片流れ屋根の雨漏り修理!原因や対策方法、費用相場などをご紹介します
公開日:2022.12.15 更新日:2024.4.12
片流れ屋根は見た目もおしゃれで、特に平家の場合は高い位置に窓を作れるため、採用されることがあります。しかし、一方で雨漏りしやすく、適切なメンテナンスを行うことが大切です。
今回は片流れ屋根の雨漏り事例や原因、対処方法、費用相場について解説します。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
片流れ屋根は見た目もおしゃれで、特に平家の場合は高い位置に窓を作れるため、採用されることがあります。しかし、一方で雨漏りしやすく、適切なメンテナンスを行うことが大切です。
今回は片流れ屋根の雨漏り事例や原因、対処方法、費用相場について解説します。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
片流れの屋根は住宅を建てる上で、様々なメリットがあります。具体的には以下のものです。
・見た目がおしゃれになる
・採光を取りやすい
・建築コストが安い
・太陽光発電を広く設置できる
また、平家の家を建てたいと考える人は採光だけではなく、屋根裏を広く取れることからも人気があります。
しかし、その反面片流れ屋根他の屋根の形状と比べると雨漏りしやすいです。屋根そのものからの雨漏りだけではなく、外壁からの雨漏りも片流れ屋根が間接的に影響を与えています。
住宅瑕疵保険会社の調査によると片流れ屋根からの雨漏りは新築の中でも特に多いといわれているものです。詳しい原因は後で解説しますが、片流れ屋根は他の屋根と比べると雨水の影響をより受けやすい構造をしています。
雨漏りは住宅の劣化を招くため、場合によっては深刻なトラブルを招くことがあります。住宅の躯体にダメージを与え、住宅の寿命にも影響します。
そのため、片流れ屋根の住宅を建てたい場合は、見た目のおしゃれさだけで考えるのではなく、雨漏りのリスクを踏まえ、適切な対策を整えておくことが大切です。
片流れ屋根から雨漏りする原因は、雨水が外壁と屋根に集中してしまうためです。
通常の切妻や寄棟の屋根の場合、屋根の面が2つまたは4つあるため、雨が降ったとき雨水を4つや2つに分散して排水します。しかし、片流れ屋根の場合1面に雨が集中してしまうのです。
そのため、片流れ屋根の場合、雨による劣化が切妻や寄棟の場合よりも早くなってしまいます。
片流れ屋根は外壁にも悪影響を与えます。片流れ屋根の場合、軒が外壁の1面にしかないためです。
通常切り妻や寄棟の場合、2面または4面の軒があります。軒は外壁を雨から保護する役割があり、雨水の影響を少なくする役割があるのです。
片流れ屋根の場合、おしゃれさを重視すると、片流れのサイドの部分や棟の部分は雨が外壁に直接当たってしまいやすくなります。特に棟部分は棟に当たった雨水が屋根から外壁に直接伝ってしまいやすいです。
以上のことから、片流れ屋根は他の屋根と比べると、新築での雨漏りリスクが高くなっています。特におしゃれさばかりを重視していると雨漏りのリスクは高まります。
そのトラブルを予防するためには、予め対策を整えておくことが大切です。次項で、詳しく解説します。
片流れ屋根は他の屋根と比べると雨漏りが起こりやすい部分です。しかし、適切な工事方法を守っていれば、新築を建ててすぐに雨漏りするということは避けられます。
具体的な対策としては、以下のものがあります。
・棟部分の伝い水の対策を整えておくこと
・換気できる構造を整えておくこと
・屋根と外壁の接合部に注意すること
以上を心がけましょう。
棟部分は片流れ屋根の場合、屋根から外壁に向かって雨水が流れる構造になっています。そのため、その部分は特に防水対策が必要な部分です。
おすすめの方法は、屋根の頂点部分は透湿ルーフィングを使ってきれいに覆ってしまうことです。透湿にしておくことで湿気が溜まることも避けられます。
水切り板金や破風板を立ち上げることで対策する方法も選択肢です。
換気しやすい構造になっていることも大切です。住宅に送風ファンなどを取り付け、換気対策をしておきましょう。
また、屋根と外壁部分の接合面は雨水が集中しやすいため、雨水が入っていないか、重点的に確認したい部分です。
これらの部分の対策をしっかりとした上で、こまめなメンテナンスを行いましょう。
片流れ屋根は劣化が早いため、他の屋根よりも早めの塗装を検討してください。塗装をしておかなければ屋根から防水性が失われ、雨水が入ってしまう可能性があります。
雨漏りを放置すると修理費用が膨大になる可能性もあるため、早めの確認が大切です。
片流れ屋根は特に雨漏り対策が欠かせない部分ですが、施工不良により雨漏りが起こりやすい部分でもあります。
そのため、数年程度で雨漏りが起きてしまった場合、施工業者の保証や住宅瑕疵保険の内容でカバーすることが可能です。その場合は、自分で費用を負担する必要はありません。
雨漏りは放置しておくと、被害が拡大し、取り返しがつかないことになる可能性もあるため、雨漏りを確認したら早めに施工業者や住宅瑕疵保険の会社に連絡するようにしましょう。
しかし、10年以上経過している場合は、保証の対象外となるため、自分自身でのメンテナンスが必要になります。
屋根材の種類や面積にもよりますが、塗装を行う場合は、大まかに50万円から80万円ほどの費用がかかります。別途補修が必要になることもあるため、予め屋根の状態をしっかりと確認してもらいましょう。
また、屋根塗装を行う場合は合わせて外壁塗装を行うことがおすすめです。
外壁塗装も屋根塗装も仮設足場を組む必要があり、その費用は10万円から20万円ほどかかります。そのため、屋根と外壁のメンテナンスを合わせて行うことで、費用負担も軽くなります。
また、外壁塗装や屋根塗装はそれぞれ1週間から2週間ほどかかる工事です。合わせて行うことで、これらによる心理的な負担も軽くなります。
この記事は片流れ屋根の雨漏り事例、原因、対処方法、費用相場について解説しました。
片流れ屋根は人気が高い屋根の作り方ではありますが、雨漏りがしやすいという大きなデメリットがあるため、対策をしておくことが欠かせません。この記事を参考に、片流れ屋根の雨漏りの被害を最小限に抑えられるよう対策しておきましょう。