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ベタ基礎でもシロアリ被害は起こる?侵入経路や予防・対策を解説

公開日:2026.8.25
ベタ基礎でもシロアリ被害は起こる?侵入経路や予防・対策を解説

近年の住宅で多く採用されている「ベタ基礎」は、床下の地面をコンクリートで覆う構造のため、「シロアリに強いのでは」「対策はそれほど必要ないのでは」と考える方もいるでしょう。布基礎と比べて地面からシロアリが侵入しにくい構造ではありますが、被害を完全に防げるわけではありません。

ベタ基礎でも、基礎の継ぎ目や配管まわり、ひび割れなどからシロアリが侵入することがあります。床下の湿気や木材の状態によっては被害が進むこともあるため、ベタ基礎だからといってシロアリ対策や点検が不要になるわけではありません。

本記事では、ベタ基礎の構造とシロアリへの強さをはじめ、シロアリ被害を完全には防ぎきれない理由や注意したい侵入経路、予防策や点検の重要性について解説します。ベタ基礎の住宅でどこまで対策が必要なのか、どのような状態なら点検を検討したほうがよいのかを判断する際に役立ててください。

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1.ベタ基礎とは?シロアリ対策としての基本構造

床下一面をコンクリートで覆う工法の特徴とメリット

ベタ基礎と布基礎の構造図

ベタ基礎とは、建物の床下全面を鉄筋コンクリートで覆い、建物を「面」で支える基礎構造です。一方、布基礎(ぬのきそ)は、建物の壁や柱に沿って逆T字型の基礎を設ける「線」で支える構造で、床下の地面が露出する部分もあります。地面をコンクリートで広く覆う点が、ベタ基礎の大きな特徴です。

ベタ基礎がシロアリ対策に有効とされる理由は、主に次の2つです。

地中からの侵入を物理的に防ぎやすい

地中からの侵入を物理的に防ぎやすいことが、ベタ基礎の強みです。シロアリは地中から建物へ侵入することが多いため、床下全面をコンクリートで覆うベタ基礎では、地面が露出している構造より侵入経路が限られます。地盤と床下空間の間にコンクリートがあることで、シロアリが木材へ直接到達しにくくなります。


地面から上がる湿気を抑えやすい

地面から上がる湿気を抑えやすい点も、シロアリ対策につながります。シロアリは湿気の多い環境を好むため、地面からの水分が床下へ入りにくいベタ基礎は、床下が高湿度になるリスクを抑えやすい構造です。ただし、配管からの水漏れや換気不足などがあれば湿気はたまるため、ベタ基礎でも床下環境の確認は必要です。

こうした特徴に加えて、建物の荷重を面で支えられることから、ベタ基礎は現在の木造住宅で広く採用されています。

ただし、ベタ基礎でもシロアリ被害を完全に防げるわけではありません。コンクリートの継ぎ目や配管まわり、ひび割れなどに侵入できるすき間があれば、シロアリが床下へ入り込む可能性があります。

ベタ基礎だからと安心せず、住み始めてからも床下の状態を定期的に確認することが大切です。シロアリ対策の効果を高めるためにも、ベタ基礎で注意したい侵入経路や構造上の弱点を把握しておく必要があります。

2.ベタ基礎はシロアリ被害を完全に防げる?実際の被害リスクとは

コンクリートでもわずかな隙間から侵入される可能性がある

亀裂の入った一戸建ての基礎部分の写真

「コンクリートは硬いため、シロアリが食い破ることはない」という認識自体は間違いではありません。しかし、ベタ基礎でも、わずかなすき間からシロアリが建物内へ侵入する可能性があります。

シロアリは非常に狭いすき間でも通り道として利用できるため、堅牢なベタ基礎でも油断はできません。ベタ基礎そのものを食い破るわけではなく、ひび割れや接合部などに生じたすき間から侵入する点が重要です。

ベタ基礎にすき間が生じる主な要因は、次のとおりです。

乾燥や収縮によってひび割れが生じる

乾燥や収縮によるひび割れは、シロアリの侵入経路になることがあります。コンクリートは硬化する過程で水分が失われて収縮するため、目に見えにくい細かなひび割れが生じることがあります。こうしたすき間が基礎の内外につながっていると、シロアリが通り道として利用する可能性があります。


コールドジョイントにすき間ができる

コールドジョイントとは、コンクリートを時間を空けて打ち重ねた際にできる継ぎ目のことです。基礎の底板と立ち上がり部分を別々に打設する場合などに生じ、接合部分にわずかなすき間ができることがあります。外から確認しにくい場所にできるため、シロアリの侵入経路になっていても気づきにくい点に注意が必要です。



経年劣化や地震などで基礎にひびが入る

経年劣化や地震などによるひび割れも、シロアリが侵入する原因の一つです。地震の揺れや地盤の変動、長年の使用による変化などによって基礎にひびが入ることがあります。ひび割れの大きさや位置によっては、そこからシロアリが床下へ入り込むこともあります。

地中にいるシロアリはエサとなる木材を探しながら移動しており、こうしたわずかなすき間を通って床上の土台や柱まで到達することがあります。そのため、表面上はコンクリートで覆われていても、侵入経路が完全になくなるわけではありません。

ベタ基礎はシロアリが入りにくい構造ではありますが、侵入を完全に防げる構造ではありません。物理的な遮断だけに頼らず、ひび割れや接合部などの状態を定期的に確認し、シロアリの侵入リスクを早めに把握することが大切です。

出典:国土交通省大臣官房官庁営繕部「事例調査を踏まえた木造官庁施設の施工管理・工事監理に関する留意事項集」

3.ベタ基礎でもシロアリが侵入する代表的な経路

配管周りやセパレーター金具の隙間が侵入ポイントとなる

ピーコン取り外し後のセパ穴の写真

ベタ基礎でシロアリに侵入されやすいのは、基礎を貫通している部分や、施工時に生じる接合部などです。コンクリートで床下全面を覆っていても、地面と建物内部につながるわずかなすき間があれば、シロアリの侵入経路になることがあります。

代表的な侵入経路は、次のとおりです。

セパレーター金具まわりのすき間

セパレーター金具まわりのすき間は、ベタ基礎で注意したい侵入経路の一つです。セパレーターは、基礎のコンクリートを打設する際に型枠を固定するために使われる金具です。施工後に残る金具まわりにすき間が生じたり、金具が腐食したりすると、その部分をシロアリが通り道として利用することがあります。


配管まわりのすき間

配管まわりも、シロアリが侵入しやすい場所です。キッチンや浴室、トイレなどの給排水管は基礎を貫通しているため、コンクリートと配管の間にすき間が残っていると、地中からシロアリが入り込む可能性があります。配管の周辺は水漏れや結露によって湿気がたまりやすいこともあり、あわせて確認しておきたいポイントです。


水抜き穴

水抜き穴とは、基礎工事中にたまった雨水などを排出するために設けられる穴です。建物の完成時にはふさがれるのが一般的ですが、処理が不十分だったり、充填した部分にすき間が生じたりすると、シロアリの侵入経路になることがあります。床下から確認しにくい位置にある場合もあるため、点検時には状態を確認することが大切です。


基礎断熱材

基礎断熱材を施工している住宅でも注意が必要です。基礎の外側や内側に断熱材があると、シロアリが断熱材そのものやコンクリートとの境目を通って建物内部へ侵入することがあります。特に断熱材に隠れた部分は蟻道を目視しにくいため、表面だけでは被害に気づけないことがあります。

これらの部分は、地面側から床下や建物内部へつながる経路になりやすいため、ベタ基礎の住宅でも重点的に確認したい場所です。定期点検では基礎全体を見るだけでなく、配管まわりや接合部、断熱材の周辺などに蟻道やすき間がないか確認することが重要です。

4.ベタ基礎住宅でやるべきシロアリ予防・対策

薬剤を使用した土壌処理でシロアリが地中から侵入するのを防ぐ

白蟻予防施工済の新築一戸建ての工事中の家の内部写真

ベタ基礎の構造的な強みを活かしながらシロアリ被害を防ぐには、薬剤による防蟻処理や施工時の工夫、定期的な点検を組み合わせることが大切です。ベタ基礎だからと安心せず、侵入経路になりやすい部分への対策と定期的なメンテナンスを続けることが、シロアリ被害の予防につながります。

ベタ基礎住宅で行われる主なシロアリ対策は、次のとおりです。

■土壌処理

土壌処理は、地中から侵入するシロアリを防ぐために、建物の下や基礎周辺の土壌へ防蟻剤を処理する方法です。ベタ基礎では床下全面がコンクリートで覆われているため、配管まわりやコンクリートの打ち継ぎ部分など、侵入経路になりやすい場所を重点的に処理します。住宅の構造や施工状況によって適切な処理方法は異なるため、状態を確認したうえで対策することが重要です。


■木部処理

木部処理は、土台や柱などの木材へ防蟻剤を処理し、シロアリによる食害を防ぐ方法です。万が一シロアリが基礎内へ侵入しても、木材が処理されていれば被害を抑える効果が期待できます。特に土台など床下に近い木部はシロアリ被害を受けやすいため、建物を守るうえで重要な対策です。


■施工時に侵入経路を作らない

施工時に侵入経路を作らないことも、ベタ基礎のシロアリ対策では重要です。基礎を貫通しない半セパを採用すると、セパレーター金具まわりにシロアリの通り道となるすき間ができるリスクを抑えられます。また、工事中に設けた水抜き穴は、役目を終えたあとに適切な材料でふさぎ、地面側からシロアリが入り込める経路を残さないことが大切です。


■定期的に点検と再処理を行う

定期的な点検と再処理も欠かせません。防蟻剤は一度処理すれば永久に効果が続くものではなく、使用する薬剤や施工方法によって有効期間が異なります。一般的な防蟻処理では5年程度を目安としているケースもあるため、保証期間や施工時の案内を確認し、適切な時期に点検を受けることが大切です。

点検では薬剤の効果だけでなく、基礎のひび割れや配管まわりのすき間、蟻道の有無なども確認します。早い段階で異常を見つけられれば、シロアリ被害が広がる前に対処しやすくなります。

5.ベタ基礎でも安心できないからこそプロの点検を検討しよう

専門業者による定期的なチェックが安全性を高める

白蟻駆除業者のイメージ画像

ベタ基礎住宅でシロアリ被害を抑えるには、早期発見が重要です。シロアリは光や風を避け、人目につきにくい場所で活動します。ベタ基礎は床下がコンクリートで覆われているため地中から侵入しにくい一方、侵入経路が基礎の継ぎ目や配管まわりなどに限られ、被害に気づきにくいことがあります。ベタ基礎でもシロアリ被害を早期に見つけるためには、床下や基礎まわりを定期的に点検することが大切です。

専門事業者による定期点検では、シロアリの侵入経路や木材の状態、床下環境などを確認します。主な点検項目は次のとおりです。

蟻道(ぎどう)がないか確認する

蟻道の有無は、シロアリの侵入を判断する重要な手がかりです。基礎の継ぎ目や配管の立ち上がり付近などを確認し、シロアリが移動するために土などで作った道がないか調べます。蟻道が見つかった場合は、周辺の木材まで被害が及んでいないか詳しく確認する必要があります。


基礎のひび割れや接合部を点検する

基礎のひび割れや接合部も重点的に確認します。ベタ基礎では、コンクリートの打ち継ぎ部分や配管まわり、微細なひび割れなどがシロアリの侵入経路になることがあります。目立たないすき間でも通り道になるため、基礎全体の状態を確認することが重要です。


木材を打診・目視して食害を確認する

木材の打診や目視によって、土台や柱などにシロアリ被害がないか確認します。木材を軽くたたいたときに空洞音がする、表面に不自然な傷みがあるといった変化は、内部で食害が進んでいる手がかりになることがあります。外から見ただけでは分からない被害を確認するためにも重要な点検です。


床下の湿気や通気性を確認する

床下の湿気や通気性も、シロアリ被害のリスクを判断する材料になります。水漏れや結露によって床下の湿度が高くなっていないか、換気口が塞がれていないかなどを確認します。湿気が多い状態が続いている場合は、シロアリが活動しやすい環境になっているため、原因に応じた対策が必要です。

専門事業者へ依頼する際は、相見積もりを活用する方法があります。複数社から見積もりを取れば、点検内容や必要な施工、費用を比較しやすくなります。床下の写真などを使って現状を具体的に説明してもらえるか、見積もりの内訳や追加費用が明確かも確認しておくと安心です。

また、再発時の保証や定期点検など、施工後のアフターフォローも確認したいポイントです。料金だけで判断せず、調査内容や施工方法、保証の範囲まで比較すると、信頼できる専門事業者を選びやすくなります。

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