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イノブタとはどんな害獣?生態や対策方法などを解説

公開日:2021.10.29 更新日:2024.4.4
イノブタとはどんな害獣?生態や対策方法などを解説

外来種害獣であるイノブタに関するさまざまな情報を簡単に紹介します。この害獣の名前を知っている方は多いのではないでしょうか。脂分が少なく良質な肉として有名で、レストランなどの飲食店でいろいろな料理に使われています。ですが、イノブタが私たちの生活に被害をもたらす動物であることは農家の方でない限り、ご存知ないと思います。そこで今回は、イノブタとはどんな害獣なのか?について、野生化した理由や対策方法などの情報を分かりやすくお伝えしますので、参考にして頂ければ幸いです。

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1. イノブタの本来の生息地とは?

イノブタの本来の生息地(ルーツ)はヨーロッパ!日本国内では和歌山県です

ヨーロッパ地図の絵

この害獣が誕生したきっかけは、ヨーロッパにあります。いつからイノブタが誕生したのかは定かでないのですが、ヨーロッパ地方で家畜として飼育されていたブタが脱走して、野生のイノシシと交配したことでイノブタが生まれたとされています。これはあくまでも一説にすぎず、野ブタと野生のイノシシが交配したという説もあります。

日本国内で初めてイノブタが誕生したとされているのが、1970年の和歌山県です。県の畜産試験場で肉の安定供給とイノシシ肉の代用品を目的としてブタとイノシシを交配させました。現在和歌山県ではイノブタを使って町おこしをしており、『イノブータン王国』という擬似国を作ってPR活動をしています。

1998年(平成10年)になると北海道でもイノブタの生産が開始されたのですが、経営がうまくいかず、多くの養豚業者が撤退していきました。その際にイノブタを放置していたために、脱走して野生化しています。

この害獣の国内での生息地は把握できていないのが現状です。もちろんイノシシが生息できない北海道ではほぼイノブタですが本土や九州、四国に至っては正確な数は分かっていません。

ただしイノブタはイノシシよりも繁殖力が高いので今後増加していくことは間違いないでしょう。

2. イノブタの生態について

イノブタの生態に関するさまざまな情報を分かりやすく紹介していきます

イノブタの写真

この害獣の生態で最初に紹介するのは、繁殖力の高さです。普通のイノシシでしたら年に一回しか繁殖期が来ないのですが、イノブタは一年中繁殖期です。それもそのはず、イノブタは元々が食用の家畜ですので、高い繁殖力を持っているのは当たり前ですね。ちなみにイノブタの繁殖力は、イノシシの5倍と言われています。

次に紹介する生態は生息地域です。イノブタはある程度寒い地域でも活動出来ますので、北海道にいるとされるイノシシはイノブタであることが確認されています。

野生化したイノブタはイノシシと同じく農作物を食い荒らすので、非常に困った動物で、各自治体も対応に苦慮しています。見た目に関して言えば、胴体の長さは110㎝から170㎝、体重80㎏から150㎏、茶褐色の毛並みに口元には鋭い牙を持っています。飼育されているイノブタの見た目はブタに近い見た目ですが、野生のイノブタは見分けがつかないくらいイノシシによく似ています。

この害獣の生態で今後懸念されているのは亜種の誕生です。本来イノシシが生息できない北海道にも適応しているイノブタが、繰り返し交配していく過程で現在よりも寒さに強い亜種に変化する可能性があります。そうなってはさらに被害が拡大してしまいますので、それまでに徹底的に駆除する必要があります。

3. イノブタが及ぼしている被害状況

イノブタが及ぼしている被害状況について分かりやすく紹介します

イノブタが掘り起こした土の写真

この害獣による被害として最初に紹介するのは、植物への食害です。イノブタはイノシシと同じく植物の根を食べることがあります。丁寧に掘って食べてくれるとまだ良いのですが、イノブタは辺り全体を鼻と足を使って盛大に掘り起こしてしまうので、食べられた植物だけでなく、周辺の花なども枯れてしまいます。

とくにイノブタが多いとされている北海道では、花の栽培も盛んに行われていますので、被害面積や被害額が大きくなる可能性があります。

イノブタ被害として次に紹介するのは、イネへの食害です。イノブタによる農作物への被害は有名ですが、意外に知られていないのが稲や麦などへの被害です。イノブタは何でも食べる習性ですので、畑が電気柵などで覆われていると、水田にも侵入します。せっかく実った穂を食べられるのも痛いのですが、収穫直前に稲を倒されてしまうのでそれによる被害も深刻です。

この害獣による被害として最後に紹介するのは生態系への影響です。イノブタは非常に大きな害獣で森の中のありとあらゆる植物を食べてしまいます。そうなってしまうと他の動物が食べるべきエサが無くなり、森が荒れそれまでバランスが取れていた生態系が崩れてしまいます。

現在ではイノシシの被害が世間的に注目されていますが、その影でイノブタによる被害も拡大していますのでご注意下さい。

4. イノブタによる被害への対策方法

イノブタによる被害への対策方法や必要道具の詳細を簡単に紹介します

畑に設置された電気柵の写真

この害獣への対策で最初に紹介するのは、罠の設置です。一口に罠と言っても箱罠とくくり罠があるのですが、どちらも免許が必要になりますので、まずは自治体に相談して下さい。

対策方法は至って簡単で、イノブタが通りそうな場所や水辺に罠を設置しておくだけです。この対策方法はイノシシには効果があるのですが、イノブタにはあまり効果が見込めません。理由は定かではないのですが、イノブタはイノシシに比べ罠にかかりにくいのです。もちろん対策しないよりはした方がいいのですが、費用対効果を考えると電気柵の設置をお勧めします。

イノブタの被害にあいそうな畑や水田の周りに対策しておくことで、侵入を防ぐことが出来ます。ただし電気柵が雑草などの草木に触れていると漏電してしまい、効果が期待できないのでご注意下さい。また電気が流れている鉄線が地面より高すぎると地面を掘って侵入されますので、こちらも注意して設置しましょう。

この害獣への対策で最後に紹介するのは忌避剤の使用です。イノブタの嗅覚は人間の約8000倍と言われていますので臭いに対して非常に敏感です。

トウガラシやハーブなどを混ぜたものを吊るしておくことでイノブタを寄せ付けなく出来ます。初期費用も安く激しい雨が降らない限りメンテナンス不要ですので、高速道路への侵入防止にも使用されています。

5. 外来種害獣イノブタのまとめ

外来種害獣であるイノブタに関する情報のまとめとポイントのおさらい

歩いているイノブタの写真

この害獣に関する様々な情報をお伝えしてしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントをまとめます。

イノブタはイノシシとよく似ていますので、正確な頭数が把握できていないのが現状です。

被害状況もよく似ているのですが、イノブタの繁殖力はイノシシと比較にならないほど強いので、早めの対策が必須です。その際はまず忌避剤から使用してみることをお勧めします。

万が一自分で対策できない時は専門の業者に相談して下さい。

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