自分でできる?ハクビシンの駆除方法を紹介
公開日:2025.4.7
「大切に育てた農作物を収穫間近でハクビシンに食べられてしまった」という方もいるのではないでしょうか。なにかと厄介なハクビシンですが、実は「鳥獣保護法」という法律で守られている動物です。
ここでは、ハクビシンは自分で駆除できるのか、また駆除するための方法などを紹介します。
「大切に育てた農作物を収穫間近でハクビシンに食べられてしまった」という方もいるのではないでしょうか。なにかと厄介なハクビシンですが、実は「鳥獣保護法」という法律で守られている動物です。
ここでは、ハクビシンは自分で駆除できるのか、また駆除するための方法などを紹介します。
ハクビシンとは、ジャコウネコ科ハクビシン属に属する食肉類の動物です。
・身体的特徴と見分け方
ハクビシンは、動きが早く、パッと見た感じはネコやタヌキと見間違うこともあるでしょう。ほかの動物との見分け方は、額から鼻にかけて白い線があるかどうかです。その白い線があることで、その名がつけられたといわれています。
また、体長が50~70センチメートルと、タヌキより一回り大きいことも特徴の一つです。
タヌキのしっぽは短くて先端が黒いのに対し、ハクビシンのしっぽは体長と同じくらいの長さがあり、ネコのしっぽに似ています。
ハクビシンは、頭が入るほどの小さな隙間なら潜り抜けることが可能です。
・生息地と好物
現在、ハクビシンは日本列島ほぼ全域に生息しています。
好物は糖度の高い野菜や果物です。そのため、トウモロコシやカキ、ブドウ、ミカン畑などに現れ、せっかく育てた野菜や果物を食べてしまうのです。
畑にとどまらず果樹園に入り込んでしまった場合は、深刻な農業被害となってしまいます。
ハクビシンによって受ける被害はさまざまです。時には重大な損害や深刻な健康被害を与えることもあるでしょう。
以下で代表的な被害を紹介します。
・騒音問題によるストレスと不眠
ハクビシンは夜行性です。そのため、家の天井裏に棲みかをつくられた場合は、人が寝ている時間帯に活動します。およそ3~4キログラムある動物が天井裏を走り回っては、嫌でも振動や音が響くでしょう。
1匹ならまだしも、複数いればストレスも相当なものになるはずです。
・糞尿による被害
生き物が生きていくうえで必ず伴うのが糞尿です。もちろんトイレなどはあるわけがないのですが、ハクビシンは同じ場所に糞尿をする習性があります。同じ場所に何回も糞や尿をされると、木材が腐りそこから糞尿が滴り落ちてしまうでしょう。
・断熱材や配線が傷つけられる
天井裏には断熱材が敷き詰められ、配線も通っています。そこでは断熱材をボロボロにし、寝床をつくることもあるでしょう。
断熱材が本来の役目を果たせなくなるため、家の快適性が失われる可能性があります。
また、配線を嚙みちぎられたり、そこに糞尿をかけられたりすると、ショートして停電を引き起こします。
・身体的な被害
ハクビシンがダニやノミの運び屋となって、アレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
ハクビシンによってもたらされる被害について紹介してきましたが、もしハクビシンを見かけたら、一刻も早くいなくなってほしいと思うのが正直なところでしょう。
まずはハクビシンを寄せ付けないようにする方法を試してみるのがおすすめです。
以下で代表的な方法を3つ紹介します。
・ゴミや雑草を消去する
ゴミはハクビシンにとって宝の山です。糖度が高いものが好きなので、ジュースの空き缶などがあればゴミを荒らしてしまいます。
畑がある場合は、間引いた野菜をそのままにしておくことがあるかもしれませんが、それもハクビシンに狙われる元です。
簡単に荒らすことができないように、フタ付きのゴミ箱やケースを利用しましょう。
また、雑草が生い茂っているとハクビシンが身を隠すことができます。警戒心の強いハクビシンにとって居心地の良い場所となってしまうため、庭の雑草はきれいに刈りましょう。
・侵入経路や侵入口を徹底的に塞ぐ
ハクビシンが家に侵入する際は、軒下換気口や基礎の通気口、屋根と屋根の重なり部分、壁穴などが主な出入口となります。そのため、徹底的にその部分を塞いでしまえば侵入できません。定期的に家の周りを点検するのが良いでしょう。
・忌避剤を利用する
忌避剤はハクビシンが嫌いなニオイを出しています。適当にまくのではなく、天井裏の身を隠せそうな場所からはじめ、家のなかに居場所がなくなるよう徐々にスペースを狭くしていきましょう。
ハクビシンを自分で駆除したい場合は、以下の4ステップで進めましょう。
1.役所で駆除の許可をもらう
ハクビシンは「鳥獣保護法」で保護されている動物です。そのため、勝手に駆除することはできません。
「捕獲許可申請書類」や「捕獲場所がわかる図面」などを作製し、役所に提出する必要があります。
自治体によって申請書類が違うため、あらかじめ担当窓口に連絡するのが良いでしょう。
また、許可が下りるまでは一般的に3ヵ月かかるといわれています。提出物はできる限り速やかに提出するようにしましょう。
捕獲許可を取得するには、原則として狩猟免許、狩猟経験および損害賠償保険等が必要になります。
ただし、垣、柵その他これに類するもので囲まれた住宅の敷地内といった捕獲を行う場所や、捕獲方法などの条件を満たすことで、自治体によっては狩猟免許の取得が不要となる場合もあります。
詳しくは、お住まいの市町村の鳥獣被害担当窓口へお問い合わせください。
2.罠を仕掛ける
許可が下りたらハクビシンを捕まえます。「吊り餌式」「踏み板式」「くくり罠」など、さまざまな方法がありますが、値段もそれぞれ違います。5千円~3万円程度と幅広いため、金銭的にも余裕を見て計画しましょう。
3.捕まえたハクビシンを駆除する
捕獲者が責任をもって処分するのが基本です。しかし、害獣といえども処分するのに抵抗がある人も多いのではないでしょうか。
そのような場合は自治体に問い合わせることで、処分する業者を紹介してもらえます。駆除の許可申請の際に、処分についても聞いておくと良いでしょう。
4.消毒と侵入経路の封鎖
ハクビシンを駆除しても家の中に糞尿が残っているはずです。そのまま放置しておくと病原菌の発生源となってしまうため、すみやかに掃除しましょう。
また、棲みかをそのままにしておくと、新たなハクビシンが棲みつく可能性があります。棲みかごときれいにして、侵入経路も完全に塞ぎましょう。
自分で駆除するための一連の流れを紹介しましたが、自分ですべてするには相当なエネルギーが必要です。それでも確実に駆除したい場合は、プロにお願いするのが良いでしょう。
専門業者に依頼した場合の流れを説明します。
・現地調査と見積もり
まずは現状がどのようになっているか把握します。「被害はどの程度なのか?」「どこから侵入してくるのか?」「どこに寝ているのか?」など、ハクビシンの生活について詳しく調査します。
徹底的に調べた結果、どのように駆除して、どこを消毒するのか、どのような再発防止策を講じるのかを説明してくれるはずです。
費用は一般的に5~7万円ほどかかるといわれていますが、被害状況によって金額も異なるため、現地調査の上で見積もりを出してもらってはじめてどのくらいの予算が必要かがわかります。
・駆除&消臭&再発防止作業
プロが駆除する場合も、自分で駆除する時と同じような手順で進めます。しかし、プロには幅広い知識や技術、適した道具などがあるため、自分で駆除するよりも迅速かつ的確に駆除してもらえるでしょう。
また、家のなかだけではなく、家の周りにあるハクビシンが登りやすい木や雨どいへの対策も講じてくれます。