1.雨上がりに黒い羽アリが大量発生する主な原因とは?
巣の内部が湿って条件が整うと一斉に羽アリが飛び出す
羽アリは、種類によって暖かく湿度の高い時期に活発に飛び立ちます。特に雨のあとに気温が上がり、風が弱いなどの条件がそろうと、多数の羽アリが一斉に巣から飛び立つことがあります。そのため、雨上がりに大量発生したように見えることも珍しくありません。
ただし、羽アリが飛び立つ時期や気象条件は種類によって異なります。雨上がりに発生したという情報だけでは種類を特定できないため、体の形や羽、触角なども確認する必要があります。
羽アリにはクロアリとシロアリがいる
羽アリには、クロアリの羽アリとシロアリの羽アリがいます。名前だけを見ると体の色で見分けられそうですが、シロアリの羽アリが必ず白いわけではありません。たとえばヤマトシロアリの羽アリは黒褐色をしているため、クロアリの羽アリと間違えることがあります。
クロアリとシロアリでは建物への影響が異なります。特に家の中や建物のすぐ近くからシロアリの羽アリがまとまって出ている場合は、周辺に巣がある可能性を考えて点検することが大切です。
羽アリが発生するのは新しい巣をつくるため
羽アリが一斉に巣から飛び立つのは、繁殖して新しい巣をつくるためです。成熟した巣では繁殖を担う個体が羽アリとなり、一定の時期や気象条件がそろうと巣外へ飛び立ちます。
飛び立った羽アリは相手を見つけると羽を落とし、新しい巣をつくります。雨上がりに羽アリを大量に見かけても、雨によって突然発生したわけではなく、もともと巣にいた羽アリが飛び立つ条件がそろったと考えるのが適切です。
2.黒蟻と白蟻の羽アリの違いと見分け方
黒蟻と白蟻は触角や体色で見分けられる
見分けがつきにくいクロアリとシロアリの羽アリですが、触角や羽、胴体の形などを確認すると違いが分かります。体の色だけでは判断できない種類もいるため、複数の特徴を組み合わせて見分けることが大切です。
触角の形
クロアリの触角は、途中でくの字に曲がっているのが特徴です。一方、シロアリの触角は数珠のように小さな節が連なり、全体として比較的まっすぐに見えます。
体が小さいと肉眼では確認しにくいため、無理に近づいたり素手で捕まえたりせず、写真を撮って拡大すると確認しやすくなります。
体の色
クロアリの羽アリは、黒や黒褐色などの体色をしている種類が多く見られます。一方、シロアリは働きアリでは白っぽい体をしていますが、羽アリまで白いとは限りません。
たとえばヤマトシロアリの羽アリは黒褐色をしているため、体の色だけを見るとクロアリと間違えることがあります。黒い羽アリだからクロアリとは限らないため、体色だけでなく触角や羽、胴体の形も確認することが重要です。
羽の大きさ
クロアリとシロアリの羽アリには、どちらも4枚の羽がありますが、大きさに違いがあります。シロアリは前後の羽がほぼ同じ大きさです。
一方、クロアリは前の2枚が大きく、後ろの2枚が小さくなっています。羽が残っている個体を確認できる場合は、前後の羽の大きさを比べると見分ける手がかりになります。
胴体のくびれ
クロアリは胸部と腹部の間が細く、はっきりとしたくびれがあります。一方、シロアリは胸部から腹部までの太さがあまり変わらず、全体的に寸胴な形をしています。
羽がすでに取れている個体でも、触角と胴体の形を確認すると見分けやすくなります。複数の特徴を確認しても判断できない場合や、室内から大量に発生している場合は、シロアリ駆除の専門事業者へ相談するとよいでしょう。
3.羽アリ(黒蟻)が雨上がりに発生しやすいタイミングと季節
春から初夏の結婚飛行の時期に大量発生しやすい
羽アリの大量発生には、雨上がりの湿度だけでなく、種類ごとの繁殖時期や気温なども関係しています。クロアリの羽アリも、繁殖に適した時期と気象条件が重なると、一斉に巣から飛び立つことがあります。
結婚飛行の時期に雨上がりの条件が重なる
クロアリの羽アリは、繁殖相手を見つけて新しい巣をつくるために「結婚飛行」を行います。発生時期は種類によって異なり、春から秋にかけてさまざまなクロアリの羽アリが見られます。
例えば、クロオオアリの結婚飛行は5〜6月頃に多く見られます。気温が高く、風が弱い日など、種類ごとに適した条件がそろうと巣から一斉に飛び立つため、短時間で大量発生したように見えることがあります。
雨上がりに黒い羽アリが大量発生するのは、雨そのものが原因ではなく、繁殖時期に気温や湿度など飛び立ちやすい条件が重なるためです。そのため、同じ雨上がりでも必ず羽アリが発生するわけではありません。
夕方から夜に見かける種類もいる
クロアリの羽アリには、夕方から夜にかけて結婚飛行を行う種類もいます。夜間に活動する羽アリは光に集まることがあるため、屋外で大量発生していると室内の照明に引き寄せられ、窓や網戸の隙間から入ってくることもあります。
屋外で羽アリが大量に飛んでいるときは、必要のない照明を消したり、カーテンを閉めて室内の光が外へ漏れにくくしたりすると、室内への侵入を抑えやすくなります。
4.羽アリ(黒蟻)が大量発生したときに自宅でできる対策と予防法
窓や壁の隙間を塞ぎ、巣の駆除と予防薬で再発を防ぐ
ここからは、羽アリが大量発生した際に自宅でできる対処法や、室内への侵入を防ぐ方法を解説します。大量の羽アリを見つけても、むやみに薬剤を使用せず、種類や発生場所を確認しながら対処することが大切です。
掃除機で吸い取る
室内に出てきた羽アリは、掃除機で吸い取って回収できます。床や窓際に落ちている個体や羽もまとめて吸い取れるため、目の前にいる羽アリへの対処として手軽な方法です。
ただし、掃除機で回収できるのは室内に現れた個体だけです。建物内部や周辺に巣がある場合は、羽アリを吸い取っても根本的な解決にはなりません。シロアリかクロアリか判断できない場合は、種類を確認できるよう一部の個体や写真を残しておくとよいでしょう。
発生場所へ殺虫剤をむやみに使用しない
羽アリを見つけると殺虫スプレーを使いたくなるかもしれませんが、シロアリの可能性がある場合は発生箇所への大量使用を避けたほうがよいでしょう。目に見える個体を駆除できても、建物内部にいるシロアリまで駆除できるわけではありません。
シロアリかどうか分からない羽アリが壁や床の隙間などから大量に出ている場合は、発生箇所へ薬剤を吹き込まず、場所を記録して専門事業者に確認してもらうことが重要です。薬剤を使用するとシロアリが別の場所へ移動し、被害箇所の確認が難しくなることもあります。
室内への侵入経路となる隙間を確認する
屋外を飛んでいる羽アリは、窓やドアなどの隙間から室内へ入ることがあります。外から侵入している場合は、網戸の破れやサッシの隙間などを確認すると侵入を抑えやすくなります。
主な侵入経路として、次のような場所が挙げられます。
- 窓やサッシの隙間
- 玄関などの出入口
- 換気口
- 網戸の破れや隙間
羽アリには光に集まりやすい種類もいるため、大量発生している時間帯はカーテンを閉めたり、不要な照明を消したりする方法もあります。紫外線の放出量が少ないLED照明へ変更すると、光に集まる虫を寄せにくくする効果も期待できます。
巣がある場合は種類に合った駆除が必要
羽アリが室内から繰り返し発生している場合は、建物内部や周辺に巣がある可能性があります。ただし、クロアリとシロアリでは巣の場所や適した駆除方法が異なるため、同じ方法で対処できるとは限りません。
毒餌を利用するベイト剤は、対象となるアリの種類に適した製品を使用する必要があります。特にシロアリの被害が疑われる場合は、市販品を自己判断で設置するより、被害範囲や種類を確認したうえで駆除方法を決めることが大切です。
大量発生やシロアリの疑いがある場合は専門事業者へ相談する
羽アリが室内から大量に出ている、毎年同じ場所から発生する、シロアリとの見分けがつかないといった場合は、自力での対処だけでは原因を特定しにくくなります。
専門事業者へ相談すれば、羽アリの種類や発生場所を確認し、巣や建物への被害がないか調査してもらえます。特にシロアリだった場合は木材への被害が進んでいる可能性もあるため、目に見える羽アリがいなくなったあとも放置せず、必要に応じて点検を受けると安心です。
5.羽アリの駆除を業者に依頼する際は相見積もりがおすすめ
羽アリの駆除や予防は自分で行える範囲もありますが、種類の特定や巣の駆除まで確実に行うには、専門事業者への依頼を検討するとよいでしょう。特にシロアリの可能性がある場合は、建物への被害状況まで確認してもらうことが大切です。
羽アリ対策を依頼する際は、費用だけでなく、調査内容や施工方法、保証の有無なども確認します。信頼できる専門事業者を見極めるポイントは次のとおりです。
- 見積もりの内容や費用の内訳を丁寧に説明してくれる
- 施工後の保証やアフターサービスが明確になっている
- 調査結果や必要な施工内容をわかりやすく説明してくれる
- 羽アリやシロアリ対策の施工実績が確認できる
- 契約を急かすなど強引な営業をしない
- 口コミの内容に大きな偏りがない
資格の有無だけで専門事業者の良し悪しを判断するのではなく、実際の施工実績や説明内容まで確認することが重要です。複数の項目を比較し、自宅の状況に合った対策を具体的に提案してもらえるかを確認するとよいでしょう。
相見積もりを取って費用と施工内容を比較する
羽アリの駆除や予防を依頼する際は、複数の専門事業者から相見積もりを取ると、費用や施工内容を比較しやすくなります。見積もりを依頼するときは、羽アリが発生した場所や時期、発生数など、できるだけ同じ条件を各社へ伝えることが大切です。個体や写真が残っていれば、種類を判断する手がかりとして見てもらう方法もあります。
相見積もりでは金額の安さだけでなく、調査範囲や駆除方法、再発防止策、保証内容まで比較することが重要です。1社だけの見積もりでは提示された費用や施工内容が妥当なのか判断しにくいものの、複数社を比較すれば違いが見えやすくなります。
極端に安い見積もりが提示された場合は、必要な作業が含まれているか、追加料金が発生する条件はないかまで確認します。費用と施工内容の両方に納得できる専門事業者を選ぶことが、羽アリ対策の失敗を防ぐポイントです。