貼ったもの)
殺虫スプレーは、数メートル先まで噴射できる合成ピレスロイド系のものが適しています。スズメバチ専用の殺虫スプレーを予備も含めて2〜3本用意し、途中で薬剤が切れないようにしておきましょう。
また、安全性を高めるために、自治体などが貸し出している専用の防護服を確保するのが望ましいです。レインコートや厚手の作業着だけでは刺傷を防ぎきれないおそれがあるため、防護服なしで巣に近づくのは避けてください。
においへの配慮
作業時に見落としやすいのが、においへの配慮です。スズメバチはにおいに反応することがあり、香料やアルコール臭、汗のにおいが刺激になる場合があります。
香水、整髪料、消臭剤、衣類の柔軟剤に含まれるフローラル系やシトラス系の香りは、スズメバチを刺激するおそれがあります。作業当日は香りの強いシャンプーや石鹸の使用を避け、できるだけ無臭に近い状態にしておくことが大切です。
また、飲酒後の作業や、激しい運動の直後に汗をかいた状態で巣に近づくのも避けましょう。におい対策だけで安全になるわけではありませんが、余計な刺激を減らすための準備として欠かせないポイントです。
4.スズメバチの巣は水をかけずにそのまま業者に駆除を依頼するのがベスト
スズメバチは凶暴で毒性が強く、水をかけて追い出しても戻ってくる可能性が高い
素人によるスズメバチの駆除には限界があります。スズメバチの毒は「毒のカクテル」と称されるほど多くの化学物質を含んでおり、刺されると激しい痛みや腫れを引き起こします。また、アナフィラキシーショックにより、わずか数分で命に関わる危険もあります。過去に刺されたことがある方はもちろん、刺された経験がない方でも、体質によっては重症化するおそれがあるため、水で追い払おうとする行為は非常に危険です。
なお、水をかけて一時的にスズメバチを追い散らしたとしても、巣そのものが残っていたり、女王バチが健在だったりすれば、元の場所に戻ってくる可能性があります。また、一度巣を攻撃されたスズメバチは、以前よりも警戒心を強めることがあります。この状態で巣に近づくと、駆除する方だけでなく、近隣の方や通行人、散歩中のペットに被害が及ぶおそれもあります。
専門業者は、スズメバチの生態を踏まえたうえで、専用の薬剤や装備を使って巣の状況に応じた駆除を行います。また、駆除後には巣の跡地への忌避処理など、再発を防ぐための対応を相談できる場合もあります。安全性や近隣への配慮を考えると、無理に自分で対応せず、プロの業者に任せるのが安心です。
出典:奈良県医師会「アナフィラキシーショック(ハチ刺されに注意しましょう)」
5.スズメバチの巣の駆除を業者に依頼する場合は相見積もりがおすすめ
最低でも3社から見積もりをもらおう
スズメバチ駆除を業者に依頼する場合は、相見積もりを取りましょう。害虫駆除業者の中には、相場を大きく上回る金額を請求したり、作業後に追加料金を加算したりする悪質な業者も一部存在します。「一刻も早く何とかしたい」という依頼者の不安に付け込み、格安料金を提示しながら、あとから高額な費用を請求するトラブルもあるため注意が必要です。こうしたリスクを避け、適正な金額で依頼するためにも、最低でも3社から見積もりを取ることが重要です。
見積もりを比較する際は、金額だけでなく内訳まで確認してください。基本料金、出張費、高所作業代、巣の処分代などに加え、再発防止策が含まれているかどうかも見ておきましょう。優良な業者であれば、どの作業にいくらかかるのかを明確に説明してくれます。
また、駆除後の保証期間を設けているかどうかも判断材料になります。電話対応や現地調査時の説明も確認し、リスクを隠さず伝えてくれるか、質問に誠実に答えてくれるかを見極めましょう。3社以上を比較すると費用相場を把握しやすくなり、業者の対応力や信頼性も判断しやすくなります。納得して任せられる業者を選ぶことが、被害を長引かせないための大切な一歩です。