切り株のシロアリ対策に注意!知らないと家まで被害が広がる?
公開日:2025.5.22
庭の木を切ったあとの切り株を放置しておくと、シロアリの繁殖につながるケースがあります。
本記事では、切り株を放置してはいけない理由と、自分でできる切り株対策を紹介します。
庭の木を切ったあとの切り株を放置しておくと、シロアリの繁殖につながるケースがあります。
本記事では、切り株を放置してはいけない理由と、自分でできる切り株対策を紹介します。
シロアリは自然界では枯れ木や倒木を分解し、土に還す役割を果たしています。そのため一概に「害虫」とも言えませんが、伐採後に庭などに残された切り株にも寄ってくるため、住宅まわりでは注意が必要です。
特に放置された切り株は、湿気がこもりやすく地面と接しているため、シロアリにとって快適な生息環境となりがちです。
シロアリが切り株を好む理由には、以下のようなものがあります。
・湿気がこもりやすい:地面に接していて通気性が悪く、水分がたまりやすい
・日陰で暗い:庭の隅など直射日光が当たりにくい場所にあることが多い
・木が腐朽して柔らかい:内部が腐りやすく、シロアリが侵入しやすい状態になっている
切り株の中心が空洞になっていたり、キノコが生えていたりする場合は要注意です。木の分解が進んでいるサインであり、シロアリにとってさらに快適な環境になっている可能性があります。
また、切り株のまわりに小さな土の道(蟻道)が見られる場合も注意が必要です。これは、シロアリがすでに活動しているサインといえます。
シロアリは切り株を拠点にして地下を移動し、周囲の木や住宅にまで被害を広げてしまう恐れがあります。そのため、ただの切り株と油断せず、早めに対策を講じることが大切です。
目視では確認しにくい小さな隙間からもシロアリは侵入するため、少し離れた場所にある切り株でも油断は禁物です。
シロアリが発生した切り株を放置すると、その場にとどまらず、やがて周囲へと移動していきます。特に家の近くに切り株がある場合は、シロアリの中継拠点となり、家の床下や柱へ侵入するリスクが高まります。
地中を掘り進んだシロアリは、基礎部分から床下へと入り込み、土台や柱など家の重要な構造部分を食害していきます。構造部分が食い荒らされると、建物の耐震性に悪影響を及ぼす可能性があります。見えない部分で強度が損なわれていると、地震や災害時に倒壊のリスクが高まるため、早めの対策が欠かせません。
なお、シロアリは乾燥に弱く、日光を嫌うため、地表を移動することはほとんどありません。そのため、切り株のような湿った場所から地中を経由して建物へと侵入します。
シロアリの侵入が発覚する頃には、すでに被害が進行しているケースが多いのが現実です。外見からは被害に気づきにくい点が、シロアリ被害の厄介な特徴です。発見が遅れることで、建物の強度低下に気づかないまま生活を続けてしまう恐れがあります。
以下のような症状が見られた場合は、シロアリ被害を疑いましょう。
・床がきしむ、沈む
・柱や床板を叩くと空洞音がする
・壁紙にヒビが入る
・羽アリが室内に現れる
被害の早期発見は、修繕費用の抑制にもつながります。少しでも異変を感じたら、専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
手っ取り早く切り株のシロアリ対策をする方法としては、切り株を掘り起こすのが最も確実です。
ただし、自力での掘り起こしは重労働で、時間も体力もかかります。さらに、切り株の近くに植物がある場合、土を掘り返すことで根に影響が出るおそれもあります。そのため、薬剤や灯油で処理する方法が現実的な選択肢となります。
■薬剤や灯油を使う方法
最も手軽な方法は、市販の除草剤や殺虫剤を使った処理です。まず、電動ドリルなどを使って切り株に数カ所穴を開け、そこへ薬剤を注入します。注入後は薬剤が漏れ出ないようにガムテープなどで穴をしっかり塞いでおきましょう。根が早く枯れるため、後から掘り起こす際の負担も軽減されます。
また、昔ながらの方法として、切り株に灯油を注入する方法もあります。薬剤と同様に、注入後は穴を塞いで揮発や漏れを防ぎましょう。
なお、薬剤の使用に際しては、周囲の植物への影響が気になるかもしれません。切り株に直接注入し、薬剤が地面に垂れないように注意すれば、土壌や周辺の植栽への影響を抑えることが可能です。
■切り株を回収している自治体もある
処理後の切り株や剪定枝をごみとして回収している自治体もあります。可燃ごみに出す場合は、細かく切って指定のごみ袋に入る大きさにする必要があります。また、自治体の処理施設に持ち込む際も、できる限り小さく切断してから運びましょう。
大きな切り株については、粗大ごみとして回収を受け付けている自治体もあります。ただし、大きさや重量によっては回収対象外となることもあるため、その場合は廃品回収業者など専門の処理業者に依頼するのが確実です。
前述の通り、シロアリ対策のひとつとして、切り株に薬剤や灯油を注入して駆除・再発防止を図る方法があります。ただし、これらの薬剤は扱い方を誤ると、火災や健康被害につながるおそれがあるため、慎重に使用する必要があります。
灯油は揮発性が高く、空気中に拡散しやすい性質があります。そのため、以下のような状況では使用を控えてください。
・バーベキュー、焚き火、喫煙など火の気が近くにあるとき
・夏場など気温が高い日
・風が強く、気化した成分が拡散しやすい日
灯油を注いだ切り株は、ビニールシートなどでしっかりと密閉し、揮発をできるだけ抑えることが重要です。また、周囲には「作業中」「火気厳禁」などの注意喚起プレートを設置し、安全対策を徹底しましょう。
■薬剤の取り扱いにも注意
市販されている薬剤の中には、刺激性や毒性のある成分を含むものもあります。そのため、ピレスロイド系など、安全性の高い成分が使用されている薬剤を選ぶことをおすすめします。使用の際は、ゴム手袋・マスク・保護メガネを着用し、薬剤に直接触れないように注意してください。
■環境や近隣への配慮も忘れずに
庭木や周囲の植物に薬剤や灯油が触れると、根が傷み枯れるおそれがあります。作業前には必ず養生を行い、植栽への影響を防ぎましょう。
また、強いにおいによって近隣に迷惑をかける場合があるため、事前に一声かけるなど、マナーを意識した対応も大切です。作業後は、換気や清掃をしっかり行い、においが残らないようにしましょう。
■安全第一で行動を
シロアリ対策は急を要する場合もありますが、焦って無理な作業をすることこそが、最も大きなリスクです。切り株の除去が不完全であれば、時間が経つにつれて再びシロアリの温床になるおそれもあります。
作業に不安がある場合や、切り株が大きくて対処が難しい場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。
放置された切り株から発生したシロアリが、気づかないうちに床下を通って住宅内部に侵入するケースは少なくありません。シロアリによる被害は進行が見えづらく、気づいたときには深刻な状況になっていることもあります。だからこそ、予防と早期発見が重要です。
■シロアリは再発しやすい
シロアリの厄介な点は、駆除しても再び侵入・繁殖するリスクがあることです。特に、過去に被害を受けたことがある住宅や、床下の湿気がこもりやすい構造の家では、再発の可能性が高いといえます。
こうした再発を防ぐには、定期的な点検と予防処置を継続することが重要です。また、駆除業者を選ぶ際には、必ず複数の業者から見積もりを取り、内容を比較しましょう。
■相見積もりのメリット
相見積もりを行うことで、以下のような利点があります。
・適正価格を把握できる
・施工方法の違いを比較できる
・保証やアフターサービスの内容を比較できる
料金相場を知らずに依頼してしまうと、必要以上の費用を請求されるおそれがあります。3社以上の見積もりを比較すれば、相場を把握できるだけでなく、業者によって異なる施工方法や対応内容も確認できます。
また、保証やアフターフォローの内容も、業者選びの大切な判断材料です。保証期間、定期点検の有無、万が一の再発時の対応など、細かい部分までしっかり確認しましょう。