火災保険でカーポートの修理は可能?保険の適用条件や補償の範囲を解説
公開日:2024.8.27
カーポートの屋根が損傷してしまうと、修理費用が負担となって困りますよね。実は、火災保険を利用すれば、カーポートの修理費用を補償してもらえる場合があるのをご存じでしょうか。
この記事では、火災保険を適用してカーポートを修理する手順や適用条件について解説します。
カーポートの屋根が損傷してしまうと、修理費用が負担となって困りますよね。実は、火災保険を利用すれば、カーポートの修理費用を補償してもらえる場合があるのをご存じでしょうか。
この記事では、火災保険を適用してカーポートを修理する手順や適用条件について解説します。
火災保険の対象となるのは、規定された自然災害によってカーポートが被害を受けた場合です。規定された自然災害とは、風災・雪災・雹災・落雷などを指します。
風による被害を指す風災では、台風や暴風雨・突風・竜巻などの強風によって受けた被害が保険適用の対象です。
強風でカーポートの屋根が飛ばされたケースや、強風で飛ばされてきた瓦などの飛来物が原因で破損したケースなどに申請できます。
雪災とは、大量の降雪により積もった雪が原因で生じた事故や、雪の落下・雪崩で発生した損害です。
カーポートが雪の重さや雪崩の圧力に耐えられず、倒壊・破損した場合などに申請できます。
雹災は、空から降ってきた雹が原因の被害です。雹がぶつかった衝撃でカーポートが破損した場合などに申請できます。
これらの自然災害で火災保険を申請する際には、被害状況を証明できる写真が必要になるため、修理を行う前に撮影しておきましょう。
火災保険では補償の対象期間を、被害を受けたときから3年以内と定めている場合がほとんどであるため、それまでに申請する必要があります。
期限内であれば修理済みであっても申請できるので、未申請の損害がある場合は、被害が発生してからの期間を確認してみましょう。
また、自然災害が原因ではなく、経年劣化や施工不良が原因と判断されると火災保険の適用は受けられないので注意してください。
カーポートの被害金額が20万円未満の場合には注意が必要です。
火災保険を契約してから条件の見直しをしていない場合には、風災補償がフランチャイズ方式での契約になっているケースが多く見られます。
フランチャイズ方式とは、損害額が20万円以上かかった場合のみ、保険金が支払われる契約です。被害金額が20万円未満の場合には保険金は支払われず、20万円以上かかった場合に全額支払われます。
ただ、最近の火災保険では、フランチャイズ方式よりも、免責方式での契約が多い傾向にあります。
免責方式とは、契約時に3万円や5万円などの免責金額を設定しておき、被害が生じたときに損害額から免責金額を差し引いた金額が補償される契約です。
免責方式では20万円以上の損害額でも、一定の免責金額を差し引いて支払われる点が、フランチャイズ形式と異なります。
損害額が30万円だったケースでの例を挙げると、フランチャイズ方式では30万円が支払われ、免責金額5万円の免責方式では25万円が支払われます。
また、火災保険の補償内容から、対象の自然災害による損害が外されていると補償が適用されない点にも注意が必要です。
過去には風災や雪災などによる補償を外せない火災保険がほとんどでしたが、現在では必要に応じて外せる火災保険もあります。
修理を受ける前に、現在の適用条件がどうなっているのか、保険証券で確認しておきましょう。
カーポートの修理で火災保険の適用を受けるための手順として、まず、修理業者に調査を依頼する必要があります。
契約している火災保険の内容で、適用対象になるかを判断する際には、専門家である修理業者の意見を参考にしましょう。これまでの経験や実績から、ある程度のアドバイスはしてもらえるでしょう。
ただし、最終的な判断は保険会社が行うため、修理業者の意見が必ずしも正しいとは限りません。期待する金額が補償されない可能性もあるため、早合点しないように気を付けましょう。
火災保険の適用が受けられると判断できたら、保険会社へ申請を行います。
保険会社に被害を受けた旨を連絡すると、申請に必要な書類が送られてきます。申請に必要な主な書類は、火災保険請求書・調査報告書・被害を受けた状態がわかる写真・修繕費用見積書などです。
写真は自分でも用意できますが、修理業者に撮ってもらっても構いません。修繕費用見積書は業者に用意してもらえます。
申請を受けた保険会社は、書類と相違がないか現地で調査を行います。
保険会社の現地調査を受けて、最終的な保険金額が決まるのが一般的な手順です。
保険会社の審査を通過すれば、契約者の指定口座に保険金が振り込まれます。
納得のいく査定結果が出なかった場合、自然災害による補償範囲であると客観的に証明する資料を追加で用意すれば、火災保険の条件を満たせる場合があります。
自分で用意するのが難しい場合は、火災保険申請のサポート業者に依頼して、損害調査報告書を作成してもらうのがおすすめです。
それでも結果が変わらなかった場合は、保険会社のお客様センターへ連絡しましょう。
直接の担当者だけでなく、火災保険会社全体によって査定を見直した結果、納得がいく保険金がおりる可能性があります。
さらに、契約している火災保険会社のカーポートの損害に対する査定結果に納得できなかった場合には、そんぽADRセンターへの相談も可能です。
そんぽADRセンターとは、損害保険全体を管轄する日本損害保険協会に設置されたお客様対応窓口で、火災保険を含む損害保険全般に対する相談に対応しています。
相談料や解決手続きにかかる費用は原則的に無料で、中立の立場で対応してもらえるため、安心して相談できるでしょう。
修理の出来栄えだけでなく、火災保険を適用できるかを判断する際にも、業者の力量に左右される部分があります。
できるだけ無駄な費用をかけずに、しっかりと修理してもらうには、業者選びが重要です。
安心して任せられる優良な業者を選ぶために、複数の会社から同じ条件で見積もりをとる方法をおすすめします。
カーポートの修理を依頼するには、状況確認のために業者に現地調査をしてもらう必要があります。
何度も日時を調整して立ち会うのは大変であるため、最初に相談した業者に依頼するケースがほとんどです。
しかし、1社だけの見積もりでは修理内容と価格が適正であるか否かの判断はできません。必要がない箇所まで修理されたり、不当な価格設定が行われていたりする可能性があります。
比較検討するためには、少なくとも3社以上の業者に見積もりを出してもらうとよいでしょう。
見積もりの内容に差があった場合は、それぞれの業者にその理由を確認しましょう。
納得できる理由があれば問題はなく、こちらからの疑問に対する反応から、仕事に対する業者の誠実さも判断できます。電話や現地調査でのやり取りで、不安や不快感を覚える業者は避けたほうが無難です。
また、アフターフォローが不十分だと、何か問題が発生しても対応してもらえません。修理工事にアフターフォローのサービスがついているかの確認も忘れずにしておきましょう。