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屋根リフォームのカバー工法とは?メリットや適切な時期について詳しく解説

公開日:2023.7.28 更新日:2024.4.22
屋根リフォームのカバー工法とは?メリットや適切な時期について詳しく解説

屋根が傷んできたら、そろそろ屋根リフォームを考える時期かもしれません。屋根が経年劣化すると、雨漏りしてしまう場合もあります。

今回この記事では、屋根をリフォームする手段のひとつ「カバー工法」について、メリットや行うタイミングなどを詳しく解説します。


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1.屋根リフォームのカバー工法とは?

屋根の上を新しい屋根で覆うカバー工法

カバー工法で屋根リフォームを行っている絵

屋根のカバー工法とは、今ある屋根の上に新しい屋根を載せて補うリフォーム方法のことです。
経年劣化による屋根の痛みや雨漏りの際に有効で、屋根の上に屋根を重ねて葺くため、「葺き」という名前で呼ばれることもあります。

屋根のカバー工法の施工の流れは、以下の通りです。

1.棟板金の撤去
棟板金とその下に設置された貫板、また雪止めがある場合は取り外します。
撤去する建材は、多くてもこの3つのみ、というのが大きなポイントです。

2.アスファルトルーフィングを敷く
今ある屋根の上に、アスファルトルーフィング(防水剤)を10センチほど重ねて敷きます。
こうすることで、屋根の下に雨水が入り込んでしまった場合でも侵入を確実に防ぐことができるのです。

3.下地と屋根材の設置
アスファルトルーフィングの上に、下地・屋根材を設置します。
使用する屋根材は様々ありますが、軽量の素材であれば地震の際も安心できるでしょう。

4.貫板の設置
貫板を設置し、両側の隙間に防水用スポンジを貼り付けて雨水の入り込みを防ぎます。

5.コーキング処理
板金の境目にコーキング処理を施し、固まったら屋根のカバー工法の完了です。


カバー工法は、元々ある屋根に重ねて敷くことになるため、工期が短く工事費が抑えられるのがポイントです。
また、廃材は、棟板金・貫板、雪止め(ある場合)のみとなっており、廃材撤去費用も他の工法に比べて安く済みます。
アスベストを含んだ建材を使用している場合も、廃材の少ない屋根カバー工法であれば問題なく作業できるでしょう。

2.カバー工法のメリット・デメリット

屋根のリフォームをカバー工法で行うと低コストで済む

メリットとデメリットのイメージ写真

【屋根カバー工法のメリット】

・工事費用が他の工法に比べて安い
屋根のカバー工法の大きなメリットは工事のコストを抑えられることです。
全面的な屋根リフォームではかなりの費用がかかってしまいますが、古い屋根をそのままにしておけるカバー工法の場合は撤去費用などが格段に抑えられるのです。

・工期が短い
カバー工法にかかる工期は、大体7日~10日ほどです。
「とにかく早く工事を終わらせてほしい」という場合はもちろん、短い工期で費用を安く抑えたい方にも最適と言えるでしょう。

・断熱効果の向上
カバー工法は屋根の上に屋根を重ねるため、厚みが2倍になり断熱効果も高まるのです。断熱材付きの金属屋根を使用すれば、さらに高い断熱効果が期待できるでしょう。

・野地板の結露防止
野地板は屋根全体を支える役割を持っていますが、結露によって腐ってしまうことがあり、そうなると屋根を支える力が弱まってしまいます。
カバー工法は野地板の結露防止効果もあるため、下地を含めた屋根の劣化を予防することができるでしょう。

・構造材を傷める心配がない
屋根を固定している釘などを無理に撤去してしまうと、屋根全体を傷めてしまう原因となります。
その点、カバー工法であれば廃材撤去を最小限に抑えられるため、屋根を痛めてしまう心配がありません。

【カバー工法のデメリット】

・屋根が重くなる
新しい屋根を重ねるカバー工法では、屋根全体が重くなってしまいます。耐震性への影響は大きくありませんが、アンバランスな建物には適していません。

・かん合式のでは全体の修理が必要
屋根同士を引っ掛けて敷き詰める「かん合式」の場合、一部だけ修理することは困難です。そのため、修理箇所が一箇所であったとしても全体の修理が必要となります。

・依頼先が限られる
板金工の慢性的な人手不足に加え、カバー工法ができる職人さんは限られているのが現状です。カバー工法を検討している場合、まずは板金業者に問い合わせてみましょう。

・長期的にみると難しい場合も
カバー工法は屋根を新しくする工事ではありません。元々の屋根はそのままにしておくため、これから20年、30年と長期的にみた場合には適していないこともあります。

3.カバー工法ができる屋根の種類は?

瓦の屋根はカバー工法ができません

カバー工法ができるスレート屋根の住宅の写真

様々なメリットがあるカバー工法ですが、残念ながら全ての屋根でできるわけではありません。
屋根材の種類によっては、カバー工法が行えない場合もあります。カバー工法ができる・できない屋根は以下の通りです。

【カバー工法ができる屋根】
・スレート屋根
スレート屋根とは、セメントを中心に補強繊維質などを混ぜ込んだ屋根材のことです。厚みは大体5ミリほどで、現在の新築住宅のほとんどに使用されています。
高い品質、性能に加えて価格も比較的手頃で、コスパが良いと人気です。

・瓦棒屋根(金属屋根)
瓦棒屋根は、他の屋根材に比べて軽量なのが特徴です。
カバー工法では、どうしても屋根が重くなってしまいますが、軽量の瓦棒屋根であれば影響が少ないでしょう。

・アスファルトシングル
日本ではあまり多くありませんが、カナダや米国では広く使用されている屋根材です。ガラス繊維を基にした素材にアスファルトを配合しています。
表面を砂粒で着色するためパターンが豊富で、おしゃれな洋館といったイメージを醸し出してくれます。

【カバー工法ができない屋根】
・瓦屋根
和瓦やセメント瓦といった瓦系の屋根の場合、カバー工法ができません。
なぜなら、元々重量のある瓦屋根にカバー工法で屋根を載せてしまうと、耐震性・耐久性に影響が出てしまい危険だからです。
お住まいの屋根が瓦屋根だった場合、葺き替えを検討するのがおすすめです。

4.カバー工法と葺き替えの違いとは?

築年数やこれから住み続ける年数によって最適な方を選びましょう

カバー工法で屋根のリフォームを行う事業者の写真

屋根リフォームの中でも多いのが、「葺き替え」と「カバー工法」です。
どちらも屋根の機能を新しくする工事のため雨漏りに有効ですが、どちらが適しているのかは経過している年数や屋根の状態によって異なります。

まずは、それぞれのメリット・デメリットについてみていきましょう。

【カバー工法】

▼メリット
・費用が安い
・工期が短い
・廃材が少なく処分費用が安い
・断熱性と遮音性が高まる

▼デメリット
・瓦屋根は工事できない
・屋根が重くなる
・屋根の劣化が激しいケースでは施工できない
・屋根材が限定される

【葺き替え】

▼メリット
・屋根を完全に新しくできる
・防水紙や野地板など細かい部分まで新しくできる
・屋根を軽量化して地震対策ができる

▼デメリット
・費用が高い
・工期が長い
・廃材が多く処分費用がかかる(特にアスベストを使用している場合)

このように、カバー工法と葺き替えにはそれぞれ異なる特徴があります。
判断のポイントとしては、現在の屋根の劣化状況や使っている屋根材などを主に考えた上で、これから何年住み続けるのか、耐震性を高めたいのか、費用を抑えたいのかなどを含めて考えるのが良いでしょう。

5.カバー工法に最適なタイミングはいつ?

おすすめの時期は築10年~20年未満

劣化が進んだ屋根の写真

手軽に屋根のリフォームができるカバー工法ですが、一体どのタイミングで行うのがベストなのでしょうか。

住宅の築年数ごとにみていきましょう。

【築10年未満】
築10年未満でカバー工法を行うのは、少し早すぎます。ただし、海岸沿いや高台など風の影響を受けやすい地域で、風に弱い屋根材を使っている場合は劣化が進んでいることもあります。
屋根の状態を確認した上で、必要であればカバー工法を検討するのがおすすめです。

【築10年~20年未満】
築10年~20年未満でスレート屋根だった場合、カバー工法を行うベストなタイミングです。
2000年代はじめに製造されたスレートは、アスベストが含まれているものに比べて劣化しやすく、ひび割れや剥がれといった不具合が起こりやすくなっています。

屋根のリフォームを検討しているなら、このタイミングでのカバー工法をおすすめします。

【築20年〜40年未満】
築20年〜40年未満の場合もカバー工法におすすめの時期ですが、築30年を超えている場合、劣化がかなり進んでいることが考えられます。
そのため、カバー工法では修理しきれず葺き替えを選択しなければならないケースも少なくありません。
アスベストが含まれている可能性も高いため、費用が高額になりがちです。

カバー工法でのリフォームを希望しているなら、もう少し早い段階で検討することをおすすめします。

【築40年以上】
築40年以上経過している場合、カバー工法はできません。
屋根下までの劣化が考えられるほか、耐震性にも不安が残りますので他の方法をおすすめします。

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