屋根材のモニエル瓦とは?特徴やメリット・デメリットをご紹介
公開日:2022.12.15 更新日:2024.4.5
モニエル瓦は、ヨーロッパ発祥のセメント瓦の一種で世界40か国以上に販売された屋根材です。モニエル瓦という名称は、日本モニエル株式会社が製造していた商品名ですが、高いシェアがあったため、一般的な呼び名として広がりました。
この記事ではモニエル瓦の特徴やメリット・デメリットなどについてご紹介します。
モニエル瓦は、ヨーロッパ発祥のセメント瓦の一種で世界40か国以上に販売された屋根材です。モニエル瓦という名称は、日本モニエル株式会社が製造していた商品名ですが、高いシェアがあったため、一般的な呼び名として広がりました。
この記事ではモニエル瓦の特徴やメリット・デメリットなどについてご紹介します。
モニエル瓦はセメント瓦の一種ではありますが、瓦表面の処理が特殊なため、通常のセメント瓦とは少し違います。成型されたモニエル瓦には、着色スラリーというセメントの着色剤を厚めに塗られており、さらにその上をアクリル樹脂系のクリアー塗料で覆って完成させます。施工性が良く、豪雨や強風にも耐える防水性を備えています。
また、断熱性や耐震性にも優れているだけでなく、デザインにも多様性がある大変有能な屋根材なのです。しかし、有能であるモニエル瓦は塗装するとなると数ある屋根材の中でも1番厄介な屋根材とも言えます。
モニエル瓦を再度塗装する場合は、スラリー層を綺麗に取り除いた後に塗装を行う必要があります。もし、このスラリー層が残った状態で上から塗装してしまうと、劣化したスラリー層と一緒に塗装が剥がれてしまう原因となってしまうからです。そのため、モニエル瓦を塗装する際には、細心の注意が必要です。
モニエル瓦にはモニエル瓦専用塗料が存在します。モニエル瓦の塗装では使用する塗料にも注意が必要で、使用ができない塗料を使ってしまうと早期劣化、施工不良の原因にもなりかねません。業者に見積りを依頼した場合には、その見積りに塗料の商品名を記入してもらい、それがモニエル瓦でも使用可能な塗料なのかどうかを確認しましょう。
コンクリートでできているモニエル瓦は、強い雨や風にも耐える強度をもっており、他の瓦よりも防水性が高く断熱性もあります。
また、着色スラリーを利用しているため、他の瓦よりも豊富な色があります。着色スラリーとは、瓦に色をつけるために使われる、セメントでできた着色剤のことです。瓦にもさまざまな種類があり、モニエル瓦は耐水性や断熱性にも優れている人気の瓦です。他の瓦と比べて色の種類が豊富なため、自分好みの瓦を見つけることができるでしょう。
また、モニエル瓦の主成分はセメントですが、高度なコンクリート成形技術によってアスベストも使用せず、焼成加工も不要なので、二酸化炭素の発生も最低限で済むメリットがあります。しかし、モニエル瓦はセメント瓦と見た目がよく似ており、見分けるのが難しいので注意しましょう。
さまざまな瓦の中でも、特に人気なのがモニエル瓦です。この瓦は他の瓦と比べて特殊な処理をしているため、耐水性や断熱性が高いためです。そんなモニエル瓦でも、当然耐用年数があります。定期的にメンテナンスを行なわなければ劣化してしまうため、修理が必要になるのです。
モニエル瓦の1番の大きな問題点、デメリットとしては、かかる費用が高いという点と言えます。もし、モニエル瓦の痛みが激しく、塗装ではなく葺き替えを行う必要がある場合では、80㎡あたり約100万円という大金が必要になってしまいます。
このような大金はぱっと払える額ではないため、もしこの作業が必要になってしまった場合、借金を作ってしまったりなど別の問題に繋がってしまう場合があります。そのため、このような問題も含めて屋根の交換の際は検討する必要があります。
他にも、メンテナンスの際には注意深くスラリー層を除去しなければならないという点があります。いい加減な業者にリフォームを頼んでしまうと、面倒だからと屋根だけ塗り替えない場合もあります。そういった場合は大抵モニエル瓦が使われているとも言われているため注意しましょう。
沢山デメリットは存在しますが、きちんとした業者に頼めば高圧洗浄から再塗装までしっかり行ってくれるはずです。モニエル瓦は性能面では申し分ない瓦なので、リフォームする際は信頼できる業者に頼むようにしましょう。
モニエル瓦の塗装リフォームでは、まず足場と養生シートを設置し、瓦表面の洗浄およびスラリー層の除去を行ってから、塗装の作業に移る流れとなります。
工程ごとの費用は、足場の設置と養生シートの設置が合計で1平方メートルあたり約1,000円ほど。高圧洗浄機を用いた洗浄および手作業によるスラリー層の除去作業が合計で1平方メートルあたり約400円が相場となっています。
塗装については使用する塗料によって単価が変わります。さらに、アクリルシリコン塗料を使用した場合は1平方メートルあたり約2,000円から、フッ素樹脂塗料なら約3,000円が相場となっています。
この他、人件費や廃材の処理費用などを含めて合計費用は80平方メートルなら約70万円程が相場になっています。
モニエル瓦の傷みが激しく、塗装ではなくなってしまい葺き替えが必要になり、葺き替え作業を行う場合の費用に関しては、約80平方メートルの屋根を葺き替えた場合では、合計で約100万円が相場になっており、スレート屋根に変更した場合が約90万円が相場となっています。このように、モニエル瓦にかかる費用は決して安いとはいえないのがわかります。
モニエル瓦にはたくさんのメリットやデメリットが存在しました。その中でも1番の大きなデメリットは、モニエル瓦の維持費の高さです。維持に必要な塗装などの作業を行うためには数10万円から100万円という大金が必要になってしまう場合があります。
このようなデメリットもしっかりと含めた上で検討を行うことをおすすめします。また、他にもモニエル瓦に関する情報は沢山あるため是非気になる方は調べてみることをおすすめします。