アルミサッシの断熱対策とは?費用相場・補助金・失敗しない選び方
公開日:2026.10.22
「アルミサッシの窓辺が、冬は寒くて夏は暑い」「結露もひどいけれど、ガラスだけ替えれば解決するのかがわからない」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
アルミサッシの窓は、フレームやガラスの断熱性によって、室内の快適さが変わります。寒さや暑さの原因に合わない対策を選ぶと、費用をかけても十分な効果を感じられないことがあるため、まずは窓の状態に合った方法を知ることが大切です。
そこでこの記事では、アルミサッシの断熱性が低いとされる理由から、自分でできる断熱DIY、専門事業者へ依頼できる工事の種類、費用相場や使える補助金制度、依頼先の選び方までを紹介します。
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アルミサッシの窓が冬は寒くて夏は暑い理由
アルミサッシの窓辺が寒かったり暑かったりする主な理由は、サッシのフレームに使われているアルミが熱を伝えやすい素材だからです。
環境省が発信する情報でも、アルミは熱を伝えやすい性質をもっている点が挙げられています※。
冬は外の冷たさがアルミのフレームを通じて室内側に伝わり、窓辺の温度が下がります。サッシ枠やガラスの表面が冷えると、室内の水蒸気が水滴に変わり、結露が発生することもあるでしょう。また、夏は外の熱がアルミのフレームを通じて室内側に伝わり、窓辺が暑くなりがちです。
一方、樹脂や木はアルミよりも熱を伝えにくい素材とされています。こうした素材をフレームに採用すれば、外気の影響を抑えやすくなります。
※参照元:「窓を賢く選ぶ時代へ(高性能窓)」環境省「ecojin」
関連記事:アルミサッシの結露がひどい!原因からDIY・リフォーム方法まで徹底解説
アルミサッシ・窓の断熱DIY3選【自分で対策】
アルミサッシ・窓の断熱DIYとして取り組みやすいのは、以下の3つです。
- 断熱テープ・隙間テープでサッシまわりの寒さを対策する
- 窓ガラスに断熱シートを貼る
- 断熱カーテンで窓際の冷気を遮る
それぞれの基本的な手順と注意点を解説します。なお、具体的な手順は製品によって異なるため、DIYの際は必ずパッケージ・取扱説明書を確認しましょう。
断熱テープ・隙間テープでサッシまわりの寒さを対策する
断熱テープと隙間テープは役割が異なるため、悩みに合わせて使い分けましょう。断熱テープはアルミサッシの室内側に貼り、サッシ枠から伝わる冷たさを和らげるものです。一方の隙間テープは、窓まわりの隙間から入り込む冷気(隙間風)を抑える目的で使います。
具体的な手順は製品によって貼り方が異なるため、パッケージ・取扱説明書に沿って行いましょう。基本的なDIY手順と注意点は以下の通りです。
<DIY手順>
- 雑巾でサッシの汚れと水分を拭き取る
- サッシの大きさに合わせてテープをカット
- サッシの端からテープを貼る
- 余分な部分を切り落とす
<注意点>
- 断熱テープと隙間テープでは貼り付けられる場所が異なるため、商品の使用条件を確認する
- 凹凸のある面や水分が残っている場所など、商品によっては貼り付けに向かない場所がある
- 貼りっぱなしにせず、汚れやはがれが出たら定期的に貼り替える
- 隙間テープを厚く貼りすぎると、窓が閉まりにくくなる
断熱テープ・隙間テープを貼るポイントは、アルミが露出する部分をなるべく残さないことです。選ぶ際は、必ず「貼れる素材・場所・厚み」を確認するようにしましょう。
窓ガラスに断熱シートを貼る
断熱シートは、窓ガラスに貼り付けて室内の熱が逃げるのを抑えるアイテムです。基本的な手順と注意点は以下の通りです。
<DIY手順>
- 雑巾などでガラスの汚れや水分を拭き取る
- ガラスのサイズに合わせて断熱シートをカットする
- 製品の説明に従って水や専用の接着剤を使い、シートを貼る
- 余分な部分を切り落とす
<注意点>
- ガラスの種類によっては熱割れのリスクがある
- 製品によってガラスの種類が定められていることがある
特に熱割れのリスクが懸念されるのは、網入りガラスやLow-E複層ガラスなどです。また、窓の日射条件などによっても熱割れのリスクは異なります。
使用前にシートの対応ガラスを確認し、判断が難しい場合は専門事業者へ相談しましょう。
関連記事:これって熱割れ?窓ガラスの熱割れの見分け方を解説!
断熱カーテンで窓際の冷気を遮る
断熱カーテンは、窓から室内へ伝わる外気の影響を抑える方法のひとつです。夏の日差しによる暑さが気になる場合は、遮熱性能を備えたレースカーテンなども役立ちます。ただし、断熱は「熱の出入りを減らすこと」、遮熱は「日射の熱をさえぎること」と目的が異なるため、季節や悩みに合わせて選びましょう。
取り付けは、既存のカーテンレールに掛け替えるだけのケースが多いですが、製品ごとに異なるため取扱説明書を必ず確認しましょう。注意点は以下の2つです。
<注意点>
- 厚手の生地が多く、部屋の暗さや圧迫感を感じる場合がある
- 丈や幅が足りないと、隙間から冷気や熱が入り込みやすくなる
掃き出し窓は床に届く丈、腰高窓は窓枠より少し長めの丈を選ぶと、カーテンと床・窓枠の間にできる隙間を減らしやすくなります。
アルミサッシの断熱DIYでよくある後悔
アルミサッシの断熱DIYで考えられる後悔は、主に以下の3つが挙げられます。
- 思ったほど寒さが変わらなかった
- ガラスの種類を確認せず断熱シートを貼ったら熱割れした
- 貼り方が甘く、シワや気泡が入って見た目が悪くなった
断熱テープや断熱シートを貼っても、サッシやガラス自体の断熱性能が変わるわけではないという点に注意しましょう。
サッシだけ、ガラスだけと部分的に対策した場合は、手を加えていない部分から熱が出入りするため、体感の変化は小さくなる可能性があります。
DIYは「まず試してみる」「工事までのつなぎにする」という使い方には向いています。寒さ・暑さ・結露を根本的に改善したい場合は、専門事業者の断熱工事を検討しましょう。
アルミサッシ・窓の断熱工事4選【専門事業者に依頼】
専門事業者に依頼できるアルミサッシ・窓の断熱工事は、主に以下の4つです。
※費用はいずれも目安です
工事によって、既存のサッシを残すかどうかや費用、工期が異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
カバー工法で既存の窓枠を残してサッシ・ガラスを交換する
カバー工法は、既存の窓枠を残し、その上から新しいサッシを被せて窓を入れ替える工法です。外壁や内装を壊さずに済むため、1か所あたり半日〜1日程度で工事が終わるケースが多いです。
窓の開け閉めの回数が変わらない点もメリットで、出入りの多い掃き出し窓に向いた方法です。一方で、枠を重ねるぶんガラス面が幅・高さともにやや小さくなる点には注意しましょう。
また、防火設備が必要な窓には施工が制限されることがあるため、カバー工法が採用できるかどうかは現地調査で確認してもらうことが大切です。
はつり工法で窓枠+サッシ+窓の両方を交換する
はつり工法は、既存のサッシを窓枠ごと撤去し、新しい窓に入れ替える工法です。アルミサッシから、断熱性の高い樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシなどに交換できます。
既存の窓枠を撤去するため、カバー工法のように新しい枠を重ねることで窓の開口部が小さくなることを避けられます。
ただし、窓枠を外す際に外壁の一部を削るなどの作業が必要になるため、外壁や内装の補修、施工場所によっては足場の設置が必要です。
工期は1か所あたり3日〜1週間程度かかる場合があります。
工事中は騒音や粉じんが発生するため、必要に応じて近隣へ工事日程を伝えておきましょう。
内窓を設置する
内窓の設置は、今ある窓の室内側にもう1つ窓を取り付ける工事です。既存のアルミサッシには手を加えず、外窓と内窓のあいだにできる空気層によって、外気の影響を受けにくくします。
内窓の設置で多いのは、既存の窓がアルミサッシで、内窓が樹脂サッシという構成です。熱を伝えにくい樹脂の内窓が、アルミサッシの弱点である冷えや結露を補う形になります。工事は1か所60分程度が目安とされ、サッシ交換を伴う「カバー工法」や「はつり工法」より工期が短くなりやすい方法です。
ただし、窓の開け閉めが2回になることと、掃除する面が増えることに注意が必要です。また、窓枠の奥行きが足りない場合は「ふかし枠」で枠を延長するため、室内側に出っ張る可能性も理解しておく必要があります。
関連記事:二重窓(内窓)リフォームの効果は?後悔しやすい点や費用相場・補助金を解説
ガラスを断熱性の高いものへ交換する
ガラス交換は、既存のサッシをそのまま使い、ガラスだけを「複層ガラス」のような断熱性の高いものに入れ替える工事で、工期は数日かかることもあります。
窓の見た目や開け閉めの回数が変わらない点がメリットです。ただし、アルミサッシ自体は残るため、フレーム部分の冷えや結露までは解消しにくいと考えられます。
サッシの状態や溝の幅によっては、希望するガラスが入らない場合もあります。取り付けできるかどうかは、専門事業者に現物を見て判断してもらいましょう。
アルミサッシの断熱対策にかかる費用相場と補助金
アルミサッシの断熱対策を検討する際は、以下の2点をセットで確認しましょう。
- 専門事業者にアルミサッシの断熱工事を依頼した際の費用相場
- アルミサッシの断熱工事に使える国の補助金制度
国の補助金を利用できれば自己負担を抑えられる可能性があるため、費用と制度の両方を把握しておきましょう。
専門事業者にアルミサッシの断熱工事を依頼した際の費用相場
上記はあくまで目安であり、ガラスやサッシの性能グレード、足場の有無、既存ガラスの処分費などによって追加費用が発生することがあります。正確な費用を把握するためには、現地調査を依頼し、窓の状態や工事内容を確認してもらうことが大切です。
アルミサッシの断熱工事に使える国の補助金制度
アルミサッシの断熱工事には、国の「住宅省エネ2026キャンペーン」の補助金を利用できる場合があります。窓の工事に関わる主な制度は、以下の2つです。
(2026年10月9日時点)
※平成29年以降に新築された住宅でも、所定の省エネ性能に関する条件を満たす場合は対象となることがあります。
先進的窓リノベ2026事業の対象は、一定の断熱性能を満たす登録製品を使った工事です。そのため、アルミサッシ単体の工事や対象製品として登録されていない窓・ガラスを使った工事は、補助の対象になりません。
みらいエコ住宅2026事業は、窓だけでなく住宅全体の省エネリフォームを支援する制度です。補助を受けるには、開口部+躯体(壁・床・天井など)の断熱改修といった、あらかじめ定められた組み合わせの工事を行う必要があります。
なお、同じ窓で2つの制度から重複して補助を受けることはできません。「先進的窓リノベ2026事業」の要件を満たす窓は、同事業の予算上限に達するまでは同事業へ申請する扱いです。
どちらの制度も、申請手続きは施主本人ではなく登録事業者が行い、2025年11月28日以降に着手した工事が対象です。交付申請の受付は遅くとも2026年12月31日までですが、予算上限に達した時点で終了するため、活用したい場合は早めの工事検討をおすすめします。
※参照元:「先進的窓リノベ2026事業」環境省
※参照元:「みらいエコ住宅2026事業【公式】」国土交通省
アルミサッシ・窓の断熱工事の専門事業者を選ぶ4つのポイント
アルミサッシ・窓の断熱工事を依頼する専門事業者は、以下の4つのポイントで選びましょう。
- 窓・サッシの断熱リフォーム実績が豊富か
- 現地調査のうえで具体的な見積もりを出してくれるか
- 利用したい補助金制度に対応している登録事業者か
- 保証・アフターフォローが用意されているか
窓の断熱工事は、窓ごとに適した工法やガラスが異なります。施工事例に自宅と似た窓や築年数の事例があるかを確認しましょう。内窓・カバー工法・ガラス交換を比較しながら提案してくれる専門事業者を選ぶと判断しやすくなります。
見積もりは、現地で窓枠の奥行きやサッシの状態を採寸したうえで出してもらうのが基本です。見積書が「商品代」「施工費」「追加工事(ふかし枠・足場など)」「出張費・諸経費」に分かれているかを確認しておきましょう。
工事後に「建付けが悪い」「隙間がある」といった不具合が出る可能性もあるため、施工に対する保証の期間と対象範囲を書面で出してもらうことをおすすめします。
アルミサッシの断熱に関するよくある質問
アルミサッシの断熱に関するよくある質問を紹介します。
- Q.賃貸でもアルミサッシの断熱対策はできる?
- Q.アルミサッシに断熱塗装をすると効果がある?
- Q.アルミサッシの断熱グッズは100均にもある?
それぞれ詳しく解説します。
Q.賃貸でもアルミサッシの断熱対策はできる?
まず管理会社や大家さんに相談しましょう。無断でDIYや工事を進めるのは避け、許可を得てから専門事業者に依頼することが大切です。
賃貸住宅でも、断熱カーテンや、はがせるタイプの断熱テープ・シートなど、元の状態に戻せる範囲の対策は取り入れやすいでしょう。ただし、粘着剤の跡が残ると退去時にトラブルになる可能性があるため、目立たない場所で試してから使うのが無難です。
Q.アルミサッシに断熱塗装をすると効果がある?
アルミサッシに断熱塗料を塗る「断熱塗装」は、サッシ表面の温度差を小さくし、結露を抑える効果などが期待できるとされています。
ただし、塗装で変わるのはサッシの表面で、ガラスや窓の構造そのものは変わりません。そのため、窓際の寒さ・暑さを大きく改善できるとは言い切れず、断熱窓への交換や内窓の設置などと同じ効果を期待するのは難しいでしょう。
断熱が主な目的であれば、ほかの工事と比較して検討しましょう。
Q.アルミサッシの断熱グッズは100均にもある?
ダイソーなどの100円ショップでも、隙間テープや断熱シートなど、窓まわりの寒さ対策に使える商品が販売されている場合があります。
ただし、商品によって用途や使用できる場所、サイズが異なるため、自宅の窓やサッシに使用できるかを確認して選ぶことが大切です。
選ぶ際は、パッケージの表示で「金属サッシに貼れるか」「使えるガラスの種類」を確認して選びましょう。なお、取り扱い商品は店舗や時期によって異なります。
アルミサッシの寒さ・暑さを根本改善するなら専門事業者に相談を
アルミサッシの窓が冬は寒く夏は暑いのは、アルミが樹脂や木に比べて熱を伝えやすく、サッシが「熱の通り道」になるためです。断熱テープやシート、断熱カーテンなどのDIYは手軽に始められますが、サッシやガラス自体の性能は変わらないため、効果は限定的です。
アルミサッシの寒さや暑さ、結露を改善したい場合は、窓の状態に合わせた断熱工事を検討しましょう。
内窓の設置やサッシ・ガラスの交換など、適した工事方法は窓の構造や予算によって異なるため、まずは専門事業者に相談することをおすすめします。
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