1.なぜ空き家はシロアリが発生しやすいのか
家具や衣類の放置、湿気のこもりなどが原因
空き家は、人が住んでいる住宅と比べて、シロアリ被害の発見が遅れやすい傾向があります。日常的に人の出入りがある住宅では、窓の開閉や掃除などに加え、雨漏りや床の異変にも気づきやすい一方、空き家ではこうした機会が減るためです。長期間管理されていない空き家では、湿気がこもったり建物の異変を見逃したりすることで、シロアリが活動しやすい環境が続くおそれがあります。
換気不足で湿気がこもりやすい
空き家でシロアリ被害のリスクを高める要因の一つが、換気不足による湿気です。人が住んでいる住宅では窓を開けたり換気設備を使用したりする機会がありますが、空き家は長期間閉め切られることも多く、建物内の湿気に気づきにくくなります。
シロアリは乾燥を嫌い、湿気のある場所で活動する性質があります。特に床下で漏水や雨水の浸入が起きていたり、換気口が塞がれていたりすると、湿った状態が続く原因になります。単に窓を開けて室内を換気するだけでは床下の湿気まで解消できるとは限らないため、定期的に床下や水回りの状態まで確認することが大切です。
家具や荷物の放置が湿気をためやすくする
空き家に残した家具や荷物も、置き方によっては湿気やシロアリ被害に気づきにくくなる原因です。家具や段ボールなどを床や壁に密着させたまま長期間放置すると、周囲の空気が流れにくくなり、結露やカビなどの異変を見落としやすくなります。
また、段ボールや木製家具にはシロアリの餌となる木質由来の成分が含まれています。特に床下から侵入したシロアリが室内まで到達している場合、放置された荷物によって食害の発見が遅れるおそれがあります。長期間使わない段ボールや木材などは整理し、床や壁の状態を定期的に確認できる環境にしておくことが、被害の早期発見につながります。
2.シロアリ被害に遭いやすい箇所
土台や壁、家具など
シロアリは木材を餌とするため、住宅のさまざまな場所で被害が発生する可能性があります。特に空き家は日常的な点検の機会が少なく、異変に気づかないまま被害が広がることがあります。床下だけでなく、壁や柱の内部、木製家具なども被害を受ける可能性があるため、複数の場所を確認することが大切です。
床下の土台や柱
床下の土台や柱は、シロアリ被害が発生しやすい場所の一つです。シロアリの多くは地中から建物へ侵入するため、地面に近い土台や柱などの構造材は被害を受けやすくなります。
特に床下は湿気がこもりやすく、暗いうえに人の目が届きにくい場所です。空き家では換気や点検の機会も減るため、シロアリが侵入していても長期間気づかず、食害が進行することがあります。
壁や柱の内部
壁や柱の内部も、シロアリ被害に注意したい場所です。シロアリは木材の内部を食べ進むため、表面から見ただけでは異常が分からなくても、中で食害が進んでいることがあります。
被害が広がると木材の内部が空洞化し、修繕時に壁を開けたり、傷んだ部材を交換したりする必要が出ることもあります。空き家では室内の変化に気づく機会が少ないため、発見が遅れるほど工事の規模が大きくなるおそれがあります。
木製の家具や建具
木製の家具や建具も、シロアリの被害を受けることがあります。押し入れの中に置いた家具や、床に直接置いている棚などは、侵入したシロアリが到達すると食害される可能性があります。
このように、シロアリ被害は床下の構造材だけでなく、壁や柱の内部、家具や建具などにも広がることがあります。空き家を所有している場合は、一か所だけを見るのではなく、こうした場所を中心に定期的に状態を確認することが重要です。
3.自分でチェック!空き家のシロアリ被害を確認する方法
蟻道(ぎどう)の有無や床の感触、音で確認する
空き家を所有している場合は、定期的に建物の状態を確認することが重要です。シロアリ被害は目に見えにくい場所で進行しますが、早い段階で異変に気づければ、被害の拡大を防ぎやすくなります。蟻道や床の沈み、木材をたたいたときの音などに異変がある場合は、シロアリ被害を疑う目安になります。
基礎や外壁に蟻道がないか確認する
まず確認したいのが、基礎や外壁付近に蟻道がないかどうかです。蟻道とは、シロアリが光や乾燥を避けながら地面から建物へ移動するために、土などで作る通り道を指します。基礎のコンクリート部分や外壁の下部に、細い土の筋のようなものが付いている場合は、シロアリが侵入している可能性があります。
蟻道を見つけても、自分で壊してしまうとシロアリの活動状況や侵入経路を確認しにくくなるため、そのままの状態で写真を撮っておくと専門事業者へ相談する際に役立ちます。
床の沈みやきしみを確認する
次に確認したいのが、床の沈みやきしみです。室内を歩いたときに床が沈むように感じたり、以前にはなかった強いきしみ音がしたりする場合は、床下の木材が傷んでいる可能性があります。
シロアリ被害以外にも経年劣化や湿気などが原因になることはありますが、空き家で長期間点検していない場合は注意が必要です。床が柔らかく感じる、踏む場所によって沈み方が違うといった変化があれば、無理に床下へ入らず専門事業者による点検を検討するとよいでしょう。
木材をたたいたときの音を確認する
木材をたたいたときの音も、シロアリ被害を確認する手がかりになります。柱や窓枠などを軽くたたいた際、内部が詰まっている木材とは違い、軽く響くような音や空洞を感じさせる音がする場合は、内部で食害が進んでいる可能性があります。
ただし、音だけでシロアリ被害と断定することはできません。見た目に異常がなくても音に違和感がある場合や、ほかの場所でも蟻道や床の沈みなどが確認できる場合は、専門事業者に詳しく調査してもらうと安心です。
4.空き家がシロアリ被害に遭っていたときの対策
被害を受けている箇所はリフォームが必要
空き家でシロアリ被害が見つかった場合は、被害の拡大を防ぐために早めの対応が必要です。シロアリは木材の内部や床下など、目に見えにくい場所で活動するため、表面で確認できる範囲以上に被害が広がっていることがあります。シロアリ被害が確認できた場合は、見えている部分だけを処置せず、まず被害範囲を調べたうえで駆除や修繕の必要性を判断することが大切です。
ここでは、空き家でシロアリ被害が確認された場合の主な対処法を紹介します。
被害の範囲を調査する
被害の範囲を調査することが、最初に必要な対応です。シロアリは床下や壁の内部などで活動することが多いため、目に見える被害だけでは、どこまで食害が進んでいるのか判断できないことがあります。
専門事業者による調査では、床下の木材や基礎まわり、必要に応じて壁内部の状態などを確認します。被害箇所や侵入経路を把握できれば、その後に必要な駆除方法や修繕範囲を判断しやすくなります。
駆除と防蟻処理を行う
駆除と防蟻処理は、現在いるシロアリへの対処と再侵入の予防を目的として行います。被害状況に応じて、床下の土壌や木部などへ薬剤を処理する方法が用いられます。
シロアリが残った状態で被害箇所だけを修理しても、別の木材へ食害が広がるおそれがあります。そのため、まずシロアリを駆除し、必要に応じて防蟻処理を行ったうえで建物を修繕することが重要です。
被害が大きい場合は修繕工事を行う
被害が大きい場合の修繕工事では、食害された木材の状態に応じて交換や補強などを行います。床下の土台や柱など、建物を支える部分まで損傷している場合は、駆除だけでなく構造部分の修繕が必要になることもあります。
被害範囲が広がるほど修繕する箇所が増え、費用や工期も大きくなりやすいため注意が必要です。空き家では異変に気づくまで時間がかかりやすいため、シロアリの兆候を見つけた段階で早めに調査し、必要な対処へ進むことが被害の拡大防止につながります。
5.空き家のシロアリ被害は定期点検で防ごう
プロによる徹底的なシロアリチェックで大切な資産を守りましょう
空き家を所有している場合は、定期的に現地を訪れ、建物の状態を確認することが大切です。外壁や基礎部分に蟻道ができていないか、室内の床が沈んでいないかなど、シロアリ被害の兆候がないか確認します。
ただし、自分で確認できる範囲には限界があります。床下や壁の内部など、普段は見えない部分で被害が進んでいることもあるため、目立った異常がなくても、定期的に専門事業者によるシロアリ点検を受けると、被害の早期発見につながります。
シロアリ被害を予防して大切な資産を守る
シロアリ被害の予防では、被害が発生してから対処するだけでなく、定期的な点検と必要に応じた防蟻処理を行うことが重要です。シロアリの侵入リスクを抑えておけば、建物への被害が広がる前に対処しやすくなります。
空き家は適切な管理が行われない状態が続くと、建物の劣化やシロアリ被害によって資産価値が下がるおそれがあります。特にシロアリは床下や壁の内部など、見えない場所で食害を進めるため、異変に気づいた時点ですでに被害が広がっていることもあります。
そのため、空き家を所有している場合は、自分での確認に加えて専門事業者による定期点検も検討するとよいでしょう。床下や基礎まわりなど普段は確認しにくい場所まで調査してもらうことで、シロアリ被害の早期発見や予防につながります。