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夏型結露の対策とは?屋根裏や壁の裏で起こる「内部結露」の原因を解説

公開日:2025.8.27
夏型結露の対策とは?屋根裏や壁の裏で起こる「内部結露」の原因を解説

「結露」と聞くと窓ガラスに水滴がつく様子をイメージしがちですが、実は暑い季節には目に見えない場所で発生する夏型結露(内部結露)にも注意が必要です。
夏型結露は、外の高温多湿な空気が天井裏や床下、壁の内側などに入り込み、冷えた建材に触れることで内部に発生します。放置すると住宅の耐久性を損ない、カビやダニの繁殖によってアレルギーなど健康被害を招く恐れがあります。

本記事では、夏型結露のメカニズムや放置によるリスク、24時間換気などすぐにできる夏型結露対策、さらにリフォームによる根本的な解決方法までをわかりやすく解説します。

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1.夏型結露とは?

天井裏や床下・壁の裏などで発生し「内部結露」とも呼ばれる結露

木製の壁の写真

夏型結露とは、梅雨から夏にかけて発生する、目に見えにくいタイプの結露です。天井裏や床下、壁の中など、普段の生活では確認しにくい場所で発生するため、「内部結露」とも呼ばれています。

結露というと、冬に窓ガラスに水滴がびっしりつく様子を思い浮かべる方も多いでしょう。これは「表面結露」と呼ばれるもので、見た目にもわかりやすくタオルで拭き取って対処できます。それに対して夏型結露(内部結露)は家の構造内部で起こるため気づきにくく、建材を傷めてしまうリスクが高いのです。

夏型結露が起こる原因は、蒸し暑い外気が冷やされた室内や構造部分に触れて発生する温度差です。例えば、屋外が30度で湿度が高い日に、エアコンで室内や天井裏が26度ほどに冷えていると、空気中の水蒸気が冷やされて水滴になります。これが結露です。

空気中の水蒸気の粒は非常に小さく、建材のすき間を通り抜けて内部まで入り込みます。その過程で冷やされて水滴となり、壁の中や床下でじわっと水分として溜まっていきます。これにより木材が腐食したり、カビの発生源になったりする恐れがあります。

夏型結露は、気づいたときにはすでに家の劣化が進んでしまっているケースもあるため、早めの予防や定期的な点検が重要です。

2.夏型結露を放置するとどうなるか

カビやダニが発生しやすくなりヒトや家などに悪影響をもたらす

ダニやホコリなどハウスダストのイラスト

夏型結露を放置すると、人の健康だけでなく家の寿命にもさまざまな悪影響を及ぼします。

まず大きな問題はカビの発生です。湿度が高い夏はカビが繁殖しやすい季節といわれています。結露によって建材や断熱材に水分がしみ込むと、見えない部分でカビが広がり、それを吸い込むことでアレルギー症状や咳、鼻づまり、ぜんそくなどの呼吸器トラブルを引き起こす恐れがあります。

また、ダニの繁殖も深刻な影響のひとつです。湿気が多い環境はダニにとって快適なすみかとなり、死骸やフンが空気中に混ざることで、アレルギーや皮膚のかゆみ、ぜんそくなどの原因につながります。特に小さな子供や高齢者のいる家庭では注意が必要です。

さらに、建物へのダメージも無視できません。結露による水分は木材や石膏ボード、断熱材にしみ込み、腐食や劣化を進行させます。木造住宅では柱や梁の強度が低下し、耐震性に影響を及ぼす可能性もあります。気づいたときには補修に多額の費用がかかるケースも少なくありません。

こうしたリスクを防ぐためには、早めの夏型結露対策が不可欠です。 目に見えない現象だからこそ、夏の住まいでは内部の湿気にも意識を向けることが大切です。

3.夏型結露への対策

24時間換気をして通気性をよくする

住まいの浴室24間換気システムと浴室換気乾燥機の写真

夏型結露を防ぐうえで大切なのは、湿気を溜め込まないことです。そのためには、家の中に新鮮な空気を取り入れ、湿った空気を外に逃がす換気を意識的に行う必要があります。

2003年の建築基準法改正により、新築住宅では換気設備の設置が義務化され、室内の空気を少しずつ入れ替えるよう設計されています。本来はシックハウス対策として導入されたシステムですが、実は湿気やカビ・ダニの予防にも効果的です。

特に夏は、外の蒸し暑い空気が壁の中に入り込み、冷房で冷えた構造部分に触れることで結露が起こりやすくなります。こうした目に見えない湿気を溜めないためにも、24時間換気は重要な役割を果たします。空気がよどまずに流れ続けることで室内の湿度が一定に保たれ、結露の原因となる湿気を減らすことができます。

さらに、換気を補助する工夫として、窓を定期的に開ける、扇風機やサーキュレーターで空気を動かすといった方法も有効です。対角線上の窓を2ヶ所開ける、換気扇をこまめに使うなど風の通り道を意識すれば、より効率的に湿気を外へ逃がせます。

夏型結露は気づきにくいため、日頃から換気を心がけて空気の通り道を整えることが予防につながります。

4.夏型結露の根本対策にはリフォームがおすすめ

透水機能つき防湿シートやクロスが有効

リフォームのイメージ画像

夏型結露の対策として「換気」を紹介しましたが、家の構造そのものに働きかける根本的な夏型結露対策としては、リフォームが非常に効果的です。

おすすめは透湿機能をもつ建材の導入です。代表例としては、壁の中に施工される防湿シートがあります。これを透湿機能付きの防湿シートに変えることで、外からの湿気は通さず、室内から発生した湿気だけを外へ逃がせるようになります。まるで一方通行のように湿気を排出できる素材で、壁内部の湿気こもりを防ぎ、結露の発生を抑えられます。

また、内装仕上げ材として使うクロス(壁紙)にも、透湿性に優れたタイプがあります。一般的なクロスと異なり、空気中の湿気が過剰に壁内へ溜まらないよう自然に逃がすため、見えない結露リスクを和らげる効果が期待できます。

さらに、古い住宅に多い「直張り」と呼ばれる外壁構造では、壁の中に空気の通り道(通気層)がない場合もあります。そうした住まいでは、外壁リフォームの際に外壁通気工法を取り入れるのがおすすめです。壁内に空気が流れる空間を確保することで湿気を効率よく逃がし、結露によるダメージを防ぎやすくなります。

大掛かりな工事になることもありますが、長期的には住宅の寿命を延ばし、健康被害や修繕費のリスクを減らす有効な方法です。 夏型結露に悩まされている場合は、リフォームを検討してみるのもひとつの選択肢といえるでしょう。

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