脱衣所・洗面所が寒い理由は?寒さが引き起こす健康リスクや対策方法をご紹介!
公開日:2025.1.7
冬になると脱衣所や洗面所が寒くてお風呂に入るのが億劫になりますよね。
この記事では、脱衣所が寒い理由、手軽にできる対策方法をご紹介します。
寒さによるリスクや根本的な改善方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
冬になると脱衣所や洗面所が寒くてお風呂に入るのが億劫になりますよね。
この記事では、脱衣所が寒い理由、手軽にできる対策方法をご紹介します。
寒さによるリスクや根本的な改善方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
脱衣所・洗面所が家の中でも特に寒さを感じやすいのは、おもに4つの理由が考えられます。
①断熱性能が低い
壁や床の断熱性能や気密性能の低さが寒さの原因となります。
脱衣所などの水回りの床下は、配管スペースになっていることが多いです。このようなスペースは断熱処理が不十分になりやすく、結果として建物の断熱性能は下がってしまいます。
②日当たりが悪い
リビングのように長い時間を過ごす部屋は、日当たりの良い南側に配置される傾向にあります。一方で、脱衣所や洗面台のような水回りは、日当たりが悪い北側に配置されるケースが多いです。
日差しがほとんど当たらないため、日中でも自然に温まることは難しくなってしまいます。
③換気扇から冷気が入りやすい
浴室からの湿気の影響を受けやすいため、脱衣所にも換気扇が設置されていることがあります。換気扇が稼働すると屋内の空気は外に排出され、それに伴い屋外の冷たい空気が室内へ流入します。
ほかにも、換気のために設けられた窓から冷気が入ることも、脱衣所が冷える原因です。
④暖房の熱が届きにくい
リビングでは暖房器具を使用していても、温かい空気が廊下をつたって脱衣所に届くことはほとんどありません。他の部屋には暖房器具があっても、脱衣所には専用器具を置いていない家庭も多いことでしょう。
このような住宅事情もあり、脱衣所は寒さを感じやすい空間となっています。
脱衣所・洗面所が寒いことで、さまざまな悪影響を及ぼします。
人体が急激な温度変化にさらされると、血圧が大きく変動して心筋梗塞や不整脈などの発作(=ヒートショック)を引き起こすことがあります。
寒さで血管が収縮しているとき、熱い浴槽に浸かると血管が急速に拡張して血圧が低下し、心臓や血管に大きな負荷がかかります。
反対に、お風呂で体が温まった後に寒い脱衣所に移動することでも、急激な温度変化により同様の症状が起こりえます。
脱衣所周りでこのヒートショックに見舞われると、失神からくる転倒や、溺水による死亡事故の原因となることに注意が必要です。
入浴が関連する事故は、溺死以外にも病死として分類されるため、ヒートショックの実態は詳しく把握されていません。しかし、過去に東京都健康長寿医療センター研究所が行った調査では、年間17,000人がヒートショックに関連して急死したと推計されています。そのため、脱衣所の寒さは家庭内にひそむリスクといえるでしょう。
脱衣所が寒いと血管の収縮により血行不良になりやすく、冷え性など健康への影響があります。
また、寒さで湯冷めし、風邪も引きやすくなることもあります。小さな子供がいる家庭でも注意が必要です。
脱衣所の寒さは、日常生活における行動にも影響を及ぼします。暖かいリビングから、寒い脱衣所へ移動するのが億劫に感じた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
入浴や歯磨きが後回しになる生活が積み重なると、体臭や虫歯の原因となってしまいます。
脱衣所の寒さを放置すると、ヒートショックなどさまざまなリスクがあります。そこで、簡単に取り組める脱衣所の寒さ対策をご紹介します。
最も簡単にできる寒さ対策として、入浴前に脱衣所を温めておく方法があります。
以下の方法で簡単に脱衣所を温められます。
・換気扇を止めて温かい空気が逃げないようにする
・湯船にお湯を張っている間は浴室のドアを開けておき、脱衣所にも湯気が届くようにする
換気扇を止めてしまうとカビが生える原因になるのではと心配される方も多いですが、短時間であれば大きな問題にはならないと考えられます。
床の冷たさが気になる場合には、マットを敷きましょう。吸水性に優れたマットを選べば、濡れたままの足で体を冷やすことなく過ごせます。
また、シャワーマットを浴室内に敷くこともおすすめです。足元からの冷気を遮断するだけでなく、子供や高齢者の転倒防止にも役立つでしょう。
ただし、床に敷いたままにするとカビやダニが発生する恐れがあります。使用後は風通しの良い場所でしっかりと乾燥させましょう。
しっかりと脱衣所を温めたいなら、セラミックファンヒーターや遠赤外線ヒーターなどの暖房器具を利用すると効果的です。
足元に置くタイプや壁掛け式なら工事不要なので、すぐに設置できます。
しかし、扱い方によっては火災事故の原因となるため注意してください。消し忘れを防ぐため、オートオフ機能や人感センサーの付いた製品もおすすめです。
窓のある脱衣所では、断熱シートやカーテンなどで窓からの冷気を防ぎましょう。フィルムや気泡緩衝材でできた断熱シートを貼るだけなので、DIYでも手軽に対策できます。
また、厚手の断熱カーテンも冷気が流入することを防いでくれるのでおすすめです。寒さをしっかりと防ぐため、窓のサイズより少し大きいデザインを選ぶと良いでしょう。
セラミックヒーター
脱衣所の寒さを根本的に改善するなら、断熱リフォームが効果的です。
窓は室内外の熱交換が起こりやすい箇所なので、断熱性能の高い窓にリフォームするのがおすすめです。
古い住宅では、単板ガラスとアルミサッシが使用されていることが多く、断熱性能はあまり高くありません。そのため、複層ガラスやトリプルガラス、樹脂サッシなどにリフォームすれば、冷たい空気の侵入を抑えることが可能です。
また、既存の窓にもう1枚窓を追加して二重窓にする方法もあります。
床や壁に発泡ウレタンなど機密性の高い断熱材を使用すると、床下や壁からの冷気が軽減されます。
ただし、施工箇所の状態によっては費用がかさむ点にご注意ください。特に、壁の断熱リフォームでは既存の壁をいったん取り壊さなければなりません。
そのため、費用と工費を考慮しながらプランを立てると良いでしょう。効率的にリフォームするなら、浴室とまとめて工事するのもおすすめです。
間取りを変更して脱衣所の寒さを解消する方法もあります。
リビングと脱衣所の間に廊下がある間取りであれば、壁を撤去してリビングと隣接させることで、リビングからの温かい空気が脱衣所へ伝わりやすくなります。
脱衣所以外の各部屋の温度差を解消できる可能性もあるので、大規模リフォームを行う際には間取り変更も検討しましょう。
脱衣所や洗面所の断熱リフォームをDIYで行うことはあまりおすすめできません。その理由と、リフォーム業者へ依頼するメリットを解説します。
DIYは費用を抑えられる一方、断熱材を間違った工法で取り付けてしまい期待する効果が得られないといった落とし穴があります。
作業に時間がかかり、うまくいかなかったときにはリフォーム業者へ再施工を依頼せざるを得なくなります。費用がかさむケースも少なくないため、最初からプロにお任せしましょう。
リフォーム業者は豊富な知識と経験を活かして、適切な断熱工事を行います。
断熱材の選定から施工までトータルでお任せでき、DIYよりも仕上がりが確実で安心感があります。
さらに業者によってはアフターサービスやメンテナンスにも対応してくれるので、長期的にも安心して過ごせる環境を整えられるでしょう。
リフォーム業者へ依頼する際は、複数の業者から見積もりをとりましょう。
工事費用や施工内容、アフターサービスの有無などを比較し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。その際は金額だけではなく、過去の実績や口コミ・評判なども確認しましょう。